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人権学習シリーズ あたりまえの根っこ 知ることでつくるゆたかな関係/3.「寝た子を起こすな」?「知らぬが仏」?
「知ることでつくるゆたかな関係」(めやす90分)
3.「寝た子を起こすな」?「知らぬが仏」?
詳細な手順
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ポイント
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(30分)
説明5分、ワークシート記入10分、全体共有10分、コメント5分
グループでワークシート記入
★先ほどの「統計ラインアップ」の最後の設問にあった、「そっとしておけば差別はなくなる」という考え方を「寝た子を起こすな」論と言います。意識調査の結果によると、同和問題に関しては約3分の1の人が「知らせない方がいい」という考え方を支持しているのです。一方で、現実に差別はありますし、「差別意識が残っている」と思っている人も7割近くいます。そうした現実もふまえたうえで、同和問題について、知らせる場合と知らせない場合とで、どのようなことが起きるかを考えてみましょう。
★タテ軸に「知る・知らせる」「知らない・知らせない」、横軸に現状を「よりよくする(改善する)」「よりよくしない(悪化させる)」、という2つの軸をとり、それぞれに起こるかもしれないことを想像して書いてみます。差別のある現状が、どのようになっていくか、「知ることでよくなる」「知らずにいることでよくなる」「知ったことで今よりも悪くなる」「知らないために問題が起きる」の、それぞれについて、できるだけ具体的に考えてみましょう。
●ワークシート2とマーカーを配り、書き方を板書し、説明する。グループで話し合いながら書き込んでもらう。
全体で共有
★書いてみて、気づいたこと・発見したことを、全体で共有しましょう。
コメント
★同和問題について、「知らせない方がいい」「そっとしておけば差別はなくなる」、と考える人は、ワークシート2の右下を想定していると考えられます。「寝た子を起こすな」というのは、「せっかくおさまっているものを、余計なことをして問題を起こさないほうがいい」という意味ですが、同和問題については、差別の現状は「おさまっている」とはいえません。そして、知ったことで問題が起きるとしたら、どんな問題が起きるのでしょうか?
また、ワークシート2の左下には、知らないうちに当事者を傷つけてしまう、といったことがあるかと思いますが、これは、「知らぬが仏」とでもいえるでしょうか。このことわざは、「事実や真相を知らなければ、平穏でいられるということの譬。また、実態やことの重要性を知らずにのほほんとしている人を嘲笑することば」だそうです。同和問題は、私たちの暮らす社会に現にある問題です。知らず知らずのうちに、誰かを傷つけたり差別に荷担したりすることを望む人はいないでしょう。
このようなことは、同和問題だけではなく、他の人権課題にもあてはまるといえます。知らなかったら傷つけたり差別したりせずにいられるわけではないのです。
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- 意識調査の結果をふまえ、「現状として、まだ差別意識がある」ことを前提に話し合いをすることに留意する。
- ワークシートに書き込む際には、個人の人間関係の中で起こること、社会的な状況として起こることのいずれについての意見でもかまわない。いろんな角度から考えてみるようにうながす。
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