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初めてのファシリテーター 発刊にあたって
発刊にあたって
人権学習・人権研修を、参加体験型のプログラムで行おうとする場合が増えています。こうした要望にお応えするために、参加体験型学習の教材として、これまで人権学習シリーズvol.1から5を作成してきました。また、学習プログラムを体系的に作っていくために、『人権学習のプログラムづくり』を作成しました。
しかし、その学習プログラムの実際の担い手であるファシリテーター(学習の進行・促進役)の方の中には、経験があまりなかったり、あるいは初めてという方も少なからずおられます。そうした場合、ファシリテーターになった方は、なんとか参加者に人権問題を学んでもらおうとがんばりますが、その過程では、たくさんのとまどいや不安、疑問などが生まれているのではないでしょうか。
これまで人権学習シリーズをお使いいただいた方々に、どういった教材を求められますか、というアンケートを実施するとともに、何人かの方にはインタビュー調査を実施させていただきました。その結果、経験がない中で「講師」という責任ある役目を担うことへの不安や、進め方の手順がよく分からないといった素直な感想と、実施にとまどう姿が見えてきました。
このようなことを受け止め、このたび、人権学習シリーズの入門ガイド『初めてのファシリテーター』を作成しました。この入門ガイドでは、これまで作成してきた人権学習シリーズから2つの教材を選び、その進め方の解説やポイントとなるところ、さらに予測される参加者の反応に対するアドバイスを盛り込み、経験の少ないファシリテーターがよりスムーズに学習・研修を進めるための、きめ細かな解説書となるよう作成に留意しました。
この入門ガイドを活用していただくことにより、人権学習シリーズで人権学習・研修を進める際に、初めてファシリテーターを経験する方の不安が少しでも軽減されるとともに、受講された皆さんにとってもその内容が現実の課題を解決すための道筋へとつながるなど、人権学習・研修がより充実したものとなることを心から願っています。