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令和元年度 第3回 組合事業向上支援事業評価審議会議事概要
令和元年度 第3回 大阪府中小企業組合事業向上支援事業評価審議会の概要
1.評価審議会の開催
日時:令和2年3月3日(火曜日)午後2時00分から午後3時00分まで
場所:マイドームおおさか4階 セミナー室
出席委員:池田会長、鈴木委員、中島委員、山下委員(五十音順)
2.議事概要
【議題1】平成31年度事業評価(平成31年4月から令和元年11月事業完了分)について
〇事務局から評価(案)について説明。
- 平成31年4月から令和元年11月末までに支援を終えた63件の内、組合事業計画作成支援2件の中から2件及び組合事業活性化支援61件の中から8件を抽出して評価を実施。
- 評価平均点は、組合事業計画作成支援は15.0点(満点32点)であり、昨年度の平均点(16.0点)より1.0点低下。組合事業活性化支援は12.4点(満点22点)であり、昨年度の平均点(11.5点)より0.9点向上。
- 利用者満足度調査は、支援を終えた全事業者63件に府からアンケートを送付し実施。(回答数54件、回収率85.7%)
- アンケート調査項目ごとの点数の合計の平均は、43.0点。(満点50点)
〇審議会委員からの主な意見要旨
(1)「課題把握」
- 指導する側の専門家は、当該組合の課題把握はもちろんだが、日本全体やグローバル化の動向、関連業種、競争相手となる業界などを踏まえ、大所高所の視点から課題抽出することが求められる。また、課題はひとつとは限らないことから、今年度の取組はこれをするが、来年度以降はこれ、といったように、順序立てをしてもらえると、取組むべき課題の全体像が理解でき、組合員にとっても見える化が図られる。
- 異業種の組合については、業種別の組合員の構成割合などを記載する、100名以上の組合は従業員数などの規模別の割合などの分析数値を記載するなど、組合の現状・課題を把握する材料の提供が必要ではないか。
- 高評価案件は、SWOT分析等の手法を使用し、具体的数値を用いて定量的に現状分析を行っている。的確な課題分析から申込に至っているため、申込内容と課題分析結果に一貫性が認められる。低評価案件は、課題分析が定量的観点からなされず、具体性に欠ける。また表面的な議論になり、深く切り込んだ内容とはなってない。
- 業界の抱える課題もさることながら、さらに当該組合の抱える課題抽出を深めてほしい。なお、教育情報支援事業が多いため、当該組合の抱える課題と受けたい支援が合致しているかどうかは別の議論であり、専門家による課題分析に限界が生じる可能性があることには留意が必要である。
(事務局)
- 課題分析について、支援の入り口として、これまでの支援のつながりも踏まえて、大所高所の視点から課題を抽出し、専門家としての掘り下げができるよう、引き続き、支援機関に対してフィードバックにしていきたい。
- 特に低評価の案件の改善に向け、支援の各段階で、専門家が業務マニュアルの項目を確認しながら進める仕組みについて検討していきたい。
(2)「サービス提案」
- 課題把握で具体的な内容の掘り下げが弱いところは、この提案の内容も弱い結果となっており、両者に強い相関関係があることがわかる。したがって、課題把握をしっかり掘り下げることが重要である。
- 課題把握では厳しい現況の中、喫緊の課題として分析されているのに、関連性の薄いサービスが提案されているケースがあった。
- 高評価案件は、課題分析がしっかりなされているので、課題解決するためのサービス提案も的確なものが多く、一定の相関性がある。低評価案件は、抽象的な記載が多く、支援の流れ・スケジュール・到達目標を明確に記載すべきである。
- とくに教育情報支援事業に関しては当該組合の希望される教育内容をそのまま講演やセミナーという形で実施している感を受ける。教育情報支援事業を実施することで、当該組合が自社に活かせる知識獲得や本来の課題解決を実現できるのかどうかがポイントとなりうる。
(事務局)
- サービス提案について、ご指摘のとおり、課題の掘り下げと支援サービス提案の内容との相関性が重要であり、支援機関において、より意識的に取り組むよう徹底していきたい。
(3)「支援実施」
- 単に時系列に事実を記載するだけでなく、実際には、組合・組合員と指導者する側の専門家、あるいは組合員どうしでも意見のやりとりがあったはずで、どのような経緯でこういう支援が行われたのかの経緯を記載してもらいたい。もし、こうしたやりとりが実際にもなく、専門家から事務局側への伝達のような形で進められているとすれば、専門家にはファシリテートの役割も求められる。
- 総じて、時系列で「検討した」「議論した」「作成した」という事実羅列をしたに過ぎないものが太宗を占めており、何を検討して、組合員からどんな反応があったか、専門家がどんなアドバイスをしたかが不足している。何が良かったか・悪かったかがわからず、今後どうすればよい方向に進むのか検討するうえでのPDCAサイクルを回す材料としては十分でない印象がある。
- 時系列で簡潔に支援内容が記載されている点については分かりやすい内容であるが、なぜそのような支援に至ったのかのやり取りが行われているはずなので、組合の反応や意見等を具体的に記載してほしい。今後のフィードバックの際に課題が明確になるであろう。
(4)「支援結果把握」
- 高評価のところは、支援内容、成果、今後の課題の記載に加え、組合としての意見の記載も見られるなど、今後につながる記載となっている。一方、評価の低かったところは、事実のみの記載に留まっており、次にどうつなげるかの記載が弱かった。組合をどうしていけばよいか、という当該者の問題意識の有無、強弱が支援結果にも表れている。
- 大いに成果が上がったと思われる組合があるが、数字も上げて具体的な結果報告が欲しい。
- 高評価案件は、課題分析⇒サービス提案⇒効果・成果⇒更なる課題⇒今後必要なフォロー、というサイクルが機能している。組合員の具体的意見も織り交ぜられている。低評価案件は、サイクルのうちの一部について具体性が欠ける記載となっている。
- 当該組合の抱える課題解決と支援内容の関連性が不明確な点がみられる。たとえば、講演や質疑応答に設けた時間、あまり質問がでなかった場合はいかに意見交換を促したか、組合の参加人数や反応などを具体的に示していただければなお良い。
(事務局)
- 支援結果把握について、支援機関に、数値目標の設定と具体的な数字による結果報告を促していきたい。また、支援完了直後の利用者アンケート内容の改善やフォローアップについて検討していきたい。
(5)「議事録作成」
- メモのような記載の仕方となると、あとから他の組合員が読んでも具体的な内容がわからないので、記載の仕方に関して工夫が求められる。
- 組合員の意見についての記載が欲しい。組合が主体制をもって取り組んでいるのか、把握するために、出席者明細が必要ではないか。
- 低評価の原因としては、検討した事実のみの記載に留まっており、参加者の意見、専門家のアドバイス、その日の結論・到達点、積み残した検討課題・次回議題の記載の整理がなされていないことによる。この点を改善することができれば、標準的内容に達すると思われる。
- たくさん書けばいいというものではないが、議事録としては物足りなさを感じる。事業計画作成なので、打合内容が的確にまとめられ次回の検討課題も明らかにされていると、その後の取組に活かされやすい議事録になるのではないかと思われる。
(6)「事業計画作成」
- 当該組合だけの状況で書かれるのではなく、専門家、組合・組合員には、大所高所の視点から事業計画を考えることが重要である。
- 組合役員の取り組む姿勢、熱意を感じさせる記載から、専門員の指導のもと一体となって事業計画を作成した様子がわかるものがある。これは支援事業の成果である。一方、組合役員に対するヒアリング報告書から課題把握の弱さを感じる。業界動向、課題分析、組合員の現状やニーズなど議論する時間がもっと必要ではないか。
- 低評価の原因としては、具体的な記載が少ないことがあげられるので、特に数値目標については具体的に記載することが望ましい。その到達目標達成時期についてもスケジュールの落とし込みがなされると標準的内容に達すると思われる。
(7)審議結果
委員審議の結果、事務局案について承認。
(事務局)
- 委員の皆様からの組合事業の活性化支援の向上につながる意見をいただいたので、支援機関にフィードバックしていきたい。
3.今後のスケジュール等説明
今後のスケジュール等説明後、閉会。