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平成24年度第12回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 粒子線がん治療施設整備計画(案)について
資料名 |
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資料1-1 粒子線がん治療施設整備計画(案)の概要 | ||
資料1-2 粒子線がん治療施設整備計画(案) | ||
資料1-3 粒子線がん治療施設整備計画を踏まえた土地利用基本計画(素案)の取扱い |
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※資料に基づき、健康医療部等から説明
【小西副知事】
- 成人病センターの隣接地に重粒子線の治療施設を整備することによって、相乗効果を発揮して、西日本一のがん治療の拠点施設をつくるということは、よくわかる。
- ただ、民設民営とすると言いながら、土地については、機構が取得し、2分の1を府が負担することについて、政策的な意義付けはしっかりされているのか。
【健康医療部】
大阪府のがん対策の一環として、重粒子線がん治療施設を位置付けて行きたいと考えている。
【健康医療部長】
がん拠点病院の共同運営施設のような性格を持たせるとの説明をしたが、大阪には民間でも大きな病院が多く、府の指定するがん拠点病院となっているところもあり、そういった病院との柔軟な連携が可能となる。また、運営においても、土曜日、日曜日、あるいは時間外に、患者さんの動向に応じて柔軟な運営が民間では可能となると考えている。
【小西副知事】
それは、民営とする理由。公が負担するということでよいのか。
【政策企画部長】
- 民設民営とするとのことだが、政策的意義づけがあって、府として必要というのであれば、公設もありではないか。その中で、なぜ民設民営にするのか、そのメリットはどこにあるのか。また、民間からのヒアリングを受けて、採算性について議論がある中で、賃料も含めて府として優遇措置を講じることになると思う。あえて優遇措置を講じてまで、民間施設を呼んでくる意義付けについて、小西副知事が質問されていると思う。その辺の整理についてきっちりしておくべき。
- 病院機構が土地を取得する際、府としてその2分の1を負担したり、機構が事業者に土地を貸し付けるにあたって、賃料を減免したりする理由をきっちり説明すべきと思う。
- 仮に民設民営とした場合に、民間の自律的な経営に委ねながら、成人病センターとの連携はどうしていくのか、についても、きっちり説明をお願いしたい。
【知事】
公的保険適用外治療となるのか。
【健康医療部長】
- 自由診療としてのスタートとなる。
- 最先端医療としての期待が大きく、究極の高度医療施設である。設備投資が巨額となることから、公も民も一緒になって、府域全体をにらんで、当該施設を持つという意味合いがある。
【知事】
公的保険適用外治療を行う施設であるので、すべて公設で行うということに対して、理解は得にくいだろう。だから、民間の力を借りるということになるのか。
【小西副知事】
兵庫にある重粒子線施設は県立。群馬大学の施設も公設。純民間施設はないのか。
【健康医療部】
計画中のものも含めて、ない。
【小西副知事】
そういう意味では、公的なサポートがないと、民だけでは実現しないということ。そのため、政策誘導的に行うという理解でよいのか、しっかり整理されたい。
【綛山副知事】
- 病院機構は、府が出資をすることで設立した、府民の高度医療、先端医療を担う機構。その病院機構が、成人病センターを大手前に移設しようとしている。成人病センターは、がんの専門病院として、日本に冠たるものとして位置付けたいし、そういう役割を果たしてきた。そういった中で、がん治療の有力な手段として、重粒子線治療が出てきた。そこで、一つの選択肢として、隣接地に病院機構が自ら重粒子線治療施設を整備運営するという考えもある。
- 試算で年間800人となっているが、府内の患者数は想定2,400人である。せっかく施設を設けるのであれば、より有効に活用するという観点から、土日の運用であるとか、府内にある60のがん専門病院の患者さんにも使ってもらう。そうすることによって、府民等の健康増進に努めてもらう。そのためには、民設民営で、民間の力・ノウハウを借りて、より有効に使っていこうという考え。
- この資料にある地代の話では、30年で民間が80億円弱もうかる、病院機構は20億円程度損をするという数字が出ているが、すでに決まったものではなくて、あくまでも試算であると理解している。
- 運営にあたって、地代をどうするのか、治療料をどうするのか、新しい機器の更新をどうするのか、については、今後の議論と考えてよいのか。
【健康医療部長】
そういったことも、公募時に事業者から提案していただく中で、進めて行く。
【綛山副知事】
今議論となっていることは、その中で一定収斂されて、答えを見出していけるのではないか。そういったことも含めて、本日この場で決定したら、議会にも諮っていくということでよいか。
【健康医療部】
今回、具体的な条件を試算で出したが、来年度選定をするにあたって、募集条件については、専門家にも入っていただいて、決めていきたいと考えている。
【綛山副知事】
地代は上がる可能性もあるのか。
【健康医療部】
最低条件を決めるというやり方もある。
【綛山副知事】
今後の検討ということか。
【健康医療部】
今回は、2%、2.5%、3%の3パターンで試算をしたもの。
【総務部長】
大手前の土地利用という観点から、基本コンセプトは「先進医療とにぎわいが複合するまちづくり」となっており、また、大阪城公園に隣接しているので、重粒子線治療施設の事業者に対し、景観への配慮を求めて行くということで、健康医療部と今後調整していきたいと考えている。
【小河副知事】
こういう施設を整備することは大いに歓迎であるが、大阪城のにぎわいづくりとの関係の整理が必要。成人病センターが大手前に移設されるということが、大きな拠り所になっているが、大阪城のインパクトを活かした都市魅力づくりとの関連を整理しておかないと、色んな形で批判を受けかねない。府民文化部との調整よろしく。
【小西副知事】
- 都市魅力という観点だけで言えば、こういった施設ではない方がいいのかもしれないが、ここにがん治療施設を整備するにあたっては、重粒子線治療施設が必要ということ。
- 仮にその施設を整備したとしても、コンセプトを変えないように、ちゃんとやっていきます、ということ。
【小河副知事】
なぜこの施設なのか、施設整備ありきとなっている感じがする。
【綛山副知事】
成人病センターの立地に関しては、議会で色んな議論があった。施設整備にあたっては、その議論を踏まえて、きっちり説明できるように、また、今後議会でいろいろ議論が出てくると思うが、理解を求めるように、お願いしたい。
【政策企画部長】
この治療方法は、今先端であるが、もう少ししたら、先端でなくなるかもしれないという中で、需要面も含めて、採算性におけるリスクヘッジを図る必要がある。5年か10年たって、他の先端医療が出てきて、最先端医療でなくなる可能性がある。中長期的に継続して施設運営をしてもらうために、契約時点で撤去費だけではなくて、契約上のリスクヘッジをしておかなくてよいのか、と思う。それについては、今後公募条件の中で検討していくということでよいか
【健康医療部長】
- 最先端でなくなるのではないかという点については、固形がんをねらう放射線治療としては、放射線をあてる表面には影響を与えず、がんだけを焼いてしまうという特性は、極めてすぐれており、将来陳腐化することはない。周辺に転移しているがんを焼く場合には、BNCTで行うのかという議論はあるが、これは別の装置となる。
- リスクとしては、一部が保険診療となったときの治療収入の低減のリスクの方が、むしろ言われている。
【健康医療部】
様々なリスクについて、来年度の公募選定委員会において、どういう公募条件にしていくのかについて、ご指摘も踏まえ、検討していきたい。
【知事】
- 成人病の建替えと重粒子線治療については、議員時代に早くやろうと言って来た立場であり、基本計画、その実施に向けて、いよいよレールの上にのってきたと思っている。
- 決めた限りは早くやっていきましょう。もちろん議会のご意見はもらった上で、事業スケジュールについては、できないことを無理やりとは言わないが、このスケジュールのまま進めるというのではなくて、少しでも短縮できるところは、実施段階で短縮して、治療を待つ患者さんのため重粒子線治療を一日でも早く提供できるように、引き続き努力してください。
【政策企画部長】
- 民間事業者を公募するとき、大手前の成人病センター計画地の東側用地に整備することを前提にして、この原案に沿って、できるだけ早期に整備が進むように。
- また、大阪府の政策的意義づけや民設民営とするメリットについて、さらにわかりやすく整理していくということで、よろしくお願いする。