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更新日:2012年5月9日

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平成24年8月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成24年8月24日(金曜日)午前9時30分開会

午前11時20分閉会

2 会議の場所

大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

  • 委員長
    隂山 英男
  • 委員長職務代理者
    小河 勝
  • 委員
    中尾 直史
  • 委員
    立川 さおり
  • 委員
    木村 知明
  • 教育長
    中西 正人
  • 教育監
    川村 幸治
  • 教育次長
    藤井 睦子
  • 教育総務企画課長
    見浪 陽一
  • 教育振興室長
    津田 仁
  • 高等学校課長
    和田 良彦
  • 支援教育課長
    三ツ石 浩幸
  • 市町村教育室長
    箸尾谷 知也
  • 小中学校課長
    吉美 学
  • 教職員室長
    山本 讓
  • 教職員企画課長
    秦 光広
  • 教職員人事課長
    中野 伸一

4 会議に付した案件等

  • 第1号議案
    知事からの意見聴取に対する回答の承認について
  • 第2号議案
    平成23年度教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価の報告について
  • 報告事項1
    「教職員の評価・育成システム」における授業に関する評価の導入について
  • 報告事項2
    平成24年4月21日以降における教職員の懲戒処分の状況について

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    木村委員を指定した。
  • (2)前回の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議案の審議等

第1号議案

知事からの意見聴取に対する回答の承認について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成24年9月定例会に提出される次の議案について、異議がない旨を回答したことを了承する件である。

事件議決案
  1. 平成24年度大阪府公立高等学校の入学者の選抜における合格者の決定の過誤に関する損害賠償の額の決定及び和解の件
  2. 大阪府立門真スポーツセンターにおける屋根タイルの剥落に係る損害賠償請求事件の控訴の件

委員の質問及び意見

  • (隂山委員長)
    入学者選抜における合格者の決定の過誤に係る和解の件について、損害賠償額に精神的な損害に対する賠償も含まれているのか。
  • (和田高等学校課長)
    慰謝料として20万円を含めている。
  • (隂山委員長)
    今回の件はあってはならないミスであり、今後、起こらないように気をつけなければならない。
  • (中尾委員)
    企業で言えば品質問題であり、我々の場合は人質(じんしつ)の問題である。入試は100%完璧になるように力を入れてやらなければならない仕事であり、ミスがないように気をつけなければならない。
  • (小河委員長職務代理者)
    今後も同じようなことが起こる可能性がある。今回の教訓として、複数人での確認作業が必要である。
  • (中尾委員)
    パソコンのデータは入力段階だけでなく、最後のデータの貼り付けを間違うと大きなミスになる。
  • (隂山委員長)
    訴訟の件であるが、タイルの貼り付けをきちんとしてくださいということか。
  • (藤井教育次長)
    耐用年数内にタイルが剥離したため、設計業者や施工業者等に対して補修工事に要した費用を請求する訴えを提起したが、判決で棄却された
    ため、控訴したものである。
  • (立川委員)
    タイルの落下防止策はどうなっているのか。
  • (藤井教育次長)
    ネットを張って、落下を防止している。

採決の結果

原案どおり承認した。

第2号議案

平成23年度教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価の報告について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価の報告について、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第27条第1項の規定により、平成24年
9月定例府議会に提出する件である。

委員の質問及び意見

  • (隂山委員長)
    大津市のいじめ問題についてツイッターでもやりとりをしている。隠ぺいと言われているが、我々の現場感覚からするとそぐわない。隠ぺいしようとしても子どもは見ているのであって、いずれ分かるものである。今回の事態の原因を考えると、不誠実ということだと思う。この問題に誠心誠意関わろうとしていないことが大きい。この点検評価は個別の項目について具体的に書かれているものであるが、根本のところは大阪の子どもたちのために頑張るんだという基本的な心構えみたいなものを現場の先生方にも徹底していく必要がある。極端な話、それが入っていれば他の問題も解決していく。また、いじめについて根絶と言っているが、世間ではなくならないものだと思われており、大人社会でもいじめはある。けれども大人社会のいじめをなくしましょうということはない。人と人の間には様々なトラブルがあり、起きてしまう。この間、いじめの対応で注目された熊本県では、いじめの報告件数は全国で一番多いが、それは子どもの側から問題と思われるものが全部リストアップされている。そして、それぞれがどの程度克服されたのかについて改めて数値をあげている。報告件数も多いが、改善された件数も多い。その中で改善されない深刻な事例は教訓化され、県内で共有化されている。こういった取組みこそが誠意ある対応と受け捉えられるものである。いじめ件数が減少傾向であることを出したとしても、きちんと対処されていることが出されなければこれは隠ぺいであると捉えられてしまう。いじめの克服という観点で見ることも一つの方法であり、検討していただきたい。
  • (木村委員)
    いじめが学校からなくなるのは考えにくいため、いじめはあって当たり前という危機感を全教員が持つことで生徒に対するアンテナを最大限張ることができる。その危機意識・危機管理がいじめに対する早期対応・早期解決へつなげていける可能性が高まる。その上で、今後考えていくべきポイントは、いじめが起こった学校が悪い学校で、いじめが無かった学校が良い学校ではなくて、いじめをきちんと対応した学校が良い学校だという仕組みを作るべきである。
  • (小河委員長職務代理者)
    いじめはあって当たり前ということを言ってしまうと、いじめを是認していると受け止められる恐れがある。いじめはあってはならないということを明確にしておかなければならず、その上でどう無くしていくのかということを考えていかなくてはならない。この問題の解決に当たって一番大きなことは集団の改革だと思う。学校が荒れていると全体の規範意識が崩れている。学校の荒れが大きなテーマであり、個々のいじめ事案の対応にとどまっている限りは問題の解決にはならない。この問題の解決にあたっては成功事例を研究する必要がある。教育委員会の態度がどうだと言ってもそれでどうなるのか。実際に対応しなければならないのは現場の子どもたちである。いじめはあるのだという前提があるが、我々としては認めたくない。いじめがない状態を作るように頑張っている。また、教育委員会の責任を問うことも必要だが、問題の焦点がどこにあるのか見てみると、大きな時代の流れとの因果関係があると思う。子どもの育ちの過程が昔と異なっている。ゲームやテレビなどバーチャルリアリティの世界に浸かってしまい、リアリティに対する意識が変わっている。こういうことをしたらどうなるのかが分からない。悪いことをしているつもりがなく、犯罪意識がない。このような社会情勢の大きな変化を見ないといけない。今は犯人捜しばかりやっているような気がする。
  • (中尾委員)
    学力、体力、いじめ、学校の荒れ、生活習慣、こういったものの根っこは全て同じである。
    点検評価については、対応について具体的にどうしていくのかが大切である。数値にしても、平均値だけではなく、良いところに着目し、どうやって成功したのかも
    考えるべき。最近、医者と話す機会があったが、乳幼児期からの子どもの教育が重要だと思う。しつけ、生活習慣は幼児の頃からの教育が大きい。
  • (小河委員長職務代理者)
    学力について、大阪はじりじりと上がってきているが、私はもう少し早く上がってきてもいいと思っている。全国の先生が頑張っている中で、なお大阪は上がっている。学力といじめの問題は関連がある。子どもたちの精神状態は生活態度に表れる。過学習もよくないが、それよりも学習のつまずきによる絶望が大きい。私の経験の中で「まともな奴らを見ていると腹が立って仕方がない。無茶苦茶にしてやりたい。」と言った生徒の言葉がすごく印象に残っている。この言葉の背景は大きな自己不信がある。彼らは勉強が進まず、そこで絶望的になって、いじめに走っていく。ここを変えていかないといけない。
  • (立川委員)
    いじめる側に課題がある。ほめられた経験がない、その経験がないから、物事ができて嬉しいことや楽しい経験がない。働く大人、憧れる大人との出会いも少ない。つまずきがあったときに学校の先生や保護者以外に身近に相談できる人がいるとよいと思う。いじめる側には経済、学力、社会的な問題などがあるがそれだけではない、こみあげてくる社会への怒りのようなものがある。
  • (木村委員)
    過学習や全く勉強をしないなど、極端な点に目を向けることが大切。
  • (中尾委員)
    教員の力を高めることについて、力のある教員はどこが違うのか調べる必要がある。企業の場合は入社して3年間の上司の影響が大きい。教員は企業と違ってOJTである。OJTと自己啓発が根幹ということを改めて意識すべき。
  • (隂山委員長)
    今回の学力テストの結果についてであるが、全体の子どもたちの平均的な弱点というのがわかるのだが、ピンポイントの指導の対象になりえない。私たちの感覚からするともうちょっと良くなっていてもいいのではないかという感じはする。府独自のテストもあるので、学力状況の分析についてはもうちょっと絞って取り組んでほしい。学力問題であれば府で教材を作り、現場でやっていく、できていない学校は指導主事が回ってフォローしていくという一つのパターンというものができている。パターンができているとそこからはみ出た部分を対応していけばよい。このデータを見ていくと最も問題と思うのは、暴力行為発生件数である。これが今の大阪の問題を象徴している。いじめの件数よりはるかに多い。単純計算すると一日に20件程度起こっており、非常に深刻である。暴力問題というのを大きな課題として見る必要があるのではないか。いじめとは次元が違うものである。昔は学校で暴力が起こってもメディアが取り上げなかったが、逆説的な言い方をすると珍しいから今報道されている。暴力行為発生件数を考えてみると、学力と並んで非常に突出した問題である。小学校と高校に比べて中学校が突出している。大阪の中学校の暴力件数は異常である。大阪の学力が上がってこない問題と心の問題は同じ根っこを持っている。対策の有効性を考えた場合、私は暴力問題の解決が大阪の教育問題を解決する近道であると思う。中学校で何が起きていて、なぜこうも改善されないのかということを来年度の対策の一つの柱としていただきたい。一つ提案であるが、半期に一回、学期に一回程度、子どもたちに悩みを書かせてみる。このときに友達のいじめ問題や家庭での悩み事、勉強の悩みも出てくる。書かせるということがすごく有効ではないかと思う。また、全員に必ず書かせる必要がある。悩みはないと言って書かない場合、いじめ問題があったときに書かない子どもがいると誰がいじめを指摘したかが分かってしまう。だから全員に書かせる。大阪府の全学校、全学級でやってみるのはいかがかと思う。実施について、誰の判断、決定で行うのか。校長なのか市教委なのか府教委なのか考えてほしい。中学校の暴力問題に果敢に取り組んでいただきたい。学校の中では暴力はないということを目指してほしい。
  • (小河委員長職務代理者)
    基本は学力だと思う。学力さえ改善されれば、健全化していく流れができるものと思っている。教師、学校が子どもの気持ちを掴むことが重要である。
  • (立川委員)
    学力やいじめ認知件数、暴力行為件数など色々統計があるが、全国平均との比較をしても状況がよくわからない。全国何位なのかということがわかればよい。
  • (隂山委員長)
    基本方針4において毎日朝食をとる項目について全国平均を上回るという目標があるが、家庭の問題も多いので学校の取組みだけでは浮いていると思う。学校の取組みだけでは解決できない状況がある。上げられるところは上げていくが、そこから先はまさしく生活習慣であり学校の対応だけでは無理である。
  • (中西教育長)
    家庭と連携した食育の取組みは行う必要はある。
  • (隂山委員長)
    喫煙の問題についても小学校の段階からやっていくと大人になったときに効果がある。時間がかかると思うが10年後を見据えた指針ということで入れておいていただきたい。

【採決の結果】

原案どおり決定した。

報告事項1

「教職員の評価・育成システム」における授業に関する評価の導入について

報告の趣旨説明(教職員企画課長)

「教職員の評価・育成システム」における授業に関する評価の導入について、その考え方(方向性)及び平成24年度の取組みについて、委員会に報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (中西教育長)
    昨年度、教職員の評価について相対評価か絶対評価かの議論の中で、生徒や保護者の意見を反映させるということで最後は絶対評価となったものである。授業評価により生徒や保護者の意見を反映させるが、校長の判断により評価を行う点は貫きたい。
  • (小河委員長職務代理者)
    現行法制度における教師の指導する立場は外からの意見や考えで動かされてはいけないというところを侵すことになってはならないと思う。授業を外から見ただけで評価されて、その評価に左右されるというのは非常に大きな危機感がある。それぞれの教員はいろいろ研究した結果、現在の効果的な授業のやり方を持っているのであり、授業を評価されることについて現場の教員は不快を感じると思う。この議論の発端は問題教員をどうするのかということであったが、対処という意味では採用制度の問題が大きい。そこの改革に力を入れるべき。
  • (中西教育長)
    生徒の人気投票にならないように最終評価は校長が行うことになっている。仕組みについては校長協会等と連携しながらやっていく。
  • (中尾委員)
    芦間高校のときに授業アンケートを実施しようとしたら先生から反対があった。先生は授業を評価されることを嫌う。そのとき、これは授業を磨くためであり、授業力を上げるものであると説明を行った。同じ教科の先生間でも互いの授業のやり方を知らないことが多い。また、保護者アンケートでは授業のことだけ聞くのか、担任、分掌、また学校経営についての評価も併せて聞くのかということも検討すべきである。人気のある先生が授業力もあるのかどうか分からない。授業評価を行って学力が上がったのかどうかの検証も含めて行うべきである。
  • (小河委員長職務代理者)
    切磋琢磨して授業を改善していくという大きなビジョンを柱に据えなければ、授業評価だけで進んでしまうといけない。福井県では教室がガラス張りになっており、いつでも同じ教科の先生だけでなく他の教科の先生も授業を観察し、論議しあっている。そういう風土が定着している。そのような風土を我々も作っていかなければならない。
  • (中西教育長)
    授業改善については高校ではかなり定着している。
  • (隂山委員長)
    評価には服務規律も入れてほしい。日頃の先生の服装や行動から信頼が生まれる。
  • (藤井教育次長)
    学校運営についてのアンケートについては、授業評価と切り離して行う予定である。
  • (中尾委員)
    生徒自身に自分を振り返えらせるアンケートもいいと思う。
  • (木村委員)
    私も15年ぐらい前から塾でアンケートを行ってい?。アンケート結果が悪いからその先生が駄目だということではなく、これは先生の日々の振り返りになるものである。また、例えば悪くつけた生徒がいれば、それは生徒が何らかのメッセージを発しているものであり、授業力とともに生徒の状態もわかるので、そういう活用方法もある。
  • (立川委員)
    回収率により信憑性も変わってくる。アンケートが有効に活用できるように回収率を上げるように努めてほしい。

報告事項2

平成24年4月21日以降における教職員の懲戒処分の状況について

報告の趣旨説明(教職員人事課長)

平成24年4月21日以降において、教育長が専決した教職員の懲戒処分の状況について、委員会に報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (中尾委員)
    学校内で発生している事案について、学校でチェックできないのか。体罰事案についても、体罰を恒常的に行っている者もいるのではないか。前触れのようなものを学校は把握できなかったのか。
  • (中野教職員人事課長)
    体罰を行った教諭の中には過去から体罰行為をしていた者もいた。校内での不適切な行為について当該教諭は部屋で隠れて当該行為をしており、学校は把握できなかった。
  • (隂山委員長)
    全体の処分件数は減ってきているのではないか。
  • (中野教職員人事課長)
    昨年度は卒業式の国歌斉唱時の不起立の事案について処分を行ったため処分件数は増加したが、それ以外の処分件数はほぼ同じぐらいで推移している。
  • (立川委員)
    被処分者の年齢を見ると50代が多いが、そのあたりの分析はしているのか。
  • (中野教職員人事課長)
    年齢からの分析はしていないが、今回はたまたま50代の者が多かった。
  • (立川委員)
    定年を意識している年代であり、改めて研修などを実施することを検討してはどうか。
  • (中尾委員)
    このようなことは研修ではなく、管理職による日頃からの指導により防止すべきである。

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