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更新日:2011年4月25日

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平成23年度第9回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題2】

議題2 (財)大阪府産業基盤整備協会の解散に伴う府貸付金の回収について

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資料2 (財)大阪府産業基盤整備協会の解散に伴う府貸付金の回収について(案)

資料2(PDF:608KB)

資料2(PPT:1,536KB)

※商工労働部より、資料に基づき説明。

【政策企画部長】
本件、意思決定をするにあたってのリスクは何か。

【商工労働部】
将来リスクとしては、貸付金をどのような形で回収するのかということ。最終的に代物弁済をいただくが、これについては鑑定し、一定の資産価値が見込まれている。また、府が引き継いで定期借地事業をすることによって、毎年5億円弱の元金の回収が可能。そういった回収を続けることにより回収上のリスクは一定軽減できるものと考えている。

【政策企画部長】
代物弁済を選択すると、場合によっては債権放棄を伴うかもしれない。今回提案された回収スキームは私的整理だが、法的整理を選択しないのはなぜか。

【商工労働部】
貸借対照表では、財団は190億円程度の資産を持っている。ただし、土地を取得した時期等によって価格が決まる簿価なので、現在の価値ではない。一方、大阪府が貸している135億円についてみると、経年的に負債がふくらんでいっているのではなく、元本を含めて回収ができているという現状。これらを踏まえ、貸借対照表上バランスがとれている現状では、法的整理を求める必要はないと考えている。以上の点については弁護士とも相談した。

【政策企画部長】
要は、毎年のキャッシュフローが成立していることを前提にしているということか。

【商工労働部】
はい。

【政策企画部長】
府が事業を引き継ぐとなると、長期にわたって府が保有することになるが、将来のキャッシュフローが担保できなくなるというリスクはどのように考慮しているのか。

【商工労働部】
はい。現時点で21.6haの定期借地権事業を運営しているが、一部撤退したところでも、すぐに埋まる状態であり、賃料が欠損した年次はない。工業団地が非常にうまく運営されていて、各立地企業の活力が維持されている。空いたところを引き継いで事業したいという企業が現れている。産業基盤整備協会を含めて、地元市、企業が入ったまちづくり協議会等が運営。現在の状況が大きく変わるという想定は必要がないと考えている。

【政策企画部長】
では、将来の訴訟リスクはないと考えてよいのか。

【商工労働部】
そう考えている。

【木村副知事】
本件、ずいぶん議論してきて、きれいな整理になったと思う。一つ確認だが、和泉テクノサポートセンターの無償譲渡に異議はないが、建物の資産価値はないのか。

【商工労働部】
底地は和泉市からの無償貸与。貸してもらえることが前提であれば、継続的に建物価値があるが、貸してもらえなければ、価値はなくなってしまう。

【木村副知事】
譲渡するというのであれば、評価額があるように思うが。

【商工労働部】
国庫補助事業を受けながら、全体で約5億円の建設費用をかけて建設したもの。国庫補助事業であるため、施設の用途は限定されている。産業団地など地域の活性化、産業の振興といった観点で、貸工場、貸事務所を運営するということになっている。目的に合致した機能を維持するのであれば、一定の価値はあるかと思うが、目的外で使用する場合には、国庫補助を全額返還しないといけない。そういったことから、建物そのものの価値というよりは、目的をもった価値にならざるをえないと考えている。

【綛山副知事】

  • 先ほどキャッシュフローは回っていると言ったが、そうではない。単年度貸付を毎年入れなければキャッシュフローが回らないということが基盤協の実態。単年度貸付を繰り返す手法とは決別すべきというのが、大阪府の全庁的な方針。法人のあり様を議論したところ、ストックがあるが、単年度貸付を止めると途端に破綻してしまう。単年度貸付の代わりに、資産を府に渡すという代物弁済の手法によって、この法人が処理できる。
  • 一つ気になるのは、大阪府が平成37年まで土地の賃貸事業を行うということ。土地の賃貸や分譲を、第3セクターや企業会計を活用しながらやってきたが、ことごとく失敗してきた。平成37年まで大阪府として土地賃貸事業を実施し、37年に定期借地権が切れた段階で処分し、相殺する。これがうまくいくかどうかが最大のリスクではないか。

【商工労働部】

  • 我々もその認識。平成37年までの定期借地権事業については、契約を締結した時期により、34年ころから順次終わっていくが、原則は今借りている方に処分する。
  • 平成24年度末で、単年度貸付残額は125億円。平均して平成35年まで10年間定期借地権事業を続けることによって、賃料収入として50億円ほど。結果として残りは約75億円になるが、テクノステージ和泉、津田サイエンスヒルズをあわせた資産の現在の鑑定額は100億円。一定の目減りを想定しても回収可能と考えている。

【総務部長】

  • 我々も、府が定期借地権事業を続けることがいいのかどうかという検討をした。単年度貸付を長期貸付に切り替えて、引き続きこの法人で事業を平成37年度の収束に向けてやるということになると、公益法人の認定を受けられないことになり、税が発生してしまう。そういったことも考慮して、この処理方針を決定したいと思っている。
  • 5億円の収入は、今の定期借地権事業が維持できていることが前提。しっかり部として管理していただきたい。あわせて、平成37年の売却に向けての取組みもしっかりやっていただきたい。そのための会計区分をどうするかは検討させていただきたい。責任が明確になる形で事業承継をしてほしい。

【知事】

  • 単年度貸付は、行政の手法でも特殊で、私も理解するのが大変だった。ストックとフローが区別されていない。貸付金の中でストックになっている資産から回収した現金は本来P/Lには回せないのに、赤字解消に回している。これについては議論してもらい、財政構造改革プランでも単年度貸付をやめる方針とした。
  • 本件について、単年度貸付をやめて代物弁済することになっているが、24年度に貸し付けた130億円は、24年度中に戻ってこなくなるということか。

【商工労働部長】
今年度5億円、来年度5億円減って、最後は125億円。トータル135億円が代物弁済も含めて戻ってくる。

【知事】
それは予算上の話か。

【総務部長】
予算上はキャッシュが返ってくるということで、平成24年度当初予算を組むが、キャッシュで返ってこないので、何らかの予算上の措置をとる必要があるということ。

【知事】
予算上の措置というのはどういうことか。

【総務部長】
歳入に欠陥が生じるので、それを埋めないといけない。

【知事】
そういうところはしっかり説明しなくてよいのか。代物で、ストックで貸付金を消すので実質的にはリスクとはいえないが、予算上の話では、歳入欠陥になる。

【綛山副知事】
予算上は4月1日付で貸付を行うが、年度末に貸金収入で歳入として返ってくるというのが単年度貸付の仕組み。しかし本件では、平成24年度、4月1日付で貸し付けるが、3月31日付で返ってこなくなる。返ってこなくなるという予算処理はしないといけない。現金の見返りに返ってくるのは土地。それが代物弁済の意味。

【知事】
企業会計だと、そこは貸付金を代物弁済で消して終わり。でもそれが予算という話になると変わるのか。

【商工労働部長】
予算は現金主義なので、そうなる。

【知事】
125億円の歳入欠陥となった時に、損をしているイメージにならないのか。

【綛山副知事】
そのかわり、府の財産に土地が加わる。貸付金に見合う価値であれば、代物弁済で相殺される。しかし価値が下がれば、下がった分だけ債権放棄になる。

【知事】
評価損が出たときは実質損になるけれども、実質損以外のところで歳入欠陥というかたちで予算上も問題が出てくる。

【総務部長】
従来であれば125億円を貸して年度末に返ってくるということで予算を組んでいる。歳出歳入で相殺。ところがこの歳入分がなくなり、予算上問題が出てくるので、どこかから持ってこないといけないことになる。平成24年度当初予算を組む際に、そこはしっかり説明する必要がある。

【知事】

  • キャッシュの面で穴が空いたとしても、代物弁済でストックがくるから、本当はバランスがとれている。
  • そこは複雑怪奇。125億円の歳入欠陥となると、現金としてはマイナスなので、また大穴といわれる。しかしそこはそれに見合うストックが入っているという話をしっかりリンクさせて説明しないといけない。
  • 単年度貸付を継続するリスクは総務省の自治財政局通知で指摘されており、要は、貸付先が破たんすると貸付金が戻ってこないということ。しかし、府が事業を承継して続けることにもリスクもある。その両者は同じことになるのか。

【商工労働部長】
事実上は同じ。

【知事】
事業のリスクとしたら同じだとすると、本件は単年度貸付という手法をやめるということか。

【総務部長】
そのとおり。見えにくい負担処理である単年度貸付をやめていこうということが全庁方針。単年度貸付をしているとオーバーナイトという問題が生じる。年度越えのときには市中銀行からその分を借り入れている。現在、借り入れが極めて難しい状況になっているので、ここが限界だと思っている。

【知事】
政策企画部長の言うリスクに関して、何のために本件の処理をするのかという点。事業破たんのリスクを回避するために処理をするかというと、そうではない。府が事業承継してもリスクは同じだから。そうすると行き着くところ、単年度貸付のリスクが問題。

【商工労働部長】
単年度貸付制度というのは継続的ではないと考えている。銀行団からも抜けている銀行があったりして、こういう処理については、長期的にはおつきあいできませんといわれている。反復継続的な単年度貸付はよろしくないということで、これを解消するべきだということが最大の論点。

【知事】
しかし、総務省の自治財政局通知では、貸し付けている相手側が破たんしたときのリスクしか言っていない。単年度貸付を解消したときに、その事業を府が引き継ぐということを想定していないはず。貸付先に破たんリスクがあるんだから単年度貸付をやめましょうといって、単年度貸付をやめておきながら、その貸付先のリスクを府が引き受けてしまっている。だから、単年度貸付はやめましょう、貸付先のリスクは、こちらとは切り離したところでリスク処理するという完全分離の話を、本来は想定していると思う。

【政策企画部長】
ただ、この法人は100%の大阪府の出資法人。いわば連結決算でみれば、リスクが法人にあったとしても、結局のところ大阪府に帰属するリスクだから、同じことなのではないか。

【知事】
では、本件の目的は単年度貸付をやめて、オーバーナイトを終わらせるということか。

【政策企画部長】
大阪府にとってはオーバーナイトが継続できない。オーバーナイトが継続できなかったら、この法人のキャッシュがまわらない。だから法人は解散させて、その処理をどうするかというと、一部債権放棄のリスクは発生するかもしれないが、代物弁済の手法をとりましょうというのが議論の原点。

【商工労働部長】
あとひとつは長期貸付をするかどうかということ。それについては、税の関係で不利になるので、今回提案の処理の方がいいのではないかという考え方。

【知事】
府が事業を引き受けたとしたら、これまで、単年度貸付で貸し付けている125億円が同じくらいかかるのか。この125億円というのは何の費用か。

【商工労働部】
土地を取得するために使ってしまったお金。

【総務部長】
これはもともと、この法人が用地買収を行った資金に加え、和泉コスモ社の土地に定借がついたときには、この法人が買い取ってあとを管理するという仕組みを作ったので、その資金をあわせて貸し付けたもの。だから、その貸付金というのは土地に替わっている。ところが府に対する借金が残っている。それを少しずつ返しているというスキームだった。

【知事】
そしたら、125億円を年度末には返してもらう際には、キャッシュは相手側にあるのか。

【綛山副知事】
そこはオーバーナイトで市中銀行が全部補てんしている。それが単年度貸付の仕組み。知事の仰る総務省の自治財政局通知の趣旨に、単年度貸付についての府の課題を合わせて考えた方がよい。これまで、年度当初に貸して年度末に返ってくるから資金不足ではないという理解をしてきた。しかし、実質としては資金不足と一緒。だから、そういうやり方はやめるべき。資料2の3ページの「1」がそういうことを言っている。総務省の自治財政局通知は単年度貸付であろうが長期貸付であろうが、貸付先が破たんすれば、貸し手側の大阪府にも大きな影響があるということを言っているだけ。資料2の3ページの「1」が問題。オーバーナイトでつなぐようなことは、我々が金融機関に言ってやったけれども、金融機関にとってみても、年度末の貸付残高が増えることになり、金融機関の経営上もおかしい。だからもうおつきあいできませんよという議論のなかで、我々も、きちっと是正する。それが監査の指摘であり、総務省からの指摘。そういう経緯から、今回これをやめにする。そのためには、法人の整理をしないといけない。整理をするためには、貸付金相当額の土地があるから代物弁済をするという論理。

【知事】
135億円というのは、法人にキャッシュがあるわけではなく、銀行と大阪府の間でぐるぐるとまわっているだけということか。

【綛山副知事】
そういうこと。

【知事】
本件の決定方針としては変わらないが、そこの仕組みをきっちりとしてほしい。

【綛山副知事】
知事のおっしゃる、リスクを引き受けるだけでおかしいという議論は、代物弁済で土地をもらうということだから、今の段階ではないということ。

【政策企画部長】
要は、総務省の自治財政局通知では、第3セクターは整理しなさいということを言っている。かつ、整理するときに、可能なら法的処理をしたほうがよいということ。だから私は冒頭、法的処理かどうかを質問した。そうしたら、これは、法的処理ではないとのこと。

【知事】
これまで行政的にいろいろ考えてやってきたが、全庁的に単年度貸付はやめようということになっている。なぜこの単年度貸付をやめるという理由を説明しないと、なぜ本件の処理をするのかがよく見えない。

【政策企画部長】
資料はもう一度整理するが、方針としてはこの資料のとおり確認することとして、関係者との調整を進めていくとすることでよいか。

【知事】
事業を引き受けたときに、人員などはどうなるのか。

【商工労働部】
体制まではまだ決まっていない。

【総務部長】
現在、プロパーは何人いるのか。

【商工労働部】
現在、5人。

【知事】
体制は今後考えるが、部局が主体となるということか。了解。

【木村副知事】
意思決定はあらためて行うのか。

【知事】
資料の問題だけ。今回の審議で決定として構わない。

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