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平成23年6月教育委員会会議会議録
大阪府教育委員会会議会議録
1 会議開催の日時
平成23年6月8日(金曜日)午後6時40分開会
午後7時30分閉会
2 会議の場所
大阪府教育委員会委員会議室
3 会議に出席した者
- 委員長
生野 照子 - 委員
川村 群太郎 - 委員
隂山 英男 - 教育長
中西 正人 - 教育監
川村 幸治 - 教育次長
藤井 睦子 - 教育総務企画課長
見浪 陽一 - 教育振興室長
津田 仁 - 高等学校課長
和田 良彦 - 支援教育課長
三ツ石 浩幸 - 副理事兼保健体育課長
北川 憲一郎 - 市町村教育室長
角野 茂樹 - 小中学校課長
箸尾谷 知也 - 教職員室長
大西 弘之 - 教職員企画課長
秦 光広 - 教職員人事課長
中野 伸一 - 施設財務課長
福本 芳次
4 会議に付した案件等
- 第1号議案
議会からの意見聴取に対する回答の承認について - 第2号議案
大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例に係る対応について - 報告事項
中学校給食導入促進事業補助制度の概要(案)について
5 議事等の要旨
- (1)会議録署名委員の指定
川村委員を指定した。 - (2)前回の会議録について
全員異議なく承認した。 - (3)議案の審議等
第1号議案
議会からの意見聴取に対する回答の承認について
議案の趣旨説明(教育総務企画課長)
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第55条第4項の規定により、議会から意見を求められた平成23年5月定例府議会への次の提出議案について、その趣旨、内容とも適当であると認められる旨を回答したことを承認する件である。
- 条例案
府費負担教職員の給与の支給等に関する事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件
委員の質問及び意見
- (隂山委員)
これは、今まで議論してきたものをまとめたものか。 - (中西教育長)
そうである。議会から意見を求められたものであり、共産党を除き、全会派が賛成であった。 - (川村委員)
条文の文言もそのまま修正等なく、可決されたのか。 - (中西教育長)
そのまま可決された。
採決の結果
原案どおり承認した。
第2号議案
大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例に係る対応について
議案の趣旨説明(教育総務企画課長)
大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例について、大阪府教育委員会の対応を次のとおりとするもの。
- 国旗の掲揚について
- (1)本条例は、国旗の掲揚について府の施設の全庁ルールとして制定されたもの。
- (2)府立学校等府教育委員会の所管する施設において、施設管理上の対応として、条例の規定に基づき、国旗の掲揚を進める。
- 入学式・卒業式での国歌斉唱時における起立・斉唱について
- (1)本条例は、府内公立学校の教職員に起立・斉唱を一般的に義務付けた規範である。
- (2)府立学校においては、校長と教育委員会とが力を合わせて、起立・斉唱を徹底させる。
- (3)市町村立学校の教職員についての対応は、条例の趣旨を踏まえ、市町村教育委員会において判断する。
- (4)本条例は、具体的な義務を課すものではないので、条例違反をもって直ちに懲戒処分は行わない。
委員の質問及び意見
- (生野委員長)
本件について、中尾委員から意見が寄せられているので、事務局から要点を説明していただきたい。 - (見浪教育総務企画課長)
中尾委員からは、学校任せにせず、校長の学校経営を支援するという姿勢が必要であること、卒業式・入学式における実施状況等、今一度現状の正確な把握を行なうべきであること、きっちりできていない学校の校長に対するヒアリングを行なうべきであること、今回の条例制定の趣旨を通達し、校長に徹底すること、といった意見が寄せられた。 - (中西教育長)
本件について少し補足すると、校長のマネジメントを教育委員会がしっかりサポートするよう規範が定められたので、今後は教育長通達を発することとする。通達では対象を明確にし、校長が口頭又は文書で起立斉唱を徹底するとともに、これに従わない場合は法律上の懲戒処分を含めて検討する。また、市町村教育委員会については服務監督権の問題があり、府の条例で規定できるかどうかを問題提起していたが、最終的に、維新の会が第4条第2項を条例に明記した。職務命令をするかどうかは市町村教育委員会が判断するところによるものとする。 - (生野委員長)
中尾委員からの意見にもあったが、現状把握についてはどうか。 - (中西教育長)
基本的にできている。 - (川村委員)
先ほども教育長の明快な意思が示されたが、府教委としてすべきことは、本当に徹底されているかどうか把握していくことである。単に職員会議での伝達で済まされることもあり得る。知事が言ったからとか、条例で決まったからというのではなく、校長マネジメントの問題として、校長として学校をどうしていくかという姿勢を示すべきである。そういうものがなければ、予算にせよ、特色ある学校づくりにせよ、十分に実施できない。校長も、自分の意思を明確にし、「自分はこうする」というものをしっかりと確認していかなければならない。また、先生同士の議論も不足している。先生が自分のすべきことをしているというだけでは、学校経営は成り立たない。今までも府教委から文書は出してきており、改善はしてきているが、教育長通達が発出された後、校長としての取組がどう行われたかを教えてもらいたい。状況は学校ごとに違うだろうから、府教委として校長をどう支援していくか検討していきたい。君が代だけでなく、特色ある学校づくり、英語教育も、学力向上も、校長マネジメントの問題であり、同根である。 - (隂山委員)
実態調査は必要である。メディアを通じて、議会での議論が報道されているが、その議論の俎上では、思想・良心の問題になっている。しかし、果たしてそうなのかという疑問がある。現場の実態として、校長の指導や命令に対し、他のことはきっちりと従っていて、国旗や国歌の問題だけがそうなのか。実態はそうではないようにも漏れ聞こえてくる。自分たちのイデオロギー表現、主張の場として使われているような実態があるのであれば、これは問題にせざるを得ない。一方、思想良心の問題もあるとは思うが、校長は、一定、切り分けていかないといけないし、教育委員会はそれをサポートしていかないといけない。知事は、その部分が本当に大丈夫なのかという意味で条例を提案されたのだと思う。教育委員会が今まで指導してきたことが十分に守られていない実態があるなら、こういう条例が提案されてもなかなか反論しにくい面もある。学校現場に本当に求められているのは何か。子どもたちの学力向上のための、校長と教職員が一体となった学校経営の体制を早く構築していくことである。今回の条例で定められたことは、今まで教育委員会が指導してきたことで、その方針を追認したものである。また、知事が説明していたように、この条例については、思想・良心の問題ではなく、ガバナンスの問題として対応していく必要がある。 - (生野委員長)
先ほどの知事との議論で、プロフェッショナルというのは一体何なのかというテーマも出てきた。今は過渡期でもあるので、そういうことについても考えていく必要がある。今までも、求められる教師像は変わってきたし、これからも刻々と変わっていく。基本的な問題をもう一度考えていきたい。ぜひそういう機会を増やしていきたい。 - (隂山委員)
この問題を通じて、府民やマスメディアも教育は何をしないといけないかということを考えてもらいたい。テレビドラマでは校長が主役ということはほとんどなくて、校長に盾つくいい先生が描かれ、これを是とする風土がある。その中で、府民が今回の件をどう見るか、ガバナンスをどうとらえるか、実態調査には興味がある。府民の本当の思いや願いを知りたい。本来、民主主義の「民」は保護者や子どもたちである。この問題をどう見ているか。本当はこんなことで、こんな大議論をすることなのか。早くこの問題から抜け出したい。これにこだわる限り、いい先生は校長になろうとしない。今いい校長がいないという意味ではなく、今の制度では優秀な人でも校長になりたくない人は試験を受けなくてもいいようになっている。民間であれば、こういうこともガバナンスの中で、優秀な人を管理職に登用することになる。子どもに接するのが好きな先生は多いが、校長は、大人を相手にマネジメントをしていくので大変である。府教委として、支援していかなければならない。 - (生野委員長)
条例は、府教委の指導が不十分だったとの指摘でもあるので、どういうところに問題があったか、また、ここまで改善はしてきているものの、教育に対する考え方をどう切り替えていくかなど、現場との合意もしておく必要がある。今後細かいことを決めていくに先んじて検討が必要である。 - (中西教育長)
今後、教育長通達の中身については、改めてご相談させていただくので、ご意見をいただきたい。
採決の結果
原案どおり決定した。
報告事項
中学校給食導入促進事業補助制度の概要(案)について
報告の趣旨説明(副理事兼保健体育課長)
中学校給食導入促進事業補助制度の概要(案)について、報告する件である。
委員の質問及び意見
- (中西教育長)
これまでの間、市町村の意見も聴き、ほとんど採り入れてきたつもりである。用地取得費についても特例措置を設けているし、先行して給食を実施してきた市に対しても、改修費を補助することとしている。ランニングコストを補助してほしいとの要望もあったが、それは対象外としている。 - (隂山委員)
進みそうか。 - (中西教育長)
前向きな市町村がかなり増えてきている。この案で働きかけていきたいと思う。 - (生野委員長)
ランニングコストを理由に、給食の導入をしたくてもできないという市町村はあるのか。 - (中西教育長)
財政状況が厳しいという市町村はある。議会でもランニングコストの問題は指摘されたが、そこは市町村の責任で負担してもらいたいと考えている。 - (川村委員)
選択制ではなく、どうやって全員喫食にするかが重要である。進捗状況については、また教えてもらいたい。 - (隂山委員)
さきほどの条例より、こちらの給食の問題の方がはるかに大事である。そういう意識が府民に共有されるかどうかである。 - (川村委員)
共働き家庭では給食の要望が大きいと思う。 - (隂山委員)
子どもがきちんと勉強できる態勢を整え、社会的に自立ができて、税金を払ってもらえるという状況にしないと、こういうことは死活問題である。子どもの人権を考えるなら、まずは食である。 - (生野委員長)
給食について、ほとんどの親は賛成なのに、子どもは反対との意見もある。まず、食育の一環として、その点の教育が必要である。 - (藤井教育次長)
市によっては、生徒を入れた検討を考えているところもある。 - (生野委員長)
大阪では、子どもたちの生活状況まで担っていかないといけない場面がある。そういう現場もある。私たちが教師に何を期待していくかということを考えていくいい機会になればと思う。