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2.災害に強い森林づくり
昨今、気候変動に起因する台風被害や豪雨災害などが頻発しており、山と住居が近接する大阪府においては、防災に配慮した森林づくりがますます重要な課題となっています。
(1)保安林の指定
森林は良好な生活環境の保全や災害の防止に大きく寄与しています。大阪府では、こうした森林のうち、水源のかん養や土砂の流出の防止など、特に重要な役割を果たすべき森林を保安林に指定し、期待されるはたらきを維持増進できるよう努めています。
保安林であっても、過密なスギ・ヒノキ林など、林床まで日光が届かない森林では、林床の植生が乏しく、土砂の流出・崩壊抑止機能が低下していると考えられます。そのためこのような森林では、間伐等を行い、林床植生の生育促進を図るとともに、根系の発達を促します。
間伐前 |
間伐後 |
(2)治山事業における大阪府内産間伐材の活用
木材の利用は、林業・木材産業の持続性を高め、森林の適正な整備に寄与します。大阪府では、府内産間伐材などの森林資源を有効活用した工法を積極的に採用し、自然景観との調和を図りながら、災害に強い森林づくりを進めています。
残置式木製型枠の治山ダム(能勢町上杉地区)
作業歩道(島本町大沢地区)
(3)山地災害危険地区
大阪府では、梅雨前線豪雨、台風期の豪雨、集中豪雨等で山腹崩壊や土石流が発生する恐れのある地区を「山地災害危険地区」に指定し、公表するとともに、治山ダムの設置などの対策を進めています。山地災害危険地区には、山腹崩壊危険地区、地すべり危険地区、崩壊土砂流出危険地区の3つの種類があります。