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平成23年度第1回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 りんくう国際物流株式会社(RIL)のあり方について
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資料1 りんくう国際物流株式会社(RIL)の民事再生手続開始申立てについて |
【総務部】
本日の午後、RILの臨時取締役会が開催される。民事再生の申立が決定されれば、翌日、裁判所に申立を行う。その後日を改めて、RILの申立代理人が債権者説明会を開催。他の債権者に影響を与えるおそれがあるので、本日の資料・議事録については、債権者説明会終了後の公表とさせていただく。
【知事】
報道には、事情を説明しておいてください。
※総務部から資料をもとに説明。
【知事】
- 平成7年の時点で、民間金融機関は担保を設定しているのに府は設定していない。方針に影響を与えるということではないが、その経緯はしっかりと府民、議会に説明するべきであるということを確認しておく。
- この案件に関する債権放棄などは、今度の5月議会で諮ることになるのか。
【総務部長】
民事再生の手続きを開始して再生計画を作ってからになるので、今の予定では9月議会。
【木村副知事】
再生計画は8月末か。
【総務部長】
そのくらいになる。債権放棄議案は9月議会に出すことになる。
【木村副知事】
開始決定はいつか。
【総務部】
早ければ来週中。遅くとも2週間後ぐらいには。
【政策企画部長】
RILの経営が行き詰った原因について確認したい。資料にはOTKから支援が累積で20億円超と書いているが、破たんの要因は一体何か。
【総務部】
やはり過剰な債務。RILはスタート当初に120億円の債務を抱えていた。今はOTKが一棟借り上げているが、年間収入ベースで6億円ちょっと。いまの収入よりもっと高い見込みをしていたのかもしれないが、それにしても、相当な負債を抱えている。
【知事】
過剰設備だったのか。
【総務部長】
そう。2点あって、ひとつは事務所棟と展示施設。後者は民活法の関係で必ず設置しなければならないという条件があった。しかし、ほとんど活用されていない。もうひとつは、関空の伸びに合わせて、物流施設の方は100%近く稼働してはいるが、当初の想定より低い料金設定となっていること。
【木村副知事】
一番のポイントは、事務所棟の営業不振、過大な営業計画。
【総務部長】
宿泊施設もある。物流の運転手が宿泊する前提で作ったが、実際にはニーズはなかった。
【政策企画部長】
1つは、いわゆる3セク一般論として、設備投資額に対して借入金が多かったという資金構成上の問題。2つめは、身の丈に応じていないというか、キャッシュフローに対して施設が過剰だったということ。グレードが高い。民間の施設だと、2千円を割るくらいのレベルで貸しているものが、ここだと当初はもう少し高かったといった話がある。3つめは、民活法の施設というのは、余計な施設を造らされる。総務部長の説明にあったが、展示施設のように「公共性」の名のもとに要らないものまで作らされる。結局、どんどん施設規模が大きくなって、それが経営を圧迫する。この3つなのだろう。
【総務部】
民活法は、中曽根内閣の行革のころに、まちづくりに民間の力を活用するために制定された。一定の自治体の出資や、公共性を持った施設については、政策投資銀行の無利子融資を受けられるというメリットを与え、第3セクターを促進するというもの。
【知事】
その代わり、いろいろな条件をつけていたのか。
【総務部】
- 「公共性がある」という形をとる。純民間、収益のみではダメということで、先ほど申したようなパブリックなホール、展示施設などをつくるよう求められた。
- また、政策企画部長が触れた賃料水準は、関空島の施設に比べると半分程度。
【政策企画部長】
関空島の中にある施設に比べたら安いが、りんくうタウンの中にある他の民間事業者の物流施設と比べたら少し高いのではないか。
【総務部】
- 当初は、FAZ(輸入促進地域(Foregin Access Zone))の指定などでメリットがあるということで高めだったが、現在はかなり低くなっている。
- 今後、関空の二期島での物流施設の設置やLCCの展開などの動きに合わせて、新しい経営主体が賃料をどう設定されるのか。将来の経営見通しはそこにかかっている。
【住宅まちづくり部】
航空貨物を扱うので普通の倉庫よりもセキュリティをしっかりしている。
【総務部長】
たしかに設備はよい。
【政策企画部長】
むしろ設備がよすぎたのかもしれない。
【木村副知事】
再生のスポンサーは出てくるのか。
【政策企画部長】
現状を見ると、物流施設はほぼ100%の稼働。そういう意味でいうと、キャッシュフローに見合う設定単価であればスポンサーはいると思う。
【綛山副知事】
今まで償還が過大だったが、それが圧縮されれば、運営上の利益はある。
【政策企画部長】
キャッシュフローが回るのなら、減価償却や借入償還といった、事業のいわば「発射台」の負担が適切に抑制できれば、利益は出る。
【総務部】
今の経営で、元利償還をのぞけば3億ぐらい利益は出ている。民間がさらにプラスアルファできると見込めば、それに応じた投資はなされるはず。
【木村副知事】
関空の今後の発展を考えれば、りんくうが重要。
【綛山副知事】
東西のデュアル化の議論など、今、物流も関空にどんどんシフトしている。関空を発展させるためにも、この施設の運営は民間に任せる。
【総務部】
物流業者も、湾岸線とも直結して、あの場所はすごくいい立地と評価している。国際貨物の動向が今後どうなっていくか。
【知事】
民間の事業の歯車が回りだしたら、すべては変わってくる。
【総務部長】
政策企画部長の発言にあったRILの破綻の要因については整理して共通認識とすべき。
【政策企画部長】
もうひとつは、今後の話。この事業を継続させる公益性ないし必要性の説明。事業をしっかりと継続するために、この方針に応じるという認識を共有すべき。
【木村副知事】
今日の判断は、OTKの経営判断を、メイン株主としての府が容認するという理解でいいか。
【総務部長】
そう。あわせて、これからになるが、RILの取締役会として民事再生手続きに入るという判断をするということに対しても容認するというもの。
【知事】
とにかく、RILが再生することが、府の出資や貸し付けが毀損することの対価。いわば、公共的な投資になる。従って今後、再生に向けて、スポンサー探しを含めて、府としても、関係者に協力して全力をあげてください。