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施設コンフリクト(資料5)
5 「大阪府障害保健福祉圏域における精神障害者の生活支援の方向とシステムづくりについて(答申)」
(1999 平成11年3月 大阪府精神保健福祉審議会)〔抜粋〕
第1章 第2節
2.地域住民の反対運動
社会復帰施設等の設置をめぐる地域住民の反対運動は自立と社会参加を阻害する大きな問題である。地域住民の反対運動は、マスコミによる精神障害者が関係する事件の報道やこれまでの精神医療の状況が生み出した予断や偏見にもとづく部分が大きい。こう した意識にもとづく反対運動は、施設設置を困難にするのみならず、精神障害者やその家族にとって大きな精神的負担となり、リハビリテーションを受ける機会や場を奪い、生活基盤の獲得を困難にしている。
第3章 第1節 1
(4)社会復帰施設等の建設に対する反対運動への対応
府は施設設置に際する補助金助成について、地元の同意書の提出を義務づけてきているが、行政が地域住民の障害者差別を追認する結果となっていることを認識し、その見直しを行うべきである。
また、府は予断や偏見に基づく地域住民の反対運動については、行政として明確な方針のもとで対応するものとし、市町村や事業主体と協力し、精神障害者や精神保健福祉ボランティアの参加を得、まちづくりの一環として社会復帰施設を位置づけ、地域に開かれ、地域交流の場となるような施設運営を指導していくことが必要である。
精神障害者に対してのバリアフリー社会の実現のためには、こころのバリアの除去が最重要課題である。『精神保健福祉法』第3条には、精神障害者の社会復帰および自立と社会参加に協力するよう、国民の義務が規定されている。この法律の目的である精神障害者等の福祉の増進、国民の精神的健康の向上を図るためには、府民一人ひとりがこの問題に真剣に取り組むことが肝要である。