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更新日:2011年5月16日

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平成23年4月教育委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成23年4月15日(金曜日)午前9時30分開会
午前11時15分閉会

2 会議の場所

大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

  • 委員長
    生野 照子
  • 委員長職務代理者
    小河 勝
  • 委員
    川村 群太郎
  • 委員
    隂山 英男
  • 委員
    中尾 直史
  • 教育長
    中西 正人
  • 教育監
    川村 幸治
  • 教育次長
    藤井 睦子
  • 教育総務企画課長
    見浪 陽一
  • 教育振興室長
    津田 仁
  • 市町村教育室長
    角野 茂樹
  • 児童生徒支援課長
    吉美 学
  • 教職員室長
    大西 弘之
  • 教職員人事課長
    中野 伸一
  • 学校総務サービス課長
    松岡 典博

4 会議に付した案件等

  • 第1号議案
    知事からの意見聴取に対する回答の承認について
  • 第2号議案
    平成23年度大阪府教育委員会の運営方針について
  • 報告事項1
    平成23年1月22日以降における教職員の懲戒処分の状況について
  • 報告事項2
    豊能地区3市2町への教職員人事権移譲について

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    隂山委員を指定した。
  • (2)前回の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議案の審議等

第1号議案

知事からの意見聴取に対する回答の承認について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成23年5月定例府議会提出に係る次の議案について、異議がない旨を回答したことを承認する件である。

条例案

平成二十三年東北地方太平洋沖地震に係る災害応急対策等のために出張する職員の旅費の特例に関する条例

委員の質問及び意見

  • (隂山委員)
    旅費を支出することはいいことだと思う。現地において何をするかだが、一行政職員として出張するのか。
  • (見浪教育総務企画課長)
    一行政職員として、物資の運搬や仕分作業に従事している。
  • (隂山委員)
    要望だが、震災の時はライフラインの復旧が一番にされるが、同時に子どもへの手当てが忘れられがちである。子どもたちへのケアは教育委員会がすべきなので、教育委員会として教職員を派遣し、ニーズを聴取する体制を一日も早く作ってもらいたい。
  • (見浪教育総務企画課長)
    大阪府は和歌山県と共同で岩手県に現地本部を設けて職員を出張させているが、ニーズ把握等必要に応じて今後対策をとっていきたい。
  • (川村委員)
    関西は国より早く動いていたが、子どものケアを一番に実施したのは兵庫県だった。今後、兵庫県とも連携して対策をとっていけばいい。阪神大震災の時は、関西は消費地でもあったから、人も多く来て、情報収集ができたが、今回はそういうわけではない。現地の情報を取りに行って、何ができるかを考えるべきである。
  • (隂山委員)
    震災は、将来、大阪でも起こるかもしれない。この災害から多くのことを学び、どういう防災をしていくか考えることも大事である。福井県には原発もあり、こうしたことも含めて考えるべきである。ポーランドでは、チェルノブイリの原発事故の時に、子どもたちにヨウ素剤を配布したそうである。そういう有事の際の対策を考えておくべきである。
  • (川村委員)
    教育委員会は給食等いろいろ予算がついたが、震災対策については、耐震化等で大きな予算が必要になる。子どもの安全で一番大事なのはインフラである。私の会社でも津波を想定した対策をしているが、保護者から問われた場合はいつでも対策を講じていると言えるようでなければならない。
  • (中西教育長)
    府も市町村も、校舎の耐震化については最優先で着実に実施しているが、中学校給食が低調なのは耐震化への対応があるからだと思われる。
  • (中尾委員)
    津波対策が遅れていると思われる。学校の立地も考慮しないといけない。
  • (川村委員)
    津波の後は、液状化現象が危険である。建物が立派でも校舎が使用できない事態が考えられる。
  • (小河委員長職務代理者)
    根本的に、いろいろな角度から対策の見直しが求められている。
  • (隂山委員)
    関西全体で、問題が起こったときのシミュレーションをする必要がある。「やれることをやる」という言葉をよく聞くが、やるべきことを考えている人とやりたいことを考えている人がいる。災害派遣から帰ってきた職員の知恵を結集していただき、我々委員も見ておく必要がある。
  • (生野委員長)
    のべ2,000人ほど府庁からも行っているようであるが、頑張っていただきたい。また、障がい児の避難場所についても改善が必要である。あと、学校が避難場所になることが多いので、授業の再開のタイミングについてもシミュレーションしておくべきである。

採決の結果

原案どおり承認した。

第2号議案

平成23年度大阪府教育委員会の運営方針について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

教育委員会の運営を組織的、戦略的に行うために、当該年度の基本的な方針を年度当初に定める件である。

委員の質問及び意見

  • (隂山委員)
    昨年度までに実施した事業の評価については、どうなっているか。
  • (見浪教育総務企画課長)
    すべての事業の評価、数値の結果については、毎年6月から7月にかけて点検・評価を行い、8月に示すこととしている。
  • (中尾委員)
    定例的に審議する時期が決まっているものは、どうなっているか。
  • (見浪教育総務企画課長)
    今回は主要なもののみを示しているが、全体的なものは別途改めて整理する。
  • (中尾委員)
    かなり流れができてきた。高校の関係で気になるが、PDCAのCをきちんと行うことである。今年の入試では45校(府立高校の全日制の課程及び多部制単位制1・2部)で約1,500人ほど定員割れとのことだが、これを一つの学校と考えれば、クラス数はかなり減少するはずであり、人件費もかなり減るはずある。クラス数を減らさないで35人学級などにするのだろうが、それは不採算クラスである。そんな中にあって校長の自由裁量予算を増やすというが、どうなのか。また、私学は教員が足りず、教育の質の低下が心配である。大阪にも公立と私立があるが、ともに質の低下を危惧する。公立と私立の教員が流動的に行き来できる仕組づくりが必要である。あと、クリエイティブスクールや工科高校等について、もっと特色を出せるように考え、府民に選ばれる学校を作らなければならない。現場の首席が入ってチームを作る等すべきである。もっと危機感を持って、他校の施設面やカリキュラム等を洗い出し、生き残るための特色を出していかなくてはならない。教育センター附属高校についても、設置した初年度から定員割れなどあってはならないことである。どこで巻き返すのか。
  • (中西教育長)
    ご指摘いただいた点については、我々も全く同じ問題意識を持っている。今後とも検討を進め、随時報告させていただく。
  • (生野委員長)
    定員割れした学校からヒアリングなどはしているか。
  • (中西教育長)
    状況把握はしているが、まずは府教委としての分析を行っている。
  • (隂山委員)
    校長のマネジメントについて、公募校長が実績を上げたらきっちりと評価していくことが大事である。校長しだいで、1年でも成果は出せる。そうだからこそ、こういう制度がある。教員の人件費でも一人800万円という算定については、ほとんど知られていない。一部上場の民間企業が10%以上も減給している中で、教職員の給与は守られている。社会が相当期待しているということだが、予算の95%が人件費だということを社会的にも現場でももっと知ってもらわなければならない。安くない給料が支払われているということである。人件費以外の予算を増やすために、人件費を削るかどうかの議論も出てくる。民間であれば、財務構造は広くオープンにされているのだから、資料を配布して周知徹底すべきである。
  • (川村委員)
    ここまでよくまとめられており、画期的である。学校現場、特に新任の校長へは指示しているのか。
  • (見浪教育総務企画課長)
    府立学校長会等で示している。
  • (川村委員)
    もっとフリーな形で何回も行うべきである。これだけ改革が進んで、スケジューリングしているが、校長が先頭に立つということが表れていない。校長と対話して、教育委員会の方針、改革内容を徹底していくべきである。校長への意識づけが必要である。あと、これだけスケジューリングが進んできているので、進捗管理表を作ってもらいたい。教育委員会の顧客を学校と考えれば、これだけやりやすいものはない。学校を縦軸に、事業を横軸に示す教育改革推進マップである。各学校が取り組んでいる事業で、実績を上げようとしているものには○、試策段階のものには□を入れることで、府立高校の取組状況が分かる。改革の推進者は校長であることを伝え、その責任者の名前をオープンにするように。また、各事業について、いつまでに何をするか、進捗状況を30%、70%、100%で表すこと。それと、こうしたシステム、制度の進捗をフォローするのは次長であり、この制度、システムによってどれだけ教員や生徒が成長したかを見ていくのは教育監である。2人が教育長の下、連携して協力していけば、完璧になる。ただし、組織を分けて2人で分担という意味ではなく、1つの組織を2人で見ないといけないという意味である。
  • (小河委員長職務代理者)
    その中に、義務教育のつまづき調査もぜひ入れておいてもらいたい。
  • (中西教育長)
    小中学校の支援については、課題を抱えたところを中心に150校にターゲットを絞って把握するようにする。
  • (中尾委員)
    府立学校の計画については、校長によっては、かなり差がある。問題のあるところは計画の立て直しを求めるべきかと思う。評価軸を入れたものにしないと、PDCAのPがしっかりしていないと、DCAが回らない。
  • (津田教育振興室長)
    学校ごとの違いがある中で、全体的なレベルアップのために校長とやり取りしてきたが、継続して取り組む。
  • (隂山委員)
    義務教育については、主体が市町村なので一律にはできないだろうが、府費を投入しているところ、150校については、進捗が分かるようにしてもらいたい。
  • (中尾委員)
    あと、ICTによって、教員の仕事というものをもう一度見直すべきである。教員の仕事はまず生徒と接することである。ICTの活用で、やめてもいい仕事をはっきりさせることである。

採決の結果

原案どおり決定した。

報告事項1

平成23年1月22日以降における教職員の懲戒処分の状況について

報告の趣旨説明(教職員人事課長)

平成23年1月22日以降における教職員の懲戒処分の状況について、報告する件である。

委員の質問及び意見

なし

報告事項2

豊能地区3市2町への教職員人事権移譲について

報告の趣旨説明(教職員人事課長)

豊能地区3市2町への教職員人事権移譲について、府教委プロジェクトチームにおける検討経過等、想定される課題と対応方策、人事権移譲後の府教委の役割並びに今後の流れ等を報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (隂山委員)
    人事権移譲後の教職員人事への関与だが、法令違反や不適正事案については、是正を求める必要がある。何かあったときの責任は府教委も持たなければならないので、100%人事権を委ねるというのではなく、あくまで移譲という考え方に立つべき。教育は独立性が求められる反面、誰からも管理されなくなるという体質がある。教員の場合、人事というのは利権化しやすい。市町がしっかりした考えをもって臨まれたら問題ないが、いったん外れてしまうと非常に問題が起きやすい素地をもっている。
  • (中西教育長)
    その点は違反の是正をしっかりと担保していくつもりである。ただ、「著しく適正を欠く」の判断は、なかなか難しいが、少なくとも助言、指導は行っていく。
  • (隂山委員)
    人事はブラックボックスで行われるものなので、常にアンテナを高くしておく必要がある。とにかく、適正を欠くことがあってはならない。
  • (中尾委員)
    広域人事はきちんと計画的にされているのか。その市町で問題のあった教員を単にはじき出すような人事にならないか、しっかり見ていくことである。
  • (隂山委員)
    要は校長人事である。府も関わるとか、第三者評価等を行い、風通しを良くしていくことである。
  • (中尾委員)
    キャリアパスの仕組を府教委で作ることは可能か。例えば、他の市町村での経験を考慮するなどである。
  • (中野教職員人事課長)
    他の市町村を経験させる等の考慮をしている場合はある。
  • (川村委員)
    移譲後は、積極的な関与は難しくなるだろう。人事の仕組について府教委が頼りにされるようなダイナミックな案を出していくべきである。
  • (小河委員長職務代理者)
    校長が大事なのは確かだが、能力のある校長、教頭が選ばれているか、また、その下の教員採用についても大きな視点でチェック体制を見直さないといけない。先日も講師経験者の採用について変更があったが、それも含め、大胆に検討していってもらいたい。
  • (生野委員長)
    人事権移譲については、今までいろいろ課題が指摘されていたが、この報告書でよく整理されてきたと思う。今まで以上に人事制度を充実させていっていただきたい。また、教育レベルが落ちないよう指導を徹底していくこと。

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