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障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 文書回答(2)
(1) (2) ※2ページに分割して掲載しています。
文書回答
地域移行・地域生活に関する要求項目
(要望項目)
1.地域移行の取り組みに関する国への要望
- 地域移行支援サービス費について、重度障害者の地域移行での労力やスキルに見合った報酬の増額、体験加算15日制限の撤廃、施設・病院までの交通費保障を求めること。
- 地域移行を進めるためには、地域移行支援の契約前の「前段階支援」やコーディネートが不可欠であることから、明確な報酬や加算を設けるよう強く働きかけること。特に重度障害者の地域の受け皿を増やすために、グループホームの地域移行特別加算の対象者や適用年数を拡大すること。
- 地域移行支援には体験外出・体験宿泊も不可欠であるため、移動支援の利用を求めること。
(回答)
地域移行を進めるためには、市町村の基幹相談支援センターに配置するコーディネーターの役割が重要であり、現行の地域生活支援事業の枠内では地域移行のためのマンパワーの確保が難しいことから、必要な財政支援策を講じるよう、国に要望しているところです。
また、地域移行支援の支給決定までの働きかけでの報酬上の評価や支給決定前の「地域生活の体験」や「体験宿泊」の利用や遠方の施設や病院に働きかけを行う際の交通費の加算など、実情にあったきめの細かい支援ができるよう、国に対し、報酬上の改善を求めているところです。
共同生活援助における精神障がい者地域生活移行特別加算や強度行動障がい者地域移行特別加算につきましては、今後の運用状況を注視するとともに、必要に応じて国へ要望するなどの対応を行ってまいります。
なお、移動支援事業は、障害者総合支援法で市町村の地域生活支援事業として位置づけられており、国が定める要綱により「移動支援を実施することにより、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出の際の移動を支援する」と規定され、市町村において、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な事業形態により事業を効率的・効果的に実施できることになっています。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課(斜字部分の回答)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
(要望項目)
4.相談支援事業について
(1)今回の報酬改定で多少の上積みと要件緩和がなされ改善されたものの、まだまだ相談員1人事業所が多い中で要件を満たすことが難しい事業所も少なくないことから、引き続き事業所調査を実施するとともに、国に対して相談員を複数配置できる報酬に増額するよう強く求めること。
(回答)
すべての障がい福祉サービス及び地域相談支援の利用者に対して適切なサービス等利用計画を作成できる相談支援事業者を確保するため、業務実態をふまえた報酬評価がなされるべきと認識しているところです。
今般の報酬改定の内容を踏まえた相談支援事業の実態及び課題等を把握するため、例年国が実施する障がい者相談支援事業の実施状況等調査に、府独自の項目として計画相談支援及び障がい児相談支援にかかる基本報酬や各種加算状況等の項目を追加して、実施状況調査を実施いたしました。
他の障がい福祉サービスや他の職種に比べた相談支援事業所の経営実態も踏まえ、計画相談支援に至る前の基本相談支援の部分を適切に評価し、指定特定相談支援事業者の経営基盤を強化して事業者の確保を図るとともに、適切な計画作成ができる相談支援専門員を安定的に確保するため、基本報酬額は必要な改善を図るよう、引き続き国に対して強く働きかけを行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課
権利の実現に関する要求項目
(要望項目)
1.府の差別解消条例、差別解消取り組みについて
(2)府内市町村の差別解消支援協議会は、いまだ19市町村が設置検討中であるなど一向に進んでいない。府内障害者団体とも連携し、早期に全市町村で設置されるよう対策を講じること。各市町村の相談窓口対応において、「まず受け止め、当事者に寄り添った適切な対応」ができているか状況を集約し、課題がある場合は直接市町村に出向くなど機動的な助言・指導を行うこと。
(回答)
障がい者差別の解消を効果的に推進するためには、障がい者にとって身近な地域において主体的に取組みがなされることが重要と認識しています。
大阪府においては、これまで市町村ワーキングや出張情報交換会を行うことで、相談窓口の体制や支援地域協議会等に関する情報交換や、好事例等の発信を行うとともに、内閣府の障害者差別解消支援地域協議会体制整備・強化ブロック研修会を実施し、支援地域協議会の設置促進に努めてまいりました。
府内市町村における支援地域協議会の設置状況については、昨年度1市に新たに設置され、また、新たに1市が設置を検討中ですが、なかなか設置は進んでいません。
そこで今年度は未設置の市町村に対して、支援地域協議会の設置に向けた個別の働きかけを実施する予定としております。また、支援地域協議会をすでに設置している市町においても協議会運営の参考とすることができるように、いくつかの市町村ごとに集まって情報交換会を実施し、好事例の共有とともに支援地域協議会の運営に関し、未設置市に働きかけ、既設置市へは後方支援等を行ってまいります。
今後も市町村職員の対応力向上のため、引き続き情報交換会の開催など、市町村への支援に取り組んでまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
教育・保育に関する要求項目
(要望項目)
2.義務教育段階の支援等について
(3)支援学級の設置は、同じ場でともに学ぶためであることを明確にするとともに、学年が進むにつれて分離が行われていないか検証すること。またコロナ禍の中、安心・安全を理由に保護者の付添い等が、決して実質的に強いられることのないよう、市町村教委を指導すること。
(回答)
支援学級の設置については、市町村教育委員会が地域や学校の実情に応じて学級編制を行う観点から、府教育庁としましては、今後とも、市町村教育委員会と連携し、児童生徒の状況に応じた障がい種別ごとの学級設置を促進するとともに、児童生徒一人ひとりの障がいの状況に応じた指導・支援の工夫や、自立活動を取り入れた教育課程の編成について、より一層の充実が図られるよう助言に努めてまいります。
また、府教育庁では、毎年、各市町村が所管する小・中学校のうち、新たに支援学級等を増設置した学校を指定し、学校訪問を行っています。その中で、種別設置の効果や交流及び共同学習の様子など、学校全体の取組みについて把握し、障がいのある児童生徒への指導・支援のさらなる充実に向け意見交換等を行っています。
コロナ禍の中、障がいのある児童生徒の生命と安全への配慮については、保護者との信頼関係のもと、主治医・学校医等とも連携しながら、ともに考えていくことが重要であると認識しています。
府教育庁としましては、障がいのある児童生徒が、コロナ禍の状況においても、保護者の付き添いに頼ることなく安心してともに学ぶことができるよう、あらゆる機会を通して市町村教育委員会に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)
2.義務教育段階の支援等について
(4)国の「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議報告」にもあるように、「障害の社会モデル」を浸透させるための研修を、全教職員対象に行うこと。
(回答)
大阪府教育センターでは、各校種、キャリアステージに応じて、支援教育に関する研修を実施しております。まず、小学校、中学校、高等学校、支援学校の「初任者研修」、養護教諭、栄養教諭、実習教員、学校事務職員の「新規採用者研修」では、「支援教育の現状と課題 子どもを理解する方法とその指導・支援の在り方について」として、支援教育の理念や現状と課題等についての理解を深めております。
また、小学校、中学校、高等学校、支援学校の「10年経験者研修」では、支援教育のさらなる充実のために、大阪府における「ともに学び、ともに育つ」教育の成果と課題についての理解を深めております。
さらに、管理職研修においては、インクルーシブ教育システムの構築に向けた、各学校における合理的配慮と基礎的環境整備について、具体的な内容、方法等について認識を深め、学校経営に生かしていただいております。
加えて、全教職員対象の研修として、小中学校及び府立学校における人権教育研修において、「障がいの社会モデル」について学ぶとともに、障がい理解・啓発推進研修において、共生社会の実現に向けた「ともに学び、ともに育つ」教育を進め、当事者等の願いや経験、実践を知るなど、障がいに対する理解を深める研修を実施しております。
また、教育的ニーズをふまえた個別の指導計画に基づき、「教育課程説明会」において、障がいによる学習上の困難または生活上の困難が障がいに起因するものだけでなく、周囲の環境等によっても生じ、個々にその状況は異なることから、各教科における指導及び支援のあり方について十分配慮するよう、各支援学校へ周知しております。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)
3.医療的ケアが必要な児童・生徒について(府内市町村の小中学校について)
(2)医療的ケアが必要な児童・生徒が在籍する学校で、全職員対象の医療的ケア研修を行うよう市町村教委を指導すること。また緊急時・災害時への備えも含め、看護師以外の医療的ケア実施者を増やすために、教員・支援員等、学校関係者が「府教育庁で実施する第三号研修」に参加できるようにするなど、実施主体の拡充を行うこと。
(回答)
医療的ケアが必要な児童生徒が在籍する学校においては、医療的ケアの必要な児童生徒一人ひとりについての理解を深める必要があると認識しています。きめ細かな対応が校内全体で一層推進されるよう、緊急時や災害時の対応等も含めた医療的ケア研修の実施について、引き続き市町村教育委員会を指導してまいります。
大阪府が実施している第三号研修につきましては、これまで「実質的違法性阻却」の考え方に基づいて医療的ケアを実施してきた支援学校の教員を対象に実施しています。
府教育庁としましては、各市町村教育委員会において実施される第三号研修等の取組みに必要な情報の提供に努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)
5.障害のある生徒の高校問題(入学・入学後)について
(1)障害によって、入試で合格点を取るのが困難であっても、高校に入学できるよう自立支援コースの拡充整備等を検討すること。また希望するすべての生徒が高校で学べるよう、現在の公立高校の入試制度を改善すること。さらに「定員内不合格者を出さない」原則を貫くよう徹底すること。
(回答)
(支援教育課)
知的障がいのある生徒が高校でともに学ぶ取組みである自立支援推進校、共生推進校につきましては、「大阪府教育振興基本計画」等により順次拡充し、令和2年度より府立東住吉高校と府立今宮高校に新たに共生推進教室を設置しました。これにより府立高校において、自立支援推進校9校、共生推進校10校で取組みをすすめています。
また、平成28年度末に公表した「知的障がい生徒自立支援コース・共生推進教室の取組みの充実に向けて」において、「自立支援コースの募集人員増について、具体的に検討を進める」と示したことをふまえ、平成30年度入学者選抜から、自立支援推進校3校の募集人員を1人増やし4人としているところです。
(高等学校課)
令和3年度入学者選抜の公私立高校の募集人員については、令和2年10月27日の大阪府公私立高等学校連絡協議会において、公私トータルで府内進学予定者数の受入れが可能であることを確認したところであり、令和4年度につきましても、これまでの方針を踏まえて検討してまいります。
令和4年度選抜については、今年3月に選抜方針を定め、6月に市町村教育委員会及び中学校の校長を対象に説明を行いました。また、10月には実施要項を定め、市町村教育委員会や中学校進路指導担当者などを対象に説明してまいります。
今後も、市町村教育委員会、中学校、高等学校等の各方面から御意見をいただきながら、中長期的に安定した制度となるよう努めてまいります。
高等学校への入学許可については、中学校長が作成する調査書や学力検査等の成績を資料とした入学者選抜に基づいて高等学校長が行うこととしていますが、受験者が募集人員を超えない場合は、原則として不合格者を出さないよう、今後とも、さまざまな機会を捉え高校への指導を続けてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)
7.大阪府教育庁における、障害者の法定雇用率が未達成であることについて、その理由を示すこと。また雇用率2.4%の早期達成に向け、全府立学校での採用等、抜本的な方策について検討すること。
(回答)
大阪府教育委員会においては、これまで積極的に障がい者雇用の取組みを進めてきましたが、令和2年6月1日時点の障がい者雇用率は1.84%となっており、法定雇用率を下回る状態にあります。
このことを重く受け止め、引き続き改善に向け、「大阪府教育委員会における障がい者である職員の活躍推進計画」に基づくさまざまな取組みを進めてまいります。
具体的には、知的障がいのある府立学校の卒業生の就労支援を行う「教育庁ハートフルオフィス」に、引き続き取り組むほか、障がい者を対象とする教員採用特別選考等を実施してまいります。
※令和3年3月から、都道府県等の教育委員会の法定雇用率は2.5%に引上となっています。
(回答部局課名)
教育庁 教育総務企画課
教育庁 教職員室 教職員人事課
交通・まちづくりに関する要求項目
(要望項目)
1.駅ホームの安全・平等な移動の確保について
(2)ホーム柵設置と同時に実施されている「車両とホームの隙間・段差解消工事」について、国は「段差3センチ・隙間7センチ」を標準としているが、その基準では車いす利用者の一部は単独乗降できない。大阪メトロ・千日前線では既に「段差2センチ・隙間3センチ」としていることからも、少なくとも国の推奨基準である「段差2センチ・隙間5センチ」を大阪の設置基準とし、別途補助事業を設けるなど、設置促進策を検討すること。
(回答)
国の「鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降口の段差・隙間に関する検討会」による実証実験では、全ての被験者が乗降可能な組み合わせは「段差2センチ・隙間5センチ」となっておりますが、車両乗入口の逆段差への配慮など旅客の円滑な移動の観点や、車両とプラットホームとの接触防止など列車の安全な走行の観点など、様々な制約があるため、当面の目安値として「段差3センチ・隙間7センチ」ととりまとめられました。
また、国の基本方針の改正では、駅施設及び車両の構造等に応じて、十分に列車の走行の安全確保が図れることを確認しつつ、可能な限り段差及び隙間の縮小を進めることとされたところです。
鉄道事業者においては、駅員がプラットホームと車両乗降口の間に渡り板を設置して介助を行う方法や、プラットホーム縁端部へのくし状ゴムの設置などさまざまな取組みがなされており、可動式ホーム柵を整備する際のホーム縁端部の嵩上げについては、大阪府も補助の対象としているところです。
大阪府としては、国、府、市町村、そして鉄道事業者により構成する「大阪府重点整備地区バリアフリー推進連絡会議」などの場を通じて、できる限り段差・隙間が小さくなるような整備を、鉄道事業者に対し働きかけを行ってまいります。
(回答部局課名)
都市整備部 交通戦略室 交通計画課
建築部 建築指導室 建築企画課
(要望項目)
1.駅ホームの安全・平等な移動の確保について
(3)昨年改正されたバリアフリー法基本方針では、ホーム柵の設置対象駅が1日乗降2000人の駅まで拡大された。今後実施予定も含め府で把握しているホーム柵設置補助要綱を持つ市町村名を明らかにし、未策定の市町村には策定を働きかけること。
(回答)
大阪府が把握している可動式ホーム柵整備に関する補助要綱を持つ市は、以下の13市です。
大阪市、堺市、豊中市、吹田市、高槻市、茨木市、摂津市、枚方市、門真市、藤井寺市、大阪狭山市、和泉市、岸和田市
可動式ホーム柵の整備が進むよう、引き続き、地元市町に対して補助要綱の策定の働きかけを行うなど、鉄道事業者・国・地元市町と連携しながら取り組んでまいります。
(回答部局課名)
都市整備部 交通戦略室 交通計画課
(要望項目)
2.府まちづくり条例関係
(4)小規模店舗にかかる建築設計標準の改訂を踏まえ、府条例審議会等によりガイドラインを改正し、その周知を図るとともに、商店街や関係団体とも連携し、既存店舗も含めて改善が進むよう、府としての取り組みを検討すること。
(回答)
大阪府においては、小規模店舗等にかかる国の「高齢者・障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」の改訂を踏まえ、大阪府福祉のまちづくり審議会で今年度ガイドラインの改正を行う予定です。
今後とも、大阪府福祉のまちづくり条例ガイドラインを用い、バリアフリー法及び府条例に定める整備基準に加え、設計時の配慮事項を具体的に示す望ましい整備事項を記載することで、府民や建築設計者の十分な理解の促進に努めてまいります。
(回答部局課名)
建築部 建築指導室 建築企画課
(要望項目)
3.府営公園のバリアフリー化について
(3)東京のインクルーシブ公園のように、様々な障害特性に配慮された公園整備事業を参考にしながら、公園全体の在り方の見直しについてモデル実施も含め検討すること。
(回答)
府営公園については、各種法令に基づく技術基準を遵守し、各公園の特性を踏まえ、公園施設を設計、整備しているところです。
引き続き他自治体の好事例を収集・参考としながら、より一層、誰もが安心・安全で快適な公園となるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
都市整備部 公園課