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施設コンフリクト(住民同意の取り扱い)
(1) 住民同意の取り扱い
推進方向
大阪府は、国庫補助事業により福祉施設整備を実施する際に、法令に根拠規定がないが、事業の円滑な推進を図るとの視点から、国の指導に基づき、地元の同意書の提出を施設側に求めてきた。しかしながら、こうした手続きそのものが、結果として法の趣旨にそぐわない障害者等の権利を阻害してきたとの認識に立ち、大阪府は、国庫補助金の対象となる全ての社会福祉施設の施設助成に際し、「住民同意書」を助成条件としないものとするとともに、その撤廃をあらゆる機会を通じて国に要望してきた。その結果1999(平成11)年度までに全て撤廃されたところである。
今後、社会福祉施設等の設置にあたっては、施設設置者等に「同意書」が条件となっていない旨の説明を徹底していく。
なお、障害者等が地域社会のかけがえのない一員として、安心して生活を送るため、住民の理解を促進する取り組みが必要なことは当然であるが、このことが住民同意の必要性に結びつくものではない。
従って、地元住民等が、障害や障害者等に対する無理解や、予断と偏見に基づき施設建設に反対したり、開設にあたっての様々な条件を付与することは、人権侵害であるとの認識のもと、府としては、施設設置者・当該市町村等と連携を密にしながら、行政として毅然とした態度で取り組み、施設建設を積極的に進める。
具体的取り組み
住民同意の具体的見直し
- (1)精神障害者社会復帰施設については、「住民同意書」が、1999(平成11)年度より撤廃された。なお、これまで住民同意書が添付されていた経過もあり、今後、同意書が必要ない旨、施設設置者に徹底していく。
- (2)保護施設、老人福祉施設については、国への協議書の様式で、「地域住民との話し合いの状況」のほか、括弧書きで(同意書の有無)と表記されていた。しかし、(同意書の有無)の字句が、1999(平成11)年度に撤廃されたため、「同意書」は必要ない旨、施設設置者に徹底していく。
- (3)障害者施設については、現在「地元同意書」の添付はないが、これまでの「地元住民との話し合いの状況」として、同意書が添付されていた経過もあり、「地元同意書」が必要ない旨、施設設置者に徹底していく。
- (4)これらの社会福祉施設については、地域に開かれた施設とのコンセプトから、地元に対する説明、理解を求める取り組みは必要であり、「地元への説明・理解の状況」等を記載した書類を添付書類とする。しかしながら、地元住民が予断と偏見に基づき施設建設に反対をしている場合等には、府として、市町村・施設設置者とともに施設建設を進めることとする。