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ご利用の前にお読みください
1 本指針は、環境への配慮や安全性の確保、農業生産コストの低減等のため、総合防除の観点から耕種的防除に重点をおいて作成しました。
2 農薬による防除を補完的に実施する場合、農薬は登録農薬の中から試験研究等の成績等に基づき、関係者が検討の上、低毒性農薬を中心に代表的なものを選定しました。
また同一作用機構の農薬の連用は病害虫に耐性や抵抗性が発現する恐れがあるため、体系防除を勘案して農薬を選定しました(IRAC、FRACコード *1 を参考に分類 *2)。
*1 IRAC、FRAC等コードについては、農薬工業会のホームページhttps://www.jcpa.or.jp/labo/mechanism.htmlを参照。
*2「Ⅲ 農薬適正使用について [参考]3 農薬の系統について」の項の表を参照。
農薬の使用法については、使用者が遵守すべき基準(使用基準)により記載しています。
使用時期及び使用回数の記載は次のとおりとしました。
薬剤名 毒性 ※RACコード【希釈倍率または使用量 使用時期/使用回数】 ※(HTMLページ)QoI剤やSDHI剤のRACコードは<<11>>のように二重括弧で表記 |
(例)A乳剤 劇 <1B>【1000倍 21日/2回】、B粒剤 <<11>><4>【3kg/10a 定植前/1回】
希釈倍率・使用量……フロアブル剤・水和剤・乳剤等は、使用時の希釈倍数を表示。粒剤や粉剤等は、10a当たりや1株当たりの使用量を表示。
使用時期………………「○日」と記載の場合、収穫○日前まで使用可能を表す。
「前日」の場合は、収穫前日(24時間前)まで使用可能を表す。
「定植時」や「は種前」と表記する場合もあります。
「-」の場合は、使用時期制限が定められていません。
例:21日/2回… … 収穫21日前まで2回以内
定植時/1回 … 定植時に1回のみ
使用回数……1作(注)に同じ農薬を使用できる回数。「-」の場合は、制限が定められていません。ただし、異なる農薬名であっても同じ有効成分を含む場合があります。有効成分毎の総使用回数も別途定められているので注意が必要です。
詳しくは、次の例を参考にしてください。
(注)1作とは、は種から収穫終了までの期間を示します。果樹等の永年性作物の場合の1作は、前作の収穫終了後から今作の収穫終了までを示します。
(例)
農薬名 |
有効成分名 |
総使用回数 |
A |
成分X |
2 |
B |
成分X |
2 |
成分Y |
2 |
A剤とB剤は別の農薬ですが、ともに成分Xを含んでいます。
成分Xの総使用回数は2回なので、A剤、B剤は合計して2回までしか使用できません。
毒性……劇物に指定されている場合は劇、毒物に指定されている場合は毒と表示。(普通物の場合は表示しません)。
RACコード…必要に応じてRACコード(農薬の作用機構分類)を表示。RACコードとは、「世界農薬工業連盟」(CLI:Crop Life International)が農薬の作用点
(害虫や病原菌、雑草等のどこに作用するのか)や作用機構(効果を発現する仕組み)から、農薬の有効成分を分類したコードです。RACコードには殺菌剤のFRAC(エフラック)、殺虫剤のIRAC(アイラック)、除草剤のHRAC(エイチラック)があります。
薬剤の抵抗性、耐性を生じにくくするため、RACコードの数字部分が同じ薬剤の連用は避けましょう。特に近年、耐性菌が発達しやすく注意が必要なQoI剤(アミスター、ストロビー等)やSDHI剤(アフェット、パレード等)は、1作に1回程度の使用に控えるよう注意してください。
(わかりやすくするため、<<11>>や<<7>>のように二重括弧で表記)。
(本指針に掲載したRACコードと主な有効成分系統名の対応については、「Ⅲ 農薬適正使用について [参考]3 農薬の系統について」の項の表を参照)
・(参考)水産動植物に影響がある農薬について
魚介類、甲殻類、藻類など、影響を及ぼす水産動植物の種類や影響の程度は農薬により異なるので、詳細はそれぞれの農薬ラベルで確認してください。
・農薬登録更新情報については、独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(略称:FAMIC)のホームページを参照してください。https://www.acis.famic.go.jp/searchF/index/index.html
・掲載した「農薬登録における適用作物名(作物分類表)」については、令和6年4月1日現在最新(最終改正:令和6年4月1日)のものです。
(独)農林水産消費安全技術センターの「農薬の適用病害虫の範囲及び使用方法に係る適用農作物等の名称について」https://www.acis.famic.go.jp/shinsei/index.htm で公開されています。
この病害虫防除指針に掲載の作物は、この作物分類表に従って分類・表示しています。
・以降の農薬登録変更に応じ、Web版防除指針の記載内容を適宜アップデートし、病害虫防除Gホームページ https://www.pref.osaka.lg.jp/o120090/nosei/byogaicyu/boujo_shishin.html で公開します。
・最新の農薬登録内容については、農林水産省「農薬登録情報提供システム」のホームページ https://pesticide.maff.go.jp/ で確認してください。
また、農薬の使用にあたっては、必ずラベルの記載内容を確認してください。
・掲載した農薬は、令和6年3月31日現在の登録農薬です。