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更新日:2010年12月6日

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大阪府に寄せられた宅地建物取引に関する相談事例 No.12

賃貸借契約締結
関係図

経過

貸主Aは、宅建業者Xにマンション1室の媒介を依頼し、その3日後、Bを借主とする賃貸借契約を締結した。Xに仲介手数料の相場を尋ねたところ「家賃1.5ヶ月分」と言われたので、Aがそれに相当する額をXに支払ったところ、「広告宣伝費」と記載された領収書をXから交付された。Xに広告の依頼はしていないし、Xは広告を行っていないにもかかわらず、「広告宣伝費」を支払わせたのはおかしいとして、Aは府に苦情を申し立てた。

判明した違反事実

府がXから事情を聴いたところ、以下のとおり違反事実が確認された。

法定上限を超える媒介報酬を受領した。業法第46条第2項違反

  • XはAから広告料名目で金銭を受領したが、Xが特別な広告をしたとは認められず、また、当該広告料は家賃1.5ヶ月分相当額であり、広告の実費相当額とは認められない。これらのことから、Xが受領した当該広告料は実質的に媒介報酬であったと言わざるを得ない。さらにXは当該広告料とは別に、借主Bから家賃0.5ヶ月分の1.1倍に相当する額の仲介手数料を受領した。これらを合わせた報酬の合計額は法定上限となる家賃1ヶ月分の1.1倍に相当する額を超えており、Xは法定上限を超える媒介報酬を受領した。

違反が発生した事情(又は理由)

Xは、情報誌やホームページに本件物件を掲載したが、一括契約なので個別に広告掲載料がかかるわけではない、と述べた。また、貸主との間で広告について合意があれば、広告料を受領しても問題がないと思っていた、と述べ、認識不足等によるミスを認めた。

処分等

府は、次のとおり違反事実を認定し、Xを文書勧告とした。

業法第46条第2項違反

本事例のポイント

広告料について

仲介業者が広告料を受領できるのは、依頼者から広告についての依頼があり、かつ、特別な広告を行った場合に限られます。また、受領できる広告料の額は、広告の料金に相当する額(実費相当額)です。

  • 賃貸物件の取引において、仲介業者が貸主から「広告料」を受領している事例が見受けられますが、貸主からの依頼により特別な広告を行った場合でなければ、「広告料」を受領することはできません。貸主からの特別な広告を行うことについて依頼がない、または貸主の依頼により仲介業者が行った広告が特別な広告に当たらないにもかかわらず、仲介業者が「広告料」を受領している場合、その「広告料」は実質的に媒介報酬とみなされます。そして、その「広告料」と仲介手数料の合計額が法定上限を超えている場合には、法定上限を超える報酬を受領したとして指導監督の対象となります。
    なお、「特別な広告」とは、判例では、大手新聞における広告掲載料等、仲介手数料の範囲でまかなうことが相当でない多額の費用を要する広告とされています。チラシの配布や業者のホームページでの広告など、通常の媒介業務の一環として行われる広告については、一般的に「特別な広告」に当たらないと考えられますので、その経費は仲介手数料でまかなわれるべきものです。
    また、広告料の額が家賃と同額である、あるいは「家賃○ヶ月分」と定めている等の事例が見受けられますが、広告料を受領できる場合であっても、その額は実費相当額ですので、このような額の定め方は不適切です。実費とかけ離れた額の広告料を受領している場合も、実質的に媒介報酬であるとみなされ指導監督の対象となります。
    なお、貸主からの依頼により特別な広告を行う場合は、貸主に見積書等を提示し、広告の内容や広告料の額について書面を交わす等、事前にきちんと合意を得るようにしてください。

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