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令和6年度大阪府災害時歯科保健医療提供体制推進懇話会
日時 |
令和5年8月5日(月曜日)14時から16時15分 |
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場所 | 國民會館大阪城ビル12階 武藤記念ホール |
出席 者 |
久保庭委員、清水委員、杉立委員、高橋委員、中久木委員、中島委員、前川委員、山口委員、山本委員、若井委員(五十音順) |
議事 概要 |
1 座長選出 委員互選(大阪府災害時歯科保健医療提供体制推進懇話会設置要綱第4条第2項)の結果、高橋委員が座長に選出された。 2 議 事 (1)DMATについて 若井委員より「資料2 DMATについて」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 日本のDMATは他国と比べて如何か。 ⇒一例では、台湾DMATは日本のDMATに学んでくださっている。世界を見ると病院、施設の制度が違う。例えば、アメリカは病院と病院間の距離があるため、新たにその間に野戦病院的な施設をまず作っている。日本は病院を支える方が良い、という認識で活動している。 既存の病院をたてなおす方が先という感覚か。 ⇒日本では、どれだけ人の命を救うかが先。病院を救うほうが大事、ということが20年間の活動で解かってきた。 (2)JDATについて 中久木委員より「資料3 JDATについて」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 資料13ページでJMATと連携となっているが、JDAT単独で活動しても災害救助法で認められている活動ということか。 ⇒御認識のとおり。 能登地震では石川県庁本部には歯科のコーディネーターが入っていたか。 ⇒県庁にはいなかった。JMATから要請はあったが中々行けなかった。時々、歯科医師会事務局長が本部に行っていたことはあった。 大学の役割は非常に大きいと感じられる。両大学と歯科医師会の連携をすすめたい。 まず、迅速対応時には病院から人を出すのが最も現実的という話だった。状況が多岐にわたるので平時に出務できる人員のリスト作成が必要と思われた。 (3)歯科医療救護活動における各関係機関の認識について 事務局より「資料4 大阪府における災害歯科時保健医療提供体制の課題認識」の説明を行ったのち、各関係機関より課題認識等の発言をいただいた。 【意見、質疑応答(抜粋)】 歯科のコーディネーターは現状では歯科医師会だけか。 ⇒御認識のとおり。 歯科診療所が稼働できない場合、患者の受け入れ等、病院で対応することも必要と考える。 被災地からのデータを元に無事な遠隔地から必要な技工物を作成、発送できる体制があるとよい。現地の生活物資なども消費しないで済む。 歯科衛生士会では安否確認訓練を実施しているが全会員の参加には至っていない。被災地支援に意欲的な会員も多い。災害対応可能な歯科衛生士の養成を続けていきたい。 大学も外部との連携、役割分担の整理をしていきたい。 法歯学は大学でも取組んでいる。学生の頃から災害に関する学びも必要。 病院歯科はマンパワーが足りていない。災害拠点病院では災害訓練は実施されていると考えられるが、他の病院歯科では訓練がないと思われる。スキルアップが必要。 JMATとJDATとの連携が必要と感じた。JMATは、東日本や今回の能登半島では病院単位で申し 込みがあった。病院メインで看護師、若手医師と地区医師会等での混成チームの参加もある。地区 の工夫次第でチームができている。 (4)通信機器の整備について 事務局より「資料5-1 通信機器整備事業について」、山本委員より「資料5-2 大阪府歯科医師会による調査概要」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 通信はスターリンクが使い勝手が良い。ネット通信もできる。 安否確認は、地区歯科医師会から問題があった場合にボトムアップで連絡することが合理的。府歯科医師会が聞いて回ると時間がかかる。 (5)その他 歯科で支援が必要な資源は何になるか。 ⇒口腔ケアに限ると、歯ブラシと少量の水でよい。歯科治療は、電気、多量の水が必要。口腔外傷は病院歯科が対応となる。 稼働している病院歯科にかかりつけ歯科医が出向き、担当患者さんを診ることはできるのか。 ⇒技術的に可能だが、病院が民間か公立か状況により異なる。スペースには限りがある。診療時間の工夫や調整が必要。 |
配付資料 |
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令和6年度第2回開催状況
日時 | 令和7年3月3日(月曜日)14時から15時40分 |
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場所 | 國民會館大阪城ビル12階 武藤記念ホール |
出席 者 |
木田委員、久保庭委員、杉立委員、高橋委員、中久木委員、中島委員、前川委員、山口委員、山本委員、若井委員(五十音順) |
議事 概要 |
(1)第1回懇話会での各委員意見について 事務局より「資料2 第1回懇話会での各委員意見概要」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】なし (2)通信機器の整備状況について 事務局より「資料3 衛星携帯電話機器の配備状況一覧」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 ・衛星携帯電話の配備は各歯科医師会で今後増えるようなことはあるのか。また、全国的に歯科医師会の衛星携帯電話の配備状況はいかがか。災害時の対応にどのように使用するのか。 ⇒本年度単年事業で今後新たに配備することは今のところ考えていない。配備している都道府県歯科医師会は多分ない。電話、FAX、メール、携帯電話のSNSなどが使える場合はそちらが第1選択で、それらが使えない状態で連絡必要時に衛星携帯電話を非常用手段と して使う位置づけ。 (3)近畿地方DMATブロック訓練の振り返りについて 事務局より「資料4 近畿地方DMATブロック訓練の振り返り」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 ・この訓練は通信に関しての訓練をされたのか。 ⇒歯科については本庁の保健医療調整本部と大阪府歯科医師会事務局との通信訓練を実施。 来年は京都で実施されるが参加はされるのか。 ⇒京都への参加は予定しておらず、本府では大阪府地震津波災害対策訓練を例年開催している状況。 ・DMATは3階層になっており、大阪府、地域本部、そして実際にはその地域の中の病院が被災したということで入っていくが、歯科は大阪府にだけ本部を設置し、それ以外の情報はDMATが地域の情報を大阪府の保健医療調整本部へ上げるので、そこに歯科が連携するということなのか。 ⇒歯科は、大阪府と大阪府歯科医師会は3階層目の都道府県レベルの対応。二次医療圏を飛び越し、市長村と各地区歯科医師会が連携 し、そこからダイレクトに市町村からの情報となる可能性がある。政令市や中核市については、各市で情報が集約されたものが直接大阪府に来ると認識。 ⇒各市町村の地域防災計画に歯科がどれぐらい関わっているのかは多様。保健医療福祉調整本部は各市町村が設置するはずだが、歯科 が関われる体制になっているのかどうかはっきりしない。二次医療圏は重要で、JDATとして石川県七尾市に行った際、中能登圏域の連絡調整会議に出席した。大阪府の場合、二次医療圏ごとに調整本部が必要かどうかは、歯科だけの問題ではなく全体の中で作るか どうかになる。情報伝達に関しては、市町村ごとの調整本部と大阪府の調整本部と二つ並びになるが、実働は市町村の調整本部になる と思うので、そこと連携し、必要なものがあれば、大阪府に上げて大阪府が手配をし、各地域の調整本部と連携をするという認識。 訓練に参加した感想として、将来は大学病院等とも今回のようなシミュレーションができたらよい。 ・大阪府歯科衛生士会と大阪府歯科技工士会にはどのタイミングでどう連絡が入るかは既にシミュレーション済みか。 ⇒大阪府歯科医師会は大阪府歯科衛生士会、大阪府歯科技工士会と協定に基づいて連携体制をとるが、各地区、各市町村の中での連携は支部区分が違い難しい。各地区からの歯科衛生士や歯科技工士の出務要請依頼は大阪府歯科医師会が窓口になるか決めておく必要がある。 ⇒大阪府歯科衛生士会でもロジとコーディネーターがおり、直接、大阪府歯科医師会の担当歯科医師から担当歯科衛生士に連絡がある 状況。地区歯科医師会とは連携が取れていない所もあるが、連携が取れてるところは災害フォーマットを作り、どこの避難所に誰が行 くのか、連絡系統があるところもある。 ・大阪府に委嘱されている災害医療コーディネーター(歯科)は今3人で、大阪府に委嘱されているからこそ、大阪府に依頼されたらやらなければいけない。それを3人で廻せるか廻せないかということで、必要があれば大阪府に増員要望せざるを得ないのではないか。 ⇒コーディネーターの種類が多く、色々なコーディネーターがある。1人で何ヶ所かのコーディネーターを兼ねることが起きうる。 また、コーディネーターでない者がコーディネーターの役割をする必要も出てくると想定される。大阪府庁で全体を見通せる人間、 また、大阪府歯科医師会の災害対策本部との調整役が大阪府歯科医師会の方にも1人必要。コーディネーター研修を都道府県単位で実施し、各市町村や各地区歯科医師会に1人は研修受講者がいて、いざとなれば全然知らない人ばかりではないという体制を作りたい。 現状では、災害医療コーディネーター(歯科)の3人の負担はすごく大きくなるという認識。全員が出動できるとは限らず、委嘱人数は多ければ多いほどいい。大阪府で、何か考えがあればお願いしたい。 ⇒3名でないと駄目というわけではない。大学や病院歯科でもコーディネーターを担っていただけるのであれば委嘱することも問題なく、 内部で協議をさせていただき、人数を増やすことは問題ない。 ⇒JDATはスタートしたばかり。今後、コーディネーターの件も含め、日本歯科医師会や大阪府にも要望していきたい。本懇話会を今後も開催していただき、より府民の方が安全に過ごせるようしていきたい。 ⇒今後の課題であり、大学関係にも要望が来るということは持ち帰り検討させていただきたい。 (4)大阪府地震・津波災害対策訓練(117訓練)の振り返りについて 事務局より「資料5 大阪府地震・津波災害対策訓練(117訓練)の振り返り」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 ・衛星携帯電話は建物から離れないと電話はかからないのか、どこで電話できるのか、南側、天気とか、そういうのは訓練でどうだったか教えてほしい。また、何か起きたときに電源を入れて電話がかかってくるのを待つのか。四六時中電源が入っていて、そこに置いてあるイメージか。 ⇒南の空にアンテナを向ければ屋内でも十分通じる。南にアンテナを向けて喋るとアンテナの向きが変わって切れるため、アンテナを 向けたまま喋るか、イヤホンかスピーカーフォンで喋るなど各地区訓練で実施した。着信履歴が残り電波を拾えば、過去に連絡があっ た履歴も残り確認できるので、連絡が入ってきてたかどうかがわかるというような使い方になる。 ・大阪府に衛星携帯電話を1台置くのはいかがか。 ⇒現時点では予定は無いものの、通信整備のあり方については検討してまいりたい。 (5)次年度の取組みについて 事務局より「資料5 大阪府地震・津波災害対策訓練(117訓練)の振り返り」の説明があった。 【意見、質疑応答(抜粋)】 ・何から始めるかというところがまず大事。人材をすぐ提供できるような体制を作るかどうかなど、来年度はまず何からというのは何か試案はあるか。 ⇒今回能登半島地震でJDATとして大阪府歯科医師会を中心とし、大阪府歯科衛生士会、大阪府歯科技工士会からも人材を出してていただいた。JDATで人材を出していただけるのか、あるいは、地域での歯科的な対応が必要な患者を無条件で大学や病院歯科で受けら れるなど、大阪府が発災したときに何ができるかまだ決まっていない。やっていかないといけないことがたくさんあると認識。 ・過去の事例として歯科で大学病院や大きな病院等で患者の受け入れが必要なケースはあったのか。 ⇒発災直後は、病院の歯科口腔外科は災害に特徴的な怪我をされた方が増えると熊本地震、能登半島地震で報告がある。特徴的に増え たのは、能登半島地震では肺炎の患者の紹介、口腔乾燥症の患者の来院、口腔ケアの必要性等。外来患者は特徴的な疾患傾向に多少偏ると思う。 ・DMATがやっていることのひとつに、元々ある医療資源、診療所を支えること。歯科診療所の場合であれば、もし潰れた、診療できなくなった場合、また普通通りに診療できるように支援するのか。歯科としてどういう活動を目標にするのかを決めないと、それがいいのかどうか、訓練もできないがその方向性はいかがか。 ⇒本来その地域にある病院の歯科口腔外科や歯科診療所はその機能を維持し続けるというのが目標点でよいのではないか。 ⇒大阪で発災時、病院は構造の古いところがある。病院自身が全く機能できなくなる可能性もある。 ・大阪府内の病院の耐震構造があるかどうかというは大阪府で情報を持っている。耐震診断をしていない病院もいくつかある。緊急性があれば、そのための水、電気を優先的に供給することでライフラインを復旧させる。もしくは、燃料を入れるということをDMATは やっており、まず大きな病院で機能を失うことはないが、その機能が落ちないように支援をすることを考えてもらったらよい。 ・避難所に出向き、歯科的な支援をされるのかどうか、そういったところも必要。 ・次年度は実際の想定を考えた上での協議で、それぞれのマンパワーと体制が必要。発災直後の歯科医療ニーズは口腔外科の需要が高 くなる。JDATは72時間以降で歯科医療と歯科保健になる。外傷ではなく、通常の歯科治療や、避難環境悪化による肺炎や口腔乾燥症。その後、時間経過すると、歯科保健の口腔衛生や摂食嚥下の部分が必要になり、それに合わせて体制も変える必要がある。病院歯 科は当初の歯科医療の担当になる。大学病院は当初の歯科医療の口腔外科と、歯科保健のフェーズに移った時に人が出せるかどうかになる。歯科技工士会は、最初の方の入れ歯紛失等に対応するために歯科医療での協力になる。歯科衛生士会は、歯科保健になってきた ときの協力で、歯科医師1名歯科衛生士3名のようなチームが多く必要かもしれない。こういう集まりで災害のことを話す機会ができ たので、細かく想定して役割分担をしたい。 ・支援を迎える側として、他府県から来てもらったときに何をしてもらうかもシステムを作っておく必要がある。能登半島地震では、 最初に病院歯科の歯科衛生士が動いた。歯科衛生士も病院歯科勤務、診療所勤務、地域歯科保健業務をしている歯科衛生士がおり、 それぞれ役割が違う。能登半島地震では石川県外からのJDATは避難所を巡回したが、石川県の歯科衛生士会は、二次避難や避難所 指定でないところをラウンドした。被災したときのマニュアルを作っていかないといけない。 ・DMATでは、DHCOS(ディーコス)で助けに行かないといけない病院を事前に想定している。脆弱な病院、耐震構造の問題、浸水 域自家発電、燃料がどれぐらいもつのか、全部一覧表にまとめている。それを歯科でもされてはどうか。開業医では、その診療所が 浸水域にあるのかどうかハザードマップでの想定や、通院患者は普段どれぐらいで、その患者は避難所でも診療が必要とされると いった想定はできる。大阪府外の被災地に支援に行くときの安全管理も想定の中に入れた方がいい。 ・義歯の再製は、その場ですぐにできず、被災地も行けるところの限界がある。大阪府の南部地域が災害に遭いやすく、津波の問題、 道路寸断の場合どのようにアクセスしていけばいいのかと考えている状況。CADCAMによる製作は、健全に動いているラボでデー タを作り、地域各箇所にCADで補綴物を作られるようなセンターがあれば、アクセスできなくてもそこに送って製作ができる。 また、地域の歯科技工士会としては、エリアごとにどの地区歯科医師会からの情報を受け取るか連携したい。 ・大阪府としては、地域差はどうなのか。 ⇒大阪府としては今後の課題。どこの歯科医師会とどこの歯科技工士会が情報共有、連携するか今後調整したい。 (6)その他 【意見、質疑応答(抜粋)】 ・大阪府歯科医師会から報告。厚生労働省の令和6年度補正予算で災害対策歯科医療提供体制構築の事業があり、歯科用器具の運搬車の整備、歯科用機器の購入、ポータブル充電器の配備、家庭用の充電器等の購入を検討予定。 ⇒行政がしっかりと予算の確保はもとより、リーダーシップを発揮しながら、対応して参りたい。 |
配付資料 |
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