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更新日:2024年6月5日

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ぶどうハウス内環境の見える化と環境監視装置DIYへの取組み

ぶどうの波状型ハウスの環境を適正化するには、長年の経験や勘が必要とされてきましたが、新規就農者の増加に伴い、勘に頼らない環境データの見える化を求める意見が増えてきました。しかし、ハウス内の環境監視機器はいずれも高価で、農業者が求める機能が無かったり、不要な機能があったりと条件に見合うものが少ない状況です。

そこで、農の普及課では、広域でデータの見える化に向けた環境整備及び自身で装置を自作(DIY)することで、安価に自分仕様の機器導入ができることをめざしました。環境整備では、農研機構が開発した「通い農業支援システム」を技術力の高いぶどう農家に設置し、農家、JA営農指導員、研究員(府立環農水研)、普及指導員が参加するLINEグループにて、気温、湿度、地温、土壌水分、画像データの共有化を図りました。装置の自作(DIY)では、大阪府スマート農業機器自作支援事業を活用して、民間事業者と農家とをマッチングし、新たな機器の開発・導入を図りました。

LINEグループには、10名のぶどう農家(R4.3末現在)が参加して、連年、高品質シャインマスカットを生産するハウス(4か所)の環境データの共有化を開始しました。
また、羽曳野市の若手ぶどう農家4名は、大阪府スマート農業機器自作支援事業を活用し、民間事業者の開発した環境監視機器を設置しました。この装置は以下の4機能を有しており、既存のハウス自動開閉装置に設置するものです。
【スマホによるリアルタイム気温把握】
【スマホによる強制開閉】
【スマホによるハウス内カメラ遠隔監視】
【開閉装置トラブル時の異常電流検知】
さらに、太子町では同事業を活用し、4名が通い農業支援システムを、導入しました。

大阪府スマート農業機器自作支援事業の導入農家からは、以下のような感想がありました。

「大阪のようなハウスの形がばらばらで、点在しているような条件で、他府県のような大型ハウス用の装置は高価なうえ、余計な機能や足りない機能もあり経営的に合わない。また、故障しても業者はすぐに対応してくれない。DIYなら、故障しても自分で直せることがメリットとして大きい」
「就農して3年と経験の浅い私を、先輩農家は車でいつもふらふら遊んでいると冷やかすように、ハウスの開閉にはいつも心配で、右往左往している。このDIY装置のおかげで、リアルタイムでカメラ映像、気温を把握できるため、ハウスに行かずとも安心できることはメリットとして大きい」
「換気の省力化ができると、また規模拡大しようと思えるようになる」

今後、LINEグループには、広域でぶどう農家の参加を呼びかけ、高品質化、高収量化に効果的な技術情報を提供し、地域全体で技術のレベルアップをめざします。
また、DIYに取り組んだ農家の導入機器への評価は非常に高く、増設を希望されています。今後は農家自身でDIYできるよう技能向上に向けた支援を行っていきます。

ぶどうハウスの見える化

画像:LINEグループのスマホ画面
LINEグループのスマホ画面

画像:通い農業支援システム
通い農業支援システム
(左:温湿度センサー 右:ラズパイとカメラ)

環境監視装置DIYへの取組み

画像:農家と民間事業者のマッチング
農家と民間事業者のマッチング
(R3年5月26日)

画像:DIY風景
DIY風景
(R4年2月24日)

画像:DIYにより自動開閉装置に追加された4機能
DIYにより自動開閉装置に追加された4機能

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