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更新日:2010年2月16日

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平成21年度第31回大阪府戦略本部会議 議事概要

  • とき 平成22年2月15日(月曜日) 15時30分から16時30分
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部長等

議題1:中央卸売市場について

※環境農林水産部から資料をもとに説明。

【政策企画部長】
経営戦略として府民がどういうメリットを受けるかが大事だと思うが、それぞれの段階における府民メリットは。

【環境農林水産部】
府民メリットとしては、たとえば第2段階の指定管理者制度の導入の際には、市場運営の効率化により管理経費の削減、ひいては税の投入が削減できるということがある。第2・第3段階では、仮に地方市場に転換したとしても、機能付加、高度化をしていくことで、加工物流センターなどを設置すれば、より品質管理が行き届いた生鮮食料品の提供ができるようになると考えている。

【政策企画部長】
第2・第3段階を順次分けるという合理性はどこにあるのか。

【環境農林水産部】
府民に対しては、より高度な品質管理が行われた食料品を府民に安定供給することが目的なので、具体的にやろうとすれば、付加機能を付け加えることが必要となる。それが発揮されるのは、第2・第3段階という時期で考えるのではなく、機能付加ができた時点でと考えている。

【木村副知事】

  • 「競争力のある」ということだが、表現が定性的で、数値的な説明がない。指定管理者制度により、たとえば人員や経費の削減がどの程度もたらされるのか。
  • また、前回の議論で一番気懸りだったのが、これを引き受ける実力のある指定先・相手先が本当に見つかるのかということ。

【環境農林水産部】
指定管理を導入することにより、具体的にどのくらい削減できるかは今の時点では整理できないところがある。ただし、業務の約7割は指定管理に任せられる。そうすると、現在常勤職員が24名いるが、かなりの部分を指定管理に任せられる。指導監督業務に24名のうちの半分ぐらいが携わっているが、許可などに特化する形で残すと5名から8名程度に減らせる可能性はある。

【木村副知事】
金額にすればどのくらいか。

【環境農林水産部】
一人あたりの人件費が700から800万円ぐらいなので、10名ぐらいとなると1億円近い効果。

【知事】
しかし、指定管理による管理委託費が別途必要になるのではないか。

【環境農林水産部】
そうであるが、民間にお任せすると効率的にやっていただける。

【総務部長】
利用料金制ではないのか。

【環境農林水産部】

  • 利用料金制とするか、料金形態をどうするかはこれからの問題。できれば利用料金制を導入する方がより効率的になると思うが、これからの議論。
  • 受け手については、今の段階でリサーチするのは難しいが、たとえば商社の方などに聞いてみると、これだけの大規模施設ということはあるが、魅力のある施設であり、受け手が出てくることは期待できる。ただし、維持管理だけをお任せするのは余り意味がない。市場は、民間が競争し、自由な商取引をやっていただく場であり、民間のノウハウをもっている方が参加いただけるような指定管理を目指して、募集する形にしたい。

【綛山副知事】

  • 市場である以上、流通の円滑化と同時に価格形成機能を担保する必要があり、そのため公権力行使を行政が責任を持ってやる。それが3割の部分。残余の部分は行政がやらなくても民間能力を徹底的に発揮できるので、7割は指定管理の導入で、徹底的効率化を図る。
  • 中央市場か地方市場かという議論は、中央市場というブランドイメージにより、産地から中央に送り込む要素が多分にまだある。一気に地方市場にしてしまうと、せっかく現に入っている入荷量がだんだん細ってしまう。そういうことも意識して総合食料物流基地として、加工機能や物流機能を持つことによりブランドイメージを高めていき、仮に北部地方市場となったとしても、「あそこに持っていけば高く売れる、物を沢山買ってくれる」というブランドを作っていく。そうすれば、地方市場となってさらなる規制緩和をして、自由取引を更に予定しても別段問題無い、という意味で第1ステップ、第2ステップで考えていきたいという理解でいいか。

【環境農林水産部】
それが基本的な理解。

【綛山副知事】

  • 市場における加工機能とは、たとえば「カット野菜」というイメージで考えたらいいか。大根がボンと置いてあるのではなくて、一人前ずつ袋に仕分けして豚汁になるというイメージでいいか。
  • また、市場は、「総合物流基地」を目指し、そうすれば、プレイヤーは業者であるかもしれないが、一番大事なのは消費者である府民なので、府民に利益が出てくるというイメージでよいか。

【環境農林水産部長】
そういうことを望む大手量販店も多々あるし、そういう消費者ニーズに応えられればそれだけ物も集まってくることで、将来そういう方向を目指したい。

【環境農林水産部】

  • 徹底した業務改革、経費削減は非常に重要だということは認識している。指定管理者制度を導入する趣旨はそれが大きな割合を占めるが、民間の新しい発想を取り入れていきたいという思いもある。指定管理者の新しい発想を入れた形で市場の活性化を目指したい。
  • 地方市場はもちろん規制緩和というメリットがあるが、その一方で、地方市場はイメージとして、「縮小」「再編」「格下げ」というデメリットもあり、両面併せ持った形になる。新しい発想を取り入れる議論の中で、できれば規制緩和というメリットをどう活かしていけるのか、これを実際商売をしておられる皆さんとともに考えて、地方市場という言葉にまとわり付いている問題点以上に、規制緩和することでの活性化を実現したいと考えており、2段階、3段階という形で進めていきたい。

【政策企画部長】
経営の自由度を上げるため規制緩和が重要だというなら、現行法制度では地方市場化という選択肢にならざるを得ないかもしれないが、たとえば、「特区」を提案して、中央市場のまま規制緩和を図っていくということは考えられないか。

【環境農林水産部】
そういう選択肢ももちろんありうるとは思う。現行では、地方市場というのは中央市場に対して規制緩和されていることがメインの制度ではなく、市場規模が小さく、取扱量が小さいため規制が緩いだけ。我々が願う規制緩和による活性化という制度にはなっていない。ご指摘のように、特区というやり方で中央市場のまま規制緩和が図れれば良いのだが、我々としては現行制度の中で考えられるステップでいく方が、市場という秩序を守りながらやっていけるのではないかと思うので、当面はそういう形で業界と議論していきたい。

【小河副知事】
資料1に書かれている工程表を見ると、23年度までは第1段階として今の管理委託形態でいって、その後、第2段階の形態を経て、また改めて第3段階に至るような姿になっている。しかし、第2段階までの間にいろいろ議論していけば、資料では第3段階になっている「地方卸売市場の転換を判断」という時点をさらに前倒しできるかもしれない。そのあたりが少し分かりにくいのではないか。

【環境農林水産部】
議論のステージを3段階に分けるということではない。本日の会議結果を踏まえて、指定管理者制度の導入も検討に入るし、それと同時に、たとえば規制緩和等のテーマなどについて業界の皆さんと協議する場も設けていきたい。

【総務部長】

  • 指定管理者制度の導入が業務の効率化に重きを置いた議論がなされていて、資料1の右端の目指すべき方向を見ると、全ての段階を終えないと機能付加が実現されず、競争力の向上が図れないような記載になっている。しかし、指定管理者制度が導入した段階でも、やれることはやっていくということなのかを確認したい。
  • また、地方市場化は規制緩和という点では大きなメリットがあるかもしれないが、やはり中央市場が持つ出荷力がきちんと担保できるのかを相当慎重に考えなければならない。当面は指定管理者制度を導入して業務の効率化と競争力の向上に取り組み、地方市場化については場内業者も含めて議論していくということではないか。そのあたりを資料では第3段階になっているが、第2段階で議論しても良いのではないか。

【木村副知事】
地方卸売市場にするためには抵抗も多いかと思うが、どういう状況になれば、今の中央市場から地方市場に転換ということになるのか。私も現場に行ったが、地方市場化するというのは難しいと思う。そちらに引っ張っていく意味、メリットは何なのか。また、現実にそのための条件整備はどういうものなのか。

【環境農林水産部】

  • 現状のサイズではどう見ても中央市場という形態になっている。我々行政が強引に引っ張っていくということではなく、市場で頑張っておられる事業者と一緒に考えていっていこうということ。
  • また、地方市場化に当たっては、規制緩和のメリットを商売上で享受できるかがポイントになってくるが、そのためには、今の状況のまま規制緩和するのではなく、業界の構造改革を促していくことが必要だと思う。そのあたりも、協議の場を通じて議論していきたい。
  • 指定管理者制度のメリットは、経費削減だけではなく、民間の企画提案力を募集できること。我々が目指す「加工機能」や「物流機能」といった付加機能も提案していただければと考えている。

【知事】
地方市場になると、「格下げ」と見られるなどメッセージとしては悪いということだが、このまま中央卸売市場としてやっていくとどうなるのか。それだとやっていけなくなるから改革が必要だということについて、事業者の皆さんの認識、危機意識はどうか。

【環境農林水産部長】
事業者の皆さんも改革について意識はされつつあるが、なかなか一歩踏み出すというきっかけがない。取扱量などが長期的に減少傾向にあるのは、お互いにわかっている。そこで、まずは指定管理者制度を導入することによって、民間のノウハウで一定の競争力をつけた上で、さらなるステップアップをめざしていこうという考え。

【環境農林水産部】

  • こういう改革、見直し案が出たことによって、事業者の意識が変わってきているのは事実。「競争力をつけなければいけない」「活性化を進めなければいけない」という意識改革にはなっているが、具体的にどういった形で進めていったらいいのか見えないのが現実。
  • 前回の戦略本部会議以降、目指すべき方向のイメージを示し、そういうものをベースにしながら事業者とも議論し、また、今後は指定管理者制度を導入することで、たとえば商社などに違う面から市場を見ていただき、いろいろなアイデアをお寄せいただきたいと思っている。これから場内業者さんと具体的な議論が始まっていくと考えている。

【知事】
部として将来性を見たときに、市場は残っていくと考えているのか。

【環境農林水産部】

  • 一般的に言われているのは、市場経由率はだんだん低下しており、青果、水産で60%くらい。10年前には70%くらいだったので、それと比べると低下している。
  • しかし、品揃えを考えると、市場機能がないと集められないというのが事実。大手スーパーなどでは生産者と直接取引される場合もあるが、広く品揃えをしようとすると、市場機能を活用しないと成り立たない。
  • 市場経由率がどこまで下がるかわからないが、今後も機能としては必要であろうと思っている。

【知事】
市場に産地から物が集まらないということで困っているのか、それとも、小売店、量販店などが市場に集まってこないことが問題なのか。全体のパイがどんどん小さくなっているのに「競争力」と言っても仕方がない。市場の取扱量などが長期的に減少傾向に陥っている原因はどこにあるのか。

【環境農林水産部】

  • 一部の大型量販店は生産者と直接取引をしており、また、電子取引など別の取引形態も出てきていることから、市場での取扱量が減ってきているという事実はある。そういった状況がこれからどこまで続くか予想はつかないが、やはり、品揃えなどの点からも市場の機能は必要と考えている。
  • また、青果と水産では随分状況が異なる。21年の青果の取扱量、水産の取扱量を前年と比べると、青果はだいたい横ばいだが、水産は7%くらい落ちている。その原因は、水揚量の減少や消費動向などによるものであり、生産者と消費者だけの問題ではなく、生産物そのものの性格にもよる。

【知事】
そうなると、全体のパイは増えないので、競争力をつけた上で、卸売市場間で奪い合っている生産物をここでより多く集荷させようということか。

【環境農林水産部】

  • スーパーなどからは、市場で加工までしてほしいといった希望も寄せられており、そういう価値を負荷することによって、我々の市場にきていただけるのではないかと思っている。
  • 市場の敷地面積は20ヘクタール。隣には、敷地面積5ヘクタールの食品加工卸売団地がある。卸売団地はもともと市場機能を補完するものであり、本来もう少し両者が交わってうまく流通すればよいのだが、これまでうまくいっていなかったのが実情。卸売団地が扱っている加工食品も昭和60年代をピークに落ちてきており、経営状況も非常に厳しくなっている。知事がおっしゃるように全体のパイが落ちてきており、それが一気に回復することは望めないが、市場機能は活かしながら、隣の卸売団地と合わせてトータルマネジメントとして、経営戦略を考える必要があると思っている。その辺りをプラスα部分として、上手く相乗効果を発揮してやっていければと思っている。

【知事】
これまで市場は、集荷を多くすることによって儲けてきた。それを今後は、量はそれほど増えないので付加価値をつけていくということか。ここでいう競争力とは、量を増やしていく競争力ではなく、付加価値をつけていくという競争力か。

【環境農林水産部】

  • そのとおり。
  • これまで市場は産地から物を集めて売るという機能であったが、より新鮮なものをエンドユーザーに届けるという役割を持つことが重要。

【綛山副知事】
「北部市場に持っていけば、他では80円でしか売れないものが100円で売れる」ということになれば、取扱量などが減少傾向にある中で一定の歯止めになり、場合によっては上向きになる。それは府の消費者の利益にもなることであり、それを目指すのが今日の議論ということ。

【環境農林水産部】
少なくとも現在、減少傾向にある中で、こういった取組みをしたからといってV字回復するとは想定していない。横ばい状態を何とか維持、もしくは減少に歯止めをかけるということが精一杯だと思っている。

【小河副知事】
中央卸売市場についてはこれでよいが、府内には29の地方卸売市場がある。それに関しては、府は今までどおり関与せず、財政支出もしないということでよいか。

【環境農林水産部長】
そのとおり。今の地方卸売市場については、府は指導監督には努めるが、新たな財政支出はしない。

【政策企画部長】
それでは、中央卸売市場の方向性を確認いただいたので、経営戦略としてはこの方向に基づいて具体の取組みを進めていただくということとする。

<報告事項:「府政運営の基本方針(「大阪維新」2010)」(平成22年2月版)について>

※「平成21年11月版」からの変更点について、政策企画部から資料をもとに説明。

【政策企画部】

  • 知事重点事業については、2月定例府議会での予算審議を経て、来年度の部局長マニフェストにおいてPDCAを明らかにすることになるが、先月、府議会各会派との意見交換をさせていただいたところ、いくつかの知事重点事業について、複数の会派から「全体像がわかりにくい」「効果はあるのか」といった指摘があった。
  • そういうこともあり、個々の事業の予算要求・査定のプロセスで、各部局において可能なものについてはPDCAサイクルのシートを作成し、アウトプット、アウトカムを明らかにしようと努力いただいたが、知事から急遽指示のあった事業については、作成が間に合っていないという状況にある。
  • こうしたことから、当初予算発表の現段階で全てをPDCAシートとして公表することは間に合わないが、2月23日に開会する府議会において審議対象となることが予想されるため、知事答弁調整会議などの場を活用し、可能なものについては知事にご確認をいただき、順次公表することとしたい。

【知事】
21年度の部局長マニフェストのチェックはどこで入るのか。

【政策企画部】
22年4月段階。

【知事】
22年度の目標設定をするときに、21年度のチェックを含めて評価をやっていくのか。

【企画室長】
そのとおり。

【総務部長】
本来は「府政運営の基本方針」に基づいて部局長マニフェストを作るが、21年度は初年度であり、「基本方針」がない状態で部局長マニフェストを作っている。新年度には、「基本方針」によらない21年度の部局長マニフェストのチェックの反映と、「基本方針」の両方を踏まえて22年度の「DO」がある。今年度が通常とは異なる形で進められているので、そこはうまく整合がとれるよう配慮いただきたい。

【政策企画部長】
「府政運営の基本方針」(平成22年2月版)については、これで決定とさせていただく。

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