印刷

更新日:2012年1月23日

ページID:25280

ここから本文です。

平成23年12月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成23年12月16日(金曜日)午前9時00分開会
午前10時20分閉会

2 会議の場所

大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

  • 委員長
    生野 照子
  • 委員長職務代理者
    小河 勝
  • 委員
    川村 群太郎
  • 委員
    隂山 英男
  • 委員
    中尾 直史
  • 教育長
    中西 正人
  • 教育監
    川村 幸治
  • 教育次長
    藤井 睦子
  • 教育総務企画課長
    見浪 陽一
  • 人権教育企画課長
    松本 昇
  • 教育振興室長
    津田 仁
  • 高等学校課長
    和田 良彦
  • 支援教育課長
    三ツ石 浩幸
  • 副理事兼保健体育課長
    北川 憲一郎
  • 市町村教育室長
    角野 茂樹
  • 小中学校課長
    箸尾谷 知也
  • 児童生徒支援課長
    吉美 学
  • 地域教育振興課長
    吉原 孝
  • 教職員室長
    大西 弘之
  • 教職員企画課長
    秦 光広
  • 教職員人事課長
    中野 伸一

4 会議に付した案件等

  • 第1号議案
    議会からの意見聴取に対する回答の承認について
  • 第2号議案
    知事からの意見聴取に対する回答の承認について
  • 第3号議案
    平成24年度「府立学校に対する指示事項」及び「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」について

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    中尾委員を指定した。
  • (2)前回の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議案の審議等
    • 第1号議案 議会からの意見聴取に対する回答の承認について
    • 第2号議案 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

  1. 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第55条第4項の規定により議会から意見を求められた平成23年9月定例府議会への次の提出議案(平成23年12月追加提出分)について、その趣旨、内容とも適当であると認められる旨を回答した件につき承認を求める件である。
    • 条例案
      府費負担教職員の給与の支給等に関する事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件
  2. 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成23年9月定例府議会に提出された次の議案(平成23年12月追加提出分)について、異議がない旨を回答した件につき承認を求める件である。
    • 条例案
      職員の給与に関する条例及び技能労務職員の給与の種類及び基準に関する条例一部改正の件

委員の質問及び意見

  • (隂山委員)
    第2号議案の扶養手当等の改正についてだが、他府県等と比較した場合、状況はどうか。
  • (秦教職員企画課長)
    扶養手当については、配偶者に係る扶養手当は国が13,000円で他府県もほぼ同様、子等に係る扶養手当は国と同額である。持家に係る住居手当については、既に国では廃止されている。

採決の結果

原案どおり承認した。

第3号議案

平成24年度「府立学校に対する指示事項」及び「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」について

議案の趣旨説明(高等学校課長・小中学校課長)

平成24年度府立学校に対する指示事項及び平成24年度市町村教育委員会に対する指導・助言事項の取組みの重点を定める件である。

委員の質問及び意見

  • (中尾委員)
    システム的にだいぶ精度が上がってきた。私の学校でも同じようなステップで進んでいる。ただ、スケジュールについては、今年度の振り返りをしっかりやっていってほしい。PDCAのCをしっかりやっていくということである。私の学校でも、今年何ができて何ができていないかについて、今ヒアリングしている。各分掌長、教科主任、全部呼んで何ができて何ができていないかヒアリングしていくべきである。そうしないと、計画の作りっぱなしになってしまう。各学校での取組については、学校ごとに重点課題は違う。事務局と各学校とで重点課題のすり合せが必要である。そのためにもしっかりヒアリングをしてもらいたい。学校経営計画は家を建てるときの設計図のようなものである。昨年の府立学校の学校経営計画については全て見たが、各学校でかなり温度差がある。「○○のような人材を育てる」とか「○○を強化する」など、抽象的で具体的に何をするかが明記されていないものもある。どういう組織で、誰が何をいつまでにどうするかというものでなければならない。学校から提出された計画について、本当にそれでいいかどうか十分ヒアリングし、しっかり固めていかなくてはならない。学校の計画が教職員一人一人の目標設定につながる。評価・育成システムの目的は、Sを付けたりAを付けたりすることではなく、学校を良くしていくことである。ということは、学校経営計画がしっかりできていて、それが各分掌等にも徹底されていて、各教職員がそれに対してしっかりとした目標設定をしているかということであり、これがあやふやなまま、教職員の評価をするのはおかしい。しっかり詰めておいてほしい。
  • (和田高等学校課長)
    計画は、詳しいものを求めることとしている。今後のスケジュールとして、1月末までに振り返りを含めて学校経営計画の仮案の提出をお願いしている。それと同時並行で、教育委員会事務局内では教育監を筆頭に各校の課題を整理し、2月中を目途にヒアリングをして、校長・准校長と重点課題をすり合わせることとする。
  • (中尾委員)
    学校経営計画の説明の際は、4月1日に新しく赴任する教職員もいるので、教職員には1時間以上かけて詳細を説明し、周知徹底を図り、具体的な目標を示すことである。
  • (川村委員)
    だいぶ良くなってきているが、少し意見がある。目的やテーマがあって審議を行うのだが、あくまで指示事項や指導・助言事項は手段であり、ツールなので、これが議題のメインになるのはおかしいと思う。ツールが目的化している。一番大事なのは予算である。予算をどう回すかということを、府教委は今一番考えていないといけない。その予算をもって、指示事項や指導・助言事項の濃淡をつけるべきである。その上でヒアリングを行い、現場の校長とすり合せをすれば、かなり具体的な大きな項目に関してのマネジメントの重点ができる。それを次にきっちり予算化したら、4月からの学校運営が進められる。そして、4月以降は府教委としてチェックしていかないといけない。その進捗管理がPDCAである。目的と手段が逆になっている。民間の場合はリーダーシップがあればいくらでも変えられるが、役所の場合は社会が相手だし、法律があってがんじがらめになっている。何かしようと思うと、法律改正が必要になる。そう簡単には変えられないことは、私も十分承知している。しかし、ここまでできてきたというのは自信を持ってもらえばいい。予算の運営と校長のマネジメント力の強化、この2点に尽きる。あとは予算を確保し、4月以降進捗管理を行い、この時期には指示事項、指導・助言事項と結びつける。そうすれば、府教委の運営状況も議員や府民にとって分かりやすくなるし、改革もより確実に進んでいく。
  • (小河委員長職務代理者)
    学校経営の中軸的課題は、学力向上である。以前もデータをいただいたが、学校でのコンサルティングは301回、授業改善のための校内研修支援は554回、生活指導のための継続的支援は57回、サポート人材の配置は19校など、こういう地を這うような努力を府教委は積み重ねてきたが、こういうことが学力向上の地盤強化につながっていると確信している。学校経営の設計図の土台となるものは、子ども達の現実の状況の分析である。そこを知るのが中軸的課題であり、それが具体的なデータに基づいていなければならない。教育は科学的な努力である。土台になる戦略図を描いていくのは、子どもたちの調査、分析であり、そこをもっとブラッシュアップしていく方向性の打出しが大事である。学力向上重点支援校として150校を対象とするようにシフトしていただいたが、協力、援助を求める学校だけでなく、府内の全校に対する取組として推進していくべきである。それともう一つ、教職員の資質向上についてであるが、「新規採用教職員については、指導・育成を図るとともに、条件附採用の趣旨を踏まえて厳格に対応すること」となっているが、これが機能してこなかったことの問題がある。まさに教育基本条例案が問題提起してきているところであり、ここを分析しておかないといけない。採用方法を変えていくことの問題と現在の教職員にどう対応していくかの問題がある。一度採用した教職員を解雇するのはなかなか難しい。だから、新規採用におけるチェックを強化すべきである。不適格教員については、そんなに細かく評価しなくても、不適格な者は分かるものである。例えば、パソコンは堪能だが子どもと話ができないとか、授業ができないとか、そういう問題は細かい点検項目でチェックするものではないと思う。校長の毅然とした、厳格な管理監督、職員指導力によるべきところになってくる。子どもたちと話ができるかとか、子どもたちの苦しみをきちんと受け止めていけるかとか、そういう教育者としての資質能力の問題について指摘し、指導できるかどうかが大事であり、角度を変えて考えていかないといけない。この問題を解決しないと、現在我々が抱えている問題の答えは出てこない。
  • (中野教職員人事課長)
    指導に課題のある教員への対応については、学校によって温度差があるのは事実である。評価基準等のチェックリストの改善を図り、校長や市町村教委が判断しやすいものとする。そのほか、採用の件については、教志セミナーを充実するなどして、情熱にあふれる教師集団を作っていきたい。
  • (川村教育監)
    小河委員ご指摘のとおりであり、現在の状況は新採が急増している。我々が採用された頃のような、先輩からOJTで学ぶという機会が少なく、後輩を指導できる40歳代の教員層も少ない。採用前の研修を地道にしっかりやっていくことが大事であると考えている。
  • (中尾委員)
    不適格教員かどうかについて、細かい基準で評価していくとなると、機能しなくなると思う。細かくすると、評価・育成システムそのものが手段なのに、目的化してしまう。そうではなくて、授業や生徒指導、保護者対応等がちゃんとできるかどうか、教職員間のコミュニケーションは大丈夫か等を見るものである。私学が公立と違うのは、新卒をいきなり専任教諭にすることはほとんどないということである。非常勤や常勤で雇い、いろんな仕事をさせて適性を見ていく。公立ではそれが難しいから、採用段階で絞るということが大事になる。それから、学校経営計画はヒト・モノ・カネであるが、特にヒトをどうするかについては、今も事務局と校長とがやり取りをしているが、ヒアリングが縦割りで分断されている。ヒアリング等では、非常勤職員はどうするかとか、事務職員はどうするか等が別々になっている。人事異動についても、全てを要望どおりにするのは無理としても、「この人だけは絶対に異動させないでほしい」といった要望はきくべきだと思う。
  • (隂山委員)
    今回の一連で、賛否は関係なく、府民は2つのポイントを問題にしていると思う。条例についてだが、府民の問題意識としては、指導力不足教員の問題と国旗国歌の問題である。この指示や指導・助言の内容では少し弱いように思う。学力向上について、府教委は地を這うような努力をしているが、これら2つの問題についてもそのような記載が必要である。小中学校の訪問については、2、3年のうちに枠組み作りを現場に定着させることによって、市町村教委に任せていくということでよいと思う。不適格教員への対応については、府が給与負担をしているのだから、もう少し主体的に関わるという構えがあってもいい。「指導改善研修の必要があると判断した場合は、府教育委員会に申請し、その対応方法について十分連携すること」とあるが、連携が不十分な場合は、学校に乗り込んで指導を行うということも必要である。不適切な場合は、府教委が直接指導力を発揮する場合があるというようなことも必要である。国旗国歌については「節度ある行動を」とあるが、これはどういう意味か。節度がないのはどういう場合のことか。
  • (川村教育監)
    制止を振り切って校内でビラを配布したり、国歌斉唱時に起立していても反対の意向を表明するような動作をしたりする場合のことである。
  • (隂山委員)
    「節度」とあるが、これは本人の意思に委ねる問題ではない。仕事で給料を受け取っているのだから、ガバナンスの問題である。府民からの信頼を損ねた場合は、厳正に処分するというくらいのことは書いていいと思う。一部の者の言動が全体の者の言動であるかのように見られてしまう。そういう者への対処は厳正にするという姿勢は、我々も持たなければならない。節度の問題ではない。指示されたことを仕事として行う、公的な場なので、そこには自分の考えというものは存在しないはずである。やるべきことはやっていただくということが分かるような文言にしてもらいたい。
  • (中西教育長)
    「節度ある」という文言については、検討する。
  • (小河委員長職務代理者)
    資質能力の向上ということで耳目を集めるのは仕方ないが、大阪の教職員はよく努力していると思う。そのような人たちの努力や情熱が不適格教員によって傷つけられてきたと言うべきである。頑張ってきた教員の努力は認めるということを打ち出し、そのことが分かるような文言にしてほしい。また、子どもたちの学習課題の達成度、つまづき調査のデータ把握をすれば、今後各学校がどうすべきかが方針化されるので、そういう取組をお願いしたい。
  • (川村委員)
    指導が不適切という記述は修正が必要である。従来のままの文言になっている。指導改善研修が必要と判断した場合、府教委に申請するだけになっており、これが機能してこなかったから条例が必要だという議論が起こっている。一歩でも半歩でも踏み込んで記載しないと、府教委は何もしていない、条例が必要だと言われる。
  • (中西教育長)
    条例案は、不適格教員に対する評価の甘さを指摘していると考える。不適格教員に対する評価について、どう厳正に、的確に行うかということだと思う。
  • (川村委員)
    不適格教員は一部の者で全体はいい教師だとしても、全府立学校、全市町村に出す文書にそれを書くと、性善説に立つことになる。そうではなく性悪説に立って、全然違う手法で不適格教員を現場から外すということを示すべきである。
  • (中西教育長)
    今までも現場から外すなどの対応は行ってきているので、より厳正にしていく。
  • (川村委員) 
    そこはもっとメスを入れていかなければならない。校長の意識の濃淡で教員が甘やかされている部分もあるのではないか。本来は校長のマネジメントである。校長から申請されない限り、対応しないかのような文言になっている。
  • (隂山委員)
    府教委が不適格教員をかばっているように見えてしまう。我々がこの問題について、主体的に意識を持っているというメッセージが要る。
  • (藤井教育次長)
    ご指摘いただいた点については、スケジュールの中にある個別対応の中で示させていただく。また、府教委の全体方針は、前文でもまとめていく。
  • (川村委員)
    それなら随時ではなく、教育長マニフェストや学校経営計画の中でしっかりと書くことである。この議案の記述内容を修正する必要はない。
  • (中尾委員)
    これから人事ヒアリングもあるので、不適格教員の情報はしっかりと把握すべきである。
  • (生野委員長)
    今日の議論は、後日、本編を作成するに当たっての参考としてもらいたい。
  • (中西教育長)
    隂山委員から指摘された部分については、「節度」ではなく、「府民からの信頼を損なうことのないように」という趣旨の修正でよいか。
  • (隂山委員)
    それでよい。根本にあるのは、府民からの信頼をまだ得ていないということを我々は受け止めなければならないという課題だと思う。
  • (生野委員長)
    不適格教員への対応については、条例とは関係なく取り組んでいくべき課題である。保護者からすると、要望をどこに言ったらいいのか分からないという意見をよく聞く。また、意見を言って、学校から「善処します」と言われても、結果の返事がないと、どこがどう変わったのか分からない。現場におけるきめ細やかな対応が必要と思う。それと、災害時の各学校における緊急対策については、非常に大事である。実地対応として、もし明日、大阪に大災害が発生しても、府内の学校で対応組織は立ち上がるのか確認してほしい。あと、キャリア教育だが、「職業教育ナンバー1をめざし」とあるが、何のナンバーワンなのか分かりにくいので、これを分かりやすい表現にしてほしい。
  • (藤井教育次長)
    「職業教育ナンバー1」というのは、前知事の時に作られた総合計画に代わる計画の中で、府トータルの方針として出てきた文言なので、これでいいかどうかについては、検討する。
  • (生野委員長)
    以上、いろいろ意見が出たが、本編の作成に向けて参考にしてほしい。

採決の結果

本日の審議を踏まえた修正をすること及び「本編」については「取組の重点」の方針に沿って作成することを教育長に一任することで決定した。

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?