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マンション投資への悪質勧誘に対して、宅地建物取引業法施行規則の一部が改正され、「禁止される勧誘行為」が明文化されました
全国の消費者生活センター等に寄せられたマンション投資への悪質勧誘に関する相談件数が増加し、社会的な問題となっていることを踏まえ、マンション投資への悪質な勧誘に対する規制強化について、国土交通省では平成23年8月31日付けで宅地建物取引業法施行規則(昭和32年建設省令第12号)の一部を改正し、同年10月1日より施行されました。詳細は国土交通省のホームページ(外部サイトへリンク)を参照ください。
また、改正施行規則の具体的な運用に当たって留意すべき事項について、国土交通省土地・建設産業局不動産業課長から各地方支分部局主管部長あてに通知がありました。大阪府ではこれを準用し、指導監督を行います。詳細は国土交通省のホームページ(外部サイトへリンク)を参照ください。
禁止される勧誘行為:宅地建物取引業法施行規則第16条の12
- (1)勧誘に先立って(*1)宅地建物取引業者の商号又は名称(*2)、勧誘を行う者の氏名(*3)、勧誘をする目的である旨(*4)を告げずに、勧誘を行うこと。
- (2)相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)(*5)を表示したにもかかわらず、勧誘を継続すること。(*6)
- (3)迷惑を覚えさせるような時間(*7)に電話し、又は訪問すること。
- (4)深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。(*8)
1 「勧誘に先立って」とは、契約締結のための勧誘行為を開始する前という意味です。
一般的に告げなければならない時点
- (1)電話勧誘(電話による勧誘)の場合:相手方に電話がつながった時点
- (2)訪問勧誘(訪問による勧誘)の場合:相手方と接触し、会話を開始した時点
- (3)宅建業者の事務所を訪れた場合:相手方に物件の具体的な内容について説明を開始する時点
2 宅地建物取引業者の宅地建物取引業の免許における「商号または名称」を相手方が明確に認識できるように告げる必要があります。
- 名称の一部や略称、フランチャイズの名称のみを告げることは、「商号または名称」を告げたことになりません。
- 宅地建物取引業者から委任された代行業者が勧誘を行う場合でも、実際に勧誘を行う当該代行業者の「商号または名称」を告げることとなります。
3 実際に勧誘を行う担当者の氏名を告げる必要があります。
- 宅地建物取引業者から委任された代行業者が勧誘を行う場合、委任した宅地建物取引業者の「商号または名称」とともに実際に勧誘を行う当該代行業者の担当者の氏名を告げることとなります。
4 勧誘の対象となる物件の契約を締結することが勧誘の目的である旨を告げる必要があります。
具体的な勧誘目的を告げる例
「投資用マンションの購入について説明をさせていただきたい」
具体的な勧誘目的を告げたことにならない例
- (1)「年金や老後の生活設計に関する提案をさせてほしい」
- (2)「将来の資産運用に関して説明をさせてほしい」
5 相手方の「契約を締結しない旨の意思」とは、口頭であるか、書面であるかを問わず、契約を締結する意思がないことを明示的に示すものが該当します。
具体例
- (1)「お断りします」
- (2)「必要ありません」
- (3)「結構です」
- (4)「関心ありません」
- (5)「(当該勧誘行為が)迷惑です」
6 相手方が契約を締結しない旨の意思表示を行った場合には、次の勧誘が禁止されます。
- (1)引き続き勧誘を行うこと
- (2)その後、改めて勧誘を行うこと
- (3)同一の宅地建物取引業者の他の担当者が勧誘を行うこと
- (4)同一の宅地建物取引業者から委任されたすべての代行業者が勧誘を行うこと
禁止される再勧誘の具体例
- (1)「投資用マンションは結構です」→ 「投資用マンション」の勧誘を行うこと
- (2)「マンションの勧誘は結構です」→ 「投資用」のみならず「居住用」も含め広くマンションの勧誘を行うこと
- (3)「御社(宅地建物取引業者)からの勧誘は結構です」→ 当該勧誘を行った宅地建物取引業者が行う勧誘すべて
7 相手方の職業や生活習慣等に応じ、個別に判断されますが、一般的には午後9時から午前8時までの時間帯が該当すると考えられます。(相手方に承諾を得ている場合等を除きます。)
8 「その者を困惑させる行為」については、個別の事例ごとに判断されることになりますが、次のような行為が該当すると考えられます。
具体例
- (1)深夜における勧誘
- (2)長時間にわたる勧誘
- (3)相手方が勤務時間中であることを知りながら執拗な勧誘を行って相手方を困惑させること