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更新日:2024年7月8日

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施設コンフリクト(策定にあたって)

第1 策定にあたって

  1. 大阪府福祉施設等設置に係る人権摩擦(施設コンフリクト)
    検討会議の取り組み

    大阪府においては、来る21世紀を「人権の世紀」とすべく、国際的な取り組みである「人権教育のための国連10年」の推進や、1998(平成10)年11月に「大阪府人権尊重の社会づくり条例」を施行するなど、人権尊重の社会づくりに向けた積極的な取り組みを進めているところである。
    こうした中、「ノ-マライゼ-ション」の理念の下、障害者等の自立を進めるための基盤となる福祉施設等の設置に関し、その設置をめぐる地域住民との摩擦 (いわゆる施設コンフリクト)が大きな問題となっている。このため、大阪府としては、施設コンフリクトによって福祉施設等の整備が進まないことは障害者等の自立と参加を阻む人権侵害に直結する重大な問題との認識のもと、早急に対処すべき課題と位置づけ、庁内関係課(室)による「福祉施設等設置に係る人権摩擦(施設コンフリクト)検討会議」を、1998(平成10)年8月に設置し検討を進め、昨年3月、「施設コンフリクトの解消と人権が尊重されたまちづくりに向けた大阪府の基本的考え方について(報告書)」をとりまとめたところである。
    この報告書においては、当面の対応策として、施設コンフリクトの解消のためには、大阪府自身の意識転換を図るとともに、コンフリクトをもたらす要因ともなっている施設整備の際の「住民同意書」についてその取扱を見直すことや、福祉施設等が障害者等の自立支援システムに不可欠な資源として地域社会に組み込まれていくことの重要性について示したところである。

  2. 基本方針策定の必要性

    今般、新たに基本方針を策定する必要性は次のとおりである。

    • (1) 先にとりまとめた報告書は、他の障害種別に比べ相対的に施策の遅れが指摘されており、また、いわゆる安田系3病院事件で明らかになった精神障害者の人権侵害や多数の社会的入院の実態を踏まえ、主として精神障害者施設に関するコンフリクトに焦点を当てて検討を行ったものである。
      しかしながら、全ての人が安心して生きがいに満ちあふれた生活がおくれるためには、精神障害者施設を含め、社会福祉施設等全般を通じた施設コンフリクト解消に対する大阪府の基本方針の策定が求められていること。
      なお、現在野宿生活者の問題が、大きな社会問題となっているが、具体的な取り組みの一つとして検討されている、自立支援センタ-について、その設置に際してコンフリクトが発生した場合は、整備主体である地元市と連携しつつ、その解消に対する対応を行うことが求められていること。
    • (2) 「ふれあいおおさか障害者計画後期行動計画」や「大阪府障害保健福祉圏域における精神障害者の生活支援の方向とシステムづくりについて(大阪府精神保健福祉審議会答申)」において、報告書の考え方が盛り込まれたところであり、これら計画の推進等の面からも報告書の具体化が求められること。更には、その際、大阪府障害者施策推進協議会等を通じ、当事者などの意見を十分踏まえた報告書の内容の充実を図ることが求められること。
    • (3) 報告書の取りまとめ以降、国において社会福祉施設の整備に係る「住民同意書」が撤廃されるとともに、コンフリクトが解消した事例もあるが、新たに発生し、しかも人権上、由々しき事態を呈している事例も生じており、こうした背景には、社会から障害者等に対する偏見・無理解を払拭しきれていないことが根底にあると考えられ、そのため、人権教育・啓発について実効ある具体的な取り組みが求められていること。
  3. 趣旨

    この方針は、2の状況を踏まえ、福祉施設等全般を通じ、その設置に係る施設コンフリクトを対象とし、大阪府としての認識及びコンフリクトの解消に向けた施策の推進方向と具体的取り組み内容及び推進体制を示し、あわせてこれらを着実に実施することによってすべての人の人権が尊重された社会づくりをめざすものである。

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