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平成22年度第24回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 槇尾川の治水対策
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資料1 「槇尾川の治水対策に関する府の方針」の地元への報告について |
【政策企画部長】
本件については、昨日の戦略本部会議でご審議をいただき、河川改修案を選択するという方針を決定した。昨日の会議終了後、大阪府の方針を伝えるために都市整備部長が地元を訪問した。先ほど地元住民の方も交えて知事への地元状況の報告・説明を行ったところだが、改めて地元の状況報告をお願いしたい。
【都市整備部長】
- 昨日5時10分から戦略本部会議で決定した方針をお伝えして、地元からの種々のご意見をお伺いしてきた。相当長時間にわたる質疑応答の結果であるが、最終的に私が責任を持って知事に報告する事項を取りまとめたのがお手元に配布している資料。
- 地元のご要望で文書という形で取りまとめをしている。概略のみ報告する。「今回のやり方について地元との信頼関係が無くなっている。そういう状態では事業は進まない。しかも代替案を示さずに中止のみという報告のやり方では何事も進まない」という意見。「地元の意思はダム推進であるということを前提に安全安心を早期に確保するのはダムであるとのことから、今回の知事の判断には裏切られたという思い」等を申されている。また和泉市長からは「今回のやり方で失墜した信頼回復は知事にしかできない。それをしっかり伝えてほしい」というご要望があった。また知事の直接の出席の要請もあった。これに関しては、既に知事からのご了解を得ていたので「今後日程調整をさせていただく」ということを私から申し上げた。その他「知事の方針転換をした大義が理解できない、訴訟等の検討もしている」というご意見があった。私からは、「今回の方針のさらなる説明と今後の水害に強いまちに向けた治水等に関して話し合いの場を持たせていただきたい」ことを申し上げて昨日は終わっている。このことは先ほども知事から地元の方に敢えて言及していただいたところ。
【政策企画部長】
- 昨日の会議に付け加えるべき論点はあるか。
- 特に無ければ改めて知事から今回の判断についての発言をお願いしたい。
【知事】
- 日をまたぐ地元報告で都市整備部長、河川室、土木事務所には大変な負担をかけた。本来なら私がすぐに行かなければならないが、一呼吸置き、事務連絡という形を取らせていただき、負担をかけたのは申し訳ない。方針については昨日の戦略本部会議で述べたが、改めて公の場で伝える。
- 今回の槇尾川ダムの治水行政については、河川室が河川整備委員会に情報提供して、色々議論し、真摯に対応していただいた。私がわからない所はきちんと河川工学、治水工学を教えてくれた。データについても基本的にはきちんと出してくれた。
- 以前の80ミリ対応を前提とすれば、以前の判断は間違いないと思っている。今回の判断はそもそも治水の目標という考え方を変えたことに起因しており、100年に1度80ミリ対応という目標は将来目標、抽象的な理想の目標としては、放棄はしない。ただし、現実的な政策判断をする際には、10年スパンくらいで行政の財政状況や必要な施策は変わってくるので、20年30年という期間で具体的行政判断をする目標を設定しなければいけないという思いから、河川室にそういう考えを伝え、河川室が僕の意向を汲んでまとめてくれたのが今後の治水対策の進め方。
- 20年30年の行政判断では、80ミリという物差しにはしない。そういう意味では100年に1度の80ミリ対応という基準は具体的な行政判断をするにあたっては放棄した。この大きな方針転換が今回の判断の最大の要因。以前の治水方針に従ったダムの判断は河川室の判断としては、間違っていない。強いて言えば、私自身がダム着工にゴーサインを出した時にはそこまでの考えには至らず、今回地元を混乱に陥れてしまった。その後河川整備委員会、事務局である河川室の議論を踏まえて、槇尾川ダムについては具体的な行政判断をする20年30年の治水目標としては65ミリ対応という一つの結論が出た。それに沿って今回ダム案と河川改修案の治水効果について詳細に検討してもらい、また私自身も自分なりに検証した。治水工学上ハイウオーターレベルという概念を用いた安全度においては、今回ダムと河川改修という2つの手法においては差は無い。超過洪水に関しては色々な意見がある中で専門家の河川整備委員会の中でも意見が集約できずに取りまとめ不可能という状態になった。大きくシンプルに考えて、地元の皆さんにお伝えしたのだが、私の理解としては、ダムは「ダムとその後の河川改修」が合わさった一つの計画である。20年30年のスパンで考えると、ダムと河川改修、80ミリ対応をすることはほぼ現実性がない計画になっている。一度決めた計画をそのまま持ち続けることはどこかで改めなければならないという思いで、ダム又は河川改修、どちらかを選ばざるをえない状況になっている。その中でどちらを選ぶのか考えたら、一般論ではなく、今の状況をみるとまずやるべきは、水害に強いまちへ変えることと判断した。細かくはこの場では説明しないが、護岸、川のヘリに家が張り付いている状況、川の周囲の状況を個別具体的に検証した結果、一般論ではなく、真に水害に強いまちに変えていくことがダム推進を唱えている住民の皆さんのことだけでなく、推進の声を上げていない住民の皆さんや、次世代の住民の皆さんに行政が果たす責任だと感じた。
- 今回河川室には判断が遅れ、1年半くらい引っ張って、現場は混乱に陥り、地元の皆さんとの関係も苦労されたと思うが、一度あの地区をあるべき姿で、橋の架け替えも含めて、真に水害に強いまちに変えていくということでなんとか部局に理解してもらって、一致団結して、あの地区を変えていくことでやっていきたい。
- 現場の職員まで100%僕の考え方・方針の理解を得るのも時間がかかると思うが、部長や室長はじめマネージャーの皆さんに伝えてもらって組織としてのモティベーションを醸成してもらいたい。
- いくつか早速指示をしたい。この判断に従って必要な予算計上をしてもらいたい。法面の修復、必要な付け替え道路の整備、その他この判断を基にした必要な予算を早急に作成して議会に提案したい。
- 地元の住民のみなさんにもお伝えしたが、地元のみなさんは、ダムのイメージ図だけが頭にあるので、河川改修をした、真に水害に強いまちというのはどういう姿なのかを示したい。100パーセントきっちりとしたものでなくて構わない。家のセットバックや護岸がどうなるか、橋がどうなるのか、水害に強いまちへ姿を変える治水は、こういうことだと具体に見えるものを作成してもらいたい。イメージの領域をでないと思うが、それを持って、私は地元の皆さんとの話合いに臨みたい。
- 住民のみなさんとの意見交換、説明に伺う時期については、イメージがある程度整ってから行きたい。ただ、議会開会中に行くべきかどうかも含めて、タイミングは副知事はじめ両部長で協議してもらいたい。統一地方選挙が4月にあるので、こういった話はその後がいいという思いもあったが、そういうことは抜きに行政的に検討してもらって、私に提案してもらいたい。
- 現場の土木事務所はじめ住民の皆さんとの間では、具体の協議など詰めた話し合いは、私が地元に行くまでは、原則前面に出ないでよい。ただ住民のみなさんとのコミュニケーションをとる、信頼関係を醸成するということについては、みなさんの裁量にお任せする。現場にはそういう趣旨で河川室長からきちんと伝えてほしい。
【小河副知事】
- 地域の方は本当に純粋な方が多く、国道480号でいろんなことに取り組むにあたり、非常に協力的で温かい。ダム推進派というのではなく、いままでの経過のもとで役員の方々が言われているということをご理解いただきたい。
- 知事が指示されたイメージについて。河川改修はこうあるべきというものは描けるが、地域の方の意見をいっぱい聞かなければ、我々だけで描いてしまうことはおかしい。まず河川改修はどんな絵になるか。
- ダムを造る、造らないという議論では現場は地元に行かなくてもいいが、いままでも地元との信頼関係があるので、それ以外でコミュニケーションをとることは行くべきだと思っている。
【知事】
お任せする。私が判断して、現場に過度に負担にならないように思ったので。
【都市整備部長】
地元との対応については、副知事と全く同意見。現状での安全確保は、地域に精通された地元の皆さんの意見を聞かないと、その都度の臨機の対応も含めてやりづらいので、現場のいままでの信頼関係の中で対応させていただきたい。
【知事】
- 過度の負担にならないようにお願いする。
- 安全面に関して、この判断をした以上、もし何かあった場合は責任を負わなければいけない。この判断をしておきながら、また現場に負担をかけるが、災害に対してはいままで以上に注意していただきたい。そういう状況が発生した場合、どう住民のみなさんに伝えるのか、この点はさらに河川室で検討して対応をお願いしたい。
【都市整備部】
出水期の対応、水防体制、警戒避難については十分協議していく。
【知事】
流木対策について地元の皆さんはよく言われるが、この点についても雨水対策の中に含まれるのか。
【都市整備部】
将来的にはハードで対策を講じなければならないが、土砂災害、流木対策も雨量計等で判断できるので、そういったことも含めて地元の皆さんと話をしたいと思っている。
【総務部長】
予算について、早速都市整備部から要求していただき、知事に査定いただく予定。21日から2月定例会が開会されるので、開会日に提案できるように準備を進める。
【政策企画部長】
槇尾川の治水対策については、昨日の戦略本部会議で決定した方針に沿って、議会の開会日までに補正予算案を取りまとめ、提案する。