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更新日:2023年6月6日

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トリビアの泉

赤道近くで体重を計ると軽くなる?

同じ質量の物質でも、地域によってその物質に働く引力や遠心力が違うので、重さは違ってきます。
同じはかり(体重計)で計ると、赤道近くでは体重が軽くなり、逆に北極点や南極点では重くなります。

このため、はかりで精密に物質の質量を測定するには、それぞれの地域で基準になる分銅によって、はかりを校正することが必要なのです。

では、1kgの質量の物質の重さはどのように表すのでしょうか。
重さの単位は、以前は重量キログラム(キログラム重ともいい、記号はKgf(英語のKilogram-forceの略)またはKgw(Kilogram-weightの略))と表していました。1kgfは、1キログラム(kg)の質量が標準重力加速度1fのもとで受ける重力の大きさです。(この表記をMKS重力単位系といいます。)
この標準重力加速度は、1901年に国際度量衡委員会が地球の北緯45°、9.80665m/S2を標準重力加速度として採用し、以降はこの値が用いられています。
そこで現在では、重量は質量×重力加速度であることから、kg・m/S2(これをニュートンといい記号はN)で表します。この表記をSI単位系といます。地球の北緯45°の平均海面上で、1kgの物質は1kg×9.80665m/S2=9.80665Nの重量というわけです。
つまり、1Kgf=9.80665N(ニュートン)です。
なお、従来使用されていた重量キログラム(kgf)は、平成5年11月1日施行の新計量法によって、平成11年10月1日以降、取引上又は証明上に使用が認められなくなりました。

「秒」「分」「時間」は、なぜ60進法?

1日の時間の分割は、もともと天体が動く角度をもとにしてなされたものです。
古代バビロニアでは、黄道(太陽の通り道)に配した12の星座や、黄道一周を360度とした角度の概念など、12で割り切れる数字がよく用いられていました。そして60は12で割り切れる数で、360の約数でもあることから、重要な数の一つでした。
この古代バビロニアでは、1日を24時間に分けるという方法がとられていました。

一方、江戸時代までの日本では、1日を12に分け、そのそれぞれに十二支の名前を配していました。12に分けられていますので、現在の時間で言えば、約2時間ずつに相当します。
真夜中(現在でいう0時)が子の正刻で、0時からおおよそ2時位までが子の刻と呼ばれていました。そして順番に丑の刻・寅の刻・卯の刻・・・・と進み、昼の12時が午(うま)の正刻、すなわち「正午」です。今でも普通に使う「午前」「午後」という呼び方は、この呼称に由来しています。
ところで、「1日が12に分けられた」と書きましたが、実は必ずしも2時間ずつ均等に分割されていたわけではありません。江戸時代の時刻法は、夜明けを「卯の刻」、夕暮れを「酉の刻」とした、いわゆる「不定時法」だったので、当然、夏至に近い夏場は夜明けが早く夕暮れが遅いために昼間の一刻の長さの方が夜の一刻と比べて長くなり、冬場はその逆になっていたのです。
一刻はさらに4分の1ずつに分けられていました。仮に一刻が2時間だとすれば、30分ずつくらいに相当し、「草木も眠る丑三つ時」というのは、丑の刻の3つ時、つまり午前3時半くらいを指します。

日本で時間を分割する名称に用いられた十二支は、もともと中国由来のものですが、古代中国では、十干十二支からなる六十干支という循環があります。月の満ち欠けが12順するとおおよそ1太陽年に近いことから、洋の東西を問わず、「12」という数値やその倍数である「60」という数字が時間を計る基準とされてきたのではないかと考えられます。

なぜ、棒はかりで質量をはかれるの?

棒秤のしくみ

「回転軸を中心に物体を回転させる力」を力のモーメントといいます。
この力のモーメントは、回転の支点からの腕の長さと、加わる力に比例します。
回転の支点からの腕の長さが同じだと、加わる力が大きいほど支点に加わる回転力は大きくなるし、同じ力なら回転の支点からの腕の長さを長くするほど支点に大きな回転力が働きます。
そこで、「力のモーメント=(支点からの腕の長さ)×(力)」(単位はMKS重力単位系ではgf、IS単位系ではN・m)と表すことができます。
(支点からの腕の長さ)×(力)、つまり力のモーメントが両側で等しければ、天秤はつりあいます。

棒秤の仕組み2

棒ばかりは、この原理を応用して質量をはかっています。

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