ここから本文です。
令和5年度大阪府食品衛生監視指導計画実施結果の概要
食品衛生法に基づき策定した「令和5年度大阪府食品衛生監視指導計画」について、実施結果の概要を取りまとめました。
監視指導結果の概要
営業施設の監視指導結果
食中毒等飲食に起因する危害の発生防止、不良食品の排除等を図るため、食品等関係施設に対し、延べ53,994施設の監視を行いました。その結果、衛生管理計画の未作成、食品衛生責任者等資格者の未届、食品の取扱い不備、設備不備等2,311件の違反事例に対して、指導票交付や口頭指導等の措置を行いました。
食中毒等健康被害発生状況
令和5年度は、府内で11件の食中毒が発生し、その患者数は144名でした。病因物質別では、ノロウイルスが発生件数、患者数ともに最も多く、それぞれ6件、97名でした。
表 病因物質別発生件数
病因物質 | 件数 | 患者数 | 死亡数 |
---|---|---|---|
ノロウイルス | 6 | 97 | 0 |
カンピロバクター・ジェジュニ/コリ | 2 | 15 | 0 |
サルモネラ属菌 | 1 | 30 | 0 |
アニサキス | 1 | 1 | 0 |
動物性自然毒 | 1 | 1 | 0 |
計 | 11 | 144 | 0 |
食中毒発生予防対策
(1)カンピロバクターによる食中毒対策
飲食店において、鶏肉を生食することによるカンピロバクター食中毒の発生を防止するため、食肉処理業及び販売店に対し、飲食店へ販売する鶏
肉について、加熱用である旨の情報伝達を確実に行うように指導を行いました。また、飲食店に対し、食肉は十分に加熱して提供するよう指導を
行いました。
(2)腸管出血性大腸菌による食中毒対策
集団給食施設、飲食店等に対し、その原因となり得る食肉、生食用野菜、果実等の衛生的な取扱いと食品の十分な加熱や殺菌の実施について
指導を行いました。
(3)ノロウイルスによる食中毒対策
調理従事者の手指等を介した食品の二次汚染によるノロウイルス食中毒の発生を防止するため、集団給食施設、飲食店、食品製造施設等に対し、
食品取扱者の健康管理の徹底、手洗いの励行や使い捨て手袋の着用等、不顕性感染者がいることを前提とした衛生管理の実施について指導を行い
ました。
(4)その他の食中毒対策
患者数の多い食中毒の発生を防止するため、大量調理施設に対し、HACCPの概念に基づき策定されている大量調理施設衛生管理マニュアルや手
引書の趣旨を踏まえた監視指導を行いました。また、ふぐの毒に起因する危害の発生を防止するため、ふぐを取扱う施設に対し有毒部位の適切
な 除去、保管、処分等の徹底について監視指導を行いました。
食品表示対策
食品製造・流通・販売等を行う事業者に対し、食品表示法等に基づき40,030品目の食品を確認した結果、延べ333品目、690件の食品表示基準違反を発見しました。違反事例については、より適正な表示となるよう、事業者への指導や関係機関への情報回付等を行いました。
食品等の試験検査の概要
試験検査の結果
府内に流通する食品等の法令適合状況を監視し、違反・不良食品等の排除を図るため、食品等3,960検体の試験検査を実施しました(※)。その結果、2件の違反を発見し、当該品の加工者を管轄する自治体への通報や製造者へ回収を命じました。
※実施機関:地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所、広域監視センター、市場食品衛生検査所、羽曳野食肉衛生検査所
表 違反摘発事案の詳細
措置月 | 名称 | 違反の内容 | 措置状況 |
11月 | 生食用かき | 食品衛生法第13条第2項違反 ・細菌数を150,000/g検出 [規格:50,000/g以下] |
加工者を管轄する 自治体へ通報 |
11月 | 牛乳 | 食品衛生法第13条第2項違反 ・スルファモノメトキシンを検出 [規格:抗菌性物質を含有してはならない] |
製造者に回収を命令 |
自主的な衛生管理の促進の概要
事業者による自主的な衛生管理の促進
食品製造施設、大量調理施設等の監視指導時や事業者対象の講習会やセミナー等を通じて、HACCPの取組に対する支援を62回実施し、4,382名が参加しました。
自主回収報告の徹底
食品衛生法及び食品表示法に基づく事業者からの自主回収報告が36件ありました。自主回収情報は食の安全安心メールマガジンで府民に発信し、迅速な回収の促進に努めました。
消費者・事業者への普及啓発活動の概要
講習会等の実施
食品衛生及び食品表示に関する講習会を消費者に対して62回、事業者に対して74回行いました。
また、イベント等で食中毒予防啓発を行いました。
表 啓発活動の実施状況
事業内容 | 実施回数 | 参加者数 |
食品衛生講習会等※ | 136 | 7,773 |
イベント等 | 7 | 1,709 |
リスクコミュニケーション及びHACCP講習会の実績を含みます。