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農空間リアル・インタビュー『岡田卓二さん、麻植陽子さん』(狭山の副池自然づくりの会)
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農空間リアル・インタビュー 岡田卓二さんと麻植陽子さん(狭山の副池自然づくりの会)
大阪狭山市にある『狭山副池オアシス公園』(以下「副池」)で自然環境の保全・啓発や施設の維持管理に取り組んでいる「狭山の副池自然づくりの会」。平成27年7月18日、同所で実施した「狭山池再発見(副池ツアー)」のあと、会長の岡田卓二さんと事務局の麻植陽子さんにお話を伺いました。
---副池での活動について教えてください。
本会は、府が行った狭山副池オアシス整備に合わせて、平成13年に公募で集まった有志がその前身となっていて、せせらぎ水路やとんぼ池、植栽などを重機を使わない手づくりで整備しました。これが普通の公園とは違う”市民のオアシス”の始まりでした。
平成15年に会を設立し、”副池の自然をより豊かに育む”ことや、”地域の、地域による、地域のためのコミュニティづくり”を進めていくこと等を目標に活動しています。
具体的には、毎月第2、3土曜日を活動日として、雑草や葦・ガマの刈取り、自然観察会・調査、外来種の駆除・啓発、どんぐりなどの自然物を使った工作やリースづくりなど市民参加型の自然環境啓発等の活動をしています。“ビオトープ”が活動のテーマのひとつとなっていますが、外来種には手を焼いていて、現在の大きな課題です。
せせらぎ水路づくり(2002年)
外来植物の駆除(現在)
芝張作業の様子(2002年)
葦・ガマの刈取り(現在)
ザリガニ釣り
自然観察
木の実の工作
ちょっと休憩!
---会の活動は「ビオトープ整備チーム」や「観察・調査チーム」などのチームが連携・協力していると聞いていますが・・・。
4つのチームを作っていますが、実際の活動は一緒にしたり色々です。チームでそれぞれの得意を活かしあいながら、じかに自然に触れ・感じ、「ここが好きだ、この環境が好きだ」「この環境を維持していくためには何をしたらいいか」という気持ちで活動していけたらと思います。
しかし、会ができてから十余年が経ち、メンバーの高齢化もあって、草刈りなどの管理が追いつかなくなってきています。狭山池に比べると小さく見える副池ですが、活動範囲はとても広いんです。
そんな中、”地元への恩返し、貢献がしたい”という思いを持って、今年新たに大学生のスタッフが参加してくれました。このような若い人や専門分野を持つ人にもっと参加してもらって、様々な発想でおもしろい活動をしていきたいです。
ここで、会のみんなで”お月見会”をしたりするのも楽しいですよ。
---副池の魅力を教えてください。
ありのままの副池の姿を見てほしいです。
『きれいに整備され、整えられた環境に連れてこられたたくさんの生き物』ではなく、『ここにはこういう生き物がいて、ここで暮らしているんだ』というのを見て、自然を感じてもらえることがここの魅力なんです。
若い親子が、ともに楽しむ。それは小さいころの原体験としてものすごく大事なことだと思います。生きものにじかに触れることを、小さいころから積み重ねて大人になるということは、とても大切なことで、それを大事にしていきたくて、その手助けができたらと思っています。
---最後に、活動を通じて子どもたち・地域の方に伝えていきたいことを教えてください。
今日行われた『狭山池再発見(副池ツアー)』のようなイベントを通じて、副池の自然環境や、外来種のことを多くの親子に知ってもらえることはうれしいですね。
でも、『活動をするからイベントに来てくれ』というのではなく、『いつでも好きな時に来てゆっくりしてくれたら』と思います。
私たちは活動していて、散歩などで利用されている方々から「いい公園ですね」、「こんないいところあったんですね」と声をかけられることがとてもうれしいんです。
副池は”ため池オアシス”であり、”癒しの空間”としているつもりです。
---ありがとうございました。
台風一過、真夏日の午後でしたが、副池から四阿(あずまや)を吹き抜ける風はとても気持ちよく、ゆるやかな時が流れていました。