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平成24年度第11回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 府立上方演芸資料館(ワッハ上方)の今後のあり方について
資料名 |
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資料 ワッハ上方の今後のあり方について |
※府民文化部から資料に基づき、説明
【小西副知事】
今回7階に集約するにあたって必要な経費として原状回復費があるが、7階の部屋を模様替えするのにも別途初期費用がかかるのではないか。
【府民文化部】
内装関係で費用がかかるが、その費用も含めての金額と考えている。
【小西副知事】
今後つめていく必要があると思うが、初期費用とランニング費用で分けると、どの程度費用がかかると考えているか。
【府民文化部】
ランニング費用は、今現在1億円を府が負担しているが、それを半額程度に。原状回復費を入れても、できれば現行の府負担額1億円を下回るようにと考えている。
【綛山副知事】
- 公の役割が収集・保存・活用となっているが、活用について、これまでは展示を見てもらうということが多分中心であったが、今回は、大学との連携を考えてもらっている。
- 大阪は、お笑いが都市のポテンシャルの一つであると思う。笑うことによってキラー細胞が増えて、健康につながっていくということについては、学術的な議論もされている。活用にあたっては、興味を示してもらった関大だけではなくて、他の大学も含めて、いろいろな観点から活用を図ってもらえるのではないかと考えている。
- この財政状況の中で4億円をかけてどうするのだということが、そもそもの議論の発端。より活用するという観点から、この案でいくということについては、理解できる。
- いろいろと経過があって、また、吉本が昨年創業100年であるということもあって、吉本には目標の来館者数40万人に向けてがんばっていただいたと思うが、目標を達成できなかった。その中で、今後縮小して、引き続き吉本に運営をお願いするということになるが、運営経費や原状回復費についてできたら吉本にもう少しがんばってもらうようにお願いしてほしい。
- 方向性については、これでいいと思う。
【小河副知事】
入場料について、これまでは有料部分と無料部分があったが、有料での利用者が少ないことを受けて、今回施設の中身を変えていくので、入場料を無料にする、という考え方でよいのか。
【府民文化部長】
展示施設はほぼなくなり、ミニ展示となる。また、ライブラリーは元々無料であった。そのため、料金をとるところまでいかない。今後は、いろいろな所で巡回展示をして、そこで幅広く見ていただこうと考えている。
【小河副知事】
- 一般的に指定管理を公募する場合、提案者が有料でできるという部分があれば、有料で運営してもらってもいい、ということになるのでは。現行の入場料400円を無料にするという考え方もあるかもしれないが、府の管理費を少しでも減らすために、入場料を少しいただくという考え方もあるのではないか。
- 施設の機能がよくわかっていないので、入場料を取ることができるような機能がないというのであれば、無料でもよいが。その辺りがよくわからないので、きっちり説明してほしい。
【府民文化部長】
基本的には無料にしたいと考えている。4階の展示室を撤収するため、府民に入っていただくに当たって、有料とはしにくい。ライブラリーそのものは無料でなければ、放送局の協力をいただけない。
【小河副知事】
では、従来無料の部分が主になるから、無料にするということか。
【府民文化部】
- そうです。
- 綛山副知事から、吉本にさらに協力を求めるべきとの指摘があったが、この間の調整の中で、目標の40万人を達成できなかったことについて、吉本興業にも真摯に受け止めていただき、トータルコストや2年間のランニングコストについても、かなり努力してもらっていると思っている。
- しかしながら、今後の運営にあたって、よりコスト削減につながるように、府と指定管理者になっていただく予定の吉本興業と引き続き検討してまいりたい。
【政策企画部長】
- 資料の収集・保存・活用とあるが、本来的な行政目的は、上方演芸の振興を図るということ。単に保存したり、学術的に活用したりするだけではなくて、ずっと残していくためには、府民の方に広く知っていただくことが必要。無料にして、施設での展示が少なくなる代わりに、アウトリーチ的に巡回展示をすることによって、広めることができる。コスト論・行革論だけではなくて、府民への還元というか、メリットについて、もう少し話をしていただいた方がよいのではないか。
- 今後どのように振興に対して力を入れていこうとしているのか。また、その目安としてこれまでは来館者数40万人という目標を立てたが、今後は人数を目標としないということのようだが、今後の目安について、もしあれば、説明いただきたい。
【府民文化部】
- メリットについては、縮小はするものの現地で運営していくことによって、利便性があるということがある。また、これまで親しんでいただいたワッハ上方がある難波千日前に位置し、NGKもそばにあるということで、コンセプトとマッチした地域に属しているということがある。
- 巡回展示について、大阪市・市町村・大学・民間などでご協力いただけるということなので、府民のみなさんの身近な所でも見ていただけるのではないかと考えている。大学との連携も含めて、新たな展開を図ることによって、学生など若い方々にも親しんでもらえるのではないかと期待している。
- 新たな資料の活用法として、関西大学と話を進めているが、綛山副知事からご指摘のあった笑いのメカニズムや、笑いと健康については関西大学が現在積極的に取り組んでいるところ。ワッハ上方の資料を学生など若い人たちに活用いただける可能性があるとともに、大学自身にポテンシャルがあり、大学としても、大阪固有の文化遺産の活用について積極的に協力していく、大阪の文化振興に寄与したいという意向も聞いている。その意味からも、新たな展開でがんばっていきたい。
【府民文化部長】
目標数値について、これまでのように、これだけ来館しないとダメというような目標ではないが、やる以上は、もともとの来館者数の5万人のせめて倍くらい、巡回展示も含めて、多くの府民のみなさんに受け入れられるようにしたいと考えている。
【小西副知事】
- 財政再建プログラムで問題提起をしたという立場から発言させていただきたい。
- 貴重な資料を府民からご寄附・ご提供いただいて、この施設をスタートした。資料の収集・保存・活用といった公の役割を果たしていくということについて、財プロを議論した際も、そのとおりであるということであったが、そのために4億円の税金を投入する必要があるのかという疑問が、財プロ議論の出発点であった。その後、通天閣への移転という議論も経ながら、一度見直しをし、今回2度目の見直しとなる。
- 今般、府民文化部には、関係者との調整を含めて、大変なご苦労をいただいた。経費面では、当初4億円であったものが、原状回復も含めて1億円以内、ランニングでは半額程度の5千万円と相当な圧縮をしていただいたと思う。活用面では、巡回展示や、資料の研究における大学との連携を行うという点で、より積極的な形になったと思う。
- 我々の仕事で、常に再評価するのは当然であるが、今後2年間で再評価をし、移転も含めて検討するという方針でよいと思うが、2年後の評価でも、この形で定着するよう、さらに、この形を発展・継承していくような評価がなされるように、是非努力をしていただきたいと思う。もう一度一から議論する必要のないように、していただきたいと思う。この間の努力を見ているので、是非定着するような努力をしていただきたいと思う。
【知事】
- 2年間はこの方向でやっていくというのはいいと思う。
- 大阪の貴重な財産で、大阪の観光資源の一つにもなると思う。巡回展示について、府内だけに留まらず、府外でやってもらえるところをしっかり探してほしい。観光局を設ける中で、観光ツールの一つとしての利用など、2年間に様々な利用の仕方を考えてもらいたい。寄附していただいた資料の維持管理をするだけでも5千万円かかる。5千万円は府民の税金。資料の活用で直接収入を得るのではなくても、大阪に人が集まってくる、お金が落ちるようにするためのツールとして、ワッハ上方の展示物を使わせてもらう、という観点で考えてもらいたい。
【政策企画部長】
- 原案のとおり、当面2年間は、現地で規模縮小の上、効率的に運営していくこと、吉本興業を指定管理者候補として手続きを進めて行くこと、運営費については5千万円以下、原状回復費を含めて1億円までにおさめるよう、今後協議をしていくこと。
- 今後の展開にあたっては、寄託された資料を、巡回展示を含めて、広く利用の仕方を考えていただき、観光資源・集客資源として活用していく仕組みを構築していくことについて、配慮いただくということで、よろしくお願いする。