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ゲル充填人工乳房による乳房手術を受けた方、もしくは乳房再建を待機・希望されている方へ
令和4年3月1日
<NEW>
令和4年2月18日、「国内3,4例目のBIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)発生について」より、4学会から報告があったことを受けて、厚生労働省より通知がありましたので、お知らせいたします。なお、詳細につきましては下記.3で示しております厚生労働省通知をご参照ください
令和2年10月29日
ゲル充填人工乳房による乳房再建を希望されている方、
乳房再建用皮膚拡張器の手術を受けて乳房再建を待機されている方及び乳房再建を手術を受けた方へ
概要
日本の乳房インプラントによる乳房再建の手術では、アラガン・ジャパン株式会社の乳房インプラント及びティッシュエキスパンダーが令和元年7月まで使用されてきましたが、挿入されている方の約2200-3300人に1人(0.03-0.05%)に乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(Breast Implant Associated-Anaplastic Large Cell Lymphoma:BIA-ALCL)が発生することからメーカーによる自主回収が実施され、日本国内で使用ができなくなりました。
代替品として、令和元年10月8日、スムーズタイプ(表面がつるつるの性状)のティッシュエキスパンダー(133Sティッシュエキスパンダー)と乳房インプラント(Inspiraシリーズ)が承認され、4学会(一般社団法人 日本乳房オンコンプラスティックサージャリー学会、一般社団法人 日本形成外科学会、一般社団法人 日本乳癌学会及び一般社団法人 日本美容外科学会(JSAPS))が患者の方に向けて情報提供文書を公表しました。
今般、新たに、表面をスムーズ又はテクスチャード加工した「Sientra ブレスト・インプラント」(製造販売業者:株式会社メディカルユーアンドエイ)が、令和2年8月20日に承認されました。これに伴い、4学会は情報提供文書に当該製品に関する安全性情報を追記し、公表したことについて、厚生労働省より通知がありましたので、府民の皆様にお知らせいたします。
- 乳房インプラント(ゲル充填人口乳房)による乳房再建を希望されている方へ
- (1)アラガン社の乳房再建用ティッシュエキスパンダー ナトレル133S
スムーズタイプ(表面がつるつる)、アナトミカル型(しずく型)、注入ポートが内包されています。
スリップしやすいため、位置を固定するためのタブがついています。 - (2)乳房インプラント
- スムーズタイプのインプラント
全てラウンド型(おわん型)です。スムーズタイプのインプラントはBIA-ALCLのリスクは限りなく低くなります。
アラガン社のInspiraシリーズとシエントラ社のSientraブレスト・インプラントがあります。
日本人の一般的な乳房と形状が異なること、破損や被膜拘縮等の合併症に注意が必要です。
従来のラウンド型インプラントと比べて充填率の高い(やや硬めで皺ができにくい)ゲルが選択できるようになりました。 - マイクロテクスチャードのインプラント
シエントラ社のラウンド型(おわん型)とアナトミカル型(しずく型)のインプラントがあります。
乳房の形態によっては、アナトミカル型の方が適合しやすい場合もありますが、種類が少ないことと、
術後インプラント回転などの合併症の可能性もあります。
- スムーズタイプのインプラント
- (1)アラガン社の乳房再建用ティッシュエキスパンダー ナトレル133S
※使用インプラントにつきましては、上記内容をお読みいただき主治医とご相談ください。
- 乳房再建用ティッシュエキスパンダーの手術を受け、乳房インプラント(ゲル充填人工乳房)による乳房再建を待機されている方へ
現在ティッシュエキスパンダ―が入っていて、インプラントの手術を待機されていた方には、下記の選択肢が想定されます。
なお、マクロテクスチャードタイプのエキスパンダー留置のみでBIA-ALCLを発症した報告はありません。- (1)スムーズタイプのインプラントを使用する。
全てラウンド型(おわん型)です。スムーズタイプのインプラントはBIA-ALCLのリスクは限りなく低くなります。
アラガン社のInspiraシリーズとシエントラ社のSientraブレストインプラントがあります。
日本人の一般的な乳房と形状が異なること、破損や被膜拘縮等の合併症に注意が必要です。 - (2)マイクロテクスチャードのインプラントを使用する。
シエントラ社のラウンド型(おわん型)とアナトミカル型(しずく型)のインプラントがあります。
乳房の形態によっては、アナトミカル型の方が適合しやすい場合もありますが、種類が少ないことと、
術後インプラント回転などの合併症の可能性もあります。
- (1)スムーズタイプのインプラントを使用する。
※使用インプラントにつきましては、上記内容をお読みいただき主治医とご相談ください。
- 乳房インプラント(ゲル充填人工乳房)による乳房手術を受けた方へ
乳房インプラントが挿入されている方については、発症リスクは0.03-0.045%と低く、
摘出手術に伴う出血等のリスクが上回ると考えられるため、
症状のない方に対する予防的なインプラントの摘出は必要ありません。
腫れやしこりがないかをご自身でチェックするようお願いいたします。
BIA-ALCLにおいては、まれな疾患ですが早期発見が重要となりますので、
10年以降も引き続き、自己検診と医療機関での定期健診の継続をお願いいたします。
また、異常を感じた場合にも受診をお願いいたします。
詳細については、以下の通知又は学会ホームページの情報提供文書を参照してください。
厚生労働省通知
- ゲル充填人工乳房及び皮膚拡張器植込み患者等に対する情報提供について(PDF:11KB)
別添(PDF:209KB)
(令和2年10月7日付け 薬生機審発1007第1号 薬生安発1007第1号
厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長及び厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長連名通知) - ゲル充填人工乳房及び皮膚拡張器植込み患者等における乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)の発生及び植込み患者等に対する情報提供について(周知依頼)(PDF:417KB)
(令和3年7月30日付け 薬生安発0730第4号
別添:令和2年10月7日付け 薬生機審発1007第1号、薬生安発1007第1号及び「国内2例目のBIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)発生について」
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長) - ゲル充填人工乳房及び皮膚拡張器植込み患者等における乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)の発生及び植込み患者等に対する情報提供について(周知依頼)(PDF:534KB)
(令和4年2月18日付け 薬生安発0218第1号 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長)