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スマート農業/特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」防除対策
全国初!リモコン型ロボットで特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」被害ゼロへの挑戦!
平成27年に府内で初めて特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の発生が確認されて以来、旺盛な繁殖力と加害力で瞬く間に、河内長野市のもも産地全体に被害が拡大し、令和元年度には被害樹割合は3割を超え、台風被害もあって樹数は2割以上減少し、産地は危機に直面しています。
農家と関係機関は主枝・主幹部へのネット被覆や成虫・幼虫の捕殺等、耕種的防除を中心に地域全体で防除圧を強める取組みを進め、年10%の割合で上昇していた被害樹割合の増加率を昨年は4%にまで抑制できました。
この被害樹率の増加をゼロにするためには、成虫発生期(6月~8月)に孵化直後の幼虫や、産卵のため飛来した成虫に対する農薬散布と耕種的防除を組み合わせることが有効と考えられています。しかし、高齢農家が多い当産地にとって、6月以降の農繁期に、農薬散布を頻繁にするのは困難です。
そこで、農の普及課では高齢者でも省力的に農薬散布ができるよう、リモコン型ロボットを使った全国初の取組みを開始しました。この取組みでは、長野県の農機ベンチャー企業(株式会社イーエムアイ・ラボ)が開発したオリジナルロボットをリース導入しました。また、南河内地区果樹振興会連絡協議会、小山田地区桃振興研究会、河内長野市果樹振興会、JA大阪南、河内長野市など、関係機関が連携して今回の取組みを進めています。
当日(6月1日)の現地講習会には、もも農家12人を含む総勢29人が参加しました。スマート農業の基本に関する講習を受けた後、ロボットの実演見学、農家や関係者による操作体験を行いました。
実際に操作した農家は「想像していたより操作は簡単だった」「これなら子供も農作業に関心をもって協力してくれるかもしれない」「クビアカの被害をなくしたい。このロボットに期待している」と関心の強さと期待を込める意見が相次ぎました。
当課では、今後も引き続き本虫に対する防除技術の確立を目指して取組みを進めていきます。
ロボット現地講習会開催風景(6月1日)
ガイダンス風景
普及指導員によるロボット操作説明風景
ロボットによる噴霧風景
(主枝・主幹部に被覆された白色ネット(目合0.4mm)は産卵防止を目的としたもの)
ロボットによる噴霧風景
(主枝・主幹部に被覆された青色ネット(目合4mm)は成虫拡散防止を目的としたもの)