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令和4年度 第1回 組合事業向上支援事業評価審議会議事概要
令和4年度 第1回 大阪府中小企業組合事業向上支援事業評価審議会の概要
1.評価審議会の開催
日時:令和4年7月20日(水曜日)午後3時00分から午後4時30分まで
場所:大阪府咲洲庁舎41階大会議室
出席委員:文能会長、上田委員、中本委員、藤本委員 (順不同)
2.議事概要
【議題1】令和3年度事業評価(令和3年4月から令和4年3月まで 事業完了分)
事務局から評価(案)について説明。
- 令和3年4月から令和4年3月末までに支援を終えた203件の内、組合ビジョン等7件(組合ビジョン作成支援35件の中から3件、組合事業計画作成支援92件の中から4件)と組合事業活性化支援5件(教育情報以外21件の中から2件、教育情報54件の中から3件)の計12件を抽出して評価を実施。
- 評価平均点は、組合ビジョン等については20.0点(満点32点)で、組合事業活性化支援は12.0点(満点22点)。
- 利用者満足度調査は、令和3年度に支援を終えた全事業者203件に府からアンケートを送付し実施。
- (回答数148件、回収率72.9%)
- アンケート調査項目ごとの点数の合計の平均は、43.7点。(満点50点)
審議会委員からの主な意見要旨
- (1)「課題把握」
- [高評価案件]
- 組合員の実態が詳細に記録されていて、組合員を取り巻く環境変化についての記述が非常に充実している。
- 今回の評価対象では概ねヒアリングからよくまとめられており、丁寧でわかりやすい。
- [低評価案件]
- 組合員の要望は聞き取ってはいるものの、組合発言だけをそのまま記録として残している。踏み込みが足りない。
- 過去支援制度を受けていながら、総括が不十分である。
- [その他]
- 課題把握の結果が、サービスの提案、その後の実施の有効性を決める源泉となる。
- 利用者と支援機関が過去からの現状分析を踏まえた分析を意識すると、課題の把握がより深まる。
- 課題把握は、事業を実施する上で基本的かつ重要事項であることから、その重要性についての認識を深め、より一層しっかりと取り組んでいただく必要がある。
- (事務局)
- 課題把握は、事業実施する上で基礎となる重要事項であると以前から助言を頂戴している。
課題把握の重要性については支援機関の指導員や専門家の意識が高まっていると実感している。
一方で、根深い課題などへの踏み込みが不足している案件や、過去に当該支援制度を受けていながら総括が不十分な事例も見受けられる。
課題把握が支援内容の源泉になることを意識し、ヒアリングにおいて組合の現状をしっかり把握するとともに、過去からの現状分析を踏まえた分析を行うなど、幅広い視点で見立てを行うよう、引き続き支援機関に伝える。
- 課題把握は、事業実施する上で基礎となる重要事項であると以前から助言を頂戴している。
- [高評価案件]
- (2)「サービス提案」
- [高評価案件]
- 課題把握が具体的に示されている案件は、サービス提案においても説得力がある。
また、短期的なものではなく、その組合の置かれている中長期的な見通しに立っている。 - 継続して支援を行っている組合に対しては、支援機関が組合のことをよく理解していることから、今後の展望が明るい提案がなされており、支援機関の取り組み姿勢に熱意を感じる。
- 課題把握が具体的に示されている案件は、サービス提案においても説得力がある。
- [低評価案件]
- 課題把握が充分ではなく、提案内容があいまいで説得力に欠ける。
- 外部環境の変化に対して組合の取組みの方向性を明らかにするため、ビジョンの策定あるいは事業計画の立案を提案することは非常に重要ではあるが、それらが一般的な提案となり、個々の組合の現状を踏まえたものとなっていないものや、過去の取り組み成果の検証を踏まえた提案になっていないものがある。
- [その他]
- 支援機関からのサービス提案の利用者は、情報の非対称性により受動的に受けざるを得ない面がある。
利用者から詳細にヒアリングを行わないとニーズにマッチするようなサービス提案には繋がらない。
そういう意味ではプロダクトアウトではなくニーズ起点及びヒアリングに沿った対応で取り組めば、さらに良いものになると考える。
- 支援機関からのサービス提案の利用者は、情報の非対称性により受動的に受けざるを得ない面がある。
- (事務局)
- 新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢による原油価格の高騰や生産コストの上昇など組合を取り巻く環境の変化に伴い、ビジョン策定や事業計画の立案支援が増えている。
- 今回の審議案件のうち、過去からの継続支援において、組合のことを理解した上で提案がなされているとの評価がある一方で、過去の取り組み成果の検証を踏まえた提案がなされていないものが存在するとの意見も頂いた。
支援機関の指導員や専門家のスキルの差が要因と考察。ついては、ヒアリング力の向上を含め、指導員や専門家の力量およびセンスを磨き、支援機関全体でスキルアップに努めるよう伝える。
- [高評価案件]
- (3)「支援実施」
- [高評価案件]
- 検討会での議論が積み重ねられた過程が非常にわかりやすく記録されている。
- 良い条件をなされているものは、おのずと支援実施も充実した内容となっている。
- [低評価案件]
- 検討会での議論を積み重ねた過程の記載がわかりにくい。
- 提案に広がりや課題に直接通じていないものは、実施内容が期待されたものとは違った方向になっている。
- [その他]
- 組合ビジョン等の支援は7者の平均が標準点であるのに対して、活性化支援は5者の平均が標準点以下。
この結果は十分ではない。さらなる成果が得られるような支援を実施していただきたい。
支援の実施は、組合及び組合員の経営改善や経営力に直結するものであることから、関係者とのコミュニケーションを綿密に行い、より効果が大きくなるような支援を実施していただきたい。 - 提案力を磨いて充実した実施内容となるよう、支援機関の研鑽を期待する。
- 記載の巧拙によって支援実施内容が淡泊に見えたり、印象が左右される。利用者の熱意や思いが高い組合の支援実施が高評価に繋がっている印象を受ける。利用者が改善に向かう気持ちを持つよう導くのも専門家や指導員の腕の見せ所であり、そのあたりのアドバイスを事務局にお願いしたい。
- 組合ビジョン等の支援は7者の平均が標準点であるのに対して、活性化支援は5者の平均が標準点以下。
- (事務局)
- 活性化支援事業を低評価としたのは、検討会時の議題・到達点が不明瞭、前年の当事業の支援を有効活用されていないもの、セミナーへの出席率が低いもの、実施内容が期待されていたところとは違った方向になっていたなどが原因。
支援の実施は、組合および組合員の経営改善や経営力向上に直結するもの。支援機関に対して、提案する力、検討会を円滑に運営する力、課題解決に導く力と併せて、報告書作成能力も研鑽するよう、また、当該事業活用者を改善に向かわせる気持ちにさせることも意識して支援を行うよう支援機関に伝える。
- 活性化支援事業を低評価としたのは、検討会時の議題・到達点が不明瞭、前年の当事業の支援を有効活用されていないもの、セミナーへの出席率が低いもの、実施内容が期待されていたところとは違った方向になっていたなどが原因。
- [高評価案件]
- (4)「支援結果把握」
- [高評価案件]
- 詳細な課題の抽出から専門家を交えた検討までの過程を丁寧に記述し、支援成果欄で方向性が明示されている。
また実行しやすい解決策が示されている。 - 本質的な課題解決に向け、具体的な方策で支援されている。
- 詳細な課題の抽出から専門家を交えた検討までの過程を丁寧に記述し、支援成果欄で方向性が明示されている。
- [低評価案件]
- 課題解決に向けた方向性が曖昧で、記述も一般論から踏み出せておらず、具体性を欠いている。
- 単年度ではなかなか成果を見出すことが困難で、外部環境の変化に対応しづらかったのであるならば、提案そのものの現実味がなかったと言える。外部環境によるものの場合、もっと大胆な発想が必要であると考える。
- 数値目標などを置かず、専門家の感想や想像にとどまる表現が見受けられる。
- [その他]
- 「明確な解決策を見つけることができなかったが、専門家を交えた議論に意義があった」とする案件があったが、それならば今後の役に立つような専門家のアドバイスを記述する必要があると考える。
- 可能な限り定量的に数値で記載した方が理解しやすい。支援前後で数値がどれだけ改善したのか、どれぐらい改善の見込みがあるのか、というのを記載した方が検証が容易になると考える。
文章表現は人によって巧拙があるので、文章表現の評価のみでの評価に終始すると報告者および評価者のいずれの側にも恣意性が入り込む。
- (事務局)
- 支援結果把握の評価については、支援結果のみならず、組合の運営がいかに改善されたのかも焦点に置いている。
支援結果に客観性を持たせるため、計画段階から数値目標の設定や数値を用いた定量的な支援結果の記載を求めるとともに、一般論にとどまらず組合の独自性を考慮した、時には大胆な提案による支援など、視野を広げた姿勢で支援を行うよう支援機関に伝える。また、あくまでも支援結果の報告であるため、支援機関の感想や想像などの記載は控えるよう、併せて伝える。
- 支援結果把握の評価については、支援結果のみならず、組合の運営がいかに改善されたのかも焦点に置いている。
- [高評価案件]
- (5)「議事録作成」
- [高評価案件]
- 委員の意見と専門家・相談員の意見が非常にわかりやすくまとめられており、昨年より、全体的に議事録のまとめ方は上手くなっている。
- ポイントがコンパクトに上手く記載されている。
- [低評価案件]
- 要点を踏まえず、発言が不明瞭で羅列的にいろんなことが記載されていることに留まっているものがある。
- PDCAの際には記録を見直すことというのもあり、記述の充実が必要と思われる。
- 組合員と専門家とがタッグを組んでビジョンを作成しようとする姿勢が感じられない。単に質疑応答の記録で、熱量が圧倒的に足らない。
- [その他]
- 議論した内容のみを記載するのではなく、議論の内容についてプロセスに従ってきちっと整理をしていくというような議事録の作成の仕方を、事務局から説明してもらうのが良いと考える。
- 参加者の状況を見ると、ビジョン等の策定に当たって理事長と監事の2名しか出席していない案件がある。
ビジョンを策定するにはもっと多くの理事、できれば理事以外の組合員も交えて議論することが望ましい。 - 箇条書きで「誰が何を発言したか」「どのような議論を行ったか」「どのような成果を得られたのか」「次回以降の検討課題は何か」などの記載ポイントがコンパクトに記載されているなど、わかりやすさを重視するのがよいのではないか。
- (事務局)
- 議事録の作成については、全体的にまとめ方が上手い高評価案件と、低評価にとどまった案件の違いが明確になっている。
議事録は議論の内容、検討会当日の出席者の意見、検討課題、当日の到達点、次回以降の課題などの必要事項について記載することは至極当然であり、事務局としては、プロセスに従って箇条書きでも良いので、わかりやすく要点を踏まえ、記録資料ということを意識した作成に努めるよう支援機関に伝える。
また、検討会当日の組合委員の出席率の低さについてのご意見についても、オンラインでの開催を含め、できるだけ多くの役員、できれば役員以外の組合員の方も多数出席できる日で調整するよう併せて支援機関に伝える。
- 議事録の作成については、全体的にまとめ方が上手い高評価案件と、低評価にとどまった案件の違いが明確になっている。
- [高評価案件]
- (6)「組合事業ビジョンおよび事業計画の作成支援」
- [高評価案件]
- DXやITといったコロナを機にITリテラシーの向上に対応できるような計画について、何が課題で、どう解決していくべきなのかを図や表などを交えてビジュアルで訴えかけており、非常にわかりやすい。
- [低評価案件]
- ほとんどの案件についてビジョンや事業計画についての説明に物足りなさを感じる。
- 議論に参加していない組合員が報告書を見た時に理解できるようなものではならないと考えるが、読んでいる人に伝わっていないと感じる。
- 体裁を整えることを重視しているような記述が見受けられる。
- 専門家に頼らずとも、インターネットで検索できそうな情報が掲載されている案件が見受けられた。
- 組合個々の実態に即したものではなく、一般的な支援になっている。
- [その他]
- 必要性や今後の方向性についてもう少し説明が必要である。
- 事業作成の成果物としては、図などを交えビジュアル化した表現を用いたまとめ方が望ましい。
文字だけの場合、特に「何々している」という表現で、その先がどんな組合になっているのかがわかりにくい。 - DXやITといった、コロナを機にITリテラシーの向上に対応できるような計画は高評価を得やすい。
- (事務局)
- 当該支援の報告書一式は、カルテとして組合からエンドユーザーである組合員へ支援結果の浸透に活用するものになる。
また、次回以降の支援の際に今回とは別の支援機関の指導員や専門家が携わった場合でも、カルテを基礎資料として使用することで組合は一貫した支援を受けることが可能になると認識している。
よって、当該ビジョンや計画作成の議論に参加していない組合員が報告書を読んだときに、内容が理解できるものでなくてはならない。またビジョン等の成果物は文字の羅列にとどまらず、図などを用いて将来像(=なりたい姿)をビジュアル的にイメージできるよう心掛けて作成する必要があると認識。
ビジョンについては、将来像(=なりたい姿)の実現に向け、組合および組合員が一致団結して同じベクトルに向かって取り組むことができるような成果物を、また事業計画についても各組合の実態を踏まえ、より具体性のある成果物を作成することを念頭に置いて、支援を実施するよう支援機関に伝える。
- 当該支援の報告書一式は、カルテとして組合からエンドユーザーである組合員へ支援結果の浸透に活用するものになる。
- [高評価案件]
- (7)審議結果
- 委員審議の結果、事務局案について承認。
3.今後のスケジュール等説明
- 今後のスケジュール等説明後、閉会。