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VI 穀類の病害虫防除
未成熟とうもろこし(スイートコーン)
・農薬取締法上、未成熟とうもろこし(スイートコーン)は、野菜ではなく「穀類」(旧分類では「雑穀類」)の「とうもろこし」に含まれるので、「野菜類」で登録された農薬は使用できない。「未成熟とうもろこし」「とうもろこし」「穀類」に登録のある農薬が使用できる。
・ヤングコーン(ベビーコーン)としてとうもろこしの幼果(雌穂)を収穫する場合は、「穀類」ではなく「野菜類」に該当するので「ヤングコーン」か「野菜類」に適用のある農薬を使用すること。
・なお、スイートコーンの2番穂以降を若取りしてヤングコーンとして出荷する場合には、ヤングコーンの収穫終了までは『スイートコーンとヤングコーンの両方に使用可能な農薬』しか使用できないので注意する。3種類の作物名があって混乱しやすいため、この項目についてはすべての農薬について対象作物名を記載している。
先頭に●印のある剤は、ヤングコーンまたは野菜類にも登録のある剤(スイートコーンとは登録内容が異なるものもあるので使用前に要確認)
苗立枯病
防除方法
1 は種前の種子に下記の薬剤を粉衣する。
●ベンレートT水和剤20 <M3> <1>【とうもろこし 乾燥種子重量の0.5% は種前/1回】
アワノメイガ
留意事項
1 成虫が雄穂に産卵し、ふ化した幼虫が茎や子実に移動食入して喰い荒らす。
2 幼虫が食入してしまうと農薬が効かないので防除時期を逸しないよう注意。
3 フェニックス顆粒水和剤はヤングコーンにも登録がある。
防除方法
1 雄穂の先端が見え始めた頃に、下記の薬剤を散布する。
・トレボン乳剤 <3A>【とうもろこし 1000倍 7日/4回】
●フェニックス顆粒水和剤 <28>【とうもろこし・ヤングコーン 2000~4000倍 前日/2回】
・スミチオン乳剤 <1B>【とうもろこし 1000倍 7日/4回】
・マトリックフロアブル <18>【未成熟とうもろこし 2000倍 前日/3回】
オオタバコガ
留意事項
1 薬剤抵抗性が生じやすいので、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
2 アファーム乳剤、コテツフロアブル、フェニックス顆粒水和剤はヤングコーンにも登録がある。
防除方法
1 発生を認めたら下記の薬剤を散布する。
・プレオフロアブル <UN>【未成熟とうもろこし 1000倍 前日/2回】
●アファーム乳剤 <6>【未成熟とうもろこし 1000~2000倍 3日/2回】【ヤングコーン 1000~2000倍 前日/2回】
・デルフィン顆粒水和剤 <11A>【とうもろこし 1000倍 発生初期 (前日)/-】
●コテツフロアブル 劇 <13>【とうもろこし・ヤングコーン 2000倍 前日/2回】
●フェニックス顆粒水和剤 <28>【とうもろこし・ヤングコーン 2000~4000倍 前日/2回】
アワヨトウ
留意事項
1 幼虫がとうもろこしの葉の周縁部を食害する。
2 主に葉の食害なので生育初期から被害がある。被害を見落とさないように注意。
3 アワヨトウはイネの害虫でもある。
4 アファーム乳剤はヤングコーンにも登録がある。
防除方法
1 発生を認めたら下記の薬剤を散布する。
●アファーム乳剤 <6>【未成熟とうもろこし ヨトウムシ 1000~2000倍 3日/2回】【ヤングコーン ヨトウムシ 1000~2000倍 前日/2回】
・トレボン乳剤 <3A>【とうもろこし 1000倍 7日/4回】
・アグロスリン乳剤 劇 <3A>【とうもろこし 1000倍 7日/3回】
アブラムシ類
留意事項
1 薬剤抵抗性が生じやすいので、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
2 モスピラン顆粒水溶剤はヤングコーンにも登録がある。
防除方法
1 発生を認めたら下記の薬剤を散布する。
●モスピラン顆粒水溶剤 劇 <4A>【未成熟とうもろこし 2000~4000倍 前日/3回】【ヤングコーン 2000倍 前日/2回】
・アグロスリン乳剤 劇 <3A>【とうもろこし 1000~2000倍 7日/3回】
・オルトラン水和剤 <1B>【未成熟とうもろこし 1000倍 7日/2回】
・コルト顆粒水和剤 <9B>【未成熟とうもろこし 4000倍 前日/3回】