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産業廃棄物排出事業者のためのFAQ(建設廃棄物を除く)
産業廃棄物の処理にお悩みの排出事業者の皆様へ
産業廃棄物の処理について規定している廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)は、環境関連の法令の中でもとりわけ難解であると言われており、コンプライアンス(法令遵守)に前向きな排出事業者の皆様から、廃棄物処理法の解釈について大阪府に日々ご質問やご相談が寄せられています。
しかし、累次の法改正を経て廃棄物処理法の規定がますます複雑になったため、事業者の皆様へのご説明が長時間に及ぶこともあり、大変なご負担をおかけしています。
廃棄物処理法を難解にしている原因の多くは、「誰が排出事業者なのか分からない」「何が法の対象となる廃棄物なのかが分からない」「産業廃棄物と一般廃棄物の区分が実態に合わない」「産業廃棄物の指定業種が分かりにくい」「産業廃棄物の種類分類がむずかしい」といったことにあります。また、産業廃棄物の処理委託やマニフェスト制度、処理基準など実際の処理の場面で解釈に悩まれることも多く、医療廃棄物やPCB廃棄物に関するご質問も多く寄せられています。そこで、それらの疑問ごとに整理してFAQとしてとりまとめました。事業者の皆様の理解を深める一助になれば幸いです。このFAQをお読みいただくと、法の解釈運用に課題の解決を求めるのではなく、法令改正が必要とされていることも多いことがお分かりいただけると思います。
廃棄物処理法の解釈については、国の判断に委ねるのではなく、地方公共団体が持つ法令の自主解釈権に基づき都道府県・政令市が地域の実情を踏まえた自主的・自律的な法解釈に基づいて廃棄物処理法を運用することが求められています。(平成12年4月に機関委任事務が廃止されたことにより、産業廃棄物の規制事務は、それまでの「国の事務」から「地方公共団体の事務」に変わりました。)
勿論、その解釈にあたっては、廃棄物処理法の趣旨目的に合致したものであることはもとより、法令上の規定や施行通知に照らして合理的に説明できるものであり、かつ、府民・事業者の目線からみて社会通念上受け容れられるものであることが必要です。
このFAQは、そういった観点から排出事業者の皆様の様々な疑問に対する大阪府の考えをとりまとめたものです。なお、このFAQは大阪府の判断を示したものですので、大阪府の所管区域以外の事業者の皆様にあっては、所管の行政にご確認いただくようお願いします。また、今後、新たなQ&Aの追加や、事情の変化を踏まえた解釈の変更があった場合は、適宜、このFAQを追加修正するとともに、その内容を明らかにしていくこととしております。
【ダウンロード】 令和6年8月8日更新
産業廃棄物排出事業者のためのFAQ(建設廃棄物を除く) ワード:1,512KB PDF:2,069KB
排出事業者は誰か?
Q1 使用済み製品をユーザーから下取りする販売事業者は排出事業者になるか?
Q2 販売事業者が下取りした使用済み製品をさらに下取りする製造事業者は排出事業者になるか?
Q3 販売事業者はユーザーから下取りした使用済み製品の運搬を他者に委託することができるか?
Q4 使用済み製品について、下取りの条件を満たさない場合でも、製品の販売という事業活動に伴う産業廃棄物として販売事業者は排出事業者になるか?
Q5 設備やビルのメンテナンスに伴い発生する産業廃棄物は誰が排出事業者になるか?
Q6 梱包材やパレットは誰が排出事業者になるか?
Q7 梱包された製品を開梱してからユーザーに納品する場合、梱包材の排出事業者は、メーカーか運送業者か?
Q8 道路清掃に伴う産業廃棄物の排出事業者は、清掃業務を受託した業者か発注した道路管理者か?
Q9 スーパーマーケットの駐輪場に放置された自転車は誰が排出事業者になるか?
Q10 自動車整備工場においてタイヤ交換により発生した廃タイヤやガソリンスタンドにおいてオイル交換により発生した廃油は誰が排出事業者になるか?
Q11 倉庫会社の倉庫で保管している荷物が廃棄物となった場合、排出事業者は倉庫会社か荷主か?
Q12 小売店で売れ残った商品は誰が排出事業者になるか?
Q13 自動販売機に備え付けられた回収ボックスで回収された飲料容器は誰が排出事業者になるか?
Q14 同一敷地内に複数のグループ企業がある場合、グループ全体として排出事業者になるか?
廃棄物処理法の対象となる廃棄物か?
Q15 廃棄物か有価物かをどのようにして判断すればよいのか?
Q16 輸送費が売却代金を上回る場合は廃棄物になるか?
Q17 有償売却されている被覆電線について燃焼禁止規定(法第16条の2)は適用されるか?
Q18 他人に有償売却できない物であるが自社の生産工程に戻して使用できる場合も廃棄物になるか?
Q19 道路側溝の堆積物は産業廃棄物になるか?
Q20 山砂利の採取場において排出される沈砂池の堆積物や脱水ケーキは産業廃棄物になるか?
Q21 砂ろ過装置の砂は産業廃棄物になるか?
Q22 ペットの死体は廃棄物に該当するか?
Q23 火葬後の人骨、骨灰は、産業廃棄物になるか?
Q24 古くなった墓を除去した後廃棄する場合は、産業廃棄物になるか?
産業廃棄物と一般廃棄物
Q25 事業活動に伴って排出される固形状、粉末状、粒状の不要物は産業廃棄物の汚泥か?
Q26 事務所で発生する弁当がらやカップ麺の容器は、一般廃棄物か?
Q27 コンビニエンスストアの店頭回収ボックスで回収された廃棄物は産業廃棄物か?
Q28 輸入した食品で通関手続き後に廃棄される食品は産業廃棄物か?
Q29 動物園やペットショップで発生する動物のふん尿や排水処理汚泥は産業廃棄物か?
Q30 事業系一般廃棄物に該当するものでも市町村による処理が困難な場合は産業廃棄物として処理してよいか?
Q31 天然繊維と合成繊維の混紡のユニフォームが廃棄物となった場合、産業廃棄物又は一般廃棄物のどちらかとみなすことができるか?
Q32 し尿を含むビルピット汚泥は、一般廃棄物と産業廃棄物の混合物か?
Q33 紙加工品製造業の工場の事務所で発生する紙くずは産業廃棄物か?
Q34 木製品製造業の工場で発生した植木の剪定木くずは産業廃棄物か?
次の産業廃棄物の種類は何か?
Q35
- (1)廃バッテリー(鉛蓄電池)
- (2)廃蛍光管
- (3)廃乾電池
- (4)電気メーター盤(電池内臓)
- (5)オイルエレメント
- (6)粉末消火剤入り消火器
- (7)廃活性炭
- (8)廃サンドブラスト
- (9)廃塗料、廃インキ
- (10)廃薬品類、廃試薬
- (11)廃クーラント(エンジン冷却水)
- (12)賞味期限切れの飲料品
- (13)眼鏡レンズの研磨工程で発生する廃棄物
- (14)石材製造業から排出される石片
- (15)貝殻
- (16)ペット(猫)の排泄用の砂
- (17)鉄道線路の砂利
- (18)鉄道線路の枕木
- (19)油の付着したウェスや軍手
- (20)飲食店のグリストラップ汚泥
- (21)廃トランス
- (22)引越し時に発生する廃棄物
- (23)燃え殻、ばいじん等の溶融固化物
産業廃棄物の処理委託
Q36 自社の工場敷地内で他社に運搬を委託する場合、委託基準が適用されるか?
Q37 廃溶剤の蒸留再生を委託加工費を払って委託し、再生された廃溶剤を再び自社で使用する場合、委託基準は適用されるか?
Q38 工場廃水のタンクローリーでの運搬を他社に委託し、自社の他工場の廃水処理施設で処理する場合、委託基準は適用されるか?
Q39 事業者と直接の雇用関係がない者に産業廃棄物の処理を行わせる場合、委託基準が適用されるか?
Q40 事業者が所属する団体が個々の排出事業者に代わって契約することができるか?
Q41 ビル管理会社がテナントに代わって契約することができるか?
Q42 別法人である子会社の産業廃棄物処理について、親会社が代行して契約することができるか?
Q43 一つの契約書で複数の排出事業所の契約をすることができるか?
Q44 工場長、支店長等が契約することができるか?
Q45 委託契約書を電子化することができるか?
Q46 「専ら物」の処理を委託するときに委託契約書を作成しなければならないか?
Q47 事務所で発生する不要物はどのように分別して委託処理すればよいか?
Q48 処理料金の支払いに当たって、収集運搬業者に運搬料金と処分料金を一括して支払うことができるか?
Q49 委託契約書に記載する「運搬の最終目的地」とは何か?
Q50 契約内容に変更が生じた場合、変更契約が必要か?
Q51 区間委託と再委託の違いは何か?
Q52 平成22年法改正で排出事業者の努力義務に処理状況の確認が追加されたが、必ず実地確認を行わないといけないのか?
Q53 処理状況の確認努力義務について、中間処理業者に委託している場合は、中間処理後の産業廃棄物の最終処分場の確認まで必要か?
Q54 平成22年法改正で規定された処理困難通知を受けた排出事業者はどうすればいいのか?
Q55 「適正な対価を負担していないとき」には措置命令の対象となる場合があるが、「適正な対価」とは何か?
マニフェスト制度
Q56 産業廃棄物の処理に使われるマニフェストと選挙のときに使われるマニフェストはどう違うのか?
Q57 排出事業者がマニフェストの交付等の事務を代行してもらえるのはどういう場合か?
Q58 排出事業者が産業廃棄物の引渡し時にマニフェストを交付することが困難な場合にマニフェストの交付事務を代行してもらえるか?
Q59 産業廃棄物の引き渡し時には計量をしておらず、処分業者において計量している場合、マニフェストにはどのように記載すればよいか?
Q60 収集運搬業者がサービスとしてマニフェストを購入し記載したうえ排出事業者に提供してくれるが問題ないか?
Q61 マニフェストが返送される前に処理料金を支払うことができるか?
Q62 輸送費が売却代金を上回る場合で引渡し側に到着した時点で有価物となる場合、マニフェストの「最終処分を行った場所」はどのように記載するのか?
Q63 複数の飲食店から無償で廃油を回収する収集運搬業者が、再生業者に有償で売却する場合、マニフェストの「最終処分を行った場所」はどのように記載するのか?
Q64 中間処理業者において再生されている場合、マニフェストの「最終処分を行った場所」はどのように記載するのか?
Q65 返送されたマニフェストに虚偽記載があったことが後日判明した。この場合でも排出事業者は措置命令(法第19条の5)の対象になるか?
Q66 複数の中間処理業者を経た後に最終処分される場合でも、マニフェストE票の返送期限(交付の日から180日以内)は変わらないか?
Q67 処理業者がマニフェストを紛失したため再交付を求められた。再交付をしてもよいか?
Q68 マニフェスト交付等状況報告書について一つの報告書で複数の排出事業所の報告をすることができるか?
Q69 マニフェスト交付等状況報告書を電子申請したいが、どのようにすればよいか?
Q70 マニフェスト交付等状況報告書について大阪府の様式は何故国が定めた様式と違うのか?
Q71 マニフェスト交付等状況報告書の記載方法等は?
Q72 電子マニフェストを使用したいが処理業者が加入していない場合はどうなるか?
産業廃棄物の処理基準
Q73 事業者が自社の産業廃棄物を自ら保管する場合、保管数量の上限基準は適用されるか?
Q74 廃水処理施設に付随する汚泥の脱水ケーキホッパーでの保管には、保管基準が適用されるか?
Q75 自社工場の敷地内で汚泥を野積みする行為は不法投棄になるか?
Q76 排水系統以外から廃液を排水口に投入する行為は不法投棄になるか?
Q77 製品が廃棄物となったものや製造工程で生じる不要物を水で溶かし又は水に懸濁させて自社の排水処理施設に投入する行為は不法投棄になるか?
Q78 ビルメンテナンスで発生する床ワックスの剥離廃液を未処理で下水道や公共用水域に放流する行為は不法投棄になるか?
Q79 焼却設備と熱分解設備の違いは何か?
多量排出事業者制度
Q80 同一敷地内に複数のグループ企業がある場合、グループの代表がグループ全体の多量排出事業者処理計画書等を提出してよいか?
Q81 多量排出事業者制度該当の要件である産業廃棄物発生量について、汚泥については脱水後の量でとらえてよいか?
Q82 自社の他事業場から搬入した産業廃棄物を処理している場合、処理計画書等はどのように記載するのか?
Q83 「再生利用業者への処理委託量」「熱回収認定業者以外の熱回収を行う業者への処理委託量」はどのように記載するのか?
廃棄物の種類ごとのQ&A
医療廃棄物
Q84 診療所においては廃棄物をどのように分別して委託処理すればよいか?
Q85 性状の異なる感染性廃棄物を同一の容器に収納している場合は何色のバイオハザードマークを付けるのか?
Q86 血液の付着したガーゼや包帯等はすべて感染性廃棄物か?
Q87 唾液が多量に付着した手袋やガーゼは感染性廃棄物か?
Q88 検尿コップは感染性廃棄物か?
Q89 ロタウィルス感染症の患者の吐瀉物は感染性廃棄物か?
Q90 結核患者の病床で発生したティシュペーパー等のごみは感染性廃棄物か?
Q91 紙おむつは感染性廃棄物か?
Q92 新型インフルエンザ(A/H1N1)の患者に係る紙おむつは感染性廃棄物か?
Q93 輸液点滴セットから針を切り離せば非感染性廃棄物となるか?
Q94 学校の保健室や会社の医務室で発生した注射針は感染性廃棄物か?
Q95 鍼灸院で発生した使用後の鍼は感染性廃棄物か?
Q96 胞衣汚物や手術等により生じた臓器は感染性廃棄物か?
Q97 手術室の廃水を消毒せずにそのまま下水道に放流してもよいか?
Q98 血液透析における透析廃液をそのまま下水道に放流してもよいか?
Q99 在宅医療廃棄物は感染性廃棄物か?
Q100 医療機関や調剤薬局が回収したインスリンの自己注射針は感染性廃棄物か?
Q101 感染性廃棄物を同一医療法人の別の病院に設置したオートクレーブで滅菌して非感染性廃棄物とすることができるか?
Q102 検査室で排出される試薬類や有機溶剤は、感染性廃棄物と合わせて処理できるか?
Q103 廃抗悪性腫瘍剤は特別管理産業廃棄物か?
Q104 水銀血圧計は特別管理産業廃棄物か?
Q105 感染性産業廃棄物の処理委託契約書及びマニフェストには、産業廃棄物の種類を記載する必要があるのか?
Q106 感染性一般廃棄物についても委託契約書やマニフェストは必要か?
Q107 感染性産業廃棄物を生ずる医療機関が置かなければならない特別管理産業廃棄物管理責任者の資格は?
PCB廃棄物
Q108 PCB廃棄物に該当するかどうかをどのようにして判断するのか?
Q109 電気設備工事に伴って生じたPCB廃棄物について、電気設備業者が保管事業者となるか?
Q110 現在使用中のPCB使用電気機器を譲渡することができるか?
Q111 PCBが漏洩してPCBが付着したがれき類が発生したが、PCB廃棄物となる基準はあるのか?
Q112 建築物の改修・解体に際してPCB含有シーリング材の確認と対処はどのようにすればよいのか?
Q113 PCB使用安定器の処理費用軽減のため、安定器からコンデンサを分離してもよいか?
Q114 トランスの絶縁油を分析して微量PCB汚染廃電気機器であることが判明した場合、PCB廃棄物の保管状況の届出はいつ行えばよいのか?
Q115 PCB廃棄物の保管状況が何も変わらないのに何故毎年届出しないといけないのか? 簡単に届出する方法はないのか?
その他の特別管理産業廃棄物等
Q116 特別管理産業廃棄物である「引火性廃油」にはアルコール類も含まれるのか?
Q117 鉛、六価クロム等の有害重金属を含む合成樹脂塗膜は、特別管理産業廃棄物か?
Q118 学校から排出される石綿含有金網や機械部品に使われていた石綿含有パッキンは、特別管理産業廃棄物又は石綿含有産業廃棄物か?
Q119 PFOS及びPFOA含有産業廃棄物は特別管理産業廃棄物か?
Q120 食料品製造業で発生するフグの有毒部位は特別管理産業廃棄物か?
Q121 水銀が含まれるものはすべて水銀使用製品産業廃棄物になりますか?
Q122 水銀使用製品産業廃棄物に関する必要な措置は?