ここから本文です。
部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 7.同和教育推進のために(回答)(1)
(1) (2) ※2ページに分割して掲載しています。
回答骨子
(要望項目)同和教育推進のために
1【基本姿勢】同和教育・人権教育について大阪府教育庁としての基本姿勢を明らかにすること。あわせて、02年度大阪府教育委員会通知「同和問題の早期解決に向けて」の趣旨を改めて周知徹底すること。
(回答)
2001(平成13)年の「大阪府同和対策審議会答申」などの趣旨を踏まえ、これまでの同和教育の経験や成果を生かし、同和問題(部落差別)をはじめとする様々な人権課題の解決に向けて人権教育を推進し、課題のある子どもたちに対する人権尊重の視点に立った取組みを進めるとともに、同和問題(部落差別)の早期解決に向けて、人権教育の一環としての同和教育を推進することが必要であると認識しております。
また、2018(平成30年)3月に改訂した「人権教育基本方針」「人権教育推進プラン」に基づき、「様々な人権問題や、社会の変化の中で生じる新たな人権上の問題等について正しい理解と認識を深めるよう、体系的に人権教育を推進することが重要である」としております。
2002(平成14)年府教育長通知につきましては、これまでも「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」「府立学校に対する指示事項」において指導・指示してまいりました。今後とも、教職員がその趣旨を理解しその推進に努めるよう、様々な機会を通じて周知徹底を図ってまいります。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
(要望項目)同和教育推進のために
2【人権啓発、人権関連3法・3条例】「改正障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」の3法及び大阪府人権関係3条例について、教育の役割が重要であることを認識し学校現場を支援するとともに、あらゆる研修でとりあげること。また、保護者・府民への啓発をさらにすすめ、インターネット上における差別等も含むあらゆる人権侵害の現状を把握し、差別解消にむけた具体的施策を講じること。
(回答)
複雑多様化する人権課題に的確に対応するとともに、国際都市にふさわしい環境を整備するため、2019(令和元)年10月に「大阪府人権尊重の社会づくり条例」を改正するとともに、「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」及び「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」を制定しました。
府としては、府民向けリーフレットを活用するなどして人権関係3条例の周知を図るとともに、人権白書「ゆまにてなにわ」やホームページなどの広報媒体を通じて、啓発を行ってまいりました。
特に近年、スマートフォンの急速な普及によりSNSなどを利用したインターネット上の人権侵害が深刻化しています。そのため、昨年度、SNSの利用頻度の高い若い世代に対して啓発を強化するため、大阪大学の学生と共同研究を行い、若者向けの啓発リーフレット「SNSを凶器にするな。」を作成し、府内の高校や、カラオケボックス、コンビニエンスストア等に配布しました。
今後とも、社会情勢の変化を踏まえつつ、必要な工夫・改善を凝らしながら、的確な人権教育・啓発施策を推進していきます。
人権侵害の把握につきましては、大阪府では、府内で発生したインターネット上における差別等を含む差別事象について、直接把握しているもののほか、市町村からの報告を集約しています。このうち、いわゆる同和地区を摘示するような極めて悪質なインターネット上の情報については、市町村や全国人権同和行政促進協議会と協力して、人権擁護機関である大阪法務局へ削除要請を行っているところであり、引き続き、迅速かつ適切な対応を行っていきます。
府教育庁では、障がい者差別、民族差別、部落差別の解消のために、教育の果たす役割は重要であると認識しており、これまでも差別のない社会の実現に向けて、人権教育を推進してまいりました。
今後とも、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法の3法及び府人権関係3条例の趣旨を踏まえ、人権教育の推進に努めてまいります。
府立学校においては、「人権尊重の社会づくり条例」「性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」「人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」の施行等を踏まえ、次年度当初に各府立学校に配付する「教職員人権研修ハンドブック」を改訂することとしています。
また、現在、各校のPTAの中に人権啓発委員会等を組織し、人権学習に取り組むよう府立学校に働きかけるなど保護者への啓発を進めています。
市町村立小中学校に対しては、研修等において、「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」のいわゆる人権3法及び大阪府人権関係3条例の趣旨について教職員や市町村指導主事に周知しております。また、実践研究協議会の開催等を通じて人権3法及び大阪府人権関係3条例の趣旨をふまえた教材や資料について周知するとともに、各校の実践を交流する等、人権及び人権問題に関する正しい理解を深め、人権課題の解決をめざした人権教育をすすめることができるよう学校を支援しているところです。
また、府教育センターでは、「初任者・新規採用者研修」、「10年経験者研修」、「府立学校長研修」、「府立学校教頭研修」、「小・中学校長人権教育研修」、「小・中学校教頭人権教育研修」、「府立学校新任首席研修」、「小・中学校新任首席研修」、「小・中学校リーディング・ティーチャー養成研修」、「府立学校リーダー養成研修」、「小・中学校人権教育研修」、「府立学校人権教育研修」及び支援教育研修の中で障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法の三法を取り上げ、法の趣旨や内容を説明しています。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権企画課
府民文化部 人権局 人権擁護課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
(要望項目)同和教育推進のために
3【新型コロナウイルス感染拡大に関連する課題解決】大阪府・大阪府教育庁として、課題解決にむけた施策を講じること。
(1)差別や人権侵害の実態を把握し、保護者や府民に対しての啓発を強化するとともに、差別や人権侵害を許さない社会の構築にむけた具体的施策を講じること。
(回答)
新型コロナウイルス感染症の感染者やその家族に対して、偏見や差別は決してあってはならないと認識しています。
大阪府では、府内で発生した差別事象について、直接把握しているもののほか、市町村からの報告を集約しており、2020(令和2)年1月から12月までの新型コロナウイルスに関わる差別事象については13件です。
府教育庁では、市町村立小中学校に対して、2020(令和2)年7月に、「新型コロナウイルス感染症に伴う差別等について考える教材及び学習指導案」を作成し、配布しています。
また、府立学校に対しては、人権及び人権問題に関する正しい理解を深め、女性、子ども、障がい者、同和問題(部落差別)、在日外国人、性的マイノリティ、感染症等に係る人権問題をはじめ、様々な人権問題の解決をめざした教育を人権教育として総合的に推進するよう指示しています。
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の差別防止に関する規定を踏まえ、今後も、ホームページやSNSなど様々な媒体を通して、広く府民に情報を発信することにより、同感染症に関する正しい知識の普及啓発を進めていきます。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 感染症対策企画課
府民文化部 人権局 人権擁護課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)同和教育推進のために
3【新型コロナウイルス感染拡大に関連する課題解決】大阪府・大阪府教育庁として、課題解決にむけた施策を講じること。
(2)心理的・経済的に多大な影響を受けている子どもたちへの支援の充実をはかること。
(回答)
市町村立小中学校においては、市町村ヒアリングや学校訪問等により、貧困や虐待など厳しい状況にあった家庭が、長期化するコロナ禍によって、経済状況の悪化や在宅勤務への移行等により家庭内の緊張が高まり、家庭に居場所のない子どもが増加することに加え、学校での様々な教育活動の制限により、子どもたちの閉塞感が高まるなど、課題がよりいっそう顕著に表れ、子どもたちにも大きな影響を与えていると把握しています。
府教育庁としては、児童生徒支援加配をはじめ国の加配措置を活用しながら、課題の大きな学校に加配教員を配置し、学校を支援しています。
また、スクールカウンセラー活用事業において、政令市を除く全中学校にスクールカウンセラーを週1回配置していますが、小学校で生徒指導上の課題が顕在化していること、さらにコロナ禍において、児童や保護者からの相談が増加していることから、今年度においては、小学校へのスクールカウンセラーの活動時間を拡充したところです。
さらに、府の事業として、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを政令市・中核市を除く府内すべての中学校区に週1回配置できるよう、市町村に府から補助を行って福祉機関等との連携促進を図っています。
加えて、虐待・いじめ等の深刻な、あるいは深刻化する可能性のある事案については、いじめ虐待等対応支援体制構築事業として、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・スクールロイヤー等からなる緊急支援チームを、市町村教育委員会の要請に応じて派遣し、市町村及び学校への支援を行っています。本事業では、府内85中学校に非常勤講師を、府内115小学校に教員OBの支援人材を配置し、生徒指導機能の充実を図っています。
府立学校においても、新型コロナウイルス感染症に伴う休業に際しては、2020(令和2)年4月に幼児児童生徒・保護者のみなさん向けたスクールカウンセラーからのメッセージを発出するとともに、相談窓口の周知に努めました。
府立高校の教育相談機能の充実をめざし、「障がいのある生徒の高校生活支援事業」の中で、公認心理師又は臨床心理士の資格を有するスクールカウンセラーを全ての府立高校に配置しています。また、2009(平成21)年度より、臨床心理学を専攻している大学院生の実習を府立高校で受け入れ、生徒の心のケアを支援しているところです。
府立支援学校においては、「福祉医療関係人材活用事業」の中で、公認心理士又は臨床心理士を各校の必要に応じて配置しています。
今後も引き続き、活動報告書、事業調査等を通じて、活用状況、課題等を整理し、事業の効率的な運用に努めてまいります。
また、今年度は高等支援学校5校を含む38校にスクールソーシャルワーカーを配置するとともに、すべての府立学校がSSWに相談できる機会を確保するため、府立学校向けSSW定期相談会を開催しております。
今後とも生徒の様々な背景に寄り添いながら、充実した支援ができるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)同和教育推進のために
3【新型コロナウイルス感染拡大に関連する課題解決】大阪府・大阪府教育庁として、課題解決にむけた施策を講じること。
(3)管理職を含む教職員対象のオンライン研修における課題の検証をふまえて、今後の方策を示すこと。とりわけ人権にかかわる研修において、出会いや見学、ききとり等、学びを深めるために欠かせない体験的な内容が後退しないようにすること。
(回答)
教職員のオンライン研修においては、研修場所への移動時間がかからないことや期間内に何度も繰り返し視聴することができることなどの長所がある一方、グループワークや協議等の受講者相互の刺激による学びを深めることが難しい等の課題があることは把握しております。今後は受講者アンケートの意見などを参考にして、オンラインを効果的に研修に取り入れてまいります。
また、人権にかかわる研修の内容については、オンライン研修であっても当事者の手記や実践発表を取り入れることで、差別の現実や子どもの変容について具体的に学ぶことができるよう工夫しております。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)同和教育推進のために
4【推進計画・意識調査・推進プラン】15年3月「大阪府人権教育推進計画」が改定され、21年3月結果公表の「人権問題に関する府民意識調査」では、深刻な問題と考えるものとして「子どもの人権問題」が54%と最も高かった。この調査結果を人権施策に生かすためのとりくみとして周知すること。また、16年12月「部落差別解消推進法」の施行に伴って改訂された18年3月「人権教育推進プラン」にもとづき、あらゆる差別をなくすための施策、啓発をおこなうこと。
(回答)
昨年度実施した「人権問題に関する府民意識調査」の調査結果から見えてきた府民意識の現状や人権教育・啓発の課題を踏まえ、2021(令和3)年6月の人権施策推進審議会において今後の人権施策の方向性について取りまとめを行いました。今回、取りまとめた「社会的な課題に即応した啓発の推進」など、4つの取組み方向を踏まえ、引き続き、市町村と役割分担をしながら、人権教育・啓発施策の効果的な実施に努めてまいります。
府教育庁としては、2018(平成30)年3月に改訂した「人権教育推進プラン」に基づき、各学校における学力、進路等をはじめとした教育課題に取り組んでいく中で、同和問題(部落差別)を含む様々な人権課題の解決を図ってまいります。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権企画課
教育庁 人権教育企画課
(要望項目)同和教育推進のために
5【人的配置】大阪府教育庁として、同和地区を校区に含む学校(旧同和教育推進校)に対して、さまざまな施策を活用した支援をおこなうとともに、その実態に即した教職員配置や課題に対応した人的措置をおこなうこと。
(回答)
府教育庁としては、同和問題(部落差別)の解決のために教育の果たす役割は重要であると認識しています。「大阪府における今後の同和行政のあり方(答申)」においても、同和問題(部落差別)の解決のために、人権教育プログラムや教材の開発、人権基礎教育の推進、すべての子どもたちの自立と自己実現に向けての中退防止や進路指導の充実など、人権尊重の観点に立った一般施策の中で取り組むという基本方針が示されています。
引き続き、各学校における学力、進路等をはじめとした教育課題に取り組んでいく中で、同和問題(部落差別)の解決を図ってまいります。
具体的には、教育課題を抱える学校の取組みを支援するため、市町村に対するヒアリングや児童生徒支援加配配置校等の学校訪問を通して実態把握に努め、一般施策を活用しながら課題のある学校に対する支援策を展開しているところです。
国定数の確保に最大の努力を払うとともに、今後とも、学校の実態を踏まえ、その重点的・効果的な配置を行っていく中で、適切な対応を図ってまいります。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教職員室 教職員人事課
(要望項目)同和教育推進のために
6【貧困等】20年3月策定「第2次大阪府子ども貧困対策計画」にもとづき、大阪府・大阪府教育庁として実効ある対策と効果の検証をおこなうこと。また、家庭の経済状況の厳しさ、地域の状況、子どもが家族の世話をする(ヤングケアラー)こと等が、子どもたちの学力に大きな影響を及ぼしている現状をふまえ、その実態や課題の共有をおこなうこと。さらに、「子供・若者育成支援推進大綱」「子どもの貧困対策の推進に関する法律」「子供の貧困に関する大綱」の具体化をはかるため、市町村と連携した施策を講じること。また、SSW・CSWを増員し、福祉行政との連携をはかり、市町村でより効果的に活用できる施策・支援をおこなうこと。
(回答)
「第2次大阪府子どもの貧困対策計画(大阪府子ども総合計画後期事業計画)」では、関係部局が連携し、生活支援、教育支援、孤立防止など総合的に取組を推進することとしています。
引き続き、「子どもの貧困を考える関係課長会議」において実態や課題を共有しながら総合的な取組を推進するとともに、大阪府子ども施策審議会へ進捗状況を報告し、その意見を踏まえて計画の効果的な推進を図るなど、適切に進行管理を行ってまいります。
また、同計画では、法や大綱の趣旨を踏まえ、市町村との連携を強化し、困難を抱える子どもや保護者を支援につなぐ取組等を進めることとしており、引き続き、補助金や取組事例の共有等により市町村の取組を支援してまいります。
府教育庁では、福祉部と連携し、今後とも「学びを支える環境づくりを支援する」こと等をねらいとした事業の取組みをすすめてまいります。
府立高校については、ヤングケアラーの実態を早期に把握するとともに、支援につなぐことができるよう、アンケート調査を実施したところです。ヤングケアラーに対しては、ケアを要する家族に適切なサービスを提供し、ケアの負担を軽減、解消することが重要であり、関係部局との連携が必要不可欠であると認識しています。調査結果をふまえ、今後、関係部局と密接に連携しながら、様々な課題を抱える子どもたちを支援してまいります。
なお、2021(令和3)年度は、38校にSSWを配置しています。ヤングケアラーを含め貧困等に直面している生徒の支援など、SSWの必要性は高まっていることから、効果的な配置等の検討を進めてまいります。
市町村立小中学校については、2019(令和元)年度より政令市・中核市を除く府内全市町村のすべての中学校区にSSWを配置できるようにしました。併せて、府で雇用するSSWスーパーバイザーの処遇改善を行いました。
また、より効果的に福祉と連携できるように市町村雇用のSSWを対象とした研修プログラムを実施して、府内全域のSSWの資質向上を図るとともに、SSW、スクールカウンセラー、スクールロイヤーによる地区別の連絡協議会を開催して福祉との連携の在り方について協議を行っているところです。
ヤングケアラーについては、本人や家族に自覚がない等の理由により、表面化しにくいことから、ヤングケアラーについて教職員の理解を深めるとともに、早期発見・把握に努め、適切な支援に期するため、研修等で活用できるよう学校向け資料を作成、市町村教育委員会を通じて各校に配付しました。さらに、SSW連絡会や研修等の機会を通じて、SSWや市町村教育委員会担当者、各校の教職員を対象に、ヤングケアラーの概念や、きめ細かく子どもの状況を把握する工夫等について理解促進に努めているところです。併せて、今年度からヤングケアラーを含め、悩みを抱える子どもへの相談体制を充実させるため、SCの活動時間を拡充したところです。
CSWについては、「第4期大阪府地域福祉支援計画」に基づき、地域福祉・高齢者福祉交付金の市町村への交付を通じて、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の配置促進を図っております。
また、SSW・CSW、福祉行政間の連携については、SSW連絡会やCSWブロック別連絡協議会の場を活用し、SSW、CSW及び行政の担当者が過去の事例を参考にグループワークを行うなど、相互の制度・活動内容の理解の促進を図るとともに、円滑な連携に向けて顔の見える関係づくりに努めています。今後も引き続き、SSW・CSW、福祉行政が連携し、支援を必要とする子どもや子育て世帯を、円滑に福祉サービスをつなぐことができるよう、取り組んでまいります。
子どもたちに対する学習支援や放課後等の様々な体験・交流活動については、市町村が実施主体となり、「学校支援活動」や「放課後子ども教室」において地域のボランティアの方々の協力を得ながら実施されています。
府教育庁としては、広域的な観点から、市町村に対して、経費補助や研修等による地域人材の育成、企業・団体等との連携による子どもたちの多様な活動プログラムの拡充等を行い、市町村の取組みを支援してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 子ども室 子育て支援課
福祉部 地域福祉推進室 地域福祉課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 市町村教育室 地域教育振興課
教育庁 教育総務企画課
(要望項目)同和教育推進のために
7【いじめ】大阪府におけるいじめ・不登校、暴力行為の実態を明確にし、その解決のための施策を明らかにすること。「いじめ防止対策推進法」の目的にも「児童等の尊厳を保持するため」とあるように、いじめは「重大な人権侵害行為で、差別であり、絶対許されない行為」であることをふまえ、大阪府教育庁として、日常から人権学習や学級集団づくりをとおして、管理職をはじめ教職員に差別やいじめを見抜く確かな人権感覚を育てるよう、重ねて市町村教育委員会を指導すること。
(回答)
2020(令和2)年度問題行動調査の結果によりますと、いじめ認知件数は市町村立小学校で増加しています。小中学校ともに、いじめの解消率が若干下がっていますが、校種を超えての確認を行っていること、安易に解消とせず丁寧に見守りを行っていること等が要因と分析しており、すべての解消をめざして取組みを進めたいと考えています。不登校児童生徒数は小中学校とも引き続き増加し、暴力件数は、中学校で減少しています。
|
いじめ認知件数 |
いじめ解消率(%) |
不登校者数 |
暴力件数 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
2019 |
2020 |
2019 |
2020 |
2019 |
2020 |
2019 |
2020 |
(令和元年) |
(令和2年) |
(令和元年) |
(令和2年) |
(令和元年) |
(令和2年) |
(令和元年) |
(令和2年) |
|
小学校 |
37,145 |
38,783 |
88.9 |
83.2 |
3,410 |
4,486 |
2,539 |
3,116 |
中学校 |
5,632 |
5,525 |
76.0 |
75.3 |
8,517 |
9,272 |
2,740 |
2,506 |
(政令市を含む公立小中学校)
府教育庁としては、この間、いじめを乗り越えるために必要な力を子ども一人ひとりに育むため、様々な資料を作成し、各学校で効果的に活用できるよう、教員を対象の研修を実施するなど、いじめの未然防止に取り組んできました。
また、2017(平成29)年3月の国「いじめ防止基本方針」の改訂に伴い、学校いじめ防止基本方針につきましても各学校において機能的に取組まれているか、市町村ヒアリングで確認しているところです。
加えて、2019(令和元)年6月に、学校のいじめ対応について、すべての教職員が改めて確認・見直しを行うよう「いじめ対応セルフチェックシート」を作成・配付し、各学校での活用を促しています。
「いじめ対応プログラム」2007(平成19)年6月
「いじめ対応マニュアル」2012(平成24)年12月
「問題行動対応チャート」2013(平成25)年8月
「いじめ対応セルフチェックシート【学校用】【教員用】」2019(令和元)年6月
併せて、児童生徒の悩みの相談や心のケアのため、府内公立全中学校へスクールカウンセラーを配置するとともに、夜間・休日を含めて24時間対応が可能な電話相談窓口を設置しています。
また、2012(平成24)年7月に府教育庁のホームページに「いじめや学校生活で悩んでいる方へ」のページを開設し教育相談の充実を図りました。
今後とも「いじめは人間として許されない行為である」「いじめは誰にでも、どの学校でもおこりうる」との認識のもと、人権が尊重された教育を推進するとともに、いじめに対しても、各学校が校内組織体制を整備し適切に対応できるよう、市町村教育委員会に対して引き続き指導してまいりたいと存じます。
不登校児童生徒への対応として、教育相談体制の充実を図るため、府内全中学校に配置しているスクールカウンセラーを、2021(令和3)年度においては小学校での活動時間を拡充するとともに、研究所加配教員を18市に配置し、配置市における不登校児童生徒の減少に向けた取組みの推進を行っています。
また、長期化する不登校児童生徒に対して、家庭及び適応指導教室と学校が連携し、より個に応じたきめ細やかな支援ができるよう、個別支援計画を作成し、不登校児童生徒の支援に努めるとともに、フリースクール等の民間団体との連携についても研究を進めています。
暴力行為への対応としては、2015(平成27)年度より、中学校において生徒指導機能の強化が図られるよう非常勤講師を配置し、2016(平成28)年度より、小学校においてチーム体制の充実が図られるよう、校長OBやSSWサポーター等を支援人材として配置しました。2017(平成29)年度から3年間、これら小中2つの取組みを統合し、校区の学校が連携し、9年間を通した指導体制の強化に取り組んだことから、暴力行為については中学校では現在まで減少傾向が続いています。さらに未然防止の観点からは小学校高学年を対象とした非行防止教室や、中学校生徒会サミットなど子どもの発達段階に応じた取組みを行っています。
生徒指導上の課題解決には、児童生徒理解の充実と、校内生徒指導体制の整備が必要であり、家庭・地域・関係機関と連携しながら、学校の総合的な問題解決機能の向上を推進していくことが重要であります。そのため、課題の多い中学校に、様々な役割をコーディネートする教員であるこども支援コーディネーターを配置し生徒指導の充実を図っています。また、小学校においても、31市町45校に小学校こども支援コーディネーターを配置し、学級担任制を活かした組織対応の在り方を研究するために連絡会を実施しています。
さらに、虐待・いじめ等の深刻な、あるいは深刻化する可能性のある事案については、2020(令和2)年度から、いじめ虐待等対応支援体制構築事業として、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・スクールロイヤー等からなる緊急支援チームを、市町村教育委員会の要請に応じて派遣し、市町村及び学校への支援を行っています。加えて本事業では、府内85中学校に非常勤講師を、府内115小学校に教員OBの支援人材を配置し、生徒指導機能の充実を図っています。
併せて、学校と関係機関との連携を進めるため、学校と福祉をつなぐ専門家であるSSWを市町村が主体的に配置できるよう、政令市・中核市を除く府内すべての中学校区への配置をめざして市町村への補助を行い、ケース会議の充実等市町村教育委員会と連携した学校への支援を進めています。
今後、より適切な子ども支援のための方策を検討してまいります。
高等学校におきましては、2020(令和2)年度の大阪府の府立高等学校におけるいじめの認知件数は264件、不登校生徒数は3,043人、暴力行為の発生件数は210件となっております。これらの課題解決に向けましては、高校入学後の生徒の定着を図る観点から、出身中学校との連携、生徒同士や教員との人間関係作り、基礎学力の充実といった取組みを進めるとともに、スクールカウンセラーを活用し、さまざまな課題を抱えている生徒の心のケアにも努めているところです。
2013(平成25)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」を実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態の把握に努めております。さらに、2014(平成26)年度から全ての府立高校で高校生活支援カードを活用しております。このカードにより、これまでの学校生活において生徒や保護者が不安や困難を感じている等について把握し、生徒が安全で安心な学校生活を過ごすことができるように努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課