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部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 基本要求(回答)(3)
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回答骨子
(要望項目)基本要求
17【体罰・パワハラ・セクハラ】教職員等による体罰、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなどの人権侵害を防止するための方策と、人権侵害が発生した場合の組織的な対応システムについて明らかにすること。その際、相談員の研修の充実をはかること。また20年から府立学校に通う子どもたちに実施している「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」の結果や効果を検証するとともに、2次被害等がないか配慮すること。また、部活動における体罰、あらゆるハラスメントの実態を把握し、対策を講じること。また、「子どもを守る被害者救済システム」の広報と、さらなる充実に努めること。さらに日常的に、子どもの人権尊重の観点から、「性の教育」をはじめ、子どもをエンパワメントするとりくみを実施するよう市町村教育委員会に指導・助言すること。
(回答)
「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」においては、「人権感覚を身に付けるためには、学級をはじめ学校生活全体の中で自らの大切さや他の人の大切さが認められていることを児童生徒自身が実感できるような状況を生み出すことが肝要である。」と示されています。
また、「人権教育推進プラン」においても、「人権が尊重された教育」として、「学校教育においては、教科指導、進路指導、生活指導等広範な指導が行われているが、すべての教育活動が、子どもの人権を尊重する視点とそれにふさわしい環境で行われることが重要である。そのためには、指導に当たる教職員が鋭敏な人権感覚・意識を持つことが重要である。」と示しています。
とりわけ、教職員等による児童生徒等に対する体罰、セクシュアル・ハラスメント等については、児童生徒等の心を傷つけ、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、個人の尊厳や人権を侵害するものであると認識しています。
そのため、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害への防止策としまして、「教職員による児童生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」や体罰防止マニュアル等を作成し、各学校においても研修の充実が図られるよう、各市町村教育委員会へ指導をしています。
万一、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害が発生した場合には、被害児童生徒等へのケアを第一に行い、加害者に対する指導や再発防止の検討等について市町村教育委員会、関係各課と連携しながら対応を行っていきます。
「被害者救済システム」については、教職員によるセクシュアル・ハラスメント、いじめ等の被害にあった児童生徒や保護者等からの相談を民間権利擁護機関が受け付け、第三者的立場から解決に向けた支援を行うシステムであり、子どもの人権侵害の適切な対応と未然防止のため、政令市、私立学校も対象に加え、継続しています。
また、生徒指導担当指導主事会においてリーフレットを配布し、各市町村教育委員会の指導主事に周知するとともに、府教育庁のホームページでも、保護者をはじめ、広く府民に周知しています。
加えて、2018(平成30)年度から子ども専用ダイヤルとして、発信者に通話料がかからないフリーアクセスの回線を設置し、子ども向けに周知用のカードを配付して、子ども自らが相談をしやすい体制を整備し、市町村教育委員会を通じて、各校への周知に努めています。
府立学校につきましては、2013(平成25)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」を実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、部活動を含む学校生活における、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態の把握に努めております。また、教育センターにおいて、府立学校の教職員に対して「セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修会」を実施しています。
また、被害を受けている生徒を守ることと併せて、教職員等のセクハラの未然防止や意識の向上につなげるため、昨年度より「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施しています。本アンケートについては、二次被害等が生起しないよう、配付する際には「回答をしたくない(出したくない)場合は提出する必要がない」旨を説明するなどの配慮を行うよう周知しています。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
18【ジェンダー平等:「性的指向・性自認」(SOGI)】「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」などをふまえ、性の多様性についての理解を深めること。基準服や体操服などの着衣、更衣室、トイレなどの教育環境の整備や、教育実践の推進・教材開発など、教育のあらゆる場面でSOGIに関して子どもたちの人権が守られるようてだてを講ずること。また、部活動等においてもSOGIに関して子どもたちの人権が守られるよう、大阪府教育庁「性の多様性を理解するために」の冊子などの活用を関連団体にはたらきかけること。
(回答)
性的マイノリティの人権問題についての社会の理解が十分進んでいない中、府として性的指向や性自認を理由とした差別は許されないとの姿勢を示すとともに、性的マイノリティの人々に対する理解の増進を図るため、「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」を制定しました。
今後とも、関係部局等と連携の下、市町村や関係団体等とも連携し、効果的な啓発活動の実施に努めてまいります。
府教育庁としても、条例の施行を受け、学校においても性の多様性に関する理解を積極的に進めていくため、庁内にワーキンググループを立ち上げ、有識者も交えて検討を重ねた結果、教職員向けの啓発資料として、2020(令和2)年4月に「性の多様性の理解を進めるために」を府立学校及び各市町村教育委員会へ発出し、研修等を通して周知しているところです。引き続き、学校での取組の参考となるよう、ワーキンググループのアドバイザーや関係課所の意見を聞きながら、増補版の作成等資料の充実に努めてまいります。
性的マイノリティの児童生徒たちについては、学校生活を送る上で特有の支援が必要な場合があることから、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮した対応を行うことが重要であると認識しております。教職員が児童生徒の不安や悩みをしっかり受け止め、児童生徒の立場から教育相談を行うことが必要であることから、府立学校に対しては、学校の実態を踏まえ、SOGIの人権も含めて教職員研修等を行い、理解を深めるよう、指導しているところです。加えて、府立学校の管理職を対象とした人権教育課題に関わる説明会の中でもSOGIに関する、研修に活用できるDVD等を周知しております。引き続き、ヒアリング等の機会を通じて、性的マイノリティの子どもたちの状況を把握し、子どもたちの人権が守られるように指導助言してまいります。
府立学校における「性的指向・性自認」(SOGI)に関する教育環境の改善にかかる施設整備については、学校からの要望をお聞きし、関係課と連携しながら予算の確保に努めてまいります。
また、国からの通知・資料・府の条例の趣旨を踏まえ、教職員が児童生徒の不安や悩みをしっかり受け止め、児童生徒の立場から教育相談を行うことが必要であること、また、「性の多様性を理解するために」を活用し、学校の実態に応じて、性的マイノリティの人権も含めて教職員研修等を行い、理解を深めるとともに、児童生徒が正しく理解するよう、市町村教育委員会に対して、指導しているところです。
今後も、ヒアリング等の機会を通じて、性的マイノリティの子どもたちの状況を把握し、子どもたちの人権が守られるように指導助言してまいります。
公立小・中学校の施設整備については、文部科学省から「施設整備指針」として、その整備の方向性が示されており、その指針に基づき、学校設置者である市町村において実施いただいております。
府教育庁としては、「性的指向・性自認」(SOGI)に関しては、教育環境の確保が重要であると考えており、市町村において、国の補助制度を有効に活用し、良好な教育環境の整備を図られるよう、これまでから働きかけてきたところです。
今後とも、良好な教育環境の確保、整備の推進のため各市町村に対しSOGIに関して、子どもたちがともに学べる環境づくりができるよう、引き続き働きかけを行ってまいります。
部活動においても実態を踏まえ、人権に配慮し、かつ、その時々の児童生徒の状況に応じた対応がされるよう、冊子の活用も含め、関係団体に働きかけているところです。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権企画課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 教育振興室 保健体育課
教育庁 施設財務課
(要望項目)基本要求
19【人権教育の継承・管理職の課題】教職員の大量採用や外部人材活用などで学校現場に多様な人が参画する状況において、人権感覚に富んだ教職員を育てることは急務である。世代交代がすすむなかで同和教育・人権教育を継承し、創造していくための大阪府教育庁としての認識・施策を明らかにするとともに、とりわけ管理職が職場の「指摘しあう関係性」や「高めあう教職員集団」をつくるための方策を示すこと。
(回答)
経験の少ない教員が増加していること、また外部人材の活用などで多様な職員が学校の取組みに参画されていることから、教職員の豊かな人権感覚の育成等、その資質向上を図ることは重要な課題であると認識しています。その認識に基づき、人権教育の原点に立ち戻り、あらゆる差別を許さず、すべての教育活動を人権尊重の視点をもって進めていくことを教職員に求めるため、2020(令和2)年9月、府教育長によるメッセージ「教職員の皆さんへ」を府立学校及び各市町村教育委員会へ発出し、活用をお願いしたところです。
学校での取組みを進めるために、人権教育プログラムや教材集・資料を作成・配付するとともに、2012(平成24)年度より、実践研究協議会を開催し実践を交流することにより、学校での人権教育の取組みを進め、指導方法等の充実を図っております。
学校におけるすべての教育活動は、子どもたちが安心して学べる環境の中で行われ、子どもたちの自己実現の支援として展開されなければならないと認識しております。
そのため、2018(平成30)年度より市町村教育委員会及び学校に対して、人権教育の観点を大切にした研究授業等を通して、教職員が人権について話し合える機会をもつよう伝えているところです。2020(令和2)年度では、小中学校ともに研究授業の実施率は100%となっており、引き続き取り組んでまいります。
また、2019(令和元)年度から2020(令和2)年度は地区別研究協議会を府域7地区で開催し、2021(令和3)年度からは課題別の研究協議会を年間5回実施し、人権教育の観点を大切にした研究授業及び協議を通して、教職員が互いの人権感覚を高め合う取組みを推進しております。
これらのことについて、校長人権研修、教頭人権研修で周知し、各小中学校での取組みの推進を働きかけています。
今後も、さまざまな外部人材の方も含めて、すべての教職員の指導が「人権が尊重された教育」として行われるように、市町村教育委員会及び学校に対して指導してまいります。
府教育センターにおいて、初任者研修をはじめ、さまざまな人権に関する研修を実施しており、人権問題への理解を深めるとともに、教職員自らが主体的に学習を深められるよう、研修方法・内容の充実を図っております。
管理職に対しても、教職員が日々相互に資質を高め合う職場環境づくりに努めるよう指示しています。こうした観点に立って管理職がリーダーシップを発揮できるよう、大阪府教育センターにおいて、人権が尊重される学校経営や組織マネジメント、人材育成についての研修を実施しております。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
20【任用と研修】管理職(民間人校長を含む)、指導主事、首席、指導教諭の任用については、人権感覚の鋭さ、同和教育・人権教育等の実践を重視すること。また、管理職の鋭い人権感覚・適切なリーダーシップの発揮等、管理職研修の充実を大阪府教育庁としてはかり、市町村教育委員会に対しても指導・助言すること。さらに、新規教職員の採用においても、人権感覚の鋭さ・豊かさを重視した採用とすること。
(回答)
管理職(民間から登用した任期付校長を含む)においては、面接試験等において人権感覚や人権意識についても、適性を見極めるよう努めているところです。さらに任期付校長については、採用予定者研修においても、人権をテーマとした研修を取り入れているところです。
府教育センターでは、管理職が人権感覚を高め、人権が尊重される学校経営にリーダーシップを発揮できるよう、「府立学校長研修」「府立学校教頭研修」「府立学校新任首席研修」「小中学校新任首席研修」において、人権を恒常的なテーマとして取り上げています。
また、「小・中学校長人権教育研修」や「小・中学校リーダーシップ養成研修(管理職登用予定者対象)」においては、校長経験者による講義等を通して、学校におけるOJT機能や組織としての対応の大切さについて管理職の教育実践から学ぶなど、管理職研修の充実に努めているところです。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教職員室 教職員人事課
(要望項目)基本要求
21【多部局にわたる人権侵害事象】多部局にわたる課題を有する人権侵害事案が生起した際の大阪府としての対応策・体制を明らかにすること。
(回答)
人権侵害事案については、人権局が総合調整機能を果たし、迅速な解決に結び付けるため、関連部局の担当者による対策チームを設置し、事実確認、関連部局の役割分担の明確化、対応スケジュール等の共有化を図りながら、迅速な対応に努めることとしています。
また、事案の情報が、人権局兼務職員等を通じて円滑に人権局に提供されるよう、府職員が事案を察知した場合の対応例を作成・提示し、兼務・併任職員会議の都度、周知徹底を図っているところです。
さらに、関連部局等と連携して対応した事案については、その調整・対応経過等を参考事例として各部局へ情報提供を行うことにより、連携の円滑化を一層図ってまいります。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権擁護課
(要望項目)基本要求
22【リバティおおさか】大阪人権博物館(リバティおおさか)と協力・連携するとともに、人権に関する教職員の研修や府民への啓発等、リバティおおさかの事業や資料の活用を促進すること。
(回答)
リバティおおさかは、あらゆる人権問題の歴史的資料を収集保存、展示公開することによって、生きた教材・学習の場を提供する役割を果たしてこられています。
府教育庁といたしましては、2015(平成27)年6月に「リバティおおさかを活用する人権学習プラン」を作成し、市町村教育委員会及び府立学校に対して送付しました。
また、「府立学校に対する指示事項」、及び「市町村に対する指導助言事項」の中でリバティおおさかの有効活用について指示するとともに、府民に対しては、大阪府PTA協議会等を通じてリバティおおさかの周知及び企画展の広報などを行ってまいりました。
引き続き、市町村及び府民に対し周知するなどリバティおおさかの事業や資料の活用促進に努めてまいります。
府教育センターでは、初任者・新規採用者研修において、リバティおおさかについて、その役割や事業について説明しています。人権教育研修等におけるリバティおおさかの資料等の活用についても引き続き検討してまいります。
教職員の研修において、これまで同様リバティおおさかについて取り上げ、リバティおおさかが果たしてきた意義や役割を伝えるとともに、資料等の活用についても引き続き検討を進めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 地域教育振興課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
23【外国人教育研究会への支援】大阪府の「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」をふまえ、在日朝鮮人教育をすすめること。また、大阪府人権教育研究連合協議会への人的配置の拡充、および「外国人教育研究会」未設置の市町村に対し、組織整備を求めること。
(回答)
府教育庁では、「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」を踏まえて在日外国人教育を推進してきたところです。
なお、その指針の内容を具体化した「在日外国人教育のための資料集(DVD)」教材の活用促進を図るよう、全市町村教育委員会及び府立学校に指導助言を行うとともに、人権教育主管課長会や研修会等において、学校の教育活動での具体的な活用方法を示すなどし、指針を踏まえた教育が充実するよう指導を行っています。
今後、さらなる在日外国人教育の充実に向けて、研修会等あらゆる機会をとらえて資料集の活用について働きかけてまいります。
また、大阪府在日外国人教育研究協議会(府外教)や大阪府立学校在日外国人教育研究会(府立外教)は、本府の在日外国人教育・国際理解教育の充実にとって大きな役割を果たしていると認識しています。今後とも研究組織の独自性や専門性を尊重し、連携を一層深め、在日外国人教育の推進に努めてまいります。
さらに、府教育庁といたしましては、各単位外教の未設置市町村(14市町村)及び府外教未加盟市(4市)に対して、設置や加盟を働きかけてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
24【子どもの安全・健康・給食課題】子どもたちの安全や人権を守るため、フッ化物洗口・塗布、予防接種等を学校で一斉におこなうことがないようにすること。17年2月「学校における食物アレルギー対応ガイドライン」の活用を促すこと。アレルギー対応については子どもの命に直接関係することから、早急に大阪府教育庁としても人的配置などの環境整備を講じること。なお、食における合理的配慮について現場支援につながる施策を講じること。中学校給食は、安全性についての実態を把握し、安全・安心で教育的意義のある給食が子どもたちに提供されるよう市町村教育委員会に指導・助言すること。
(回答)
国(厚生労働省)においては、う歯予防のためのフッ化物応用法について、有効性や安全性について研究を行い、フッ化物歯面塗布法に加え、より効果的なフッ化物洗口法の普及を図るため、「フッ化物洗口ガイドライン」を作成し、文部科学省は、各都道府県教育委員会に対して、同ガイドラインを周知しております。
同ガイドラインには、フッ化物洗口を学校などの集団で実施する場合は、「学校歯科医の指導のもと、安全性等を確保して実施すること」「事前に水で練習させること」など、安全に実施するための方法や留意事項が示されております。
府教育庁においては、文部科学省の通知を踏まえ、府立学校、市町村教育委員会に対して、児童生徒の実態等により学校においてフッ素化物洗口を実施する場合には、ガイドラインを参考にするよう周知しております。
また、各学校に配布している「「生きる力」を育む学校での歯・口の健康づくり 令和元年度改訂」(2020(令和2)年 公益財団法人日本学校保健会発行)には、「学校歯科医の管理と指導の下に、教職員や保護者等がその必要性を理解し、同意が得られるようにするなどして、しっかり手順を踏んで実施する必要」があると示されております。
フッ化物洗口等を実施する場合には、「ガイドライン」等を参考に本人、保護者等に適切に対応するよう、府立学校や市町村教育委員会に対して、指導・助言してまいります。
定期予防接種については、予防接種法に基づき市町村長が実施するものであり、1994(平成6)年の予防接種法及び結核予防法の改正により、医師が医療機関で行う個別接種が原則となりました。一方、個別接種により実施しがたい場合は集団接種ができるとされています。
文部科学省においては、法の改正に伴う予防接種の取扱いについて、都道府県に対して、「市町村長が学校に協力を求めた場合は、学校の教育活動に支障がない範囲で、実施場所の提供、予診票の配布等の協力を行うこと。」と通知し、府教育庁では、府立学校、市町村教育委員会に対して、上記内容について通知しております。
また、厚生労働省が定める「定期予防接種実施要項」においても、「市町村長は、学校等施設を利用して予防接種を行う場合は、管内の教育委員会等関係機関と緊密な連携を図り実施すること。」とされております。
定期予防接種については、市町村長が実施するものでありますが、市町村教育委員会に対して、集団接種を実施する場合は、法に基づき適切に対応するよう指導してまいります。
今後とも、市町村教育委員会や府立学校に対して、フッ化物洗口や予防接種の集団接種を実施する場合には、法等を踏まえ、児童生徒の個別の状況に応じ、保護者へ丁寧な説明を行うなど、適切に対応するよう、指導・助言してまいります。
2017(平成29)年2月に、学校での食物アレルギー事故防止の取組みを一層推進するため、「学校における食物アレルギー対応ガイドライン」を作成し、同年3月に各府立学校、市町村教育委員会あて送付し活用するよう依頼したところです。
学校における食物アレルギー、特に学校給食でのアレルギー対応や支援学級等での給食への合理的配慮の実施にあたっては、栄養教諭の役割が重要であると考えており、給食の実施方法や、生徒児童数に関わらず栄養教諭を各校1名配置とするよう府として国に対し要望をしたところです。
食物アレルギー対応は、個人の努力や良心に任されるものではなく、児童生徒の安全性を最優先し、栄養教諭や養護教諭、食物アレルギーを有する児童生徒を受け持つ学級担任だけでなく、管理職をはじめとする全ての教職員が組織的に対応することが重要であることから、さまざまな機会をとらえ、適切に指導をおこなってまいります。
中学校給食については、学校給食法に基づき、学校の設置者である市町村が、それぞれの地域の実情にあわせて、実施形態や運営形態を決定し実施しているところです。
また、民間調理場活用方式により学校給食を実施している市町村における、委託事業者に対する安全面や衛生面での指導については、一義的には学校給食の実施主体である市町村において行うべきものと考えておりますが、今後とも各市町村が安全・安心でより良い給食を実施するよう学校給食主管課長会議などさまざまな機会をとらえ、適切に指導・助言を行っていきたいと考えております。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
25【健康診断】健康診断は、人権の観点を重視すること。
(1)色覚検査については、学校で教職員がおこなうべきではなく、定期健康診断項目外の検査であることの確認・徹底を市町村教育委員会に改めて周知すること。
(回答)
色覚検査については、一律一斉に実施するものではなく、学校医による健康相談において、児童生徒や保護者の事前の同意を得て個別の検査、指導を行うなど、必要に応じ、適切な対応ができる体制を整えるとともに、特に、児童生徒等が自身の色覚の特性を知らないまま不利益を受けることのないよう、保健調査に色覚に関する項目を新たに追加するなど、保護者等へ周知徹底を図るよう市町村教育委員会に対し指導しており、2019(平成31)年4月にも通知等を行ったところです。引き続き、学校保健主管課長会など様々な機会を通じて周知を図ってまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
25【健康診断】健康診断は、人権の観点を重視すること。
(2)教職員が色覚特性を知り、色のバリアフリーをすすめるための研修をおこなうこと。
(回答)
養護教諭を含む初任者・新規採用者に対しては、「初任者・新規採用者研修の手引」の中で、色覚検査の趣旨の記述に加え、「教職員は教育活動の全般にわたり、色の見分け方が困難な児童生徒が必ずいるという前提で、色覚特性について正しい知識をもって児童生徒に接するとともに、必要な場合には個別相談に応じ、適切な対応を心がけることが必要」等を示し、資質向上を図っています。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
25【健康診断】健康診断は、人権の観点を重視すること。
(3)月経痛に関する調査等、決められた数値や「あるべき健康な身体」に合わせた治療の強制や、生活規制の強要をおこなわないよう市町村教育委員会を指導すること。
(回答)
「学校保健安全法施行規則の一部改正」等に伴い、座高の検査が必須項目から削除され、成長曲線の活用により児童生徒等の発育を評価することとなりました。さらに、四肢の状態の検査が必須項目に加わったことで、成長過程にある児童生徒等の脊柱・胸郭・四肢・骨・関節の疾病及び異常を早期に発見することにより、心身の成長・発達と生涯にわたる健康づくりに結び付けることとなりました。府教育庁としましては、各学校における児童生徒等の健康診断及び事後措置等が人権に配慮されながら適正かつ円滑に実施され、適切な保健管理の実施と指導の充実が図られるよう、引き続き市町村教育委員会を指導・助言してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
25【健康診断】健康診断は、人権の観点を重視すること。
(4)学校健診記録を「ビッグデータ」として提供・活用することについては、慎重に対応すること。外部団体からのさまざまな調査については、調査内容を大阪府教育庁として精査すること。また、提供したデータは、慎重にとり扱うよう要請すること。
(回答)
学校健診記録を「ビッグデータ」として提供・活用することについては、慎重に対応するとともに、外部団体からの調査につきましても、内容を精査し、提供するデータについても、慎重に取り扱うよう要請してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
26【就学時の健康診断】17年改訂「就学時の健康診断マニュアル」は、公益財団法人である日本学校保健会が作成したものであり、マニュアルにそった実施を強制するものではないことを市町村教育委員会に周知すること。就学時健康診断については、93年の確認(ア.受診義務はない。イ.就学時健康診断をもとに振り分けをおこなわない。ウ.保護者の意向を尊重する。エ.精密検査の受診についても強制はしない。オ.前記事項を市町村教育委員会に指導する。)を周知徹底すること。
(回答)
(財)日本学校保健会が作成した「就学時の健康診断マニュアル」については、参考となる部分があるものの、一部誤解等を与える記載があり、取り扱いについては、参考としての対応とし、実際の就学時の健康診断の際には、各市町村教育委員会において適切に実施するよう周知しております。
就学時の健康診断については、受診義務はないこと、就学時の健康診断をもとに振り分けをおこなわないこと、保護者の意向を尊重すること、精密検査の受診についても強制はしないことを示すなど、適切に実施されるよう、引き続き市町村教育委員会を指導・助言してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 保健体育課
(要望項目)基本要求
27【全国学テ】「全国学力・学習状況調査」の結果公表については、自治体や学校の序列化・過度の競争にならないよう、また、学校選択等の資料としないよう市町村教育委員会を指導すること。
(回答)
全国学力・学習状況調査の結果の取扱いについては、市町村教育委員会や学校が自らの判断により結果を公表する際には、結果数値だけではなく、教育活動の取組みの状況や今後の改善方策をあわせて示すなど、丁寧な説明を行うよう、本調査の実施要領に基づき指導を行っているところです。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
(要望項目)基本要求
28【すくすくテスト】19年、国連子どもの権利委員会は、「ストレスの多い学校環境(過度に競争的なシステムを含む)から子どもを解放するための措置を強化すること」と、日本に勧告した。とくに、昨今のさまざまな学力調査等が、事前対策や詰め込み型の学習、点数向上策につながり、子どもたちや学校現場に競争原理をおしつけ、子どもたちの生活や学びに多大な問題が生じている。子どもたち一人ひとりの「ゆたかな学び」の保障の観点から、廃止も含め調査内容、結果のとりあつかい等について充分に研究、配慮すること。また、自治体や学校、学級、子どもの負担と序列化につながらないようにすること。
(回答)
小学生すくすくウォッチについては、子どもたち一人ひとりが自らの強み等を知り、学びの基盤となる言語能力や読解力、情報活用能力等を向上させ、これからの社会を生き抜く力を着実につけることを目的として実施しております。そのため、アンケート結果からわかる子ども一人ひとりのよさやすくすくウォッチの解答状況にあわせた学習アドバイスなどを記載した「ウォッチシート(個人票)」を児童に配付しています。
今後、結果分析を進めていく中で効果的な取組みを見出すとともに、市町村等から好事例の聞き取り等を行い、発信していくことで府内小学校での取組みの充実につなげてまいりたいと考えております。また、結果の取扱いについては、序列化や教員の評価につながることのないように、市町村への説明等を進めているところです。
次年度の実施にあたっても、その趣旨や目的等を、市町村に対して丁寧に説明し、協力していただく予定です。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
(要望項目)基本要求
29【チャレンジテスト】調査書の「評定」にかかわって、公平性を担保するための方策として活用している「チャレンジテスト」により、点数学力が特化され、各教科の評価や授業内容、年間指導計画等に大きな影響を及ぼしている。テストの結果をもとに、目標に準拠した評価(絶対評価)を学校間で相対的に比較する制度には、子どもたちの排除につながる等の問題点がある。チャレンジテストに関わる問題点や課題については、総括的に検証するとともに、実施しないことも含めた制度の見直しをはかること。
(回答)
中学生チャレンジテストについては、本テスト結果を活用し、大阪の子どもたちの学力状況を把握・分析し、教育指導の工夫改善を図るとともに、府立学校入学者選抜の調査書の評定の公平性の担保に資する資料を作成することなど、実施要領に示した5つの目的に沿って実施しております。
各市町村においては、実施要領に基づき、調査結果は学力の一側面であることを踏まえ、教育の課題の改善の取組みを進めるものと認識しております。
平成28年度入学者選抜より、調査書の評定に目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)を導入することとし、その公平性を担保するため、2014(平成26)年度の中学2年生が参加したチャレンジテスト及び平成27年度全国学力・学習状況調査を活用する府内統一ルールを定めました。平成29年度選抜から、大阪独自の中学3年生チャレンジテストを、府内統一ルールのために活用することとしました。また、府民にとって分かりやすい制度となるよう、2020(令和2)年度から府内統一ルールを部分的に変更しました。
今後も、市町村教育委員会、中学校、高等学校等の各方面から御意見をいただきながら、調査書評定の絶対評価の公平性の担保について、研究を重ねてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
30【高校入試】入学者選抜におけるこの間の制度改変が、学校現場に大きな影響を与えている。変更等については、拙速に結論を出すのではなく、有識者も含めた幅広い層による議論や現場の意見をふまえ、慎重かつ丁寧になされるべきである。大阪府教育庁としての課題認識と今後の方向性を明らかにし、中学校での進路指導をはじめ中学校・高校現場の教育活動に混乱をきたさないよう、現場に即応した指導・支援をおこなうこと。
(回答)
2016(平成28)年度以降の高等学校の入学者選抜制度については、2014(平成26)年11月に「大阪府公立高等学校入学者選抜制度改善方針」を決定し、令和3年度入学者選抜については、選抜方針及び実施要項を定め、市町村教育委員会、中学校、高等学校を対象に説明会を開催するなど、丁寧に制度の周知を図り、2021(令和3)年2月、3月に入学者選抜を実施いたしました。
令和4年度選抜については、2021(令和3)年3月に選抜方針を定め、6月に市町村教育委員会や中学校の校長を対象に説明を行いました。また、10月には実施要項を定め、市町村教育委員会や中学校進路指導担当者などを対象に説明を行いました。
今後も、市町村教育委員会、中学校、高等学校等の各方面から御意見をいただきながら、中長期的に安定した制度となるよう努めてまいります。
入学者選抜制度の改変に伴い、進路指導の一層の充実が必要なことから、府内各地区の進路指導の核となる中学校の担当教員からなる進路指導地区代表者連絡会を年5回開催して、情報の収集や共有などを行うことで、中学校における進路指導、生徒の進路選択の支援に努めているところです。
また、1年目の中学校進路指導担当教員は悉皆とする「中学校進路指導担当者連絡会」を開催し、一人ひとりの生徒を大切にした進路指導や入学者選抜に関する業務についての理解を深めています。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課