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平成24年4月委員会会議会議録
大阪府教育委員会会議会議録
1 会議開催の日時
平成24年4月20日(金曜日)午前9時30分開会
午前11時15分閉会
2 会議の場所
大阪府教育委員会委員会議室
3 会議に出席した者
- 委員長
隂山 英男 - 委員長職務代理者
小河 勝 - 委員
中尾 直史 - 委員
立川 さおり - 教育長
中西 正人 - 教育監
川村 幸治 - 教育次長
藤井 睦子 - 教育総務企画課長
見浪 陽一 - 教育振興室長
津田 仁 - 高等学校課長
和田 良彦 - 市町村教育室長
箸尾谷 知也 - 小中学校課長
吉美 学 - 教職員室長
山本 讓 - 教職員人事課長
中野 伸一 - 教育センター教育課程開発部長
- 清水 隆
4 会議に付した案件等
- 委員長選挙
- 第1号議案
平成24年度大阪府教育委員会の運営方針について - 報告事項
平成24年1月21日以降における教職員の懲戒処分の状況について
5 議事等の要旨
- (1)会議録署名委員の指定
立川委員を指定した。 - (2)前回の会議録について
全員異議なく承認した。 - (3)委員長選挙について
生野前委員長の辞職に伴い、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第12条第1項の規定により、本日以降の委員長を決定するため、選挙を行うこととした。また、その方法については、投票により行うことについて全員の同意を得た。直ちに委員長選挙に入り、隂山委員が当選し、同委員がその就任を承諾したため、委員長に就任することが決定された。 - (4)議案の審議等
第1号議案
平成24年度大阪府教育委員会の運営方針について
議案の趣旨説明(教育総務企画課長)
教育委員会の運営を組織的、戦略的に行うために、当該年度の基本的な方針を年度当初に定める件である。
委員の質問及び意見
- (小河委員長職務代理者)
学力向上の取組みに関する予算措置は今年度で終わるのか。継続しないのか。 - (中西教育長)
継続については、今後検討していく。 - (小河委員長職務代理者)
これは重要な政策であり、学校現場からも非常に効果があったことを聞いている。今後もこの予算措置を継続していただきたい。 - (隂山委員長)
「学力向上重点校支援プロジェクト」に係る学校訪問の人員体制は。 - (箸尾谷市町村教育室長)
指導主事3名と退職校長3名がペアになって相談訪問を147校に対して406回行った。また、研修訪問については教育センターが実施している。 - (清水教育センター教育課程開発部長)
研修訪問としては、教育センターから指導主事20名と退職校長15名で重点指定校147校に対して795回実施しているが、重点指定校以外の学校にも訪問しており、全体では2,000回程度行っている。 - (隂山委員長)
かなりの訪問回数を実施しており、訪問した指導主事等は現場の課題を把握されていることから、早い段階でこの方々から話を聞いてみたい。 - (中尾委員)
この運営方針は中長期の方針であるが、数値目標をしっかり示せているのか。また、「確かな学力」や「校長マネジメント」など表現が抽象的である。取組みとして書いてあることも1年でできるものではない。ローリング方式になっているが、中長期の到達点を示すべきである。また、誰が何をいつまでにどうするのか、体制も含めて詰めていくべき。 - (小河委員長職務代理者)
小中学校における「使える英語プロジェクト」は成果が前倒しで出ている。これは前々からの府教育委員会の取組みの大きな流れの中で達成されたことである。これまで我々が積み上げてきた流れと別の角度から条例が出されたが、今までのこの大きな流れは大事にしたい。 - (中尾委員)
高校の再編整備においては、学校の適正規模を把握するためにも私学との連携、調整が必要である。再編整備も、2校を1校に統合するやり方や学科の再編など様々な手法があり、大きな観点から詰めておくべき。また、キャリア教育については、将来の日本にどのような人材が必要なのかということを踏まえた上で学校教育を行うためにも、経済同友会などとの連携が必要である。 - (立川委員)
今回、関西生産性本部などが設立した関西キャリア教育支援協議会が発足したが、企業出資の元で無料であり、講師も充実しているので、学校に対して情報提供を行い、活用していただきたい。 - (見浪教育総務企画課長)
関西生産性本部と大阪市・大阪府教育委員会の実務者会議があり、活用について協議していきたい。 - (隂山委員長)
キャリア教育について、工科高校の改革や産学連携などいろいろ取り組んでいるが、全体として動いているというものを感じない。就職内定率が増加しているとか、そういったものに結びつけば説得力が出てくるのではないか。 - (藤井教育次長)
就職内定率は87.3%で改善の方向性は出ている。 - (和田高等学校課長)
キャリア教育を推進している学校においては、これを上回る内定率が出ており、一定の成果は出ている。 - (中尾委員)
高校の広報活動について、私学との競争の中で学校説明会の情報などホームページを見るとまだまだ学校間で差がある。しっかりやってほしい。 - (立川委員)
キャリア教育については、進学校に対しても広げていただきたい。 - (川村教育監)
進学校においても自分の将来を見据えた中でどういう大学に行ったらよいかなど、いろんな形で実施している。弁護士、医者、パイロットなどになった卒業生がおり、そういった先輩から話を聞く機会を作っている。 - (隂山委員長)
あまり将来の夢というよりも、離職率が高いという現状があり、人に合わせて仕事があるわけではなく、仕事に合わせて自分の力をつけていかなければいけない。そういった点では学校の先生は実社会と乖離しているところがある。個々の先生が今の社会情勢を把握して、必要とされる力は何なのかということを子ども達に伝えていかなければならない。 - (中尾委員)
社会と学校の大きな違いをあげると、学校では与えられた問題を正しく解けばよいが、社会では何が問題なのか、その問題を解決するにはどうしたらいいのか、問題発見力と解決力が必要ということ。この他にもコミュニケーション力など数値で測れない能力が社会では大切であり、それを子ども達に教えていかなければならない。 - (隂山委員長)
就職活動において、学力・学歴は意味がない。社会では、社会人として生きていくタフさというものが要求されている。府教育委員会では高校までなので18歳の時点をゴールとして見ているが、実際の教育の最終段階である21歳、22歳を視野に入れておかなければならない。18歳で就職する高校生も多いので、そうした人たちの教訓を生かしていくべき。 - (立川委員)
「開かれた学校」の中で、学校経営評価の公表とあるが、100%実施が当然ではないか。生徒、保護者、教職員に対してアンケートを取っていると思うが、それら全ての結果を公表してほしい。また、「保護者や地域の住民の満足度を高める」とあるが、満足度をどのように把握するのか。 - (和田高等学校課長)
今年度から各学校で毎年、学校教育自己診断を実施し、保護者や地域の住民等で構成される学校協議会の意見を反映させることで満足度を高めていく。 - (立川委員)
「学校における業務改善の推進」について、学校の業務の中で教員でなくても事務職員で処理できることもあり、もっと事務職員を活用してほしい。 - (中尾委員)
私学でも同様であるが、業務分担は校長のマネジメントである。教員は生徒と接する時間を最優先にすべきである。 - (立川委員)
教員と事務職員の間に壁をすごく感じる。もっと教員の仕事を事務職員に振ることはできないか。事務職員ができることは事務職員がすべきである。 - (中尾委員)
教員と事務職員の間だけでなく、教員同士の間にも教科、分掌、学年などの壁がある。これもどうしていくのかは校長のマネジメントである。自分一人が努力しても、周りが見えていなければ学校全体の成果は上がってこない。もう一つ業務改善のことであるが、書類が多すぎる。IT推進の中でペーパーレス化を進めるべき。これも校長のマネジメントである。 - (隂山委員長)
書類を半減化するようなことは検討できないか。 - (藤井教育次長)
書類の削減に向けた取り組みは行っている。また、学校のItc化で一人一台のパソコンの導入により、書類の共有化でペーパーレス化は進むと思う。 - (中尾委員)
職員会議でプロジェクターを使えば、配布書類は無くなる。卒業式などの行事できっちりと実施していくために詳細な説明が必要な場合には書類を配布してもよいと思うが、ペーパーレスにするという意識でやれば削減は可能である。 - (隂山委員長)
パソコンの導入が進むと、逆に業務を複雑化させ、提出データがどんどん増えていく面もある。このことについても、現場の声を聞いて、原因が何にあるのかを把握したい。 - (小河委員長職務代理者)
ペーパーレス化と並行して、先生は子どもと接する時間を増やすように校長はマネジメントをして欲しい。 - (隂山委員長)
懸案になっている入試の相対・絶対評価の問題であるが、今後どのような検討スケジュールになるのか。 - (中西教育長)
事務局での検討を踏まえ、5月頃に委員の方々と勉強会を行い、夏頃までには結論を出したい。絶対評価を行うにあたっては様々な問題点があると認識している。 - (隂山委員長)
そのことは了解している。しかし、大阪が相対評価を貫くとすれば、相当高度な説明責任を果たさない限りは難しいと思われる。 - (小河委員長職務代理者)
他府県の教育政策について勉強するために、視察等も行っていきたい。 - (立川委員)
中退率の低減についてであるが、定時制と通信制の中退者は多いのでそれも視野に入れてほしい。また、校長は早ければ1年、3年ぐらいで代わるが、3年としているルールがあるのか。また、その根拠は。3年では校長は学校の課題に対応できないのではないか。 - (中野教職員人事課長)
何年というルールはないが、平均すると府立学校では3年弱で異動しているのが実情である。学校の課題など状況を見て判断している。 - (中尾委員)
校長が初年度からどんどんやることができる体制は必要。 - (隂山委員長)
校長に意欲があるのに3年で異動させることはないか。 - (川村教育監)
校長に続ける意思と計画が明確であれば3年とは限らない。 - (隂山委員長)
震災対応について、各学校に最低1名、危機管理に対応できる能力を持った教職員を配置して欲しい。研修を積んで、震災に対する心の準備や覚悟がある人が校内に一人いるだけで違う。もし、事ある状況になれば府内のそういった教職員が集結して震災にあった地域を支援したり、将来的には他府県に派遣できる体制を作っていただきたい。これは本当の意味で子どもたちを守る体制である。 - (小河委員長職務代理者)
関連してパンデミックへの対応も検討して欲しい。
採決の結果
原案どおり決定した。
報告事項
平成24年1月21日以降における教職員の懲戒処分の状況について
報告の趣旨説明(教職員人事課長)
平成24年1月21日以降における教職員の懲戒処分の状況について、報告する件である。
委員の質問及び意見
- (隂山委員長)
不起立の処分者が増えているのは、府立学校の全教職員に対して職務命令を発したからであり、不起立者の数自体は、前年度に比べて減っているということでよいか。 - (中野教職員人事課長)
そのとおりである。 - (隂山委員長)
通勤手当の不正受給の事案が出てくるのは、校長や事務職員が、教職員の通勤実態を確認できていないからではないのか。 - (中野教職員人事課長)
各学校に対して、教職員が通勤にPitapaなどを利用している場合は乗車履歴まで確認するように通知をしている。 - (中尾委員)
企業においては、事象が小さいうちに芽を摘んでいる。学校においても校長が、職員会議の際にこのような事象について対岸の火事ではないということを教職員に対して周知を行い、しっかりマネジメントすることが必要である。