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更新日:2009年9月10日

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初めてのファシリテーター 学習プログラムの解説/「対立」に向き合う姿勢づくり 解説/準備

学習プログラムの解説

「対立」に向き合う姿勢づくり(人権学習シリーズvol.5『ぶつかる力 ひきあう力-対立と解決-』所収

解説/準備

ねらい
多様性を尊重する社会においては、お互いの「ちがい」をぶつかりあう場面は避けて通れません。ぶつからないように距離をとることは、「ちがいを認めあう」のではなく、おたがいを避け、関わろうとしないことであり、ともに社会を生きるあり方とはいえないでしょう。求められているのは、ちがいを認めつつ積極的に関わりあおうとすることであり、そこではぶつかりあったとき、つまり対立が起こったときにどう向き合うかが重要になります。
とはいえ、現実には対立というと否定的なイメージが強い人の方が多数でしょう。特に、対立=争い・けんか・暴力、と思っている人も少なくないかもしれません。ぶつかりあうところにはエネルギーが生まれます。そのエネルギーが傷つけあうほうに作用すれば、争いや暴力につながってしまうことも確かにあります。しかし、エネルギーは新しいものを生み出したり、状況を変えたりする力にもつながるのです。実際、人権の歩みは、社会的に困難な状況におかれた人たちが、「納得いかない」と異議申し立てや抗議の声をあげ、対立点としての課題を明確にすることを通して、多くの人々を巻きこみながら社会のしくみやあり方を変革してきたことの積み重ねです。であるなら、身近な対立も、そのエネルギーをよりよい関係をつくるきっかけにすることができるはずです。
このプログラムでは、まずは対立についてのイメージを出し合い、わたしたちの社会がどのようにたいりつを見ているかをふりかえります。そのうえで、実際に対立を適切に扱うためのスキルを身につけていく前提となる、対立に向き合う肯定的な姿勢づくりをめざします。

学習に入る前に

  • 参加者との出会いを大切にしましょう。
  • 参加体験型で始まるというイメージづくりも必要です。

(詳しくは「参加体験型学習(ワークショップ)を始める前にポイント4」参照)

参加体験型学習の説明

  • 参加体験型学習とは
    皆さん、こんにちは。
    今日は参加体験型学習(ワークショップ形式)で、対立について学びます。
    「ワークショップ」というのは、もともと「工房・作業場」という意味、つまり何かを作り出す場、ということです。ですから、今日の参加体験型学習では、学びを作り出すことをめざしています。作り出すのは、参加者の皆さんです。やりとりしながら、それぞれの方にとって「なるほど」と思えることや「こうしてみよう」と思えることが生まれればいいなと思います。
  • ファシリテーターの自己開示
    今日のわたしの役割は、皆さんの気持ちや考えを大事にしながら進めていく役です。
    皆さんと共に学ぶ気持ちでいます。共に実りある学びの場になりますようご協力ください。

ワンポイント

  • 自分の気持ちや状態に向き合う。
  • 参加者が不安にならないよう、簡単に自分の気持ちを伝える。
  • 共に学ぶというスタンスを大事にする。

学習を始める

  • 学習のねらいの説明
    今日のテーマの「対立」ですが、「対立が好きだ、得意だ」という方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。けれど、人権尊重と対立は切っても切れないものなのです。一人ひとりの個性・違いを尊重しよう、ということは、皆さんも合意していただけると思います。「違いを豊かさに」ということもよく言われます。とはいえ、実際に一緒にやっていくときに違いがあると、そうすんなりいくことばかりではなく、いろいろな調整が必要だったり、ときにはぶつかり合ったりすることもあるわけです。それがいやで、避けたり距離を置いたりしてしまうことは、「お互いを尊重する」とはいえないのではないでしょうか。
    「違いを豊かさに」する関係を育むために、「対立」にしっかり向き合ってみよう、というのが今日のねらいです。
  • ルールの説明
    (詳しくは「参加体験型学習(ワークショップ)を始める前にポイント5」参照)

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