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更新日:2024年7月8日

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V 水稲の病害虫防除

水稲 その1(育苗~田植時箱施用)

作型表注記

水稲作型表


水稲の種子消毒
1 種子消毒薬剤の使用方法

農薬名

RACコード

希釈倍数

浸漬時間

ばか苗病

いもち病

ごま葉枯病

もみ枯細菌病

苗立枯細菌病

イネシンガレセンチュウ

苗立枯病

トリコデルマ

リゾープス

ピシウム

フザリウム

テクリードCフロアブル

3

M1

20倍(高濃度)

10分

 

   

200倍

24時間

 

   

ベンレートT水和剤20

 注(3)

M3

1

20倍(高濃度)

10分

   

200倍

6~
24時間

               

24~48時間

   

       

400倍

24~48時間

               

エコホープDJ

 注(4)

BM2

200倍

催芽時:24時間

 

   

   

浸種前~催芽前:24~48時間

 

   

   

スミチオン乳剤

1B

1000倍

は種前:6~72時間

         

       

パダンSG水溶剤

14

1500~

3000倍

浸種前:24時間

         

       

(注)
(1)ばか苗病等の発生の多いところでは、高濃度短時間浸漬の方法で処理する。
(2)薬液の温度は10℃以下や30℃以上を避ける。
(3)ベンレートT水和剤20は、浸漬処理後風乾すること。
(4)エコホープDJは生物農薬で耐性菌出現のリスクが低いが、ベンレート水和剤等、併用できない薬剤があるので注意する(効果)。また処理後は風乾せず、直ちに浸種あるいは催芽させる。
(5)スミチオン乳剤、パダンSG水溶剤は、いずれかをイネシンガレセンチュウ消毒剤として、同虫に登録の無い殺菌剤の浸漬処理時に混和して使用する。


水稲種子消毒


主な水稲箱施用剤適用病害虫一覧表(主な使用法のみ抜粋)
1 下記の使用法以外の使用方法もあるので詳しくは各剤のHPを参照すること。
2 薬剤によっては、適用のない病害虫もあるので下表を参照する。
3 SDHI剤(7等)は耐性菌が出現しやすいので、1作1回程度の使用に努める。
4 他作物に影響を及ぼす場合があるので、薬剤が育苗箱からこぼれ落ちないように処理する。

農 薬 名

成分数

 

RAC

コード

育苗箱

1箱

当たり

使用量

(g/箱)

 

 

使 用

時 期

適 用 病 害

適 用 害 虫

いもち病

 

紋枯病 白葉枯病 もみ枯細菌病 内穎褐変病 穂枯れ(ごま葉枯病菌) ウンカ類 ツマグロヨコバイ

ニカメイチュウ

(ニカメイガ)

 

コブノメイガ

イネツトムシ

(イチモンジセセリ)

イネミズゾウムシ イネドロオイムシ イナゴ類

フタオビコヤガ

(イネアオムシ)

殺菌

FRAC

殺虫

IRAC

 

 

リディアNT

箱粒剤

1

4F

 

50

は種前(床土混和)

           

     

   

は種時(覆土前)~移植当日

           

   

 

移植3日前 ~移植当日

                   

     

ブーンアレス

箱粒剤

2

-

P8

50

は種前(床土または覆土混和)

 

は種時(覆土前)~移植当日

 

スタウト

アレス箱粒剤

稲名人箱粒剤

2

-

P3

50

は種前(床土または覆土混和)

 

は種時(覆土前)~移植当日

 

ビーム

プリンス粒剤

2

2B

16.1

50

移植3日前~移植当日

         

 

 

サンスパイク

箱粒剤

3

28

4E

16.3

50

移植3日前~移植当日

 

 

 

ブイゲット

フェルテラ

ゼクサロンL粒剤

3

28

4E

P3

50

緑化期~移植当日

 

   

 

移植3日前~移植当日

       

                   

サンフェスタ

箱粒剤

3

28

4A

16.3

50

移植3日前~移植当日

 

 

防人箱粒剤

3

28

4E

P3

50

は種時(覆土前)~移植当

 

 

稲大将箱粒剤

3

-

P3

7

50

は種時(覆土前)~移植当日

フルスロットル

箱粒剤

4

28

4E

P3

7

50

は種時(覆土前)~移植当日

   

 

移植当日

       

                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

適用病害虫について:○・・・適用あり
※使用量は30×60×3cmの育苗箱で床土+覆土約5L、10aあたり20箱移植を前提としている。高密度には種して10aあたりの苗箱数を少なくする場合は別途メーカーの指示に従うこと。


苗立枯病

留意事項
1 糸状菌による苗病害の総称。
2 主に別表の6種の病原菌がある。
3 箱育苗で発病が多い。
4 予防には種子消毒を徹底すること。
5 粉剤を床土混和する場合は、まず砂土等で薬剤を増量してから床土に混合するとムラになりにくく混ぜやすい。
6 前年使用した育苗箱を用いる場合は、イチバン500~1000倍液に瞬時浸漬、またはケミクロンG1000倍液に10分間浸漬または、500倍液に瞬間浸漬もしくはジョウロ散布して消毒してから使う。 (ⅩⅣ 農業用資材の消毒法 参照)

(別表)苗立枯病病原菌の種類と薬剤の効果の関係 (○は効果有)

 

白絹病菌

トリコデルマ菌

ピシウム菌

フザリウム菌

リゾープス菌

リゾクトニア菌

ダコニール

       

 

タチガレン、

タチガレエースM

   

   

バリダシン

       

ベンレート

 

 

   

ナエファイン

   

 

 

防除方法
1 土壌水分の管理に注意し、過湿、過乾を避ける。
2 温度の激変は本病発生の原因となるので、苗を高温、低温にあわせないようにする。
3 は種前に下記の薬剤を育苗箱(30×60×3cm 使用土壌約5L)の土壌に均一に混和する。
タチガレン粉剤 <3><2>【苗立枯病(ピシウム菌、フザリウム菌) 3~6g/箱 は種前/1回】

4 は種時に下記の薬剤を育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)に土壌かん注する。
タチガレエースM液剤 <32>< 4>【苗立枯病(ピシウム菌、フザリウム菌) 500~1000倍 500ml/箱 は種時または発芽後/1回】または【苗立枯病(ピシウム菌、フザリウム菌)1000倍 1L/箱 は種時/1回】

ダコニール1000 <M5>【苗立枯病(リゾープス菌) 500~1000倍 500ml/箱 は種時~緑化期(は種14日後まで)/2回】または【苗立枯病(リゾープス菌) 1000~2000倍 1L/箱 は種時~緑化期(は種14日後まで)/2回】

ナエファインフロアブル <U17>【苗立枯病(ピシウム菌、リゾープス菌、フザリウム菌) 2000倍 500ml~1L/箱 は種時/2回】または【苗立枯病(ピシウム菌) 1000~2000倍 500ml/箱 は種時~緑化期/2回】または【苗立枯病(リゾープス菌、フザリウム菌) 1000倍 500ml/箱 は種時/2回】

5 育苗中に発生を認めたら速やかに下記のいずれかの薬剤を育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)にかん注もしくは土壌かん注する。
ベンレート水和剤 <1>【苗立枯病(フザリウム菌) 500~1000倍 500ml/箱 は種時/2回】または【苗立枯病(トリコデルマ菌) 500~1000倍 500ml/箱 または 1000倍 1L/箱 は種時/1回 または は種時とは種7日後頃/2回】

タチガレエースM液剤 <32> <4>【苗立枯病(ピシウム菌、フザリウム菌) 500~1000倍 500ml/箱 は種時または発芽後/1回】または【苗立枯病(ピシウム菌、フザリウム菌) 1000倍 1L/箱 は種時/1回】

バリダシン液剤5 <U18>【苗立枯病(リゾクトニア菌、白絹病菌) 1000倍 500ml/箱 は種時~発病初期/1回】

 

 

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