ここから本文です。
久米田池
久米田池(岸和田市)
大阪府内最大の面積を持つ久米田池は、岸和田市池尻町と岡山町にまたがる広さ45.6ha、周囲2.6km、貯水量157万トンのため池です。
農業用水として和泉葛城山から流れる牛滝川の水を貯水して、農業用水として80haもの水田を潤しているとともに、自然が豊かな土地であることから、その地域を維持、向上が必要な地域として指定されています。
また、泉州のため池で多く養殖されているカワチブナ(ヘラブナ)の養殖も行われており、一年を通じて訪れる野鳥は125種類にもおよび、豊かな自然資源として貴重な存在となっています。
久米田池の歴史
久米田池は、天平10年(738年)今から約1200年前にできました。干ばつに苦しむ農民と共に僧「行基」が、14年の歳月をかけて完成させました。久米田寺も行基によって開かれました。当時の久米田池は、小さな池をいくつかまとめて一つにしたと言われ、改修を繰り返しながら、現在の大きさになりました。
様々なイベント
春には、久米田池の北側の堤でたくさんの桜が咲き、夏には、水辺の風物詩「灯篭流し」が行われ、秋に近づくと、「だんじり」や「久米田池マラソン」が行われるなど様々なイベントがあります。きれいで楽しい池にするために、近くに住む町内会や婦人会、子供会、老人会やため池の水を使っている水利組合の人たちが、「ため池環境コミュニティー」を作り、ため池の掃除やこれらのイベントに取り組み、一緒になって活動しています。
久米田池オアシスクリーンアップ大作戦
春の始まりに、貯めていた水を完全に抜き、毎年行われる清掃活動があります。町会や地域のボランティア団体など様々な団体で構成される「久米田池を守る会」が開催し、地元の久米田中学校の生徒も参加し、約1000人の人が参加しています。
参加者は、普段入ることのできないため池での清掃活動ができるため、良い経験になります。
桜祭り
久米田池周辺で桜祭りが行われます。合唱や演奏会、お茶席などのイベントが行われる日もあります。
池の北側の堤防(約1km)には、百数十本の桜が咲きます。遊歩道が整備され、ぐるりと囲む桜並木は圧巻です。
また、夜間も堤灯の明かりで楽しめます。
夏祭り
このお祭りは久米田池夏祭り実行委員会によって開催されています。
また、音楽イベントや食べ物コーナー、ヨーヨー釣り等の屋台も並びます。
夕暮れとともに数多くの手作りのランプシェードや陶灯篭が灯され、辺りはやわらかな光で包まれ、幻想的な夏の一夜を楽しめます。
行基参り(だんじり)
中国から稲作が伝わって、ため池を普及させていた頃、「行基」「空海」というお坊さんたちが、お米を多く作れるようにため池を作る技術を広めました。久米田池は行基によって作られました。今では、僧行基に感謝して久米田寺に参ったのが行基参りの始まりです。
ため池百選に選ばれました
日本全国にある約21万ヶ所のため池の中から、ため池の大切さや役割を広く理解してもらうために、優れたため池を100ヶ所決められています。大阪府には久米田池(岸和田市)と狭山池(大阪狭山市)と長池(熊取町)の三ヶ所が選ばれています。
世界かんがい施設遺産に登録されました
かんがいの歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全に資するために、歴史的なかんがい施設を国際かんがい排水委員会(ICID)が世界かんがい施設遺産として認定・登録しています。久米田池は平成27年度に登録されました。