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平成27年度第1回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 外国人滞在施設経営事業について
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資料1 外国人滞在施設経営事業について | ||
資料2 厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則の一部を改正する省令案の概要 |
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資料3 外国人滞在施設経営事業の円滑な実施を図るための留意事項について(通知) |
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※ 資料に基づいて政策企画部より説明
【政策企画部長】
- 説明があったとおり、今回の件は昨年府議会で否決されている。主な理由は、治安の問題、周辺住民のトラブルの問題。これに対する対応策として府は政令改正を求めていたが、調整の結果、規則改正と通知が国の方から示された。
- それをもって議会からの懸念に対する十分な解決策になっているのか。
- それと、全国初ということで実施に当たっての課題もあろうかと思うが、やはり実施しないといけないというニーズについて説明されたが、再度、簡潔に説明をお願いする。
【政策企画部】
- 政令改正を求めていたが、今回、国の規則改正及び解釈通知が出され、この中で取消しも可能という記載がある。課題に対応した新たな措置として厚生労働省規則の改正で滞在者名簿の義務化、通知による周辺住民への対応措置があり、これが遵守されない場合は取り消しうるということ。
- また、現地での立入調査等により実効性が確保できるものと考えることから、実施させていただきたい。
- また、実施に向けては、近隣住民との関係も踏まえ、円滑に実施できるよう、ガイドラインの作成や関係市町村への周知とともに、今後、認定や取消しの際の処分等の要件の明確化が必要であり、今回の通知を踏まえ、適宜、国に有権解釈を確認しつつ進めてまいる。
- 必要性(ニーズ)の部分だが、宿泊施設稼働率として大阪の客室稼働率はビジネスホテル、シティホテル、旅館とも大幅に昨年度からアップしている。宿泊施設不足は昨年以上に顕在化していると考える。
- 外国人旅行者の影響で、国内のビジネス客の滞在への支障も指摘されている関係で、経済的損失、大阪の都市格にもかかわる問題。
- この事業により、安心・快適な滞在環境を提供することにより、早期に即効性ある選択肢を提供するということで、本事業を実施する必要があると考える。
【小西副知事】
- 昨年9月議会で何点かご指摘があって否決された。それに十分応えうるものになっているのかというのがポイント。
- 必要性については、大阪のホテルの稼働状況をみるとほぼ目一杯になっているので、早急な対応が求められるということで、こうした空き室利用、空き家利用も進めるべきだと思うが、新たに講じる措置がどのように実施されるのか、具体のイメージをお聞きしたい。
- フロントが無くても良いというのがこの制度の特徴。つまり対面しないことを前提にして、それにも関わらず、滞在者名簿を義務化するとか、旅券を確認するとか、使用開始時の滞在者への説明、こうしたところが今回規則なり通知の中で義務付けられる。
- ここで義務付けられるのは事業者。分譲マンションだと部屋をもっている所有者ということになるが、どのようにして滞在者名簿書いてくださいと求めるのか。
- こういうことをやれば指摘に答えられるというのは理解するが、実際どのように義務が履行されるのか具体的にイメージしづらいので説明していただきたい。
【政策企画部】
- いろいろな手法が考えられるが、まず滞在施設の鍵の受け渡しの場面がある。その際に対面により鍵を受け渡しして、滞在者名簿を書いていただく。
- 事前にネットなどで滞在者名簿の提出を求めたうえで、当日、本人のパスポートコピーをとって確認することも想定している。
【小西副知事】
必ず宿泊者と事業者がどこかで対面することがあるということか。
【政策企画部】
国の通知で、映像等での確認という記載があるので、場合によっては、遠隔でチェックすることも想定している。
【小西副知事】
- 賃貸マンションだと、マンション業者なので一定その機能を自分たちで整備することは考えられる。
- しかし、分譲マンションの場合、この部屋はAさん、別の部屋はBさんの所有となると、Aさん、Bさんが滞在者名簿や旅券の確認をしなければならない。それは実際できるのかと思う。
【政策企画部】
部屋を所有する方だけでなく、これを仲介する事業者などが本事業に手を挙げているので、その事業者によってシステム化、集約したうえで、モニターを通じてのやり取りにより確認することが考えられる。
【小西副知事】
事業者本人じゃなくても、業務を代行するところでやっても良いということか。
【政策企画部】
そのとおり。
【総務部長】
- 国から出された通知は、あくまで認定事業者に対しての努力義務を課しているもの。前回の議会でも指摘のあった部分に対して、認定権者である府としてどう担保するか。
- 立入権限が無いという指摘に対して、条例で、取消事由に当たるかどうかを判断をするために立入調査を実施するという規定を設けることになっているが、新たに講じる措置は、知事として職員に立入りをさせることができるとあり、居室に入るときは滞在者の承諾を得なければならないと一つ条件がかかっている。
- ただ、そもそも施設に立ち入ることについては、施設所有者の了解をとらないと強制調査、強制立入はできないと思う。
- ルールを遵守させる実効性に乏しいのではないかという指摘に対する答が条例による立入調査だとすると、立入調査を条例で規定しても任意の、相手の承諾同意を前提とした立入調査とならざるを得ないが、確実な担保という点においては100点満点ではないという理解になるのか。
【政策企画部】
- 今後、処分の基準を定めることになる。立入りは滞在者の承諾を得てのものとなるが、何度も行って確認するということ。
- 度重なり事業者の承諾がなく立ち入れない場合は、それをもって役務の提供をしているか確認できないということで取り消し得ると考えている。
【政策企画部】
- この事業は分譲にしろ、賃貸にしろ、実態としては間に仲介業者が入ってくるのがほとんどになる。
- 立入調査では、その事業者の事務所であったり、建物のまだ借りられていない空き室ならある程度は強制的に入れて、例えば構造基準を満たしているかを見ることができる。
- 実際に宿泊者がおられるところを、ドアを強制的にあけて入っていくことは、警察権でない限り一定限界があるが、事業者の事務所等で帳簿を見る、報告を受けるというところで、政令で課している義務要件がちゃんと遵守されていないではないかと判断できれば取消しになる可能性があるということ。
- 取消しというのを最大の担保、実効性としてやっていきたい。
【総務部長】
そうなんでしょうが、そもそも事業者の事務所に立ち入ることが強制的にできるかといえばできない。どちらかというとそこを心配している。
【政策企画部】
- 確かに事業者の事務所に蹴破って入るのはできない。その場合は必要な報告をしなければならないという法の要件があるので、それは報告をしてないということになるのではないか。
- その場合はそういう判断のもとにそれを何回か繰り返したうえで、なおかつ、事務所に入れない、帳簿を見せないとなれば、当然取り消し得ると考えている。
【小西副知事】
「職員が施設に立ち入り」としているが、「施設」というのはあくまで宿泊に供している施設を言っているのではないか。
【政策企画部】
条例の「施設」は、事務所を含めて関係者のところに立ち入れるという規定にしている。
【小西副知事】
国の通知でそこまで立入権限が条例で規定できると読めるのか。
【政策企画部】
「取消事由への該当性を判断するという目的に限ったもの」ということなので、事務所の中で確認することもある。
【小西副知事】
- 立入調査の対象は「取消事由への該当性を判断する必要がある施設」と読んだらよいということで、宿泊施設だけじゃないという理解でいいということですね。
- もう一つは、立入拒否をもって直ちに認定要件である「必要な役務を怠っている場合」と読めるのかどうか。そこはどう理解すればよいか。
【政策企画部】
「直ちに」ということではなく、立入を何度も拒否するなどした場合は、必要な報告を受けられなかったということで、取消しという行為に及ぶと考えている。
【小西副知事】
これは施行令第3条第5号じゃなくて、違う号にその規定があるということか。
【政策企画部】
そうです。
【小西副知事】
そこはもう少しわかりやすく整理しておくこと。
【政策企画部】
立ち入りした結果、不備が判明したので取り消すという形と、立入りを拒否し報告を怠ることと判断できる場合に取り消すというのが2つあるので、そこは整理して今後説明したい。
【小西副知事】
ぜひお願いする。
【総務部長】
- 報告をしない場合に取消しができるということは、特区法13条9項に認定取消事由が羅列されている。その中で、報告しない、あるいは虚偽の報告をした、これは認定取消できると第6号で明確に書いてある。
- この規定をもって取り消しできるわけだから、立入調査を拒否したことをもって報告をしないとみなせるのか。
【小西副知事】
- 報告は出しているけど、違うのではないかという苦情がきた。
- では実際どうなってるのかと立入調査しようとしたら拒否されたという場合も、実際の報告はされていたとしても、報告されていないとみなして取り消ししよう、という理解でいいんですね
【政策企画部】
あるいは虚偽かもわからない。その確認ができないと。
【政策企画部】
府議会から指摘されたのはそこであり、嘘を言われてもわからない、入ることもできないでしょという指摘であった。そこで立入ということで、実際に現地で調べることとした。
【総務部長】
きめ細かい説明をお願いしたい。
【植田副知事】
- 今回の条例事項で一番議論になるのは立入調査の規定になると思う。
- 条例作るときの一般論として、そもそもの法律の趣旨にあっているかどうか、あるいは横だし・上乗せができるのかどうかということがあるが、今回の立入調査であれば、今、議論が出た範囲内であれば法律の趣旨に反しないということを国は文書で認めているという理解でよいか。
【政策企画部】
そのとおり。
【小西副知事】
- 細かい議論をさせていただいて、議会から指摘のあったことについてクリアできることをここで確認する必要があるし、私は確認できたと思うが、雑誌などには、本事業の外国人宿泊施設と似たような事業が既に行われているということが書かれている。
- そういう意味では大阪府が、いろいろな懸念、批判もあるかもしれないが、特区法に基づくきちんと法律に基づいた制度として実施していくということは大変意義があると思う。
- 丁寧な説明と併せて、実際に行われているところをはっきり法制度に乗せていくんだということを、もう一回主張すべきかなと思う。その点もよろしくお願いする。
【知事】
大阪府の立入権限の中で警察権を除いて強制に立ち入れる権限はあるのか。例えば旅館業法で違法の疑いということで強制立入権限はできるのか。
【総務部長】
旅館業法は罰則規定があり、事実上担保されています。
【知事】
疑いだけで。
【政策企画部】
実際、滞在客が入っている部屋に強制的に鍵を壊してまで入ってはいけない。
【知事】
警察権の場合の立入権限はわかるが、行政としては。
【総務部長】
通常罰則規定をつける。それを付けて実質上強制調査を担保している。
【知事】
この事業の場合の罰則は「取消」ということか。
【総務部長】
それは罰則とは異なります。
【知事】
- 実質的には取り消される。特区だからということで、立入権限が弱まっているというイメージを持たれるのは非常に問題。他の大阪府の指導している様々な認可事業と比べて、この特区事業が特段弱い立入権限ではないとしっかり説明しないと。
- 法に違反していることがはっきりしていない段階で、警察権以外で強制立ち入り出来る権限というのは他にないのではないか。
【小西副知事】
税法上の立入権限なら強制的に立入できる。
【健康医療部】
旅館業法では第7条で、知事が必要と認めた場合は立ち入りをする、という権限はある。
【小西副知事】
強制性の問題。強制はできないのではないか。
【知事】
これだけが立入権限が弱いというメッセージが出ると、弱いと指摘される。旅館業法と同じだということをしっかり言わないと。
【小西副知事】
それはちゃんと見た方がよい。拒否した場合とか。
【知事】
お客さんが入った部屋については、強制立入権は法律上無理ではないか。
【政策企画部】
そこは無理だと思いますが、確認します。
【小西副知事】
- 知事がおっしゃることもわかるが、そこはきっちり整理して言わないといけない。知事は同じだとおっしゃりたいと思うが、そこは法律に照らして整理してください。
- 例えば居室には入れないとしても事務所への立入はどうなのか。
- 今回は我々の特区法で言う外国人宿泊施設でいえば、事務所であれ宿泊施設であれ、相手が拒否すれば入れないことになる。これは旅館業法と本当に一緒なのかどうか。
- そこは確認した上で違うなら違うできっちりいうべきだと思うし、違うけども我々はきちんと詰めていって、立入拒否した場合は、こういう読み方で取り消しすることでやるんだから、そこは安心してくださいという説明をしないといけないので、今の時点で法律をきちんと確認しないまま、一緒ということは言わない方がよい。
【知事】
そこは確認するように。
【植田副知事】
- 立入調査の名宛人は業者なのか、そこに泊まっている人までも不利益を及ぼすか、分けている可能性がある。
- 業者なら事業許可・認可をもらう人なので対象となっても、それ以外の泊まってる人にまで及ぶと言えるのか、そこも含めて押さえておいていただきたい。
【政策企画部長】
認可は業者に対してだから、あくまで業者に対する調査というのが基本。そこに宿泊者がいるかどうかという議論。
【植田副知事】
もっと言えば、人が泊まっているので、その個人の権利を侵害していいのかということ。
【政策企画部長】
条例の建て方としては、そこは承諾を得なければならないとしている。
【知事】
もう一つ、世界中では民泊をやっている。
【小西副知事】
制度的にかどうかはわからない。
【知事】
説明する際、ヨーロッパでもやってるけども、懸念されるような事態は発生してませんということが丁寧な説明につながるのではないか。
【政策企画部長】
- 民泊の議論は旅館業法に違反しているかどうかで押さえていく必要がある。この事業をやったからどうかということではない。
- そこは言い方を間違えると、今の不法な、いわゆる住居を宿泊施設として貸していることに対しては、それは違うということと、これを実施することによって、それが法上クリアされるかということは別。
- あくまで、この条件に合わない限りはできないということでよいか。
【政策企画部】
- そのとおり。この事業で、7日以上等の条件を満たせば合法的にできる。
- 今、指摘されているグレー部分は、仮に旅館業法に抵触するならば厳正に対処していく。
【知事】
- この問題は、旅館事業者を保護していく話と、定住者がいる所を旅行者に貸し出していくにあたって定住者の懸念を払しょくする話の2つがある。
- 定住者の懸念を払しょくしなければならないという所が重要。
- 旅館を守らないということではなくて、こういう事業を利用される旅行者と旅館を利用する宿泊者とは利用者が違うので、違う種類のお客さんという立てつけができる。
- 定住者のみなさんの不安を払しょくするのが一番重要なポイント。
【政策企画部長】
- 新しく条例を作るので、立入調査権の問題については、よく総務部法務課のご意見もお伺いした上で、通知に基づいて措置するので国にもきっちりと解釈を求めていくことも必要かと思う。
- そういうことも踏まえて、これから審査基準、処分基準、ガイドラインを作っていくということで実施に当たって万全を期していくということでお願いしたい。
- それでは、ご指摘いただいていることを踏まえて条例を9月議会に提案することとする。