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その他の特別管理産業廃棄物等のQ&A(FAQ)
Q116 特別管理産業廃棄物である「引火性廃油」にはアルコール類も含まれるのか?
A116
特別管理産業廃棄物の「引火性廃油」について、施行令では「廃油(燃焼しにくいものとして環境省令で定めるものを除く。)」と定義され(施行令第2条の4第1号)、施行規則では、燃焼しにくいものとして「タールピッチ類」と「揮発油類、灯油類及び軽油類を除く廃油」が規定されている(施行規則第1条の2)ことから、法令上は、揮発油類、灯油類及び軽油類が特別管理産業廃棄物の廃油に該当し、アルコール類は該当しません。
しかし、実務的には、法の趣旨に鑑み、引火点概ね70℃未満の液状を呈する廃油(廃溶剤を含む)を特別管理産業廃棄物の「引火性廃油」として取り扱っています。具体的には、メタノール等の引火点概ね70℃未満のアルコール類も特別管理産業廃棄物に準じて取り扱うことが必要です。
なお、「引火性廃油」をその他の廃油と混合することによって引火点概ね70℃以上として「廃油」として処理することは、特別管理産業廃棄物の処理基準(焼却、蒸留再生等)に適合しませんので認められません。
Q117 鉛、六価クロム等の有害重金属を含む合成樹脂塗膜は、特別管理産業廃棄物か?
A117
合成樹脂塗膜は、廃プラスチック類に該当しますが、法令上は、鉛、六価クロム等の有害重金属を含んでいても特別管理産業廃棄物には該当しません。
(注)
特別管理産業廃棄物の中の特定有害産業廃棄物の一種には、有害物質(鉛、六価クロム等の有害重金属、有機塩素化合物等)を含む産業廃棄物がありますが、産業廃棄物の種類は、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、燃え殻、ばいじん、鉱さいに限られており、判定基準を超えて有害物質を含むものが該当します。(鉱さい以外は、特定の業種・施設から排出されるものに限られます。)
しかし、埋立処分の基準として、「埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するために必要な設備の設置その他の措置を講じること(ただし、公共の水域及び地下水を汚染するおそれのないものとして定める場合はこの限りでない)」と定められているため、有害重金属が溶出するおそれのある合成樹脂塗膜を、これらの措置が講じられていない安定型処分場で埋立処分することは適当ではありません。
また、有害重金属の溶出量が、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」で定める値を超える産業廃棄物については、特定有害産業廃棄物に該当しない場合であっても、しゃ断型処分場で埋立処分するなど特定有害産業廃棄物に準じて処理することが望まれます。
Q118 学校から排出される石綿含有金網や機械部品に使われていた石綿含有パッキンは、特別管理産業廃棄物又は石綿含有産業廃棄物か?
A118
法令上は、特別管理産業廃棄物の廃石綿等及び石綿含有産業廃棄物のいずれにも該当しませんが、その性状に応じて、飛散性のものは、特別管理産業廃棄物の廃石綿等に準じて、非飛散性のものは、石綿含有産業廃棄物に準じて処理することが望まれます。
(注)
- 廃石綿等(特別管理産業廃棄物)の定義
- 石綿建材除去事業において除去された吹き付け石綿
- 石綿建材除去事業において除去された石綿を含むもので次に掲げるもの
- (1)石綿保温材 (2)けいそう土保温材 (3)パーライト保温材
- (4)(1)から(3)と同等以上に石綿の飛散のおそれのある保温材、断熱材、耐火被覆材
- 石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防じんマスク、作業衣等で石綿が付着しているおそれのあるもの
- 大気汚染防止法の特定粉じん発生施設が設置されている事業場において生じた石綿であって、集じん装置によって集められたもの
- 大気汚染防止法の特定粉じん発生施設又は集じん施設を設置する工場、事業場で用いられ、廃棄された防じんマスク、集じんフィルター等であって石綿が付着しているおそれのあるもの
- 石綿含有産業廃棄物の定義
工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するものをいいます。産業廃棄物の種類としては、「がれき類」(石綿スレート板等)、「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」(石綿石膏ボード等)、「廃プラスチック類」(石綿含有Pタイル等)等に該当します。
Q119 PFOS及びPFOA含有産業廃棄物は特別管理産業廃棄物か?
A119
PFOS及びPFOA含有産業廃棄物は特別管理産業廃棄物ではありません。
平成 21 年(2009 年)5月に開催された残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)第4回締約国会議(COP4)においてペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(別名PFOS)とその塩が、平成 31年(2019年)4月から令和元年5月に開催されたPOPs条約第9回締約国会議(COP9)においてペルフルオロオクタン酸(別名PFOA)とその塩及び関連物質が、新たに条約附属書への追加が採択されています。
我が国においては、平成 22 年(2010 年)4月1日に、「PFOS又はその塩」を、令和3年(2021 年)10 月 22 日には、「PFOA又はその塩」を化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の第一種特定化学物質に指定し、製造及び輸入の許可制、使用の制限等の措置を講じています。
PFOS及びPFOA含有産業廃棄物は、現在、特別管理産業廃棄物とはされておりませんが、環境省「PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」(以下、「技術的留意事項」という。)に従い適切に処理を行ってください。
分解処理に関する手法についての主な技術的な留意事項は次のとおりです。
・分解処理は、焼却処理等によりPFOS等及びPFOA等が確実に分解される方法で実施すること。
・分解処理に伴い生じる排ガス、廃水、残さ中のPFOS等及びPFOA等のそれぞれの濃度があらかじめ設定した管理目標値を超えないこと。
・分解処理に伴い生じる排ガス中のフッ化水素(フッ素及びその化合物として)の濃度が、5mg/m3Nを超えないこと。
処理委託しようとする産業廃棄物の種類を許可の事業の範囲に含む産業廃棄物処理業者であって、技術的留意事項に従い適切に処理することができる業者に委託してください。
参考:
PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項(外部サイトへリンク)
大阪府有機フッ素化合物(PFOA等)のページ
Q120 食料品製造業で発生するフグの有毒部位は特別管理産業廃棄物か?
A120
フグ毒のテトロドトキシンを含む産業廃棄物(動植物性残渣)は、特別管理産業廃棄物ではありません。
フグ毒として知られるテトロドトキシンのLD50(半数致死量)は、
0.0085mg/kgであり、青酸カリ(10mg/kg)の1,000倍以上の急性毒性がありますが、現在、特別管理産業廃棄物(特定有害産業廃棄物)となる有害物質とはされておりません。しかし、その強い毒性に鑑み、適切に管理して焼却処理することが望まれます。
なお、店舗から発生するフグの有毒部位は、事業系一般廃棄物に当たりますが、「大阪府ふぐ処理業等の規制に関する条例」の規定に則り、適切に処理する必要があります。
Q121 水銀が含まれるものはすべて水銀使用製品産業廃棄物になりますか?
A121
水銀使用製品産業廃棄物は、水銀使用製品が産業廃棄物となったもので、対象となる製品は以下(区分((1)~(3))のとおりです。これらに該当しないものは、たとえ水銀が含まれていたとしても水銀使用製品産業廃棄物にはなりません。詳しくは、環境省水銀廃棄物関係ホームページ(環境省リーフレット、水銀廃棄物ガイドラインなど)をご覧ください。
- 区分(1):水銀使用製品のうち表に掲げるもの
- 区分(2):(1)の製品の組込製品(表に×印のあるものに係るものを除く)
- 区分(3):水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている製品
※No.19「顔料」は、塗布されるものに限り×印に該当
Q122 水銀使用製品産業廃棄物に関する必要な措置は?
A122
平成29年10月1日から「水銀使用製品産業廃棄物」に関して、以下の措置が必要になりました。詳しくは、環境省水銀廃棄物関係ホームページ(環境省リーフレット、水銀廃棄物ガイドラインなど)をご覧ください。
- 保管について
- 保管場所の掲示板について、産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれることを明記すること
- 他の物と混合するおそれのないように仕切りを設ける等の措置をとること
- 処理の委託について
- 「水銀使用製品産業廃棄物」の収集運搬又は処分の許可を受けた者に委託すること
- 水銀回収が義務づけられているもの(注)の処理を委託する場合は、水銀回収が可能な事業者に委託すること
- 委託契約書について、委託する廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれることを明記すること 注)平成29年10月1日以前に、契約締結している委託契約書については、新たに契約変更等をする必要はありません。
- マニフェストについて
業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれること、また、その数量を記載すること - 収集・運搬について
破砕することのないよう、また、他の物と混合するおそれのないように区分して収集・運搬すること - 処分・再生について
- 水銀又はその化合物が大気中に飛散しないように必要な措置をとること
- 水銀回収の対象となる水銀使用製品産業廃棄物については、ばい焼設備によるばい焼、又は水銀の大気飛散防止措置をとった上で、水銀を分離する方法により、水銀を回収すること
- 安定型最終処分場への埋立は行わないこと
- 帳簿について
「水銀使用製品産業廃棄物」に係るものを明らかにすること
(注)水銀使用製品産業廃棄物のうち、水銀の回収が義務付けられているもの
リンク先
- 環境省水銀廃棄物関係ホームページ
環境省 環境再生・資源循環 水銀廃棄物関係(外部サイトへリンク) - 環境省リーフレット
水銀廃棄物の適正処理について、新たな対応が必要になります(外部サイトへリンク) - 水銀廃棄物ガイドライン第3版(令和3年3月)
水銀廃棄物ガイドライン第3版(令和3年3月)(外部サイトへリンク)