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更新日:2024年5月21日

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ぶどうハウスの雪害対策

1 大阪の雪について

過去の積雪ランキング

順位

最深積雪(センチメートル)

年月日

1

18

明治40年2月11日

2

17

昭和59年1月31日

3

14

昭和6年2月10日

4

14

昭和21年3月10日

5

12

昭和40年3月17日

6

12

昭和26年2月14日

7

12

昭和20年2月25日

8

11

平成2年2月1日

9

10

昭和11年1月31日

10

9

昭和6年2月12日

最近10年間の積雪事例

年月日

最深積雪(センチメートル)

気圧配置

平成23年2月14日

3

南岸低気圧

平成23年2月11日

5

南岸低気圧

平成20年2月24日

1

冬型気圧配置

平成20年2月9日

5

南岸低気圧

平成17年12月22日

1

冬型気圧配置

平成17年2月1日

0

冬型気圧配置

平成16年12月31日

1

南岸低気圧

南岸低気圧の特徴 冬型の気圧配置

大阪に降雪を主にもたらすのが「南岸低気圧」。紀伊半島南部を通過する時が要注意。九州南部通過時には準備を始めること。

2 平成2年の雪害

平成2年1月31日から2月1日にかけて、日本の南岸を低気圧が通過し、それに伴う積雪(10から15センチメートル)で、府下のぶどうハウス地帯で、約40ヘクタールのハウスが倒れた。

画像です。平成2年1月31日の地上天気図

平成2年1月31日の地上天気図

3 ハウスの倒壊について

一般的な構造のハウスで、平坦地においてハウスが耐えられる重量は1平方メートル当たり33キログラム。
これに、ぶどう棚の重量と雪の密度を加味すると、約10センチメートル以上の積雪で、ハウスは倒れる。

実際に、傾斜地の多いぶどうハウスでは、10センチメートル以下でも倒れる恐れが十分にある。また、一度倒れたハウスを修復するのに、かなりの経費と労力がかかることを考えあわせると、万一の場合は、ビニールを切断することの決断が必要である。

積雪時に施設内に立ち入る場合は倒壊の恐れがあるため、十分に注意する。

4 こんなハウスは倒れやすい

  1. ビニール被覆後、あまり日数がたっていない。
  2. ハウス面積が20から40アールと、比較的大きいもの。
  3. 傾斜地のハウスで、くぼみとなっている園に雪が積もり、傾斜ハウスの上部に力が集中しやすい場合。
  4. ビニールの縦張り(上下張り)ハウス。

波状型ハウスの構造

画像です。降雪時のビニールハウスへの力のかかり方(縦張りの場合)

画像です。降雪時のビニールハウスへの力のかかり方(横張りの場合)

5 ぶどうハウスの主な補強対策

  1. 外柱、周囲柱及び角柱の基礎はできるだけ大きくし、控え線も深く埋める。さらに、ハウス上部の強化を図り、外柱、周囲柱及び控え線
    の増加や緊急用の控え杭を設置する。
  2. 中柱の基礎は、土の軟らかいところでは、ブロック程度の大きさの土台にする。とくに、傾斜ハウス上部、周囲柱、くぼみの部分は
    受け石の大きなものとする。
  3. 中柱等は点検し、傾斜部では、できるだけ垂直か又はやや傾斜面に沿わすように直すが、風の強いところでは垂直までに止める。
    なお、柱は深く埋め込むほど強くなる。
  4. 傾斜ハウスの上部は、とくに力がかかりやすいので、中柱の間隔はできるだけ密にする。
  5. 外柱間、中柱間に筋交いを入れ補強する。

画像です。ぶどうハウスの補強対策1 画像です。ぶどうハウスの補強対策2

画像です。ぶどうハウスの補強対策3 画像です。ぶどうハウスの補強対策4

6 雪が降る場合の対策

  1. 常に天気予報で情報を収集するよう心がける。不在となる場合は近隣農家に協力を依頼しておく。
  2. 道路に融雪剤を準備しておく。降雪が予想される場合、融雪剤散布と道路の側溝を示す目印を設置し、車の運行の安全を図る。
  3. ビニール被覆後はできるだけ早く加温機の稼動準備をしておく。
  4. 夜間であっても降雪がみられたら、ハウスごとにこまめに降雪量をチェックする。
  5. ハウスを補強したから安心と過信せず、常に現地で状況を確認すること。
  6. 近隣ハウスの状況にも目を配り、農家間で情報を共有化するよう努める。
  7. 防鳥ネットにも雪が積もる場合があるため、冬季はネットを除去しておく。
  8. 積雪があった場合、発芽していないハウスでは、ビニールを開いて積もっている部分の雪を落とす。(場合によっては、ビニールを
    切ることも必要である)
    すでに新梢が伸長しているハウスでも、積雪が多い場合はビニールを開いて、できるだけ雪をかき降ろし、直ちにハウスを閉め、保温
    に努める。
    さらに、ハウス内の雪はできるだけ早く外へ運び出す。0度以下にならなければぶどうに障害はない。
  9. 加温ハウスの場合、内張りを開いて温度を上げるか、または雪の降り始めにダクトの先を内張りの上に出し、温度を上げて屋根の雪を
    融かす。
    なお、ハウス内を20度以上に保持できるように努める。

参考

大阪府環境農林水産総合研究所 降雪対策(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

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