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平成20年度第1回大阪府経営企画会議 議事概要
- とき 平成20年8月7日(木曜日)11時から12時15分
- ところ 特別会議室大
- 出席者 知事、副知事、教育長、危機管理監、政策企画部長、総務部長、都市整備部
議題1 大阪府経営企画会議の運営方針等
【知事】
この経営企画会議は、大阪府政の政策決定の中枢を担う機関であり、第一に、私の政策決定に対してご意見をいただくというのが目的。決定自体の責任は全て私が負うが、決定にあたってのいろいろな課題について、議論いただきたい。
もう一つは“ビジネス・ジャッジメント・ルール”に準拠し、議事録の公開、記録にきちんと留めるというプロセスを重視したいと思っている。
特に、今回、「大阪府経営企画会議設置要綱」第1に基づき、原則として以下の事項の中から、経営企画会議の審議事項を指定する。
- 「第1、府政運営の基本方針に関すること」
- 「第2、特に重要な施策・制度に関すること」
- 「第3、府政に多大な影響を及ぼす個別の事業等に関すること」
「個別の事業等に関すること」については、今後の経営企画会議の取組み状況にもよるが、今のところ、「府の負担額が30億円程度を超える事業の着手、廃止、変更等」「その他、将来の府政への影響を十分に考慮すべき事業等」とする。
府政の決定について、非常に重要な機関になっているので、是非、様々なご意見をいただきたい。水道企業管理者、危機管理監、教育長にも入ってもらっており、第三者的な視点からご意見をいただきたい。
議題2 おおさか東線(大阪外環状線鉄道)の整備について
【都市整備部】
おおさか東線は、大阪東部地域から国土軸上の新大阪への連絡や放射状路線間の移動の利便性の大幅な向上、都心ターミナルの混雑緩和が図られる重要な路線。平成11年に着工し、約522億円を投じて、本年3月15日に南区間の開業を果たしたところ。
これから事業費675億円が必要な北区間に本格着手していく節目の時期を迎えており、今秋には国土交通省に対する来年度予算の概算要求も控えている。
主要プロジェクト評価で事業継続とされ20年度予算も認められているが、今後物価が上昇する懸念がある中で、おおさか東線の整備は、コスト増嵩のリスクがあったとしても、関係者の応分の負担を原則に、かつ縮減努力を前提として取り組むべき事業として継続することの確認をお願いしたい。
(資料に基づき概要説明)
本事業は北区間の完成で新大阪まで結ばれる。それによって事業効果が発現される。
鉄道事業は事業費が大きく、国土交通省から、すべての鉄道事業者に対し縮減努力を求められていることもあり、大阪府の財政状況からも、コスト縮減を強く要請していく。
現在、関係者(府、大阪市、吹田、東大阪、八尾市、JR、外環会社)の合意のもと、これまでの負担の考え方(負担割合は、府、市、JRが1対1対1、その他は出資割合による。)で事業を進めてきたが、昨今の経済状況からすると、北区間においては、鋼材価格の上昇などの経済要因や工事計画や施工・積算の条件が変わってきており、コスト増嵩の可能性もある。
増嵩が懸念される要素として、JR等は、
- (1)工事中の保安費などの安全対策
- (2)騒音対策
- (3)新大阪駅のホーム配置計画の変更
- (4)鋼材価格等の高騰 などとしている。
今後の事業費の見通しは、関係者が協力し、詳細設計、各種協議、コスト縮減努力を一定、進めた上で、明確になるものであるが、当面は一日でも早く具体的作業に着手したい。
【総務部長】
おそらく一番のポイントは事業費が増嵩するリスクがあるということ。その場合の負担はどのように考えていくのか。
【都市整備部】
これまでの事業費を仮に上回った場合でも、必要やむを得ない場合は、従来負担の考え方でと考えている。
【小河副知事】
JR等からコスト増嵩の可能性があるという話があったわけだが、事業費が確定したわけではないので、今後詳細が判明した段階で、きちっとそこを含めてやればいい。
【三輪副知事】
経営企画会議開催の趣旨は、ガバナンスルールを確立しようとするもの。負担が増える可能性があり、それを念頭に合意を形成するというのであれば、どのくらい負担が増えるおそれがあるのか、その理由はなにか、また、それを府が負担する理由は何かなどを明らかにして、府民にわかるようするべき。
【小河副知事】
今はリスクがあるといった状況で、きちんとした額が分かっていれば、まさにそのとおり。だが、現時点ではこれまでの負担の考え方ですすんでおり、問題ないのではないか。
【都市整備部】
まずは、これまでの負担の考え方でおさめるべく、コスト縮減に努めるが、それでも超える場合には、これまでの負担の考え方に基づく応分の負担を基本に合意を形成しようというのが趣旨。
【教育長】
おおさか東線は、既にスタートした事業。これまでの総括はどうなのか。府民から見てどうなのか。それを踏まえて、北区間をすすめるのであれば、想定されるコストを府民にきちんと説明する。府民がそれをどう理解するのか。また、負担が必要ならこれまでの負担の考え方が基本ということではないか。
【知事】
審議の対象として、結論が必要な点は何かを明確にしなければならない。
【都市整備部】
本事業はコスト増嵩のリスクがあったとしても、従来の負担の考え方に基づく関係者の応分の負担を原則に、かつ、コスト縮減努力を前提として取り組むという趣旨で、関係者の7者が合意する前に、関係者の4者(府、市、JR、外環鉄道(株))により合意することについて議論していただきたい。
【知事】
今の議論では、三輪副知事が言うように上限額が分からないとか、一方、小河副知事が言うように以前からのフレームなので変更がないという点もある。どう整理すべきか。
【三輪副知事】
やっぱり数字は必要。従来の枠組みに基づくとはいいつつ、新たな合意をするなら、ここまで負担が増える可能性があるということを府民に明らかにする必要がある。
【都市整備部】
それは今後詳細設計を踏まえ、関係者で精査した上で確認する。
【知事】
リスクのある覚書では、“バー”として、上限を設定するのが当たり前。それを再度超える場合は改めて協議する。天井を設定しない合意はありえない。今の覚書では、天井は設定していないのか。
【都市整備部】
事業免許時の事業費が天井という記述になっている。法務課とも相談しているが、新たな合意案には「合意された範囲」という文言を盛り込むことで一定のヘッジになると考えている。
【小河副知事】
それであれば、現状の協定書、覚書の趣旨の範囲内。新たな合意は必要ないのではないか。
【危機管理監】
大方の意見は新たな合意は必要ないということ。府は従前からの共同パートナー。これまでの負担の考え方が基本ということではないか。
【三輪副知事】
現段階で明確な数字がないということであれば、JR等には新たな合意でなく、今の覚書の趣旨で対応すると返せばよいのではないか。
【政策企画部長】
それでは、本日のまとめとしては、府としては、北区間の整備に関して想定される今後のコスト増嵩のリスクに対しては、従前の覚書の趣旨に基づき、関係者間の協議・調整のうえ、合意できるやむを得ない増嵩分に対して対応する。よって、現段階で新たな合意文書の締結はしない。こういうことでよろしいか。
【知事】
府の負担増は、納得できるやむを得ない理由のものに限り、その額にも限度があることを前提に進めることにしなければならない。
【都市整備部】
了解。経営企画会議での議論を踏まえて、関係者と協議する。
【知事】
報告事項は、別の機会にする。