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障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 議事要旨2日目(3)
第2日目(1) 第2日目(2) 第2日目(3) ※3ページに分割して掲載しています。
回答骨子
地域移行・地域生活に関する要求項目
(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進、地域基盤づくりに向けて
(1)「第5次障がい者計画」でも示されているように、何十年もの長期入所の状態を解消していくために、「長期入所状態に至る前に地域移行できる循環型の仕組み」「入所施設の今後の機能のあり方」を併せて検討する場を設置すること。
(回答)
入所施設や精神科病院の入所者や入院患者が地域生活を希望される場合には、必要な支援を受け地域生活への移行を進めていくべきものと考えています。
大阪府では、社会福祉施設等施設整備補助金や公営住宅の斡旋によるグループホームの整備促進に取り組むとともに、長期入院の精神障がい者の地域移行については、地域精神医療体制広域コーディネーターを配置し、精神科病院の地域移行に対する理解促進や症状が安定した方の退院支援を進めております。
また、施設入所者の地域移行についても、昨年度に実施したモデル事業について、今年度より「大阪府重度知的障がい者地域生活支援体制整備事業」として本格実施し、重度化に対応した受け皿づくりや地域生活を支える体制整備に取り組んでおります。
今後、施設入所者や入所待機者等の現状を踏まえ、長期入所等の解消や緊急時の受入れなど地域との連携・循環のもと、障がい者の地域生活を支える入所施設の機能や役割について、検討していきます。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進、地域基盤づくりに向けて
(2)地域移行の推進に向けて、府基盤整備促進ワーキングを再開し、以下の具体策を打ち出すこと。
- コロナ禍においても地域移行取り組みが継続できるよう、オンラインも活用した施設や病院へのアプローチの仕組み作り、感染防止に十分配慮した体験外出や体験宿泊の進め方を検討すること。
- 府や圏域ごとに地域移行コーディネーターを配置し、定期的に施設を訪問・アプローチする仕組みや、市域をまたがった地域移行希望者を確実に出身市につなぐ仕組みを府で検討すること。
- 府で地域移行支援契約前の「前段階支援」への補助制度を設け、市町村にも実施を促すとともに事業推進のためのバックアップを行うこと。また、体験外出・体験宿泊での移動支援の利用を積極的に認めるよう市町村に働きかけること。
- 施設職員、入所者の家族に対して、障害者の地域生活や体験宿泊の見学、研修を実施すること。
- 「重度化・高齢化に対応した地域の受け皿づくり」に向けて、グループホームや介護等の基盤づくりのための研修拡充、相談支援や受け皿に対するスーパーバイザー派遣の仕組みを作ること。
(回答)
市町村で実施している入所施設と基幹相談支援センター等との意見交換、精神科病院での院内研修の実施、手紙やビデオレターによるピアサポーターと入院患者との交流など、オンライン等を活用した地域移行の取組み事例を参考に、コロナ禍においても継続した取組みが実施できるよう、感染防止に配慮した取組みの紹介や提案を行ってまいります。
地域移行を進めるためには、市町村の基幹相談支援センターに配置されるコーディネーターの役割が重要であり、入所・入院中の障がい者への働きかけ等を行う人員配置が可能となるよう、国に対し、必要な財政措置を要望しております。
また、長期にわたり入所・入院している障がい者が、施設や病院から地域生活に移行するためには、退所・退院意欲の喚起や、地域生活をイメージするための働きかけが重要と考えております。そのため、支給決定前の「地域生活の体験」や「体験宿泊」の利用や遠方の施設や病院に働きかけを行う際の交通費を加算することなど、実情にあったきめの細かい支援ができるよう、国に対し、報酬上の改善を求めているところです。
府としては、地域移行の実施主体の市町村が、地域の実情に応じ独自の取組みを進めていけるよう、施設入所者の状況把握などの取組み事例を紹介するなど、市町村の取組みを支援するとともに、「重度化・高齢化に対応した地域の受け皿づくり」に向けて、暮らしの場となるグループホームの確保や地域生活を支える体制整備に取り組んでまいります。
なお、移動支援事業は、障害者総合支援法で市町村の地域生活支援事業として位置づけられており、国が定める要綱により「移動支援を実施することにより、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出の際の移動を支援する」と規定され、市町村において、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な事業形態により事業を効率的・効果的に実施できることになっています。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課(斜字部分の回答)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進、地域基盤づくりに向けて
(3)兵庫県・神出病院での職員集団による虐待事件を「対岸の火事」と見ることなく、府の精神科医療機関療養環境協議会をより充実し権利擁護システムを構築するとともに、障害者・高齢者の虐待防止法において精神科病院が通報義務化対象とされるよう、国に対して強く働きかけること。
(回答)
大阪府では、精神科病床のある医療機関に入院中の精神障がい者の人権尊重を基本とした、より良好な療養環境の提供、維持・発展に寄与するため、大阪市、堺市と共同で大阪府精神科医療機関療養環境検討協議会を設置しています。
協議会では、委員や臨時委員である療養環境サポーターが年間6から12ヶ所のペースで医療機関を訪問し、療養環境の改善が求められる事項を協議会からの提言等として医療機関に示すとともに、改善点等の報告を受けることとしています。
提言等の内容は、大阪府こころの健康総合センターや保健所が行う精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第38条の6の規定に基づく実地指導においても、必要に応じて確認するなど、引き続き、入院中の精神障がい者の療養環境の向上に努めてまいります。
また、入院患者の権利利益の擁護に資するため、精神科病院内で発生した虐待の情報を入手できるよう、障害者・高齢者の虐待防止法において、精神科病院が通報義務付けの対象となるよう国に要望してまいります。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 地域保健課
(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進、地域基盤づくりに向けて
(4)国が進める「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」について、地域移行や地域支援の基盤整備に向けて、市各部局・精神科病院・障害福祉事業所の連携、地域で孤立しない仕組み作りを検討するとともに、住まいの確保のために市町村単位で居住支援協議会を開催し、行政、家主、宅建業者、支援団体の関係作りが進むよう府住宅部局と連携して市町村に働きかけること。
(回答)
「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステム」については、その構築に係る保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置を推進しており、令和2年度末の段階で、大阪府及び保健所圏域の協議の場がすべて設置、市町村における協議の場は、41市町村において設置済となっております。今後、協議の場を通じて、関係者の連携強化を図るとともに、未設置の自治体については、引き続き、早期設置に向けた支援を行ってまいります。
また、市町村居住支援協議会については、現在、豊中市、岸和田市において設立されており、庁内部局で連携し他の市町村においても協議会設立に向けた助言等を行うなどの支援を行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
建築部 居住企画課
(要望項目)
3.地域生活支援拠点等の機能について、府として市町村の取り組みの紹介にとどまらず、各市町村での課題を集約して、「大阪での地域生活支援拠点機能のあり方」について検討し、各市町村にも機能拡充に向けて積極的に働きかけること。また緊急・困難ケースへの地域支援力を高めるために、市町村とも共同して緊急対応補助やスーパーバイザー派遣補助を府内全域で実施すること。
強度行動障害者の受け皿確保のための研修事業である府の「重度知的障がい者地域生活支援体制整備事業」について、受託団体、受講対象者を更に拡大して受け皿を増やすとともに、高次脳機能障害や医療的ケアの受け皿拡充に向け、生活支援のための研修・マニュアルを整備すること。
(回答)
地域生活支援拠点等については、本府より令和元年7月に「地域生活支援拠点等の整備促進に向けて」をとりまとめ、「緊急時の受け入れ・対応の体制づくり」から取り組んでいただくよう提案するなど、市町村への働きかけを行ってきました。
府内市町村の地域生活支援拠点等の整備状況は、令和2年4月1日時点では、23市町村でしたが、令和3年4月1日時点では、36市町村において整備済となっております。
地域生活支援拠点等に関する国の調査や市町村へのヒアリングにおいて、拠点等の整備や運営に係る費用については、既存事業を活用することとされており、財源確保が大きな課題となっていることから、国に対して、市町村が地域の実情に応じて、緊急時の対応など必要な機能の拡充を図れるよう、地域生活支援拠点等の整備・運営に特化した補助制度を創設するなど、十分な財政措置を要望しております。
また、「重度知的障がい者地域生活支援体制整備事業」については、重度知的障がい者の暮らしの場となるグループホームの確保や地域生活を支える体制整備に向けて、事業効果を検証し、より効果的な実施方法を検討してまいります。
高次脳機能障がいのある方への支援については、障がい特性の理解から支援の実践例までを市町村、地域の支援機関、医療機関の対象者ごとに研修を実施しています。
また、マニュアルについては、これまでに、障がい特性の理解や支援会議のマニュアル等を作成しているところですが、昨年度は、平成30年度に実施した事業所アンケートを踏まえた実践事例集である「高次脳機能障がいのある方への支援ヒント集-府内事業所の実践例より-」を作成したところです。今後とも、こうしたマニュアルを活用しながら地域課題に沿った研修を行い、高次脳機能障がいの支援体制の整備に努めてまいります。
医療的ケアが必要な重症心身障がい児者の地域生活を支える地域ケアシステムのさらなる強化のために、医療依存度の高い重症心身障がい児者等支援部会を設置するとともに、障がい福祉サービス等の充実強化のため、医療型短期入所事業所の整備促進を図っております。また、医療的ケア児等支援ハンドブックの作成や、医療的ケア児等コーディネーター養成研修による支援者の養成等、医療的ケアの支援拡充に向けた取り組み、支援体制整備に努めてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課(斜字部分の回答)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
(要望項目)
4.相談支援事業について
(2)どの市町村も指定事業所数が伸び悩み、未だにセルフプランが多く相談員1人事業所も多い中、多くのケースを抱え込んでバーンアウトするなど悪循環に陥っており、事業撤退の連鎖も懸念される。この状況を打開するには新規事業所や相談員の確保が急務であり、市独自で新規開設補助を設けて基盤拡充を図っている所が4市に増えている。どの市町村でも基盤を拡充していくために、府で実態把握の上、全市町村に制度紹介・啓発を行うとともに、市町村任せにするのではなく、府で補助制度を実施するなど基盤拡充の方策を早急に検討すること。
(回答)
新規事業所や相談員の確保については、相談支援体制の充実・強化にあたっての課題であると認識しています。市町村において事業所の立ち上げ支援や人材の確保が図られるよう、相談支援従事者初任者研修において市町村推薦枠を設け、地域の支援体制の整備を支援しています。
相談支援専門員が複数配置の事業所を増やすために、開設初期段階での補助金を大阪府が創設することは困難ですが、市町村が独自に実施する補助制度等の立上げ支援策や、ケースを一人で抱え込んでバーンアウトすることのないよう相談支援専門員の活動を支える取組みの先行事例を紹介するなど、相談支援体制整備が図られるよう、今後とも市町村に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課
(要望項目)
5.今年度から導入されたピアサポート加算について、多職種との協働により地域移行や相談支援、意思決定支援等でピアサポートが有効に活用されるよう、実施状況を集約しながら、府として市町村・各障害団体とも連携し、来年度から受講枠を十分確保してピアサポート養成講座・フォローアップ講座を実施すること。
(回答)
令和3年度報酬改定により新たに創設されたピアサポート体制加算については、算定要件である障がい者ピアサポート研修を都道府県において実施することとなっていることから、本府におきましては、令和4年度からの本研修実施に向けて検討することとしています。
今後、障がい福祉サービス事業所等において、ピアサポートが積極的に導入され、当事者同士の支え合いや専門性を活かした支援が図られるよう、障がい者ピアサポート研修の実施にあたっては、国から示された研修カリキュラム等を踏まえ、当事者団体等のご意見をいただきながら、障がい特性に配慮した研修の企画・運営について検討してまいります。また、実施状況の把握に努めてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 自立支援課
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
(要望項目)
6.防災対策について、近年の猛烈な台風・豪雨災害の発生に備え、車いす利用者等が直ちに上階に垂直避難できるよう、学校校舎、ホテル、府市有施設、物販店等、多様な避難場所を市町村・各業界とも連携して十分確保し、水害時の事前避難や緊急避難で利用できるようにしておくこと。
また学校校舎等の上階も実際に利用可能としておくために、車いすトイレの設置や、行政・福祉事業所・地域住民が連携して事前の現地検証を進めていくこと。
(回答)(斜字部分の回答)
市町村は、災害対策基本法に基づき、災害が発生し又は発生するおそれがある場合における円滑かつ迅速な避難のため、洪水など災害の種類に応じた指定緊急避難場所の指定や、想定される災害の状況や人口の状況等を勘案し、災害が発生した場合に被災住民等を一時的に滞在させるための指定避難所の指定をしなければならないと定められており、避難所の開設及び運営についても市町村の責務とされています。
本府としては、市町村と連携して、避難所の課題解決に向け、避難所のバリアフリー化や運営体制の確立など、質の向上に取り組んでまいります。
また、コロナ禍において、災害発生時には、可能な限り多くの避難所等を確保する必要があることから、府内に所在するホテル等の宿泊施設と「災害時等における宿泊施設の提供等に関する基本協定」を、また、大型商業施設の立体駐車場を車で避難する場合の避難先として活用できるよう、(一社)日本ショッピングセンター協会と「避難対策等における連携と協力に関する包括協定書」をそれぞれ締結いたしました。
さらに、市町村に対し、国・府有施設の活用を働きかけるなど、府内市町村の十分な避難所確保の支援に引き続き努めてまいります。
(回答部局課名)
危機管理室 災害対策課
福祉部 福祉総務課
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
(要望項目)
6.防災対策について、近年の猛烈な台風・豪雨災害の発生に備え、車いす利用者等が直ちに上階に垂直避難できるよう、学校校舎、ホテル、府市有施設、物販店等、多様な避難場所を市町村・各業界とも連携して十分確保し、水害時の事前避難や緊急避難で利用できるようにしておくこと。
また学校校舎等の上階も実際に利用可能としておくために、車いすトイレの設置や、行政・福祉事業所・地域住民が連携して事前の現地検証を進めていくこと。
(回答)(斜字部分の回答)
府教育庁といたしましては、良好な教育環境の確保・整備の推進に必要な情報を市町村と共有するとともに、国の「学校施設環境改善交付金」制度を有効に活用し、計画的にエレベーター及び車いすトイレの設置を進めるよう働きかけてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 施設財務課
(要望項目)
7.日中活動について、就労支援B型の平均工賃月額体系による減算問題から、今年度から一律評価報酬体系が新たに導入されたものの、なかなか実際に利用することができず、問題解決に至っていないことから、引き続き国に対して、障害特性等による少日数・短時間利用者が平均工賃月額体系での算定カウントから除外することや、一律評価報酬体系の柔軟な適用について働きかけること。
(回答)
大阪府から国に対しては、「令和4年度 国の施策並びに予算に関する提案・要望(福祉関連)」で、福祉的就労の充実・強化として、地域において障がい者が自立した生活を営むためには、一般就労移行はもとより、福祉的就労の充実・強化を図ることが重要であることから、引き続き工賃向上に資する取組みの推進に十分な財政措置を講じることや地域特性や工賃実績を踏まえた取組みの重点化などを図ることなどを提案、要望しています。
また、就労継続支援B型サービス費(1)(2)において、障がい特性に起因するやむを得ない場合については、当該事情を考慮した必要な措置を検討するよう国に要望してまいります。
併せて、令和3年度報酬改定により新設された、平均工賃月額を基準としない就労継続支援B型サービス費(3)(4)については、障がい特性により少日数・短時間の利用とならざるを得ない利用者の支援を行う場合においても算定が可能なものとなっているか、継続して検証をおこなうことを求めています。
今後、大阪府としましても、実態や課題の把握に努めるとともに、それを踏まえた提案や要望を、引き続き国に対して行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 自立支援課
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課(斜字部分の回答)