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令和2年度 第1回 組合事業向上支援事業評価審議会議事概要
令和2年度 第1回 大阪府中小企業組合事業向上支援事業評価審議会の概要
1.評価審議会の開催
日時:令和2年10月23日(金曜日)午後4時00分から午後5時00分
場所:マイドームおおさか4階 研修室
出席委員:池田会長、鈴木委員、中島委員、山下委員(五十音順)
2.議事概要
平成31年度事業評価(令和元年12月から令和2年3月事業完了分)
事務局から評価(案)について説明。
- 令和元年12月から令和2年3月末までに支援を終えた262件の内、組合ビジョン等6件(組合ビジョン作成支援27件の中から3件、組合事業計画作成支援91件の中から3件)と組合事業活性化支援6件(教育情報以外42件の中から3件、教育情報97件の中から3件)の計12件を抽出して評価を実施。
- 評価平均点は、組合ビジョン等については21.5点(満点32点)で、組合事業活性化支援は11.2点(満点22点)。
- 利用者満足度調査は、平成31年度に支援を終えた全事業者325件に府からアンケートを送付し実施。(回答数256件、回収率78.8%)
- アンケート調査項目ごとの点数の合計の平均は、43.2点。(満点50点)
審議会委員からの主な意見要旨
(1)「課題把握」
- 全体として見ると、具体性や掘り下げが乏しいところが多い。課題把握が不十分であれば、次のサービス提案の内容が不十分となる。評価基準にあるように、きちんと組合の現状を把握した上で、課題の抽出、明記をお願いしたい。また、より大所高所の視点から、組合が感じている以外の課題の抽出もして、組合の今後の発展につながる課題発掘にも努めていただきたい。
- 課題把握はその後のサービス提案、実施にあたる根幹にあたる作業であり、課題把握が不十分な場合はその後の評価にも影響するため重要な項目となる。
- 高評価案件はヒアリング項目が深いため、課題分析・整理書ともしっかりリンクしているが、低評価案件は、ヒアリング内容が浅く、現状認識や結果のみ記載があり原因分析がないもの、現状を踏まえたニーズや将来展望のないもの等、断片的・部分的な聴取に留まっている。
- 全体に課題分析のレベルは上がってきている一方で、分析力の差も大きくなっている。ヒアリングは課題分析に直結するだけに、支援者のヒアリング力を高める必要がある。
(事務局)
- 課題把握が不十分であれば、次のサービス提案の内容が不十分となる。課題把握の為のヒアリング、課題の掘り下げ、見立てについては、これまでも繰り返し審議会でご意見をいただいている。指導員の底上げおよび内容の改善が少し図られたと思っているが、より大所高所の視点から、組合が感じている以外の課題の抽出を心掛け、組合の今後の発展につながる課題発掘にも努めていくよう引き続き支援機関に働きかけます。
(2)「サービス提案」
- 課題発掘と同様、外部専門家に任せきらずに、議論しながら進めていくことが重要である。
- 収益が半減し、利益もマイナスになっている組合について、もっと根本的な課題についてのサービス提案が必要である。
- 高評価案件はしっかりした課題把握を前提として5W2Hに留意した具体的な提案である。低評価案件はその組合固有の課題や取り巻く環境を十分考慮したサービス提案には至らず、一般的・汎用的なサービス提案となっている。原因は組合固有の課題を十分把握できていないことに起因しており、またそれは組合役員へのヒアリングの内容の浅さにも通じている。
(事務局)
- サービス提案は課題把握とともに、向上支援事業の重要事項である。課題把握と相関関係が強く、課題把握をしっかり掘り下げないと、サービス提案は甘くなるので、支援機関には組合固有の課題をしっかりと把握して、課題解決のための具体的なサービス提案を行うとともに、5W2Hに留意した具体的な提案を心がけるよう支援機関に働きかけます。
(3)「支援実施」
- フォローアップの仕組みを整えていくことが、今後の支援の在り方を考える上でも重要である。
- 専門家のアドバイス内容、組合員の反応・意見等、実際に支援実施した際の臨場感のある記載ぶりを期待したい。記載内容のブラッシュアップについてはチェックシートの活用を通じて、記載内容の確認を行うことを励行して頂きたい。
- 評価の高い組合では、検討会で「ビジョンの定義、組合の理念と設立の背景、存在意義」について、議論され、おおむねの意見が簡潔に分かりやすく、まとめられている。
(事務局)
- 低評価の案件は、時系列での記載はなされているものの、支援実施した際の組合員の意見や反応・専門家の意見・支援内容の記載が不十分である。今後のフィードバック等の際の振り返りの材料として、支援実施した際の組合員の意見や反応・専門家の意見・支援内容をしっかりと記載するよう支援機関に働きかけます。
(4)「支援結果把握」
- セミナー支援の結果については、セミナー後に受講者の反応をしっかりと聞くなど、セミナーの改善点や今後につながるヒントを得る場にすることが重要である。
- 支援内容、組合員の声・意見・感想の羅列にとどまっているものがある。今後の課題や取り組みに生かす視点の記載が欲しい。
- 評価の低いものに関していえば、どの組合にも当てはまるような内容が記載されている。具体的な成果を記載して欲しい。
- 低評価のものは、抽出した課題がどう解決し、成果が上がったのか、更なる改善・向上を目指し、今後の課題とその解決策の方向性を考えるという P D C A サイクルが記載に落とし込めていない。
(事務局)
- セミナー支援の結果把握については、 P D C A サイクルを意識した記載とするよう伝えます。また、途切れないシームレスな支援を行うために、今後組合等が取り組んでいく課題を明らかにして、次のステップにつなげられるよう、専門家向け業務マニュアルに従い具体的に記載するよう支援機関に働きかけます。
(5)「議事録作成」
- 議事録はあとで読み返したときに、何が議論され、何が問題点として残り、何がその日の到達点であったのか、次回はどういうことを議論するのかなど、会議に参加していない人にも分かるように書くことが求められる。
- 自由に意見が言えることは大切であり、支援機関にはファシリテートとしての役割が求められるが、言いっぱなしにならないよう、議事進行にも気を配る必要がある。
- 評価基準に基づき、議事録が項目立てて整理されているものも多く改善がみられる。
(事務局)
- 議事録は他の組合員が読んだときにでも内容が具体的にわかるよう、また組合員の意見や反応も記載するよう支援機関に働きかけます。
(6)「組合事業ビジョンおよび事業計画の作成支援」
- 組合としてのビジョンを作成する場合は、今回の事業をするために集められた組合役員だけの意見でまとめるのではなく、アンケート等で組合員の意見を汲み取るなど、多くの組合員の意見を反映させながら策定する必要がある。
- あるべき姿・目標・計画について数値化されているものが少ない。数値が記載されているものもあるが、細かくなりすぎると、かえってわかりずらくなる。
(事務局)
- 支援機関には、組合ビジョンおよび事業計画を作成支援する際には、課題や組合員の現状、ニーズをしっかりと分析し、大所高所の視点から組合ビジョンおよび事業計画を考えて、組合員が具体的になにを実行すればいいのかわかるような支援を心がけ、計画が読み手に伝わりやすくまとめるよう働きかけます。
(7)「その他」
(アンケート)
- 支援機関と組合との関係もあるのでアンケートの点数で一喜一憂するものではない。
- 支援を希望した理由に着目して分析すると満足度の違いが浮き彫りになるかもしれない。
- 5段階評価よりも自由記載の内容が大事になる。記載内容をどうくみ取って次の事業にどう生かしていくかというところに結びつかないと、点数評価だけで良し悪しというのはあまり意味がない。
- 支援を受けた組合等が振り返ることができるアンケート項目があってもいいと考える。
(8)審議結果
委員審議の結果、事務局案について承認。
(事務局)
- 委員の皆様からの組合事業の活性化支援の向上につながる意見をいただいたので、支援機関にフィードバックしていきます。
3.今後のスケジュール等説明
今後のスケジュール等説明後、閉会。