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市販薬の過剰摂取(いわゆるオーバードーズ)について
市販薬の過剰摂取(いわゆるオーバードーズ)とは?
市販薬の過剰摂取とは、薬局やドラッグストアで購入できる風邪薬や咳止めなどの市販薬を大量・頻回に服用することです。「オーバードーズ」「OD」とも言われます。
解熱鎮痛薬(熱さまし)、鎮咳去痰薬(せきどめ)、総合感冒薬(かぜぐすり)等の薬が乱用されており、 2023年4月1日から多くの市販薬が一度に1包装しか購入できなくなりました。皆さんの安全安心なセルフメディケーションをサポートするため、薬剤師や登録販売者は年齢や購入目的など、医薬品の適正な使用のために必要な事項について確認をすることが義務付けられています。
それでも、多くの店舗を回ったり、インターネットでいくつも購入したりする事例があります。
市販薬は適切に使用すれば治療目的どおりの効果を得られますが、過剰に服用すれば有害な事象が生じることがあります。そして、成分によっては依存性があることも忘れてはいけません。軽い気持ちで始めても、自分の意志ではやめられなくなってしまう可能性があります。
オーバードーズを行い、救急搬送された方の調査では、吐き気や嘔吐、腹痛等の消化器症状や、意識障害や不穏興奮、イライラ等の中枢神経症状がありました。また、ふるえや頭痛、耳鳴りといった神経症状、不整脈等の循環器症状も見られました。
(出典:救急医療における薬物関連中毒症例に関する実態調査:一般用医薬品を中心に(2022年)より)
過剰摂取により亡くなってしまう事例が発生するなど、近年、このオーバードーズが深刻化し社会問題となっています。
オーバードーズの背景
10代・20代の若い世代を中心にオーバードーズが増加しており、市販薬は身近に買えることや、SNSにおける情報交換等も、若者に広まる要因のひとつといえます。高校生では女性が多い、社会的孤立を感じているなどの特徴があるとされています。
その背景には、家庭や学校等で感じている「つらい気持ち」があると言われています。いじめや虐待、親との関係が悪い、学校での孤立など、深刻な問題が潜んでいる場合もあります。これらを和らげるために市販薬に頼ってしまうことが考えられます。
市販薬の過剰摂取を行うことで、沈んだ気持ちを和らげようとしますが、これらは一時的なものです。その後は逆に不快な気分になることから、再び気を紛らわせようとして、オーバードーズを繰り返してしまいます。
一人で抱え込まずご相談ください。
医薬品は用法・用量を守り、正しく使いましょう。オーバードーズがやめられない方は、一人で抱え込まずご相談ください。
また、ご家族の方も、本人が何に悩んでいるのかを探り、一緒につらい気持ちに向き合う姿勢を示すことが必要ですが、自分たちだけで解決しようとしてうまくいかず、こじれてしまうこともあります。以下のような相談窓口があります。
医薬品の適正使用について
・薬剤師や登録販売者
薬局やドラッグストアでは、薬剤師や登録販売者が、症状などを確認したり、薬の注意事項についての情報提供を行っています。
薬剤師や登録販売者の説明をよく聞き、また添付文書をよく読んで、医薬品を正しく使いましょう。
・PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
薬の効能効果、飲みあわせ、飲み方・使い方、薬に関する心配ごとなどの相談に、専任の相談員が答えています。(ただし、診断や治療などの医療に関する質問等においては回答できない場合があります。)
くすり相談窓口(PMDA)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
さまざまな悩みを抱えている方に
・悩みの相談窓口
お困りごとや心配ごとに応じて、主に大阪府内の相談窓口を紹介しています。
薬は正しく使いましょう!
「薬」は、病気やケガを治すためにとても大切。でも、 薬は、目的になる作用だけでなく、副作用などといった「リスク」もあわせ持っています。
安心して使うために、薬の正しい使い方やリスクを知ることが大切です。
薬剤師・登録販売者の方へ
薬剤師、登録販売者のみなさまは、以下のページをご覧ください。
市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)について(薬剤師・登録販売者の方へ)
参考
厚生労働省HP:一般用医薬品の乱用(オーバードーズ)について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
薬物乱用防止については、下記のページでご案内しています。