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南河内の農空間保全活動(棚田保全活動)
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美しい棚田をみんなで守る(棚田保全活動)
棚田の風景(千早赤阪村下赤阪地区 早乙女による田植えの様子)
棚田は山間や谷間の傾斜地に階段状につくられた水田の総称であり、傾斜20分の1以上の勾配となる水田と定義されています。
平野部の区画の大きな水田と比べると、棚田は地形上から営農条件が厳しい傾向にあります。
しかしながら、棚田は営農の継続により美しい景観を形成するばかりでなく、国土保全、洪水防止、土壌流出防止などの面からも我々の貴重な地域資源といえます。
府では多くの府民の皆様にその魅力に触れ合っていただきながら、保全していく取り組みを進めています。
下赤阪地区(千早赤阪村) 青崩(あおげ)地区(河南町) 持尾(もちお)地区(河南町)
下赤阪地区(千早赤阪村)
大阪府の唯一の村である千早赤阪村の北西部に位置する「下赤阪の棚田」は、日本の棚田百選のひとつであり、大阪ミュージアム(外部サイトへリンク)ベストセレクション「みどり・自然」部門にも選ばれています。
平成25年度には、第9回美の里づくりコンクールで、下赤阪棚田の会が「美の里づくりコンクール審査会特別賞」を受賞しています。
同地区内では水稲を中心とした営農が実施されていますが、後継者不足、農業従事者の高齢化により、営農はもとより農道・水路等の維持管理への労力が不足しつつあります。今と変わらず美しい棚田のある風景が未来に引き継がれるよう、地区内の農家の他、ボランティアの方々が長年活動を続けています。
現在、活動母体となる下赤阪棚田の会も高齢化が進み、保全活動の継承についても喫緊の課題となっていることから、平成25年度から27年度および29年度に大人の棚田塾が開講され、下赤阪棚田の会の後継者育成の試みも実施されました。
11月6日・7日に約3千個の灯ろうによるライトアップが行われました。同時開催の物産展やコンサートなどとあわせ、幻想的な棚田の世界をお楽しみいただけました。
(主催:一般社団法人olDMore 夢灯りHP(外部サイトへリンク))
下赤阪の棚田の四季の写真や動画を以下のリンクで公開しています。ぜひご覧ください。
下赤阪の棚田 ドローン動画集
地区概要
- 所在地 南河内郡千早赤阪村東阪・森屋
- 農地面積 6.1ヘクタール
- 農家戸数 15戸
- 平均勾配 6分の1
- 活動組織 「下赤阪棚田の会(農家及び大人の棚田塾卒業生で構成)」(平成11年度から)
主な活動
- 草刈、水路、農道等の点検・補修などの共同活動
- 棚田ふるさと・ファンクラブや大阪府立大学学生ボランティアとの共同による草刈り、コスモスの種まき、ジャガイモやサツマイモの植付けと収穫
- 「早乙女田植え」、「棚田夢灯り」の開催
6月になると田植えが始まります
天気の良い日は田面が輝いて美しいです
棚田周辺は秋になるとコスモスが咲きます
棚田を守るための色んな取組みをしています
地区の農家の方だけでは維持が難しいです
沢山の協力があってこその美しい棚田です
棚田夢灯り
灯ろうによる棚田ライトアップ(左から、近景、夕暮れ時の様子、日没後の様子)
会場への誘導路には竹灯籠も使用しています
農産物の販売も好評です
ライトアップされた棚田を背景に音楽も楽しめます
青崩(あおげ)地区(河南町)
青崩地区は、河南町の最南端、水越峠を抜けた向こう側は奈良県というところに位置しています。周辺の山からの水が集まる水量豊富な水越川が地区の中を流れ、川の両側の急峻な斜面に棚田が存在しています。
先人たちが切り開いてきた棚田を守り現在も水稲栽培が盛んですが、地区内の農家の高齢化が進み、今後耕作放棄地の増加が懸念されています。青崩棚田保存会はこれら遊休農地の解消、未然防止を目的とするとともに、耕作道沿いに山桜や紅葉を植樹するなど、棚田の景観保全にも力を入れています。また、次世代を担う子供たちを対象に体験学習などを実施し、農空間の大切さを伝えるための取組みを行っています。
青崩地区の棚田保全活動の様子はこちら(青崩地区の棚田保全活動)
大阪芸術大学学生による活動の様子はこちら(青崩棚田キャンパス活動: R元年度 H30年度)(参考:おおさか農空間づくりプラットフォーム)
地区概要
- 所在地 南河内郡河南町上河内(青崩)
- 農地面積 1.38ヘクタール
- 農家戸数 11戸
- 平均勾配 7分の1
- 活動組織 「青崩棚田保存会(農家、住民、大学等で構成)」(平成25年度から)
主な活動
- 地域住民や大阪芸術大学学生ボランティアとの協働作業による水路の清掃、草刈り、耕うん
- 幼稚園児による田植え・芋ほり体験
- 耕作道沿いの植樹活動
高低差があり保全作業は本当に大変です
水を張った田んぼに空が映えます
田んぼの中をへびが泳いでいます
幼稚園の子供たちの田植え体験の様子です
サツマイモの芋ほり体験もしてもらいます
事前の準備もかかしません(芋の植付け)
持尾(もちお)地区(河南町)
持尾地区は、河南町東部の山間部に位置し、古くは1332年に楠木正成が築いたと言われる持尾城のあった時代から山間の集落に隣接した棚田で米作りが行われてきました。他地区と同様、春には水を張った田が美しく輝き、夏は青々と茂る稲が人々を魅了し、秋にはたわわに実った稲穂があたり一面を黄金色に染めます。一年を通じ、そんな棚田の魅力を存分に感じ取れる美しい地区です。
しかし、近年農業に従事される方が様々な要因で不足し、また、棚田への耕作道が狭く高低差もあることから、管理が行き届かない農地が増加し、隣接農地にも支障を来してきています。今後も耕作放棄地は増えることが予想され、保全活動が急務となっています。
持尾棚田保存会はこれら農地を協働で耕うん・作付けすることにより、遊休化を未然に防いだり、草刈、耕作道・水路の補修などを行い、農空間の保全に取り組んでいます。
地区概要
- 所在地 南河内郡河南町持尾
- 農地面積 1.99ヘクタール
- 農家戸数 10戸農家戸数
- 平均勾配 10分の1
- 活動組織 「持尾棚田保存会(農家、住民、NPO等で構成)」(平成26年度から)
主な活動
- 耕うん・田植え・稲刈り等の協働作業による遊休農地の未然防止
- 水路・農道等の点検、補修
- 獣害被害防止のための対策
山間の細い道を通り抜けた先にあります
里山と一体の美しい農空間です
厳しい冬も終わり春が近づいています
保全のため何でも自分たちで作業します
舗装完成後の農道です
里山と一体の保全を意識しています
「棚田・ふるさとファンクラブ」について
大阪府では、棚田地域を保全するために「棚田・ふるさとファンクラブ」という参加型の棚田保全活動を進めています。千早赤阪村下赤阪地区においてもファンクラブの皆さまに支えて頂きながら棚田保全に取り組んでいます。下赤阪地区での主な保全活動をご紹介します。
「棚田・ふるさとファンクラブ」の詳細はこちら(農政室整備課リンク「棚田・ふるさとファンクラブ」
農地や法面等、周辺の草刈り作業の様子
秋のコスモスもボランティアの協力によります
毎年恒例のライトアップも支えています
棚田の維持のため保全耕作をしています
保全耕作で出来たジャガイモ
ファンクラブの皆さんの支えがあってこそです