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更新日:2012年7月20日

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第2回大阪府教育振興基本計画検討委員会 議事概要

日時

平成24年7月30日(月曜日)午前9時30分から正午

場所

ホテルプリムローズ大阪 羽衣

出席委員

梶田会長、森田会長職務代理、小田委員、神谷委員、山本(絹)委員、山本(晋)委員、横井委員

議事概要(1.開会2.審議3.閉会

1.開会

(事務局)

7名の委員全員の出席があり、会議は有効に成立。

2.審議

(1)前回の審議のまとめ(大阪の教育がめざす「基本的な目標」について)

  • (事務局)
    資料1及び資料2について、説明。
  • (会長)
    事務局から、各委員のご意見と大阪の教育を取り巻く状況と「基本的な目標」の修正版について説明があったが、私としては、率直に言ってよくまとめていただいたと思っている。決定というと強すぎるかもしれないが、委員の皆様には、大きな方向として認めていただければ、これを前提に以降のご議論を進めていただきたい。

(2)大阪の教育の今後の方向性について

  • (会長)
    いまご確認いただいた基本的な目標に基づき、今後、どのような取組みを進めていくかということについて、ご審議をいただきたい。次回は今日ご審議いただく内容をもとに柱建てをし、骨子案としてまとめていきたいと考えているので、その前提となるご意見を積極的にお願いしたい。
  • (事務局)
    資料3について、説明。
  • (会長)
    今6つの検討課題について説明があったが、1番目と2番目、3番目、4番目、そして5番目と6番目と、関連のあるものを一緒にして4つに分けて皆さんにご意見をいただこうと考えている。もちろん他のところにわたっても結構ですし、現状認識がこうで、もう少しこういう所を考えておいた方がいいなというのがあれば、あわせてよろしくお願いしたい。

1)検討課題1:グローバル化や雇用環境の悪化など大きく変化する社会の中で力強く生きていくための力の育成について、検討課題2:全ての子どもが自立して社会で生きていくための力のはぐくみについて

  • (委員)
    橋下前知事が韓国で外国語高校を見て感心されて帰ってきたというのを伺っているが、韓国はもともと受験競争が激しい所で、大学受験の時に遅れそうになったらパトカー飛ばしたという事も起こったりしているほど。それだけ子どもさんたちも大変苦労している。その中で2つの動きがあって、1つは高校受験までは受験をなくし、基本的には全入にしてしまったということ。それに対する反動として、理数系や芸術系などの「特殊能力の学校」を作る動きがあり、その中で外国語高校というのが出てきた。これは高校段階でほとんど科目を英語で講義をやってしまうということで、高校段階で英語ができるようにしたという取組だが、これがいいかどうかは別として、これが新しい進学校になっている現状がある。実は中国にも外国語高校があり、これは設立の趣旨がやや違うが、そういう取組みをしている。大阪ではこれを見ながらどういう取組みをしていくのかという1つのベンチマークとなるかもしれない。
  • (会長)
    グローバル化ということで、どういう子どもが生き抜くかということになるが、同時にグローバル化に対応する教育の仕組みづくりの方も、これでいいのか考えなければならない。
    経済がこれだけグローバル化しながら、教育の仕組みがグローバル化に乗り遅れているのではないかということは、いろんな形で指摘されている。今回、非常に不十分な形ながら小学校高学年に英語を入れたのもそういう議論があって、教える人がいないからとりあえず5・6年でとなったが、本来は小学校3年位から週3時間位でという議論があり、条件が整い次第、10年に1回の指導要領の改訂ではなくて、これだけでも臨時に仕組みを変えようという中教審の申し合わせになっているが、仕組みの方が韓国あるいは中国、あるいはベトナムその他近隣の諸国と比べて、かなり遅れているのではないかということ。
    今回は子ども自身の力として、子どもの側からということで、ご意見をお願いしたい。
  • (委員)
    言葉を道具と考えた時に、英語の学習は当然出てくると思うんですが、それ以上に、グローバル社会で生きていくということを子どもたちの中に認識させ、また夢を見せる、姿を描くという意味で、もう少し世界で活躍する日本人とか企業人、例えば青年海外協力隊のような、いろんなプロフィールに触れる機会を作っておいたらどうかなと思う。世界で日本人が動いていることを知るきっかけがないと、自分たちが出て行く場所というものがきちんと分からないし、生身の人間から話を聞くときには、コミュニケーションするための言葉が必要、聞く力が必要ということと、他の文化を認める知力、そういったものも自ずと必要となるというのが分かるような気がしている。
    リーダーを育てるだけではなくて、これから求められる人材の中に、海外との接点が必ず必要になるということをいろんな機会に知らしめると同時に、その姿を知るきっかけの学習や教育が必要かなと思う。
    それから、いつも企業の中で言っていることだが、聞く力、同時に要点をまとめる力と言うか、特にグローバル世界でやっていくときには言葉のハンデがあるので、その中に要点をまとめる力をぜひ取り入れていただくと、コミュニケーションの不足を補えるものがずいぶん出てくるのではないかという気がする。
  • (会長)
    外国体験みたいなものをもう少しということ。大阪でもずいぶん修学旅行で近くの外国に行かせるようになってきているが、フィリピンとか、オーストラリア、ニュージーランドに小・中学生をひと夏だけ受け入れて体験させるようなところもある。私も回ったことがあるが、韓国やら台湾からはたくさん来るけれども日本からは意外に少ないということもあり、そういう所をプッシュする仕組みというのもあっていいのかなという気もする。
    それから、今の言葉の問題は非常に大事で、コミュニケーションの力というだけではなく、言葉とは、思考とか判断とかいう頭の働かせ方のいわば土台。今回の学習指導要領で、小・中・高に言葉の力ということを言ったのは実はそこ。単なるコミュニケーションとしてだけでなく、まとめ上げるとか、論理的にとらえるとか、そして論理的に発信するという、それがないと文化が違う中では本当にやっていけないということ。これはまた改めていろいろとご意見をうかがいたい。
  • (委員)
    グローバル化という点で、私が教育現場が分かってないのでちょっとピント外れかもしれないが、従来のような、正解が一つというような教育のあり方は、入試やテストも含めてだいぶ変わったと聞いているが、自分の考えをまとめられない、あるいはパソコンが発達したので、どこかに答えがあるということでそれを安易に探す傾向があるように聞いている。その点をどう取り組んでいくか。早い機会に海外に出して、いろいろな人にもまれるのもいい。やはりリーダーになれるような人材を作らないと。言われたことを一生懸命やるというのは、先ほどの正答を求めるということなるかと思う。
    それから、企業では英語力も必要だが、やはり自分の考えをまとめるというのが必要になる。また、特にメーカーやものづくりの会社にとって、技能・技術の伝承、この辺りもやはり外に出ていかないとだめだというのが必然的にあり、それは言葉よりもやはり自分の表現力というか、意思表示、こういったのが大切という所から、小学校の時からやらせてみるとか、自分でまとめるというか、痛さを感じるというか、そういったものが必要ではないかと思っている。
  • (会長)
    具体的な力も大事だが、意欲的に外国に子どもが出かけていくというその積極的姿勢、ご承知のようにアメリカとかヨーロッパへの留学が大幅に減っている。特に最先端の科学技術の分野で本当に減っている。自公政権最後の時、半年ぐらいかけてノーベル賞受賞者に集まっていただき、これからの国際化の中でどういうふうに、積極的に諸外国に行くだけでなくて、外国から呼んできた人と一緒にやるということも含めて、そういうグローバルな視点で能力を高め合う、これをどう進めるかという会議がずっと開かれていた。科学技術の世界でノーベル賞もらわれた方々は、外国で大きなトレーニングをして、外国の人たちと一緒に論文を書いてきてということだったが、それが今ガタ減りになっている。自分たちが日本の大学で指導している中でいいなと思って「どこどこに行って誰々と一生懸命やってこい」と生徒に言っても皆二の足を踏むようになったというお話が次々出まして、「どうやったらいいんだろう」と。私も回答があるわけではないけれど、少し内向きになりすぎている。アットホームな身近なところでの幸せばかり考えるようになって、もう少しチャレンジしてみるとか、それが欠けているのかなと。大阪というのはもともと積極的なところ。何かそういう積極的な雰囲気を大阪からもっと高めることができないかなということを思っている。
  • (委員)
    活躍するための力、教育の中でつける力として、やはり、プレゼンテーション力。いかに自分たちがやっていることをきちっとアピールするか。もう一つは、ディスカッションの中での合意形成、こういったこともスキルとして身に付けていかなければならない。一つの方向を考えていく上で、ディベートやディスカッションを通して合意形成をし、そしてプレゼンテーションがきちっとできること。こういう力を教育の中で身に付けていくことが世界でリーダーになっていく条件、活躍していく条件だと思う。
  • (委員)
    検討課題1の資料の中で企業が求める能力についてのデータがあり、グローバル人材に求められるものとして「チャレンジ精神、コミュニケーション能力、海外との文化、価値観の差に興味・関心を持ち、柔軟に対応する」、社会人基礎力として「前に進み出す、考え抜く、チームで働く」、採用選考時に重視した点として「コミュニケーション能力、主体性、協調性、チャレンジ精神」があげられている。これは、PISAのOECDのキーコンピテンシーの中にある「人と一緒に仕事をする力とか、自分で自立的に活動する力」とか、そういうようなことに対応する。そして、検討課題の2が学力となっている。この2つの間には断絶があるように感じていたが、この2つを一緒にやると考えてみると、2方面の作戦が考えられていると解釈できる。1方面は基礎的な学力、そして指導要領でも非常に重要だと言われるようになった活用型の学力、習得型の学力と言われているものを全ての子どもに育むという方向性。もう1方面として、基本をクリアしているものに関しては、もっと違うものも与えていく方向性。例えば、グローバル化とか、コミュニケーション能力だとか、外国の文化を理解するだとか。そこで、グローバル化に対応するようなカリキュラムを開発するような研究開発学校があって、そこに研究してもらう。そういうふうなことも今後必要になってきて、うまくいけば広めていくということがあってよい。個々でカリキュラムを作ってというわけにもいかないと思うので実験的な試みも必要ではないか。
    全国学力・学習状況調査やPISAテスト等で測られている学力に関しては、既に国の方の戦略みたいなものもずいぶんはっきりとしてきたという印象がある。大阪としてはそれだけではなくて、2方面で行くというか、全国的なあるいはPISAの学力だけにとらわれるのではなくて、キーコンピテンシーはそれ以外にも重要な能力を言っているわけだから、そちらの方にも手を打っていくという、そういう戦略、複合的な戦略が必要になってくると考えられる。
  • (会長)
    グローバル化に対応するような、理数系で言うとスーパーサイエンスハイスクールがあったりするような感じで、公立の小中高でも徹底的にやる所があっても良いのかもしれない。ユネスコスクールというのがあり、大阪府内の公立の小学校なんかでも交流しているところがあるが、これが交流しているだけで、日常的にはなかなかというふうに聞いている。そういう所も含めながら、国際バカロレアを取らせて外国の大学に入りやすくなるというようなことを念頭に置いたような、1つのモデル的な取組みもあっていいのではないかと思う。
  • (委員)
    今議論している、検討課題1と2を一緒に議論するということは、基本的な目標のめざす目標像の「粘り強く果敢にチャレンジする人づくり」、「力強く生きる人づくり」、あるいは「支え合う人づくり」に対する方向性を議論するのかなと。あと検討課題3から6はそのための教育振興の環境、振興の目標についての具体的な教育力であったり、あるいは学校現場の活性化といったことが関係するのかなというように分けたと考えた時に、今議論する必要があるのは、大阪の教育がめざす目標像ということで、切り口として、環境変化が、特にグローバル化ということで、どういう人がいるのかということで議論しているんだけれども、今の話は、大阪の教育というよりも日本の教育の議論になってるのかなと。もう少し、大阪の実情に合った、単に数字を全国平均と比べて大阪がどうかというよりも、同じような例えば都市型の小中高の置かれている状況と大阪府内とどのように違って、どこに特色があって、大阪の子らはどういうふうにいい所があって、でもどこを伸ばしていけばさらにいいのか、目標としてそういう視点がほしい。大阪市が昨年作った教育振興基本計画は「ええとこ伸ばそ大阪の教育」ということで、作るに当たっては、学識経験者だけじゃなくて市民代表とかも入って、大阪のええとこを伸ばして、大阪で学び、そういう子どもたちのええとこを育むとともに、大阪に暮らす人のええとこをつなげて、大阪はええとこやと、みんなが誇りを持っている町にして、そこで育てて行こうやないかという視点が入っている。だから今回市・府の関係は別にしても、今回議論する中でも大阪としての観点も議論できたらなと思っている。特に学力調査で全国と大阪府を比較しているのを見ると、単に平均点だけで比べて高いとか低いとか言うよりも、もう少し中身を分析して、何がこういう低い原因になっているのかということをきっちりと分析した上で、教育振興施策につなげられるのかなと思う。
    あと、もう1点非常に気になったのは、高校学校の不登校の状況のデータで、不登校になったきっかけで無気力が極端に多い。先ほどから議論していて、グローバルにやらすべき方向性なので、いい人を得ようということの議論はいいが、こんなに無気力な人で高校行かない人もいるので、こういう人たちがなぜそうなるのかとか、そうならないような目標みたいなものが議論できたらいい。
  • (会長)
    おっしゃったようにやはり最後は大阪の色が出なきゃいけない。ここで挙げられているのは、大阪のいいとこだけ見るわけにはいかんよなと。例えばグローバル化というのは大阪はおそらく全国で一番グローバル化を考えないといけない町。特に近隣のアジア諸国、経済的な緊密な動きということになると、多分日本で1番か2番。歴史的に近隣のアジア諸国からもたくさんの人が来て住んでおられる。最近はニューカマーもたくさん来ておられる。これも内なるグローバル化。大阪の町そのものがグローバル化している。
    雇用環境の悪化も大阪は深刻。高齢化も大阪はスペシフィックではないけれども、入れとかないかんかなと。大阪は割と庶民的な、支え合いの、助け合いの意識が強かったというが、高齢化の中で孤立したお年寄りの話は大阪でも非常に深刻になってきた。こういうようなことも考えておかないといけないのかなと。大阪のことを論じてると、全国どこでもある部分もあるが、大阪ということで問題を絞りこんでやれればなと、そこはご指摘の通り。
    で、私もこれに加えていただきたいのは、言葉の上でね、社会で生きていくという、ただ仕事を持つ、現役でやっていく時期と、それから一応仕事を終わって、若干あってもやらないで、そうして生きていく時期がある。例えば60から70歳で仕事を離れたとしても、今は80から90歳まで生きるから非常に長い。それから実は、仕事をやっていても社会に生きるだけじゃなくて、自分の人生を生き抜くという部分があるわけですね。いずれにせよ、世の中でというだけではなくて、もう1つ自分の人生を生き抜くというのがあって、「我々の世界を生きていく力」と「我の世界を生き抜く力」と、この両方がこれから考えられないと、まさに世の中的に言うと有効に働いてくれる人はできるかもしれないけど、人生的に幸せな人生が過ごせるだろうかという話になる。2008年1月の新しい学習指導要領の中教審答申の中では、社会できちっとやっていける力と同時に、自分の人生をきちっとやっていける力ということを書き込んだ。それまで文科省から出ているのは、ずっと世の中ばっかりだった。そういう視点を入れていく必要があるのではないか。先ほどあった意欲がないとか、あるいは不登校になる、あるいは自殺をする等々、そういうネガティブな人生の問題。必ずしも世の中ってうまくいかないから自殺するんじゃない。エリートも自殺する。自分の人生、昔だと青年期にいろいろと本を読んだり、人生を友達同士論じたりというのはあったけれども、なかなか今はない。そうするとそういう場を作っていく必要があるのではないかということもあるんだろうと。図書館の充実から始まって、今指導要領の改訂の中では小学校から古典を入れていこうというのもそう。小学校も中学校も高校も古典を大事にしようと。古典との対話の中で自分の人生が考えられるようにする。それから全体的に、いわゆる文化と言われるようなもの、音楽、芸術等々含めて。音楽を上手にできるようになったからといって世の中でうまく働けるわけではないけれども、幸せに生きていけるためには不可欠な話。文化の問題というのを大阪府としてどういうふうに考えていくかということも出てくるのかなと思う。冗談めかした言い方で、大阪はすごい、文化がすごい、吉本文化が、という話があるけれど、それもいいけれど、もう少し広いものがないかという話。これが高齢化社会になると嫌でも出てくる。今日ここにおられる皆さんは現役だからあまり感じられないと思うが、いろんな同窓会に出ると、私の年代だと仕事を離れて3年5年10年という人がいる。そうするとやはり、若い時から人生を考えた人はちゃんとやっていけている。仕事一筋でやってきた人はなかなか大変。ですから、よき社会人になりゃいいというものではない。よき社会人にもならなきゃいけないけれども、よき人生を充実した形でやるというのを若いうちから考えていかざるを得ないのかなという気がしている。これをもし大阪でちゃんと考えて手を打っていければ、日本のモデルに大阪がなる。大阪はたくましい町だというイメージが昔からある。人間がたくましい。だけどもそのたくましさの底に、人生観とか、あるいは自分で自分を支えていく力であるとか、そういうものも必要なのかなと思ったりする。ですからぜひ、この辺大事な視点はいっぱい入っているけれど、そういう視点も含めてやっていただけたらなと思う。
    それから先程学力の話も出たが、私は学力にどうしてもこだわる。なぜかというと昭和30年代の全国学テで大阪はトップレベル。今や、平均からずっと下で、語弊があるが大阪と高知と沖縄が一番下を争うなんていうのは、はっきり言うといまだにこれは信じられない話。大阪っていうのは教育熱心な部分があって、こんなことになるはずじゃなかったという気がしている。これ単なる格差の問題ではない。大阪市内のとある学校では、学校ぐるみということで、すごく学力が上がってきている。親の経済的な条件が悪いと学力が上がらないという本がいっぱい出ているけど、誰でも知っている話。にもかかわらず、全国学力・学習状況調査で細かい分析していて、上がってきている例、文科省があまり詳しいものを発表しないもんだからあれですけれども、いろんな条件が悪いのに上がってきている例が全国的にある。親の条件も家庭状況も、すごく悪い。それから例えば自分で勉強する机すらないとか。ところが特にB問題でいい点を取る子がいる。アメリカなんかではエクセレントスクールという言い方をして、特別に注目している。日本ではそれについてのケーススタディをお金を出してやってもらっている。大阪にもあると思うが。そういういい事例をもっとクローズアップして、何がそういういい効果をもたらしているのか。国の方の分析はごく常識的で、行政の手の打ち方が非常にいいということで、強力な校長・教頭を配置したり、先生方の核になる人も特別に配置したりするなど、いろいろな形で経済的な支援をしている。そういうことも含めて、大阪は教育ということについて後塵を拝しているところではない、トップレベルだったところが今やこうなっているということを考えていただきたい。逆の例は秋田とか岩手とか青森。昭和30年代はその3つの県が最低。でも今は何でか分からないけど、秋田なんていつもトップの方。驚いているのは、青森。お父ちゃんお母ちゃんが季節労働に行って家におられないなど、いろんな条件が非常に悪いのに、成績はいい。何がポイントかと聞くと、大抵分からないと。つまり特効薬みたいなものが分からんとおっしゃるんだけれども、何かあるはず。そういうことも含めて、大阪がどうやったら少し子どもたちの学力、学力だけとは言わないけれど、学校は学力をつける所だから、楽しく通ってましただけじゃダメ。学力問題は書き方は難しいが、工夫しないと。
    それから今1つだけ申し上げておくと、あまり発表されてないが、大阪府内の市町村ごとに学力格差がものすごくある。変な意味で市町村の競い合いになっても困るし、町のイメージづくりになってはいけないと思うので、だから市町村の名前なんかは出す必要全くないし、地域も出す必要ない。ただ、多分よその都道府県に比べて大阪は差がかなり大きいのではないか、町ごとの違いが。そうするとやっぱりテコ入れをせんといかん地域を選んで、集中的にテコ入れするとか、いくつか教育振興として考えなくちゃならんことがあるのかなと思ったり、つまり、例えば投入する予算の傾斜配分みたいな問題も含めて考えないといけない。
  • (委員)
    資料の中に大阪の企業が求める人材ということで、産業別では製造業関係が最多で、職業別では生産工程等へのニーズが高いとあるが、かつては、特に製造業、大企業を中心に、企業内に中学校を出られた方の高等訓練校というのがあった。ここ数十年、高校進学率は上がり、大学進学率も上がって、工業系や工科系の高校からも進学するということで、高校のカリキュラムの中で、専門と言うか技術を教える内容が減っているのではないかなと。迎える側の企業としては、地元の大阪からと思った時に、ちょっと失礼な言い方かもしれないが、昔と比べてレベルが低くなっている、高い人ももちろんいる、たくさん採りたいけど採れないというのがある。専門技術を教える施設や先生の数とか、そういった問題がいろいろあると思うが、企業には企業に入ってから研修もある、研修施設もあるので、そういったのも使っていただけるし、先生が足りなければ企業から、出前授業という形でも交流できる。そういった視点で、進学しても全員が大学に行って全員がデスクワークをするわけではないと思うので、やはり日本の企業が海外に出て行ってそのあたりの指導をしようと思えば、現場のものづくりの分かった人が出て行く、あるいは大阪でものづくりをするにしても、そういった人が必要になるということで、進学率高いのはいいことだけれども、もう少し旗幟鮮明にした方がいいのではないかなと思う。
  • (委員)
    大阪の支援教育の充実に向けてという観点から、障がい等により支援の必要な児童生徒が増加してるという現状を踏まえた問題提起として、2点述べさせていただきたい。
    資料のグラフを見ても分かるように、知的障がいのある生徒が非常に増えてきている。この現象への対応として、平成25年4月から、4地域に新しい支援学校4校と、知的障がい高等支援学校職業学科の3校が順次開設されると聞いているが、それだけでは対応できないさらなる増加への対応策を検討する必要性があり、これは地域によっては深刻な状況になってきていると思う。その1つとして昨今他府県で試みがされている、高等学校に併設の高等支援学校という形態も選択肢の1つかなと思う。例えば高等学校のカリキュラムと支援学校のカリキュラムが、ある意味では連動していけるようなシステムということもその中で可能になるかと思うし、大阪の理念である「ともに学び、ともに育つ」という、そして多様な学びの場を提供するという意味では、高等学校にそういった併設型の高等支援学校の設置も選択肢の一つではないか。その際、共生推進校の成果というものをしっかり踏まえながら、新たなミッションということで、新たな形態を考えていく必要があるかもしれない。
    2点目は、発達障がいのある児童生徒の増加と、それに伴う多様なニーズへの対応についてである。高等学校が自立と社会参加に繋げる教育の重要な部分を占めるというところからすると、大阪が大事にしている幅広い学び、多様な学びを提供していくという観点からも、やはり、発達障がいの生徒を高等学校の中でどのように受け入れていくのかということを新しい課題として考えていく必要があるのかなと思う。その際に、学習面と対人関係・行動面両面の課題を有する発達障がいの生徒と、学力は非常に高いけれども対人関係面へのサポートが必要な生徒への対応を考える必要がある。後者の生徒は、対人関係上のサポートをしっかりすることによって特化した学力を伸ばしていくことが可能になり、非常に有益な学びを可能にできる。こういった視点から、前者へのサポートと後者へのサポートの両面の対応があると大阪の特徴になるのではないか。しっかり対人関係をサポートしながら、大学進学またはその分野の力を存分に発揮できるような、そんな仕組み・システムができればなと。例えばその1つとして、高等学校に多様な学び、多様な学科・コースというのが設置されている中に、発達障がいのある児童生徒をどのように受け入れ可能になっていくのかご検討いただくのも1つかなということで、発達障がいのある児童生徒への対応ということについての具体的な検討をお願いしたい。
  • (会長)
    この辺はまた事務局でもご検討いただきたい。
    先日の中教審の初等中等分科会の特別支援教育の在り方に関する特別委員会で、インクルーシブな方向にさらに一歩支援教育を進めるにはどうしたらいいかということで、これははっきり言うとお金と人手の問題もある。絵に描いた餅にはならないようにということで、多様な方々で議論していただいている。この中で、「合理的配慮」という言葉がキーワードになっていて、それぞれの所でもう一歩、知恵の絞りようがあるよねと。そして知恵を絞っていく中で一方的な要求だけではやっていけないし、同時に他方で、ない袖は振れない、やっていけない、社会全体でどのあたりで着地させたらいいのかということで、新たな形での合理的配慮という言葉が多用されている。これなんかもご検討になり、大阪府として一歩進んだモデル的なものはできないかという所から考えていけたらいいなと思う。
  • (委員)
    雇用関係の問題の中からお話しさせていただくが、キャリアデザイン教育はやっぱり必要ではないかと思う。子どもの頃に、大きくなったら何になりたいと聞かれたのが最初で、それが大学、そして今日ある所が、実はキャリアデザインであるのではないかなと思う。
    以前になるが、村上龍さんが書かれた『13歳のハローワーク』、面白い視点ではあるのだけれども、アプローチの仕方が特殊すぎるので一般的にはならなかったのかと思うが、すごく正しいなと思うことが2つほどあり、1つは、人間は誰でも働かなければいけないというふうに限定している。ハンディキャップのある方も一緒にできることをして社会に関わる必要があるということと、もう1つは、人間には好きなことや得意なことで働く人とそうでない人の2種類があり、早くから好きなものを見つけると、そのための勉強も楽しくなるねと書いてあるわけなんですけれど、そういう中になぜこの勉強が必要かというのを、子どもたちがさりげなくでも、あるいは好きになるきっかけでもいいので、こういう仕事に興味があるとか、こういう仕事の背景は何かというのを学ぶ機会があってもいいのではないかなと思っている。
    20年くらい前になるか、兵庫県が「トライやるウィーク」といって、職場に子どもさんたちをというので、私もそのころ商業施設の関係をやっていたので毎年、5人ずつ位受け入れていたが、ビラ1枚誰かにもらってもらうためにもどんなに苦労するかというのをやったり、掃除をしたりということやったが、彼らはそこを通して社会に関わる自分の両親の姿を見えるだろうし、働くことの厳しさも分かる中から、大人を見る目も違うのではないかなという気もするし、いろんな形でキャリアデザインの第一歩になるものだったのだなと思ったりしている。先生方も回って回って企業を選んで、こんなに手間暇がかかることが続くのか心配になって、今はずいぶん形も変わっているという話も聞くが、一方で子どもたちはそこで初めてキャリアデザインの第一歩がスタートしたのではないかなと思う。
    雇用環境が大きく変わっていくが、子どもたちにキャリアデザインの第一歩でも入っていくことによって、社会への興味、仕事への興味、そしてなぜ勉強するかというのが分かる一端になるような、そういうきっかけは作ってもいいのではないかと思う。
  • (会長)
    神戸のA少年の事件の後に緊急に置かれた会議があり、そこで子どもたちの時に今おっしゃるように、現実の社会に触れさせることが必要であるということで、トライやるウィークが始まった。5日間、それこそお菓子屋さんでいろんなことをして、厳しくやらして。これは大阪府も今おやりになっている。ただ、何でやっているのかとか、そこからどういう力をつけるのかというのは、実は兵庫県でも形骸化しているのではないかというのがあって、評価委員会みたいなのが開かれた。形骸化しやすいんで、今おっしゃったような、それこそ世の中にみんな出て働きをしなきゃいけない、それを垣間見ると。まずそれぞれ垣間見る所から自分の体験を見つめるような、そういうものですね。そのあたり必要かなと。
  • (委員)
    前回申し上げたこととも重なるけれども、学力やその他の能力を育てながら、今みたいないろんなアイデアを使って新しい策を打って行って、PDCAのサイクルを回していこうという時に、うまく進展しているかどうかのチェックをしなければならなくて、その時の指標がとても大事だということを、難しい話ではあるが、もう1回強調させていただく。例えばPISAの読解力のテスト、2000年と2009年を比較すると、日本の子どもたちの平均は確か522点から一時下がったが、再び520点に戻っていて、回復しましたねというように世間ではそう理解されているようだけれども、分布を見ると実はすごく山が下がっていて、できる方の層のレベル5以上と、レベル2以下の割合が増えている。つまり平均点だけ見ると2000年の時に戻ったような感じになるが、2000年とは大きく事情が違っていて、日本の子どもの格差が広がっているという結果になっている。平均点で見ると、先ほどもお話があったように、実は認識を誤る場合がある。健康を手に入れたいと思ってダイエットしたら不健康になってしまったという場合もあるように、体重という一つの指標だけで見ていくということは危険な場合がある。ただし、我々実は変化を追うテクノロジーをまだ持っておらず、どのようにその変化を経年で比較していったらいいのか、全国学力・学習状況調査もテクノロジーがちゃんと応用されていないのではないかと思っている。つまりどういうふうに学力の変化を見て行ったらいいのか、それが我々のやったこととどういう関係があるのかということが、引き続き研究していく課題になるのではないかと思う。このところであまり1つの指標に縛られ過ぎてもだめだし、複眼的に見ていく必要がある。これは難しい研究課題になるが。
  • (会長)
    今まで全国学力・学習状況調査は単年度でやっていて、経年比較が難しい。いろいろと議論があり、来年は悉皆に戻す。ただ悉皆に戻るだけではなくて、その中に経年比較させるための再度の小さな調査を組み込む。東北大の柴山先生という教育心理学の教授、統計の教授が指揮を執って今やっている。おっしゃるように、1つの指標だけで判断するのは非常に危険。例えばそういう意味で、全国学力・学習状況調査の、朝ご飯食べて来ましたかとか、歩きますかとか、いろんな質問が出て、関連で分析しているのはそのためなんですよね。それからもう1つ、論述式のテストのB問題。これも点数だけ比較しているのではない。例えば大阪の子どもはB問題の点数も良くないけれども、秋田の子どもと比べてどこが違うかというと、書いてないんです。秋田は間違っても書いている。そういう情報が小学校中学校の教室の中では役に立つ。もう少し書けるようにならんといかんよなあと。おっしゃる通り、1つの指標だけにとらわれるんじゃなくて、いろんなことを組み合わせて考えながら、大阪の子どもたちの力をどうつけていくかという所に持って行かなきゃいけないというように思う。
  • (委員)
    先ほど会長がご指摘になった、教える方法とかの仕組みを変える必要があるという点、それから海外留学者数が減少しているということに対する懸念、全くその通りだと思う。
    これを少し深めるとすると、問題を3つくらいに分ける必要があって、1つは、去年、京大で留学生枠がずいぶんあるのに定員割れし、それで大慌てでどうしてかというのを調査したら、その結果として一番の理由は、あまり興味がない、外国に行きたくないと。それから語学とかコミュニケーション能力に自信がない。もう1つは会長からもご指摘があったように、先端の科学・サイエンスをやる人たち、主に研究者が留学しないというのは由々しき問題というのは確かにある。それから3番目は、日本からの留学が減っているということと反対に、海外に行ったら韓国、中国がものすごく増えているという問題。
    最初の語学・コミュニケーション力の問題では、英語の教え方の問題がないだろうかという気が1つしている。実は、100年くらい前に日本で英語を教え始めた時に、2つのやり方をやった。ネイティブスピーカーの先生を連れてきて教えてもらう、これを正則と呼んだそうで、それから、それじゃとてもとても足りないので、日本人の主に漢文なんかやっていた先生が返り点なんかを打ちながら、漢文の読解と同じような形で教えるやり方を、発音なんかどうでもよく、とにかく読めりゃいい、これを変則英語と言うそうだが、今でも我々の英語教育は変則でやっているのかなという気がしないでもない。この辺を本格的に変えないと、海外でビジネスをやっていて、圧倒的に英語で議論ができない人が多い。頭の中で返り点を打って解釈していたら間に合いっこないのだから、頭を英語頭にしないといけないのに、そういうふうになっていない。その辺やはり本格的に、真剣に考える必要があるのではないかというのが1つ。
    それから、高校にお邪魔をして出前授業なんかをやると、生徒さんたちに「どう思いますか」と言うと、皆が「先生おっしゃる通りです」と言う。それはそれでいいのだが、もしかしたら我々の教育は正解を求めすぎる傾向があるんではないか。つまり、ユニークであることを尊ぶようなやり方ができないだろうかという気がする。2番目のサイエンスの問題は梶田会長ご指摘の通りで、どんどん出て行ってもらわなくてはいけない。
    3番目の留学と就業との関係で、実は外国と比べて何が決定的に違うかというと、大きく分けて2つあって、1つは留学をするということ、つまり学部レベルで留学をするということと、就職活動の時期との問題。今の学生の就職活動は、だいたい3年生の夏くらいからインターンシップが始まる。また、ほとんどの大学で交換留学等は3年生。ということは、学生さんにとっては留学をするということはある意味では就活を放棄するという意味に近いので、大変なマイナス要因。だから場合によっては2年生から出せるような仕組みにできないものかというのは当然考えられるべきだと思う。それからもう1つは留学と就業そのものとの関係。1つは、例えば中国では今年大体680万人くらいの大学卒業生が出るが、過去20年くらいでほぼ10倍くらい大学数を増やした。そうすると大学卒業生の付加価値、市場価値ががくんと下がった。で、そうするとどうするかというと、差別化をしなくてはいけないので、留学する。実際に、例えば上海では初任給3000元くらいだが、それに対して留学帰りの卒業生は4000元から5000元。つまり20から30%以上給料が高い。韓国の場合は、大学進学率が大体80%くらいだから、中国以上に大学卒業の市場価値はほとんどないと言ってもいい。そうするとこれも差別化をしなくちゃいけないということで、とにかく英語を学ぶという視点に立って、とにかく目の色が変わるくらい、皆さん子どもさんたちを英語塾に放り込んだりする。その結果どういうことが起こるかというと、そういうお子さんたちが大きくなって、韓国の場合は大変財閥重視の経済なので、そこに入る可能性が非常に高くなる。そういうわけで、実は就業と留学との関係において、留学をすると労働市場における価値がぐんと上がると。ところが日本の場合は、留学はほとんど関係ない。もちろん初任給も同じ。そういう意味では純経済学的に言うと、インセンティブが極めて小さい。それに対してリスクはとっても大きい。それから費用がとてもかかる。こういうことがもしかしたら背景にあるのかもしれない。
  • (会長)
    その辺りの仕組みの問題も、大阪府というレベルで何がやれるだろうかということも少しこれから考えたらと思う。

2)検討課題3:公私の切磋琢磨による大阪の高校の教育力向上について

  • (委員)
    小中高の教員に豊かな国際経験がなければ、グローバルな視点で教えることができない。そういう意味でも先生の実力を上げていくことが極めて重要になる。日本人の海外での議論下手は、言い換えると、先生方が英語で議論できる能力をあげてもらわないと、他国に追いつくほどの生徒の英語力を育めない。教員の大量退職・大量採用は、ある意味絶好のチャンスで、そのあたりを重点的に目配りをしながら採用を検討いただければ。
  • (会長)
    新しい学習指導要領が高校でも来年から実施されるが、その中で英語の授業は英語で行うことになっている。府立高校は大丈夫だろうかと少し心配で、私立では今までも語学に力を入れてきたようなので大丈夫だろうがという話も一部にはある。
    公立中学校卒業生の公私比率は、70:30から私立が32%ぐらいになった。私立の中学からの生徒も含めると生徒数全体では60:40ぐらい。したがって、大阪の子どもを考えるときに、私立の比重は大きい。そのあたりの状況も踏まえて、公立・私立ともに質の高い教育を行うようにもっていかないといけない。
  • (委員)
    私学と公立では建学の精神などで違う部分があるのは当然のことだが、違いをはっきりさせる必要があるのではないか。生徒にとって進路選択の際に分かりにくい。部活日本一など何々日本一を目指して校長にインセンティブを与えるなどどんどんやって、はっきりとさせていってほしい。今後は、設備の面からも経営の苦しい私学も出てくるかもしれない。
    先ほどもものづくりに関して話をしたが、昔は小学校の工作でよく彫刻刀で手を切っていたが、今はあれはだめこれはだめで、実験もあまりさせない。将来の職業に向けた実践のためにもどんどんやらせるべき。子どもをかばいすぎるのはよくない。
    最近一部の高校入試では文章力が求められるようだが、小中学校から読書や読書感想文とか作文をもっとやらせるべき。
  • (委員)
    アメリカのTeach For America(就学困難地域における大学を卒業した若者による学習支援)のようなプログラム、今の若者の雇用の問題や社会との関わりに機能する取組みであり、若い方々が指導することによって、もっと身近に将来像を描けるように、学力に対する信頼や自分の未来を形成する力というものを先生とは違った視点で教えることができるかもしれないので、そのような取組みを大阪独自でやっても面白いかもしれない。
  • (委員)
    公立・私立とも授業料が無償化されて切磋琢磨ということになったけれども、学びのセーフティネットということで格差が広がっている中で、私学も子どもが自立していくための学力を保障するのは公教育としての責務。私学は建学の精神で独自の経営をしているが、さらに無償化により公教育を担う立場になったときに、教育方針や教育指導の内容がいわゆるトップ教育エリート教育となっていても、そのような競争競争だけでなく、私学においてもすべての人に学びを保障して全体生徒の学力の向上を図るという観点や仕組みができているのかが大事。学びのセーフティネットということで、公立に対しては教育委員会が担っていたような全体の底上げをできるような仕組みになっているのか。行政の中で公私が連絡を取りながらやれるのかということが大事。
    今回、私学に多くの税金が投入されているわけだが、定員を超えて受け入れている学校もあると聞いている。受け入れたからにはきちんと責任を果たしてもらわないといけないし、定数を超えて受けいれて、お金が入った後は中退があっても知らないというわけにはいかず、責任をとっていかなければならない。
    また、私立学校の場合は、他に経営をされている学園全体の経営や財務状況によって、教育環境が左右される面もあり、質がしっかり保障されないといけなくて、そのためには情報公開が重要になる。公立であれば多くの情報が入手できるが、私学は情報提供を保障できるのか、さらに私学に情報提供を強制できるか、あるいは情報収集をできる仕組みになっているのか。そのあたりは公的なお金が入った見返りとして、要求もできるだろうし、責任がある。政策理念はいいと思うので、あとは現実問題として弊害が起きないような仕組みを作っていいただきたい。
  • (委員)
    私学の高校にも発達障がいや知的障がいの児童生徒が随分在籍している。相互補完的に公立と私立の間で転学もあり、再チャレンジという意味では交流もいいと思うが、消極的な意味での交換という形では切磋琢磨にならないと思う。そういう中で、教育課程や評価の問題、就労支援のノウハウ等を提供しあいながら、大阪の生徒という観点からの取組みが必要。
  • (委員)
    学校の競争というのは、どれだけ大学合格者を出したかというよりは、むしろ教育力。その学校の教育力は、「生徒がどう育ったか」で評価すべき。学力の高い子が入ってきて、そのまま出て行っただけなら、学校としては何もしていないのと同じ。非常に難しいと思うが、そういうことが評価できる指標ができないものか。公立も私立も色々な競争をしているので、指標を1つにするのはまずいと思うが、どういうふうに子どもが育って、それをいうデータで示すことができるのか。これからは、公私とも説明責任を果たしていく時代になっていくと思っている。
  • (会長)
    10年ほど前から私立高校の運営にも関わるようになったが、一般的に言うと、ホームページは私立の方が親切で色々な情報が出ていると思う。もちろん、公立もすごく工夫しているところもある。昔に比べると、どこの学校も情報が分かるようになった。また、私学は国の方針で財務情報も開示されている。
    もう一つ、公立と私立は本来は教育力で競い合わないといけないと思うが、公私の違いを保護者にお聞きすると、施設設備という声が多い。私立は冷房とウォシュレットがあると。公立も冷房のあるところもあるが、トイレのきれいさなど私立に比べるとかなわない。公立と私立が競い合う時代になって、府立高校では、今までは教育をやりやすいように電子黒板の導入などの議論はあったと思うが、これからは施設設備の快適さにも。これはお金のかかることなので、なかなか難しいかもしれないが。
  • (委員)
    公立と私立で競争するとしたら、公立高校の校長・教頭のマネジメントが拡大されないと創意工夫ができないのではないか。先ほど、指標を1つだけに決めるのは危ないというご意見があったが、多くの学校は「国公立に何人入れたか」を目標にしている。この指標は単純すぎると思うが、公立学校の校長が、知恵を絞ってうちはこれをやりたいという特色を出してもらえるようになると、公立と私立が競争できるようになる。
  • (会長)
    校長の裁量権で一番大きいのは人事権、いかにいい先生を集めてこれるか。
    府立高校では多様になって面白い学校が出てきている。報道では進学率ばかりが取り上げられるが、様々な活動が増えてきている。私立はユニークさで売っているので、公立も太刀打ちできるようにしていかないと。

3)検討課題4:教員の資質向上について

  • (委員)
    いろいろな生徒がいるわけなので、いろいろな先生がいて当たり前。公立学校の場合は、校長と教頭以外は新規採用もベテランも同じ先生。文鎮型というのか。新卒の先生がベテランの先生に色々と教えを乞う場面も多いだろうし、逆にベテランの先生が若い先生に教えてもらうことも沢山あると思う。同じ先生どうしを競争させるのもどうかと思うが、熱心な先生がいらっしゃるのだから、その先生方は評価を受けるべきだと思う。
    企業の場合だと一人ごとのキャリアプランなどがあり、10年後や20年後の姿を見通し、たくさんカリキュラムを用意していて自分で選択していくということをしているが、先生方も色々な研修会などがあって研究などされているようだが、どうしてもそのあたりは外からは見えにくく、先生方にもっと勉強してもらいたいという意見も出てくる。どうしても教育界は塀の中でやっておられるという印象がある。メンター制などを取り入れるような工夫もしながら、また、PTAや地域ともコミュニケーションができるような体制になればいいのではないかと思う。
  • (委員)
    新しい変化の時代にどうしていくのかという課題を学校は抱えている。同時に、先生方の年齢構成が大きく変わる時期でもある。従来の先生方が退職された後に若い先生が大量に入ってくるという事で、単純に考えると、50代の先生は給料が少し高いが、その方々が辞めた後に新しい20代の先生が入ってくるということは、少し人件費的には余裕ができるのではないか。そのような中で、実際には難しいことなのかもしれないが、教員の養成課程と新採の研修課程をどのように結び付けて、より効果のある教員養成、教員研修をしていくかという仕組みを作るチャンスではないかと思う。これまで通りのやり方で何もしないでいると、新しい課題に対応できる教員が育つのに時間がかかる。しかも現場は若い世代が多くなり、むしろ相対的に力が下がってしまう。これをチャンスに変えるには、50代の方が去られた後に余った人件費を少しでも研修に回してもらって、新しい養成教育との接続システムを作って行くということが考えられるのではないか。そこでは、単に今までの大学院の教育のようにそれぞれの学問を追求していくという事ではなく、今現場で立ち向かわなければならない課題にどう解決していく能力を育てられるような教育でなければならないのだろうと思う。そういった新しい教員養成プロセスや研修プロセスを作って行くチャンスなのではないか。
  • (委員)
    新しい教員養成システムを作っていかなければならないというご指摘はまさにその通り。
    特に、グローバル化に対応していくためにはグローバルな体験を積ませる研修制度を導入する必要があるのではないか。海外に1週間行った程度では分からないが、1年間そこで暮らしてみてわかるということがたくさんあるので、そういう経験を積んだ先生をできるだけたくさん養成することがぜひとも必要。そういう経験が無ければ英語でディスカッションできるような教育はできないと思っている。
    教員の年齢構成を見ると、極めていびつになっている点が問題。特に問題なのは、若い先生を採用するのは当然のことだが、30代後半から40代後半の先生の数がものすごく少ない。マネジメントを担う候補となる先生がほとんどいない。これは深刻な問題で、教えてくださる先生はもちろん必要だが、それをマネジメントする人たちの数が圧倒的に少ない。絶対数が足りない。これにいかに対処するか早急に考えないと深刻な問題が起こると思う。
  • (会長)
    付け加えて言わせていただくと、一番しんどいのは大阪府で採用した先生から大量に辞退者が出たこと。これがどうしても引っかかる。大阪の教育の面白さをどうアピールするか、アピールの仕方が足りないのではないか。逆に言うと大阪の教育に対するある種の不安や不透明感があるのでは。教員採用試験に合格するのは非常に大変なことであるにも関わらず、合格者が辞退するという事については本気で課題として考えなければならないのではないか。
    もう一つ、最近、大阪府の教員の集まりに顔を出すようにしているのだが、そこで感じるのが、先生方が他府県の先生よりもしんどい思いをしているという感想。しんどさというのは物理的なしんどさではなく心理的なしんどさ。頑張っても仕方がないのではないと言う先生がずいぶんいる。私としては、精神論で「教員になろうと思った時の初心を思い出して、色々あっても頑張りましょう」という話しかできないのだが、ちょっとよその地域に比べてしんどいと感じている人が出てきているように思う。逆に、大阪府として、大阪の教育界として、大阪の教育の面白さやビジョンを出して行かないとならないのでは。
  • (委員)
    企業で「うつ」になる人がたくさん出ると、マネジメントする側がクビになる。そこで働いている人たち、この場合は先生方が、生き生きと働けない、つまり、モチベーションがちゃんと保てない組織は全てマネジメントがまずいという事。ある意味、マネジメントをテコ入れする方策を検討する必要があるのではないかと感じた。
  • (委員)
    改めて検討課題4を観させていただいて、「大阪の教育力」向上プランで、公立学校の場合は目標として学校力を高めるということが大事になっていて、基本方針としては教員の力を高めるために授業力を高める、あるいは将来の管理職をしっかり養成する、熱意ある優秀な教員を確保するということが挙げられている。もちろん指導に課題のある教員への対応もあるが、どちらかと言えば、授業力と、あわせてチームで支援していく組織力、個人の資質を伸ばすということと、それを組織で支えるという形で学校力を上げようと取組まれてきた。気になるのは、公立学校の先生は教育センターなどで何年目研修等の形でフォローがあるが、私立学校の先生の資質や研修制度というのは誰がチェックしているのかということ。誰が教員の資質を保障するのか。公立学校の教員は転勤などを経る中で評価されていくが、私立学校の教師のレベルアップなどは私学だけで保障しきれるのだろうか。公私間の教員交流と書かれているが、それを真剣に考えていかないと、私学に学ぶ子どもたちのウエイトが7対3から今後更に増えていくことになると、公立と私学で、本当に差が無い形で教育が進められていくのかが少し心配であり、課題ではないかと思う。どういう対応をされているか、教えていただけるようなものがあれば、また教えてもらいたい。
  • (会長)
    研修については、公立は見えやすいが私立は見えにくい。お願いになる部分もあるが、できれば、公立の教員を対象とした研修などで、差支えないものがあれば私学の関係者も参加できるようにしてもらえればいいと思う。京都府は私学が少ないせいもあるが、ほとんどの研修を私学にも案内してオブザーバー参加のような形を取っている。
    私学の場合は都道府県を超えて研修を組織している。例えば、新しい学習指導要領になると細かいところが色々変わることになるが、日本私学教育研究所という私学団体がお金を出している研究所が主催する形で、私学はよほど情報を集めないとうまく教育ができないということで、私学の教務担当者が毎年これの研修会をブロックごとに実施している。また、校長の研修をブロックごとに行うなどある程度の研修は実施されている。ただ、公立に比べるとチェックシステムが無いのは事実。とはいえ、あまり私学を縛るわけにもいかないので、便宜供与という形で対応することになるのかなと思う。
  • (委員)
    資質向上という事でいくつか課題があると思うが、教員の年齢の大幅な違いが教育観、児童観や生徒観の違いになってしまうと一番困る。全体としての教育観や生徒観を統一していくことが必要だと思う。
    もう一つ、大阪府にも素晴らしい実践が様々あると思う。特に資質向上の中核になるのは授業に対するプロ意識であり、それにまつわる研修をしていくことだと思うが、そういった素晴らしい実践をしているにもかかわらず、大阪ではそういった取組みの発信が無い。関東ではすぐに全国発信したり本にしたりするのだが、大事なのは実践に終わるのではなく、それをまとめて報告し、全国レベルに発信すること。それが資質向上にもつながっていくと思うので、ぜひ、そうした発信というところも資質向上に入っていくといいと思う。
  • (会長)
    大阪での取組みが全国発信できるようなバックアップを大阪府としてできないかを考えていただけるといいと思う。
  • (委員)
    先ほどのマネジメントという点について、公立学校の場合、一度真剣に考えられても良いのではないかと思う。研修の問題も含めてなのだが、確かに、高齢の先生方が退職された後に、ある意味でまた別のチャンスが出てくると思う。民間からの採用も含め、今いる方の人材基準も含めてゼロから考えるような仕組みを作ってはどうかと思う。マネジメントという部分では、企業経営の流れで言うと、一人マネジメントに卓越した人材がいると、違った見方で今までの組織や流れを見ることができる。その中で、教育にふさわしいマネジメントの形を考えられると思うので、その中に民間の力を入れていかれると面白いのではないかと思う。

4)検討課題5:学校・家庭・地域の連携による大阪の教育力の向上について、検討課題6:安全で安心な学びの場づくりについて

  • (会長)
    私の見るところでは、随分と問題意識が高まっていて、取組みが進んでいるという印象を持っている。しかし、更にこういうことを、ということがあれば、ぜひ出していただきたい。
    地域の子どもの見守り隊について、大阪府内の各地でよくやっておられると思う。通学の途上で、PTAの人たちが出て、いろいろと子どもを指導するというか、安全なように見守っているのを見せていただいているが、うまく頑張っておられる。小学生なんかの集団登校についても、色々なところでご配慮いただいているなと感じる。といっても私が見たのは、北摂の、私の住んでいるところと近隣の町で見せてもらって、非常にうまく取り組んでおられるという感じはあったが、しかし更に、ということで色々あると思うので、皆さんに意見を出していただきたい。
  • (委員)
    他のところと関連するところがあると思うが、就学前の教育ということで、幼稚園のことをお話させていただきたい。まさに家庭の教育力と学校・地域の教育力の連動のはじまりの時期であり、この一番最初の時期が大事で、ここが充実するかどうかで、小中高へのつながりが随分と違ってくる。幼稚園から小学校への接続がうまくいくことによって、小学校の教育のスタートが随分と変わってくるという意味では、今まで進んできているが、まだまだ改善と推進が必要である。特に、先ほどから話題になっているが、幼稚園の私学と公立とでは圧倒的に研修の量や機会が違っている。つまり、情報の量が私学幼稚園の方がずっと少ない。しかし、幼稚園全体としては私学の幼稚園の方が数は多いところから、私学幼稚園における「支援が必要な子どもに関する研修」の機会を考えていく必要があると思う。障がいのある子どもたちの幼稚園時期の教育をしっかりしておかないと、小中高と随分課題が積み重なってくる。大阪では、障がいのある幼児が、通所の療育施設に通うより、通園療育施設の療育を受けながら幼稚園に通う傾向が多くなってきている。また、インクルーシブ教育の観点から、幼稚園の集団の中で育てたいというニーズが強く、幼稚園に気になる子が多く在籍しているのが現状。その中で、幼稚園、特に私学の幼稚園の研修制度と支援体制の充実と、就学前から、学校・家庭・地域の連動と教育力を高めていく取組が重要な課題になっていると思う。公立・私学のどちらの子どもも地域の小学校のスタートは同じであることから、教育の一番重要な入口である幼稚園教育、就学前教育の充実も課題の一つにしていただけたらと思う。
  • (委員)
    別の観点から。少子高齢化ということで、企業の側にとっては働く女性がこれからもどうしても必要になる。いろいろな問題があるが、若者の勤労観という意味では、結婚が遅い、しないという人もいるわけで、そういったことの一つには、待機児童が多いと。それで非常に困っている。預けるところがないから、もう1年休職するというようなことがある。
    それから、2人目、3人目の出産の問題もある。この場にはふさわしくないかもしれないが、根本的なところにそういう教育の問題があるので、どこかに一言ぐらい、付け加えてほしいと思う。
  • (会長)
    待機児童の問題は、地域で濃淡はあるが、何とか解消していきたいと思う。
  • (委員)
    以前、学校評価について考えたことがあって、大阪ではないが、先生が学校評価をやってよかったと言っているという話を聞いたことがある。色々な評価のデータが数値で出てくるので、もちろん、数値がすべてではないが、数値のいい点というのは、その数値をもとに話ができるということ。この数値は何なのかという話ができる。それまでは、なぜ話ができなかったのかというと、先生方がデータという形で示さないということと、専門用語がたくさん飛び交っているので、先生方が話していることを地域の人が聞いても何をしゃべっているのかよくわからないことがある。学校の先生にとっては当たり前の言葉が、実は地域の人にはそんなに馴染んだ言葉ではないということがある。そこで、どういう言葉がわかりませんでしたか、というのを全部聞いて、辞書みたいなのを作った学校もあった。やはり、コミュニティというのはコミュニケーションあってのことだと思うので、風通しを良くする工夫があって、然る後に絆ができてくる。地域の力を借りていくということの力が増していくのではないか。
  • (委員)
    検討課題5も、先ほどからお話があったように、大阪府は以前から取り組んでおられる。
    特に、家庭と地域との連携、生徒・保護者ニーズの反映による学校力の向上について、私もこういった委員会に入らせていただいていて、皆さんやあるいはPTAの方からお話を聞く機会があるが、「校長先生次第ですよね」というお話をよく聞く。それだけ校長先生の役割というのが大事で、校長先生がやりがいを持って、意欲を持って取り組めば、学校は変わっていくし、地域も変わっていくし、保護者も変わっていくと思う。しかし、それを校長のリーダーシップだけに任せても絶対にできないわけで、それをどうやって支えていくのか、あるいは、どのような教育委員会の役割があるのか、あるいは、教育委員会だけでなく、大阪府全体として、地域の現状であったり、地域が抱えている課題、環境も含めて、課題解決に向けて協力できるのかということ大事だと思っている。その時に、やみくもにやれるわけではなく、マネジメントというからには計画を立てないといけないと思う。そのときに、学校ごとの強み、弱み、あるいはどこを目指すのかということを、今も書いていただいているようだが、目標を立てて、しっかりと達成状況を評価して、次年度の計画に生かしていくという、PDCAのサイクルが非常に重要で、それを推進していく校長のリーダーシップが非常に大事だと思っている。校長がリーダーシップを発揮できるように、権限自体を強化するとともに、責任を負われる校長の処遇を検討していく必要があると思う。たとえば地域との交流を深めようとすれば、ほとんど町内や地域の行事に土曜も日曜も出られることが校長先生は多い。精神論だけではうまくいかないので、校長がやっていることに見合う処遇があって初めて、学校力も上がるし、地域、家庭との連携も強化できると思っている。

3.閉会

  • (会長)
    今日は時間が足りなくなったので、ここまでにしたい。今日の資料をもう一度見て、来週月曜日を目途に、事務局までご意見やお気づきの点を送っていただきたい。大阪の教育のことをトータルに考えているので、これを考え出すといろんなところにいくと思う。
    その上で、次の委員会までに事務局の方で、今日のご意見と後から送っていただいたものを踏まえて、教育振興基本計画の骨子案を取りまとめて出していただく。そして、次回は仕上がりの姿を想定しながら、詰めをしていきたいと考えている。
  • (事務局)
    次回は、8月22日(水曜日)午前9時30分より、府庁新別館南館のプリムローズ大阪にて開催し、大阪府教育振興基本計画の骨子案等についてご審議いただく予定。
  • (会長)
    それではみなさん、ありがとうございました。

以上

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