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部落解放同盟大阪府連合会 要望書
要望受理日 | 令和3年11月2日(火曜日) |
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団体名 | 部落解放同盟大阪府連合会 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部 人権局 人権擁護課 |
表題 | 今後の人権啓発・部落問題啓発の充実にむけた要望について |
要望書
2021年11月2日
大阪府
知事 吉村 洋文 様
大阪府教育庁
教育長 橋本 正司 様
部落解放同盟大阪府連合会
執行委員長
今後の人権啓発・部落問題啓発の充実にむけた要望について
部落差別の解消と部落問題の根本的解決をはじめ、人権尊重の社会の実現にむけた人権行政の推進にご尽力されておられますことに深く敬意を表します。
さて、大阪人権博物館(リバティおおさか)は、1985年、私たち反差別・人権関係団体と行政機関が協力し、協働により、全国で唯一の人権を専門とする総合博物館として、長年にわたり、人権全般にわたる各種の歴史的な資料を収集・保管、展示活動等を行ってきました。
この間、多くの人々がリバティおおさかを訪問・参観し、行政・教育関係機関や企業等においては教育・啓発活動の一環として構成員の研修等に活用されてきたところです。
リバティおおさかは、社会教育・生涯学習分野での部落問題啓発をはじめ人権教育・啓発の中核的な役割を担ってきたものと、私たちは考えています。
現在、様々な経緯を経て休館中ではあります。また収蔵品は、大阪市が所管する施設で、期限つきでありますが無償保管されているところです。
大阪府をはじめ被差別マイノリティ当事者などの協力をいただき、リバティおおさかが収集・保管してきた収蔵品は実に3万点に及びます。時には公開され、部落問題啓発・人権啓発に積極的に活用されてきたものであり、いわば共有の財産であります。
長く、厳しい差別や偏見、人権侵害に抗いつつ、被差別当事者がたくましく生き抜いてきた証ともいえる貴重な収蔵品であります。私たちはこうした差別や人権侵害の歴史を風化させてはならないし、忘れてはならないという観点から、後世に引き継ぎ、今後の人権教育・啓発に積極的に活用していくべきものと考えます。
私たちとしましても、全国水平社創立から100年を迎える2022年を節目としまして、リバティおおさかとしての博物館活動の再開をできる限り支援・協力していくことを検討しているところです。
つきましては、これまで協働で収集保存・展示活動等に取り組んできた歴史的経緯もふまえ、3万点に及ぶ収蔵品の価値をあらためて認識していただき、我が国随一の人権関係資料が散逸することがないよう、積極的な取り組みを求めるものであります。
10月4日、笹川理府議会議員が9月定例府議会代表質問で「大阪人権博物館の収蔵品・資料等の保存と活用方法」について提案がなされ、府民文化部長より「府として何ができるのか、しっかりと検討してまいりたい。また、府民への啓発や人権教育におきましても、積極的に活用してまいります」と答弁されました。
府議会での質疑及び答弁をふまえまして、貴重な人権関係資料が将来にわたり適切に保存・管理され、今後の部落差別解消をはじめとする人権課題の解決にむけた人権教育・啓発活動に積極的に役立てられますよう、強く要望いたします。