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更新日:2009年9月10日

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初めてのファシリテーター 学習プログラムの解説/多様な見方・考え方 1.解説/自己インタビュー

学習プログラムの解説

多様な見方・考え方(人権学習シリーズvol.4『ちがいのとびら-多様性と受容-』所収

解説/1 自己インタビュー(30分)

自己紹介インタビュアー(30分)

ウォーミングアップとして取り入れます。
自己紹介をするのに何を話すか考えてもらいます。ふたり組になり、考えたことを元に自己紹介をします。時間は1、2分程度、傾聴の姿勢で行います。
次にふたり組を変えて、今度は相手を知るために何を聞くかインタビューの内容を考えてもらいます。お互いに2、3分ずつインタビューをします。2つの自己紹介をしてどう感じたかを振り返ります。

<傾聴のポイント>

  • 1)心をむける:「自分の番がきたら何を話そう」などほかの事を考えずに、話し手に集中します。
  • 2)体全体で共感をあらわしながら:姿勢や相槌など、全身で聴く姿勢をあらわします。
  • 3)質問しない:質問されると、それに答えなくてはならなくなります。ここでの傾聴は、話し手が好きなように話せることを大切にしたいので、質問はなしです。
    ※このポイントは、このアクティビティでのもので、「傾聴」一般のものではありません。
    ※質問はしないが、黙って聴くということではありません。「へぇ」「なるほど」「それで」など、ふつうの応答や話しを促す言葉は構いません。

ファシリテーターの問いかけ

  • 「話す側と質問する側とどちらのほうがやりやすかったですか」
  • 「それぞれで話す/質問する項目はどのようにして決めましたか」
  • 「自分で話すときと、相手から質問されたときで、共通していた項目がありましたか」
  • 「相手によって選ぶ項目は違っていたでしょうか」
  • 「項目の選び方についての特徴がありましたか。その特徴について話してみましょう」

「自己紹介インタビュアー」のフロー図。<ステップ1> 自己紹介するのに何を話すか考えてもらう(5分)→ふたり組になって考えた項目で自己紹介をする(5分)<ステップ2> 相手を知るために何を聞くか考えてもらう(5分)→ふたり組を変えてお互いインタビューする(5分)→ファシリテーターの問いかけ(10分)

ステップ1

皆さんは初めて人と出会った時、自分のことをどのように伝えますか。自己紹介をする時に〈相手に伝えたい自分自身〉とは何でしょう。まず、自己紹介で何を話すか考えてください。
いまからふたり組みのペアになっていただいて、自己紹介をしていただきます。近くの方とペアになってください。

ワンポイント
参加者の関係があまりない場合は隣どうし、または近くの人でふたり組をつくる。
参加者どうし関係がある場合はできるだけ話をしたことがない人とペアを組んでもらう。

ふたり組になってもらう。
全体を見渡しながら、ペアが成立しているかどうか気を配る。

こんな場合
参加者が奇数の場合は3人組を作るか、主催者に入ってもらい、偶数にする。
3人組を作った場合は、ペアで1分づつの自己紹介をした後、3回目の1分をとる。
3回めの1分について、ペアはフリーに話をしておいてもらってもよい。

[板書の例]の図 ホワイトボードの上に横線を引き、真ん中にタテ線を引く。横線左上に「自己紹介」と書き、その人に例として名前・自己紹介と1列づつ書いてある絵

時間は1人1分程度にします。こちらで1分間計ります。
自己紹介の項目は名前や所属などですが、それ以外に自由に話していただいて結構です。

項目を簡単に黒板(ホワイトボード)に板書する。

この1分間は話す人の1分です。聴く人はまずは傾聴でお願いします。
傾聴のポイントは次の3つです。 ※「自己紹介インタビュアー」傾聴のポイントを読む。

ステップ2

こんな場合
ほとんど反応なく、人権学習の枠組みで緊張した雰囲気もあり、「何を言ったらいいんですか」という発言が出るときもある。
ご自分が自己紹介で伝えていることを思い出して考えてもらえばよい。

次に相手を知るために何を聞くか項目を考えてもらいます。
皆さんが相手を知るために聞きたいこと(インタビューすること)は何ですか。
初めての人に出会ったとき、こちらから聞きたいことです。

先ほどの黒板を使って書き足す]の図 先ほど出た自己紹介の横 横線右上に相手を知るために聞くことを書き、その人に例として名前を書く[実際の板書の例]の図 自己紹介で何を言うの欄に・名前・住所・サークル何をしているか・年代、出身地・趣味、家族・仕事

先ほどのふたり組と違った相手を探して、新しいふたり組を作ってください。

先ほどと違う人とふたり組になってもらう。

今度は、板書した項目でも結構ですので、相手にインタビューしていただきます。
先ほどの自己紹介とは違って、相手が聞いてきたインタビューの項目に答えるというものです。

こんな場合
「何を聞いてもいいのですか」という参加者からの質問に対しては、板書で出してもらった項目でインタビューしても良いし、新たに聞きたい項目でも良いということを伝える。
パスもオーケー。必ず答えなくても良い、と伝えてもよい。

いま、自己紹介で話す側と質問される側とどちらがやりやすかったですか。
「話すほうがやりやすい…」「質問で答えるほうがやりやすかった…」と、それぞれ感じ方は違うのではないでしょうか。
それぞれの違いがありますが、では、話す項目と質問する項目はどのように決めましたか。自分で話すときと、質問されるときに共通した項目はありましたか。私たちは、どのようにしてこの項目を決めているんでしょうか。
2つの方法で自分の紹介をしてどう感じたか、先ほどのふたり組で話し合ってください。

話し合いのようすを見て区切り、次に進む。

自己紹介で自分があたり前に話したり聞いていたことも、人によってはそうではない場合もあったのではないでしょうか。
それぞれが無意識に判断していることや、相手に対して持つ関心、興味の違いについて深めていきましょう。

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