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平成20年度第8回大阪府経営企画会議 議事概要
- とき 平成20年12月2日(火曜日)14時から14時45分
- ところ 特別会議室(大)
- 出席者 知事、副知事、水道企業管理者、教育長、危機管理監、政策企画部長、総務部長、教育委員会事務局
議題 中学校夜間学級について
【政策企画部長】
本日の議題は、財政再建プログラムにも記載され、9月議会でも議論になったもの。現在、予算要求もなされているが、この会議は予算の「査定」をする場ではなく、今後、市町村と議論して行く上での方針について、議論するということを確認したい。
その後、教育委員会から資料を順次、説明。
【知事】
文部科学省は、この夜間中学の就学援助については、対応しないのはなぜか。また就学援助一般の話として、所得基準の確認はどうなっているか。
【教育委員会】
文科省は、法律に基づくもの、ということを理由に、就学援助への国の関与は学齢期のみとしている。他の課題への影響を気にしているところもあるのではないか。
就学援助の対象基準は、市町村によって異なるが、生活保護基準の1.1倍から1.2倍程度。所得の確認はやっている。
【政策企画部長】
この制度は義務教育と言えるのか。居住市に負担を求めるには、義務教育の一環と位置づけなければならないのでは。
【教育委員会】
夜間学級を設置する根拠は、義務教育である中学の二部授業の位置づけ。しかし、市町村には必ず設置するという法的な義務はない、ということ。
【政策企画部長】
制度上「義務教育」ではないが、できるだけそれに近い形で扱ってきたということ。今後、居住市に対して、どういう理由で負担を求めていくのか。
【教育委員会】
それは、通学している人が自分の所の「市民」であるということ。これまでは、府と設置市の負担に委ねてきたが、本来は居住市として対応すべきであるという認識はできつつある。市町村としては、そうした負担を導く根拠がほしいところ。府が、居住市で夜間中学に関する就学援助制度を立ち上げるきっかけを作ってほしい、と言われている状況。
【知事】
居住市に対して、府の負担がなくても、対応すべきであると議論できないのか。
【教育委員会】
就学援助制度の誘導のために、通学費にのみ暫定的に補助していきたい。本来、国と市町村が担うべきという役割分担から考えて、その補助は暫定的とせざるを得ない。
【総務部長】
通学費以外の就学援助も、居住市が対応するのか。
【教育委員会】
市町村にはそうお願いしている。それぞれの財政状況もあり、全部の市町村が対応できるかは難しいところ。
【三輪副知事】
通学費の比率はどうなっているか。通学者との関係では、全額援助か、自己負担はないのか。
【教育委員会】
現在の事業規模は府市1/2で負担して、合わせて3000万円。うち通学費関係は1200万円程度。なお、通学費の支援を受けている生徒にとっては就学援助の大部分が通学費。
市によって上限を決めている市もあるが基本的には実費。通学費の一人当たりの平均実績として、4万3000円という数字になっている。
【総務部長】
暫定的ということだが、それまでに国での制度改正の可能性はないのか。
【教育委員会】
難しいが、理屈としては国が対応すべきものと言い続けていく。
【総務部長】
そうすると、「暫定」は暫定ですまないこともあるのではないか。
【教育委員会】
今は居住市に夜間中学の就学援助という制度そのものがない状態。府としても暫定的に対応するので、それを踏まえて居住市が制度を作るべきと迫っていく。
【知事】
原則は居住市の責任。制度移行期間の措置として、府も対応するということか。
ところで、入学について要件はどうなっているか。
【教育委員会】
義務教育を受けていないことが要件。外国籍の方も、本国で義務教育を受けていないことが要件になる。ただ、本国でも義務教育を修了した証明は出せても、逆の、修了していない証明は出ない。結果的に本人の申し出によることとなる。
【知事】
それは、住民サービスという位置づけに近いか。基礎自治体のサービスと位置づけるべき。
【三輪副知事】
7府県しか実施していないというところからも、これは住民サービス。府外からの利用者はないのか。
【教育委員会】
府内在住が入学の要件になっている。
設置市が運営経費について応分の負担を居住市に求めるという議論もある。学齢期の義務教育では、事情があって区域外通学した場合、市町村間で調整する制度もある。
しかし、府として制度を作ってきた経過もあるので、通学費に限って暫定的に続けていきたい。
【知事】
基礎自治体間の水平連携。そういう制度構築を促していくことこそ、大阪府の役割のはず。
【教育委員会】
ご指摘は次のステップとして、踏まえていきたい。
【三輪副知事】
居住市が制度を作らないと、通学者は自己負担になる。例えば、市町村が、府がフォローする通学費は援助するが、それ以外の費目は援助しないという選択をすることも出てくるのか。
【教育委員会】
制度誘導としては、できるだけすべての費目について援助してほしいと求めていくが、居住市として援助の制度を立ち上げさせることがまずは必要。その制度に、どこまでの援助を含めるかは市町村の判断と言わざるを得ない。
【三輪副知事】
分権の議論からも、それを否定するのはおかしいことになる。
【知事】
府の支援を暫定的な対応とするのなら、1年間で十分ではないか。他の市町村補助の見直しにも影響が出るのでは。バランス上、どうだろう。
【教育委員会】
1年間しか府がフォローしないとなると、今、通学者のいない市町村は制度を作らない。しかし、いずれ出てくる可能性もあるので、時間的幅の中で促していきたい。
さらに、通学費だけでなく、できるだけ援助の対象費目を現行に近づける働きかけにも時間が必要。
府が制度を進めてきた経緯もあり、暫定とは3年間を想定している。
【危機管理監】
学校関係だと、在学年数3年というのはひとつの説明原理。
【知事】
学年進行で、徐々に対象者は減っていくということか。皆さんは、どう考えるか。
【総務部長】
制度の経緯を踏まえると、3年も致し方ないところがあるのでは。
【三輪副知事】
学年進行方式で、市町村との関係は大丈夫なのか。
【教育委員会】
制度の議論では、そこまで踏み込んだ話はしていない。
【木村副知事】
民間の感覚が適用しにくい分野。市町村がどこまで了解するか。3年間は長いような気がするが交渉事か。
【小河副知事】
資料にある「広域自治体としての役割から」という言葉は、暫定的という意味と矛盾している。今後の議論もおかしくなる。
【三輪副知事】
そこは外して、むしろ、市町村への円滑な導入を進めるためという視点で議論していくべき。
【知事】
3年は長いという感じはある。暫定的という制度設計に影響しそうなので「広域自治体としての役割」は外すべき。
【政策企画部長】
今日のまとめとしては、夜間中学に関する就学援助は、居住市における住民サービスと位置づけ、設置市が主体である現行制度からの移行措置として、市町村域外の通学費について府が「暫定的」に支援する。それを通じて、居住市における就学援助制度の整備を促していく、ということ。
暫定の年数を含め、制度設計については、予算査定の中で判断していくということで、会議を終わりたい。
報告として、知事が会見で表明した「府の経済対策方針」と「年末に向けた中小企業及び雇用に関する緊急対策」を資料でお配りしている。
今日の会議コストは、45分間、16万8825円。