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多量排出事業者制度(FAQ)
Q80 同一敷地内に複数のグループ企業がある場合、グループの代表がグループ全体の多量排出事業者処理計画書等を提出してよいか?
A80
多量排出事業者制度は、排出事業者の自主的な産業廃棄物の排出抑制や減量化の取組みを推進する制度であり、同一敷地内で製造工程等が有機的に関連している企業グループにあっては、複数のグループ企業が連携してグループ全体として自主的取組を推進することが合理的な場合がありますので、グループ全体として多量排出事業者となって処理計画書・実施状況報告書を提出することができます。この場合、全体計画の中で排出事業者責任を有する個々の企業間の関係を明らかにすることが望まれます。
Q81 多量排出事業者制度該当の要件である産業廃棄物発生量について、汚泥については脱水後の量でとらえてよいか?
A81
脱水前の汚泥(スラリー)の量でとらえてください。
汚泥の脱水施設は排水処理工程の一部であって、汚泥の発生量を脱水ケーキの量で把握しているところが多いという実態があるものの、汚泥の発生量を把握する時点については、汚泥が発生した時点すなわち脱水前の時点としております。
これは、汚泥の脱水は、排出事業者が行う場合もあれば中間処理業者に委託して行われる場合もあり多種多様であること、また脱水処理は焼却処理と同様に中間処理として位置づけられ、脱水ケーキは中間処理後の産業廃棄物となるからです。従って、汚泥の産業廃棄物としての発生量は、発生段階での量とすることが適切であり、多量排出事業者の要件(前年度の産業廃棄物の発生量が1,000トン以上)も、脱水前の汚泥の量でとらえてください。なお、脱水前のスラリーの量を把握していない場合は、脱水ケーキの量に基づき、脱水前後の汚泥の含水率から計算により求めるようにしてください。
ただし、製品の生産工程又は一連のプロセスの中に汚泥の脱水工程が組み込まれている場合は、脱水後の量で把握します。
Q82 自社の他事業場から搬入した産業廃棄物を処理している場合、処理計画書等はどのように記載するのか?
A82
排出量は、事業場内で生じる産業廃棄物排出量(中間処理されることなく他人に有償で売却する副産物等を除く)の総量について記入することとし、他事業場からの搬入量を含めないでください。
例えば、A工場で発生する汚泥aトンを、同一会社のB工場で発生する汚泥bトンとあわせてB工場において中間処理(脱水)する場合は、次のように記載してください。
- A工場:排出量はaトン。
以下、「自ら中間処理した量」「自ら中間処理した後の残さ量」「自ら中間処理により減量した量」「直接及び自ら中間処理した後の処理委託量」等は、すべてゼロ。
この場合、自社のB工場に搬出して中間処理していることを注釈として記載してください。 - B工場:排出量はbトン。
「自ら中間処理した量」は、(a+b)トン。
以下、「自ら中間処理した後の残さ量」「自ら中間処理により減量した量」「直接及び自ら中間処理した後の処理委託量」等は、(a+b)トンの汚泥の処理に係る量を記載してください。
この場合、自社のA工場から搬入した汚泥aトンをあわせて中間処理していることを注釈として記載してください。
なお、上記の例において、B工場で中間処理している汚泥の量((a+b)トン)が1,000トン/年以上であっても、B工場で発生する汚泥の量(bトン)が1,000トン/年未満であれば、B工場は多量排出事業者制度の対象事業所とはならないことに留意してください。
また、発生した産業廃棄物を自社で中間処理(脱水等)した後、中間処理後産業廃棄物を自社の他事業場で自家処理する場合も、「自ら中間処理した量」と「自ら中間処理した後の残さ量」「自ら中間処理により減量した量」をそれぞれ記入し、「直接及び自ら中間処理した後の処理委託量」はゼロとしてください。この場合も同様に、中間処理後産業廃棄物を自社の他事業場に搬出して処理していることを注釈として記載してください。
Q83 「再生利用業者への処理委託量」「熱回収認定業者以外の熱回収を行う業者への処理委託量」はどのように記載するのか?
A83
再生利用業者への処理委託量
中間処理業者への処理委託量のうち、再生利用を委託した量を記載してください。この場合の再生利用とは、産業廃棄物の全部又は一部を原材料として利用することであり、製品(同種製品又は異種製品)の原料として利用することのほか、金属等の物質回収、再利用(リユース)、燃料製造(RDF、RPF、木質チップ等の製造及び熱分解施設による燃料油・燃料ガスの製造等)等をいいます。(登録廃棄物再生事業者、環境大臣による再生利用認定業者、知事等による再生利用指定業者に委託する場合に限られるものではありません。)
熱回収認定業者以外の熱回収を行う業者への処理委託量
中間処理業者への処理委託量のうち、熱回収(サーマルリカバリー)を行う業者へ、焼却処理又は溶融処理を委託した量を記載してください。(「熱回収認定業者への処理委託量」は別欄に記載します。)
この場合の、熱回収を行う業者とは、次のような方法で熱回収を行っている業者が考えられます。
- 発電
- 温水製造、冷暖房機器での利用
- 関連施設(乾燥施設、濃縮施設等)での利用
なお、上記の方法での熱回収を行っておらず、次のような方法による熱回収のみである場合は、熱回収を行う業者への処理委託量には
含めないでください。
- 燃焼用空気の予熱
- 白煙防止のための排ガス再加熱
- 排煙脱硝のための排ガス再加熱
- ボイラーの給水加熱(エコノマイザー)